ユーザーインタビュー

有限会社生き活きサポート 様

有限会社生き活きサポート 様

右から、岸田税理士、高橋社長、高橋純子さん

高齢者を笑顔にする
介護用品店の情報開示

有限会社生き活きサポート 高橋勝社長
岸田税務会計事務所 岸田亜矢子税理士

 江戸時代には「西新井大師」の門前町として発展した、足立区西新井。その場所で『介護用品の店 いきいき』を運営しているのが、生き活き(いきいき)サポートだ。店の外観は一見すると、和風モダンなカフェかそば屋のよう。「福祉用具(介護用品)のレンタルを主力としている会社の店舗としては、珍しいデザインかもしれませんね」と、高橋勝社長(50)は笑顔を見せる。

 同社がレンタルしているのは、介護保険の対象にもなる電動ベッド、車いす、シルバーカーなど。レンタルの他にも、ポータブルトイレや入浴補助用具(浴槽内いす、浴槽用手すり)などの販売や、住宅改修(手すりの設置等)も手掛けている。

「当日対応」が最大の武器

電動介護ベッドや入浴補助用品などの福祉用具をレンタル・販売する

電動介護ベッドや入浴補助用品などの福祉用具をレンタル・販売する

 主な営業地域である足立区内には古い団地がいくつもあり、高齢化率が高い。福祉用具のニーズが確実にあることから、周囲には競合する会社がたくさんある。そうした中で高橋社長が自分たちの強みとして打ち出しているのが、「当日対応」だ。

「つまり、〝今日の今日〟動きますよ、ということです。利用者の方には、小回りの良さを評価してもらっています」

 実は福祉用具の店にとって、当日対応はなかなか難しいところがある。スタッフがシフトを組んでスケジュールにもとづきながら配達・回収をしていることから、その日に急に入った仕事に対応するのは意外と大変なのだ。たとえば「電動介護ベッドをレンタルしたい」との依頼を受けた場合、福祉用具のレンタル卸事業者に連絡してベッドを調達し、それを依頼者の自宅に届けて設置することになるが、これらを当日対応で行うのは容易ではないことから、「明日以降になってしまう」と返事をする業者が多いのが実情だ。なのになぜ、高橋社長は当日対応にこだわり続けるのだろうか。

「もし自分の親が、福祉用具をすぐにでも使いたいという状況に置かれていたとしたらどうでしょうか。入院していた親がようやく退院し、今日から自宅療養といったときに、すぐにでもベッドを持ってきてくれたら、うれしいですよね。そんなサービスを実現する事業者になりたいんです」

 もちろん当日対応は、レンタル卸業者など取引先の協力がなければ実現できない。そのため高橋社長はふだんから自分たちが目指している方向性をきちんと伝えて、それに賛同してくれる業者との関係性をより深めているという。杖の先ゴム1個やおむつ1袋からでも配達している高橋社長の経営姿勢を評価する取引先に支えられて、生き活きサポートはこれまでやってくることができたのだ。

低金利での資金調達に成功

TKCモニタリング情報サービス

 高橋社長が生き活きサポートを創業したのは、2005年5月。それまで働いていた福祉用具の店から独立して、会社を立ち上げた。当時から、事業計画の策定や資金調達のアドバイスなど、さまざまな角度から経営をサポートしてきたのが同社を顧問する岸田亜矢子税理士だった。

 昨年からTKCのフィンテックサービス「TKCモニタリング情報サービス」の利用をはじめたのも、岸田税理士の提案によるものだった。TKCモニタリング情報サービスとは、TKC会員(税理士・公認会計士)が顧問先企業からの依頼に基づいて、信頼性の高い財務データを金融機関に提供する無償のクラウドサービスのこと。高橋社長はこの仕組みを使って、自社の決算書や四半期試算表のデータを取引のある金融機関にインターネット経由で送るようになった。

「金融機関に積極的に情報開示していくことは、中小企業にとって大切なこと。ふだんから自分たちの経営状況を知ってもらうことで、適切な金融支援が受けられます」(岸田税理士)

 今年1月末、高橋社長は地元の足立成和信用金庫から低金利でプロパー融資を受けた。TKC会員税理士からの紹介を得られる法人が対象となる『あだちせいわTKC会員税理士連携ローン』を利用してである。

 足立成和信用金庫では、TKCモニタリング情報サービスを通じて取引先企業の財務データをタイムリーに共有できるようになったことを高く評価。TKC会員と協力して『あだちせいわTKC会員税理士連携ローン』を新たに商品化した。TKCモニタリング情報サービスを利用している企業については、金利の優遇措置を受けられる特典があり、高橋社長は結果的に年0.9%という低金利で運転資金を借りることができた。

「いまの店舗を建てたときの返済もまだ残っているため、運転資金を低金利で借りられたのは非常に助かりました」と高橋社長はいう。

 足立成和信用金庫が年0.9%という金利で融資を実行したのは、生き活きサポートが「正しい決算書」の作成にふだんから努めていることを評価したからでもある。経理業務を担当するのは、社長夫人の高橋純子さん。岸田税理士の指導のもと、中小会計要領への準拠や書面添付の実践などに取り組み、「記帳適時性証明書」の〝◎印〟の数を増やした。

中長期計画の提出も視野に

 高橋社長はいま、金融機関との信頼関係をより一層強固なものにするために、国の「早期経営改善計画策定支援」制度を活用して、中長期の経営計画を提出することも考えている。「実は来年度以降、介護保険制度の一部改正により、『軽度者』の福祉用具のレンタルは原則自己負担になるという話もあります。これに伴う経営環境の変化があることを金融機関に早めに知っておいてもらうためにも、中長期計画の提出は必要だと思っています」(高橋社長)。

 今後の経営環境の変化も織り込みつつ、高橋社長は地域貢献につながる新たな取り組みを始めることも構想している。たとえば今も、自社の施設を使って月に一度、地域の高齢者が気軽に立ち寄れる「ふれあいサロン」を開いているが、そうした昔からある〝井戸端会議〟のような場を広く提供していけるような活動を進めていきたいと考えているという。地域密着の経営姿勢を大切にする高橋社長の奮闘はまだまだ続く。

有限会社生き活きサポート
設立
2005年5月
所在地
東京都足立区西新井5-42-18
売上高
1億2,000万円
社員数
10名
岸田税務会計事務所
所在地
東京都足立区西新井栄町3-18-10-201
URL
http://www.tkcnf.com/kishida/

『戦略経営者』2018年3月号より転載