会員事務所の声

関与先・職員と離ればなれになっても信頼関係をつなぎ続けた

2012.01.16  (1/3ページ) 東日本大震災への対応

税理士平間廣事務所 平間 廣(東北会福島県支部)
平間 廣会員

平間 廣会員

取材日:平成23年10月25日(火)

36年前から福島県南相馬市に事務所を構える平間廣会員は、福島第1原発の事故により約1ヶ月間の避難生活を余儀なくされながら、その間も関与先や職員との連絡を絶やさず「絆」を保ち続けたという。平間会員に、震災復興に向けた事務所経営や関与先への支援状況について話を伺った。

巡回監査帰りの職員が老女を救出

 ──地震が起こったときは何をされていたのですか。

 平間 私は事務所にいたのですが、震度6弱の凄い揺れだったので椅子に座っていられず、職員に「全員机の下に入れ」と指示を出して自分もすぐに隠れたんです。時間も長くて、まるでジェットコースターに乗っているような感覚でした。
 天井まである大きな本棚がずれて本が落ちてきましたが、幸いパソコンなどが床に落ちて壊れるということもなく、地震そのものの被害はたいしたことありませんでした。
 津波は海岸から約1.5㎞、事務所の近くまで到達していたそうですが、全然気がつきませんでしたね。外出していた職員が戻ってきて「津波がすぐそこまで来ていますよ!」と教えてくれて驚きました。結局南相馬市では、海岸近くの方を中心に600人以上が亡くなったそうです。

 ──巡回監査に出ていた職員さんは皆さん無事だったのですか。

 平間 その日は7人の職員が巡回監査や税務署への書類提出のため外出していたのですが、幸い誰も津波に巻き込まれることはありませんでした。
 ただここまで津波が来るとは思っていなかったので、実は危なかった。というのは、地震のあと職員をすぐに自宅に帰さず、午後5時くらいになってから帰宅させたのですが、もし3時頃に帰していたらちょうど海側の道路を通って津波にやられていたからです。
 また当日外出していた職員には、その時の状況を書いてもらいました。

・関与先から6号線(南相馬市を南北に貫く幹線道路)までは問題なかったが、6号線からは警察官がそれ以上浜に向かえないように立っていたので、仕方なく裏道を通って事務所に戻った。

・関与先社長と面談中に地震が発生し、4時に事務所に向かった。途中の道路に船が転がっており事態が飲み込めなかった。

・関与先から6号線で事務所に戻る途中、海の方角から土煙をあげて迫ってくる津波を目撃。津波に流された車の中から老女を救出し事務所に戻った。

 ──事務所に戻る途中、人命救助をしていた職員さんがいらっしゃったのですね。

 平間 私も後で聞いてびっくりしました。他に、税務署に書類を提出に行っていた女性職員は自宅が心配になって一度帰ったそうですが、自宅で津波に遭遇し20mくらい車が流されたそうです。幸いその職員は無事でしたが、祖母の方が亡くなってしまいました。

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