「モバイルファーストインデックス」によって、スマホ向けのウェブサイトについてもSEO対策が必要になると聞きました。詳しく教えてください。(ゴルフ用品販売店)

「モバイルファーストインデックス(以下MFI)」とは、昨年11月にグーグルが発表した、検索順位の決定に際して、評価対象を従来のPC向けサイトから、モバイル向けサイトに変更するという新しい方針で、早ければ2017年内にも導入される見通しです。

 グーグルが、モバイル向けサイトを重視する方針を明確にした背景には、近年の急速なスマホの普及によるスマホからの検索件数の増加があります。15年時点ですでにスマホからの検索比率はPCのそれを上回り、年々増大しています。しかし、現状では検索結果に表示されるサイトが、画面の小さいスマホでは見づらいPC向けのレイアウトであったり、スマホ向けサイトにはPCサイトに掲載されている情報が載っていなかったりと、スマホユーザーの期待に十分に応えていないケースがままあります。グーグルは15年4月に「モバイルフレンドリー アップデート」(モバイル向けに最適化されているサイトを評価し、検索結果で優遇する)というプログラム変更を実施しましたが、今回のMFIは、その延長線上にあると言えるでしょう。

スマホ対応が必須に

 17年6月時点で、グーグルは世界で92%、日本では実質95%の検索シェアを持っています。これは、ネットで何か調べたり、探したりする際、ほとんどの場合グーグルが使われているということです。一部の大企業、有名ブランドを除くと、「グーグルの検索結果で上位に表示されるかどうか」が、企業のウェブサイトへの訪問数を決めてしまうと言っても過言ではありません。

 MFIの導入は、キーワード検索の表示順位に影響することが予想されますが、インターネット全体でスマホ比率が高まっていることからも、ウェブサイトのスマホ対応は急務と言えます。

 スマホに対応したウェブサイトを作るには、大きく2つの方法があります。
 ①PC向けサイトとは別に、スマホ向けサイトを制作する。
 ②レスポンシブ・ウェブデザインを採用したサイトを制作する。

 スマホ向けにデザインされたサイトを制作するのは合理的です。しかし、PC向け、スマホ向けといった複数のサイトの制作・管理は、中小企業にとってはかなりの負担となるでしょう。また、2つのサイトの情報が同期されない懸念もあります。

 それに対して、「レスポンシブ・ウェブデザイン」を採用したサイトは、運用負荷の軽減という点で大きなメリットがあります。レスポンシブ・ウェブデザインとは、単一のサイトを制作するだけで、スマホ、PC、タブレットなどアクセスする端末によって最適な表示となるよう自動的にデザインが調整される仕組みです。当社では、『Smartpage』という最新のサービスがレスポンシブ・ウェブデザインに対応しており、ご好評いただいています。

 日頃から自社のサイトがスマートフォンでどのように表示されるか確認し、訪問者に対して、適切な情報が意図した形で表示されているか、チェックを怠らないことも大切です。この点もぜひ忘れないでください。

掲載:『戦略経営者』2017年8月号