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販売管理や在庫管理のシステムのほか、大手物流会社のロジスティクス拠点(倉庫)の物流管理をつかさどるシステム開発を得意とするのが、プラス・アルファだ。鵜飼誠司・前社長(代表取締役)と後藤雅実社長の2人に、TKCシステムを使った財務戦略などについて聞いた。

ユーザーに寄り添ったシステム開発が持ち味

──ソフトウエア開発をされているとか。

鵜飼誠司・前社長

鵜飼誠司・前社長

鵜飼 物流管理のソフトウエア開発を最も得意としています。海貨業におけるコンテナ輸出業務を支援するシステムや、荷主会社の求車(空車検索)と輸送会社の求貨(貨物検索)をネットワークで結ぶ求貨・求車システム、あるいは倉庫内の業務を総合的に管理する倉庫管理システム(入出庫管理、在庫管理、作業進ちょく管理等)などの開発を手がけています。

後藤 基本的にオーダーメードでの開発で、依頼主が必要としているシステムを一緒に作り上げていく感じです。直接のお客さまで多いのは、大手物流会社さんや、そのグループ子会社の情報システム会社さんなどです。またその一方で、販売管理や在庫管理のシステムをさまざまな業種の会社に対して提供することもしており、こちらも一定の評価を得ています。

──会社の強みといえば何ですか。

後藤雅実社長

後藤雅実社長

後藤 お客さまに対する提案力だと思っています。言われたものだけを作るのではなく、こちらからもいろいろ提案しながら、お客さまにとって本当に使い勝手のよいシステムを提供する。社名のプラス・アルファにも、より良いものを提供していきたいという私たちの思いが込められています。

──そうなると、お客との打ち合わせも多そうですね。

後藤 ええ。例えば物流システムの場合なら、お客さまの倉庫を単に見せてもらうだけでなく、その倉庫内で行われている作業を実際にやらせてもらい、「みんなが何に困っているのか」「どんなシステムがあれば作業効率が上がるのか」などを考えることもあります。倉庫によっては、若いスタッフばかりのところもあれば、年配のスタッフばかりのところもある。そうした情報を判断材料に、作業で使うタブレット端末に表示する文字の大きさなどを決めていったほうが、確実によいシステムができあがるのです。

──会社の設立は約20年前だったそうですね。

物流管理のシステム開発を得意とする

物流管理のシステム開発を得意とする

鵜飼 前の会社を脱サラした同僚5名でプラス・アルファを創業しました。当時は、IT業界にとってどん底の時期。景気の悪化によって、どの会社も情報システムへの投資を大きく減らしていました。このまま会社に勤めていても先が見えないと判断し、自分たちでやっていくことを選びました。
 その後、運良くまた国内景気が盛り返し、私たちの会社も成長軌道に乗ることができました。懇意にしてくれる取引先を増やすことができたのは、やはり納品先の企業で働くスタッフにとって本当に使い勝手のよいシステムを作り続けてきたからだと思っています。
 例えば、倉庫で働く人たちは大きくて分厚い手袋をはめて作業をしていることも多い。それを知らずに、管理職の人だけとの打ち合わせでシステムを作ってしまうと、手袋をはめたままではボタンが押せないタブレット型の端末ができあがったりしてしまう。そんな事態を避けるためにも、とにかく現場の声に耳を傾けることが大事なのです。

──いま開発部門には何人くらい在籍しているのですか。

後藤 正社員のSE、プログラマー25名のほか、協力パートナー企業から十数名の開発スタッフが応援に来てくれています。つまり約40名体制で開発に従事しています。

「月次決算」をベースに予算と実績の管理をする

──TKCシステムを使うようになった経緯は……。

鵜飼 創業当時からお世話になっている岡田(紀夫税理士)先生の勧めで、10年前に『FX2』を導入しました。
 会社を立ち上げたときに最も不安視していたのが、税務、給与、人事などの間接部門的な仕事でした。プロの手を借りてまずはそこから固めていこうと、あちこちの会計事務所に電話をかけたのですが、なぜか「いま忙しいから、またかけ直してくれ」というところばかり。ちょうど確定申告の時期だったようで、それどころじゃなかったようです。そんな中で例外的に、温かく対応してくれたのが岡田先生の事務所でした。以来、社会保険なども含めたさまざまな相談事に乗ってもらっています。

岡田紀夫顧問税理士

岡田紀夫顧問税理士

岡田税理士 TKCシステムを使った関与先企業の自計化を事務所をあげて推進していこうという、私たちの方針をすぐに受け入れてくれた鵜飼さんたちには今でも感謝しています(笑)。

──『FX2』を使った業績管理のポイントを教えてください。

後藤 毎月の予算と実績とを比較検討していくやり方をベースにしています。まず期首に単年度計画(予算)を策定し、目標とする売上高を決めます。その目標に対して、どれだけ到達できているかを見ながら、会社のかじ取りをしていくイメージです。
 その前提になっているのが、「月次決算」です。月末に締めた後、翌月の初めには1カ月間の実績が正確にわかるようにしています。

──予算はどのようにして作るのですか。

佐橋靖貴税理士

佐橋靖貴税理士

後藤 期が変わる前に営業担当がお客さまのもとに訪問して、来期の情報投資額がどれくらいかをざっくりとつかんできます。たとえば、あるお客さまが年間予算で10億円あるとすると、そのうちの4割か5割を当社で使ってくれるのではないかといった経験則で判断し、プロジェクト(顧客の案件)単位でそれを予算化していきます。
 ちなみに売上高をベースにして考えているのは、ソフト会社の場合、多大な在庫を持つわけでもないので、売り上げが伸びていれば自(おの)ずと利益もついてくるという事情からです。売上高の数字さえ見ていれば、どのくらいの利益を獲得できるかはほぼ分かります。

佐橋靖貴税理士(監査担当) プラス・アルファさんは今期、かなり強気の売り上げ目標を立てています。最初、その数字を聞いたときはさすがに目標達成は難しいのではないかと思いましたが、半年以上過ぎた今では「決して届かない数字ではない」と思えるようになりました。それくらい好調ですね。

《変動損益計算書》を使って外注費の推移に目を光らせる

──《変動損益計算書》の数字で特に注目しているものは何ですか。

後藤 「外注費」です。つまり、パートナー企業から応援に来てもらった開発スタッフの人件費です。変動費である外注費が増えればその分、限界利益が少なくなります(限界利益=売上高-変動費)。なので、いかに外注費を適正な範囲内にとどめておけるかが、重要なチェック項目になります。

──会社の業績を良くするために取り組んでいることがあれば教えてください。

会社風景

後藤 お客さまが来期、どのようなITインフラ投資を考えているかをいち早くつかみ、それを確実に自分たちが受注できるように頑張っていくことでしょうか。これまでラック式だった倉庫を自動式に変える、あるいは複数の倉庫を1カ所の物流センターに集約するといった動きのなかで、お客さまはシステムをレベルアップさせていく必要があります。それらのシステム開発のニーズをしっかり捕まえていくことが、とにかく大切なことだと考えています。

──今後の抱負は?

後藤 実はこれからの10年間で会社の規模を3倍にしたいという経営ビジョンがあります。具体的なプランはまだ考えていないのですが、いま中堅どころの社員が何人もの部下を統率するピラミッド型の組織にするためには、それくらいの会社の規模が必要なんです。そのためにも東京への進出や、自社オリジナルのパッケージソフトの開発などに挑戦していきたいと思っています。

(本誌・吉田茂司)

会社概要
名称 株式会社プラス・アルファ
創業 1997年5月
所在地 愛知県名古屋市中村区名駅南1-24-8
原ビルディング 701号
売上高 約3億円
社員数 26名
URL http://www.plusa.co.jp/
顧問税理士 岡田紀夫
税理士法人 創経
名古屋市西区牛島町6番1号
名古屋ルーセントタワー36階
TEL:052-581-0080
URL:http://www.sohkei.com/

掲載:『戦略経営者』2017年1月号