税務官公署出身会員に聞く

楽しく仕事のできるチームワークの良い事務所を目指す

須貝周一税理士事務所 須貝周一会員(東北会山形県支部)
須貝周一会員

須貝周一会員

縁があって先達TKC会員の事務所を承継した須貝周一会員。TKC入会の最大のメリットを「事務所経営の方向性を示してもらえること」と語り、積極的に関与先の自計化に取り組んでいる。

税務職員時代に若いチームで大きな成果

 ──退官までのご経歴をお聞かせください。

 須貝 私は山形県長井市近くの小さな町の出身で、高校卒業後すぐ税務職員採用試験を受け、最初は東京都内の税務署に配属されました。数年後、父が体調を崩したため地元への異動願いを出し、仙台国税局に戻ってからは花巻、山形、酒田、郡山といった管内の税務署で、主に法人課税と総務関係の部門で仕事をしていました。期別は普通科の28期です。
 退官のきっかけは平成17年に事務所承継のお話をいただいたことでした。当事務所は、この地域のTKC会員の草分け的存在である梅村富治先生が開業した事務所で、梅村先生はご高齢のため事務所を継いでくれる税理士を探していました。そして共通の知人を通じて打診を受けたのです。
 私は当時55歳で、退職後は税理士として仕事をしたいと考えていたので、ありがたくお受けすることにしました。すぐに入所して実務を学ばせていただき、平成22年に梅村先生がお亡くなりになったため事務所を承継しました。

 ──事務所の概要を教えてください。

 須貝 現在、税理士は私の他に1名、職員は産休中のスタッフを含め9名、総勢11名の事務所です。月次巡回監査対象のお客さまは約130件あります。
 経営理念は「楽しく仕事をして、お客さまに喜んでいただく」ということです。というのは、税務職員時代は仕事の後に職場のみんなで飲みにいったり麻雀をしたりするなど、公私にわたって密度の濃い付き合いをしていたので連帯感が生まれ、その楽しい雰囲気がチームワークとなって仕事でも活きることが多かったのです。
 特に印象深いのが酒田税務署での経験です。偶然同じ法人課税部門の年配職員の退職が重なり、一番上の先輩でも私より4歳年上という若いメンバーがそろったことがありました。
 その時に部門として高い目標を掲げて取り組み、署ができて以来の大きな成果を残すことができたのです。楽しく仕事をすれば大きな目標でも達成できるし、感動も味わえる。この時の経験は、今の事務所経営にも活かせているのではないかと感じています。

TKCは事務所の方向性を示してくれる

 ──TKCに入会されたご感想は。

 須貝 退官前からTKCの存在は知っていましたが、理念や活動内容まで理解していたわけではなかったので、入会後は会員の業務品質の高さや、ニューメンバーズ・サービス委員会等のフォローの手厚さに驚きました。
 一番ありがたかったのは、事務所の方向性を示してもらえることです。つまり、いま社会はどういう情勢で税理士業界はどのように変わっていくのか、それに対し何をしなければならないか。例えば会社法改正や認定支援機関、マイナンバーといった制度など、地方ではなかなかその重要性を実感できないことを、支部例会やセミナーなどの機会に教えていただけるのは、本当に貴重だと思います。

 ──TKCシステムについてはいかがですか。

 須貝 現在、お客さまの自計化に特に力を入れています。当事務所には梅村先生の代からお付き合いのある歴史の長い会社も多いのですが、年配の経営者はどうしても記帳代行から脱却できず、PCさえ使わずいまだに手書きで経理をしているところも一部残っています。事務所を引き継いでからそうしたお客さまの自計化に取り組んでおり、少しずつですが成果が出始めているところです。

 ──どのように提案されるのですか。

 須貝 「なぜ自計化をするのか」を丁寧に説明するところからはじめ、徐々にですが経営者の意識改革ができてきて、会計数値は単なる結果の集計ではなく経営に活かせるツールであることを分かっていただけるようになってきました。さらに自計化の対象企業を選定した上で、毎月1日の所内会議でその進捗状況を確認しています。
 先日、自計化の効果を感じる事例がありました。ある呉服店では一時期売り上げが落ち込んでしまったのですが、自計化システムを導入し数字を見て経営をするようになってからは、仕入先を見直して原価を抑えるだけでなく、呉服以外の若い人向けのファッションを取り入れるなど経営全般に工夫が見られるようになり、売り上げが回復したのです。
「事務所総合力」を考えると、まだまだ継続MASや書面添付が少ないという現状にあるので、今後の課題として取り組んでいきたいと考えています。

税務署出身会員のつながりは「宝物」

 ──関与先拡大の展望はいかがですか。

 須貝 拡大ルートはお客さまからの紹介がメインですが、最近は企業自体が少なくなり長期的には厳しい状況といえます。今後は金融機関との交流会や経営者の会合などに積極的に参加するなど、お客さまの紹介につながる人脈づくりにも力を入れていきます。
 一方で資産税関係の相談は増加傾向にあるので、今後はそうしたニーズにもしっかり応えられる事務所体制を構築しなければならないと考えています。

 ──今後の目標を教えてください。

 須貝 一つは事務所の継続です。私がいつリタイアしても職員が困らないよう、有資格者の採用や職員育成など事務所継続に向けた打ち手を考えています。
 もう一つが税務署出身会員同士の連携強化です。先ほどもお話ししたように、期別や職種が違っても同じ税務署にいたというつながりは「宝物」です。東北会の税務署出身会員の絆をいま以上に大切にして、会員増強やお互いの事務所の発展につなげられればうれしいですね。

(TKC出版 村井剛大)


須貝周一(すがい・しゅういち)会員
平成17年に梅村富治会員の事務所に入所し、同21年にⅢ型会員として入会。
平成22年に事務所を承継し須貝周一税理士事務所を設立。
須貝周一税理士事務所
 住所:山形県長井市新町14-29
 電話:0238-84-2505

(会報『TKC』平成27年7月号より転載)

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