プレジャーガレージグループ 様

プレジャーガレージグループ

一番左は巡回監査士の都築奉久さん

統合型会計情報システム(FX4クラウド)ユーザー事例

効率的な経理体制のもと
ダンスの魅力を広く発信

渋谷を中心にダンススタジオを運営しているのが、プレジャーガレージグループだ。現在、約1万5000人の会員がいるという。「ダンスを通してハッピーになってもらいたい」と強く願う田中浩司社長(52)と、経理担当の阿部千恵さんの2人に、TKCの『FX4クラウド』の活用法などを聞いた。

渋谷を中心に3ブランドのダンススタジオを運営

──ダンス界では、たいへん知名度のある会社だそうですね。

田中浩司社長

田中浩司社長

田中 ジャズダンス、ヒップホップ、ベリーダンス、バレエなどさまざまなジャンルのダンスを対象にしたダンススタジオ(ダンススクール)を、渋谷を中心に3ブランド・9拠点で展開しています。
 ダンススタジオ事業は、①ダンスワークス②レイダンスコレクション③エンジェルアールダンスパレスの3社で行っています。さらに、ダンスイベント企画・運営事業などをしている④プレジャーガレージと、持ち株会社の⑤プレジャーガレージホールディングスがあります。この合計5社で、プレジャーガレージグループは成り立っています。

──ダンススタジオ3ブランドの、それぞれの特徴を教えてください。

田中 『ダンスワークス』は、プロダンサー育成のためのスタジオです。講師には、国内有名プロダンサーが数多く在籍し、プロダンサーとして活躍していくためのハイレベルなレッスンが受けられます。
 つぎに『レイダンスコレクション』は、初心者から経験者まで女性限定のスタジオです。「ダンススタジオは敷居が高い」と思われがちですが、初心者でも気軽に通うことができます。「女性がダンスを通じて元気に美しくなるとで、この国を元気に」をテーマにしています。
 そして『エンジェルアールダンスパレス』は、初心者からプロまで幅広い年齢層のバレエファンを対象にしています。〝バレエを踊りたい〟という願いをかなえるスタジオとして人気を集めています。

──会員の方たちが日ごろの練習の成果を発表するイベントを定期的に行っているとか。

田中 それぞれのブランドコンセプトに合わせて、500人規模のクラブイベントから総動員数4000人を超す舞台まで、多種多様なイベントを開催しています。舞台に立って観客に感動を与える経験はダンサーたちにとって必要なものだし、ダンスの素晴らしさを大勢の人たちに知ってもらう上でも、こうしたイベントを企画する意義があると考えています。

──田中社長がダンスに興味を持つようになったきっかけは何だったのでしょうか。

年間30本以上のイベントを手がける

年間30本以上のイベントを手がける

田中 30歳のときにダンススタジオに通い始めたのがきっかけです。いまの会社を立ち上げる前は、アパレル(服飾)デザインの会社を経営していたのですが、オーバーワークで精神的に少しおかしくなっていました。そんなときに知人に誘われてダンススタジオに通い始めたところ、実に楽しくて、気持ちもだんだん前向きになった。まさにダンスに命を助けてもらったような感じでしたね。
 それでダンサーになろうと思い、デザインの会社を譲って本格的にレッスンに取り組むようになったんです。自分でもどんどんうまくなっていると感じていたのですが、やがて骨折をしたりアキレス腱(けん)を切ったりして踊れなくなってしまった。そこで、ダンサーとして活躍するのは諦めて、自分が助けてもらったダンスをもっと世の中に広めるための活動をしていくことにしたのです。そこから少しずつダンススタジオの数を増やしていき、大きい劇場で公演を打つようにもなりました。

──なぜ人間は踊ると元気が出てくるのでしょう。

田中 DNAですかね。人間はおそらく言葉をしゃべる前から踊っていたと思います。願い事があれば踊る、楽しいことがあれば踊るといった具合に、ダンスは非常に身近なものだったはずです。そのうち言葉や文字ができ、体全体で感情を表現する機会はだんだん失われていった。でも、たまにダンススタジオに来て音楽をかけながら踊ると、人間が本来持つDNAが呼び戻される。だからじゃないですかね。

──近年、メンタルの不調を訴える人の増加が社会問題にもなっていますが、踊れば解決しそうですね。

田中 そうです。私たちはまさにそのための活動をしているんです。「ダンスでこの国を元気に」というのが、20年前からのうちのキャッチコピーです。

経理事務を省力化する各種機能をフル活用

──昨年4月に『FX4クラウド』を導入したそうですね。

阿部千恵さん

阿部千恵さん

阿部 はい。横浜税理士法人さんからの提案がきっかけでした。とにかく機能が魅力的で、ぜひ使ってみたいなと思いました。まず気に入ったのは、複数のパソコンで同時に入力できるところ。それまで使っていた『FX2』には、そうした「分散入力」の機能がなかったんです。ちょうど私に部下ができたので、いまは2台のパソコンを使って手分けして入力しています。

──実際に使ってみての印象はどうでしたか。

阿部 とにかく経理業務の省力化につながる機能が充実しているところがいいですね。「銀行信販データ受信機能」を使えば、銀行やクレジットカードの取引データを自動受信して簡単に仕訳入力できるし、エクセルで管理している領収書関係のデータを「仕訳読込テンプレート」機能を使って、『FX4クラウド』側に仕訳連携させることもできます。つまり、仕訳データを手入力しなければならない作業を大幅に減らせるんです。
 以前はほとんど丸1カ月間、仕訳データの入力作業に費やしていると言ってもよいほどでした。それが今では、2~3日でぜんぶ入力が終わってしまうんじゃないかというくらいに早くなっています。

──その浮いた時間は何に使っているのですか。

阿部 社内における業務効率アップのお手伝いをしたりしています。私はエクセルの操作が得意。その技能を生かして、たとえばダンススタジオの担当者からヒアリングをしたうえで、イベントのチケット管理ができるエクセルシートを作ったりしたことがあります。イベントの参加料をすでに振り込んでくれたのは誰で、まだ未納なのは誰かといったことを「見える化」できるシートです。他部署の人にも喜んでもらえる仕事ができるようになり、本当にやりがいを感じています。

「MR設計ツール」を使い自社独自の帳表を作成

──業績管理のうえで特に注目している数字は何ですか。

田中 売上高ですね。もちろん利益も大事ですが、会員数の増減がそのまま売上高の変動に直結していく当社の場合、どうしても売上高がすべての源になるんです。

服部彰男税理士

服部彰男税理士

服部(彰男)税理士 会員数の増減については、経営会議でもたびたび話題になっています。どうしても敏感にならざるを得ないところですね。

田中 とはいえ、会員数を増やすためのプロモーションにはあまり力を入れていません。あくまでクチコミで来てもらうことを重要視しています。長い目で見た場合、プロモーションで無理して会員数を増やすよりも、クチコミでじわりじわりと増やしていったほうがいいのです。

──業績判断のよりどころにしている帳表をあげるとしたら……。

田中 私への報告用に作ってもらった、独自フォーマットの資料を一番よく見ています。

阿部 そのオリジナル帳表は、「マネジメントレポート(MR)設計ツール」の機能で作っています。グループ5社それぞれの主要な数字(売上高や利益率など)や前年比がわかるシートなど、田中社長が必要としている数字がわかりやすく見られるように工夫して設計しました。

──ほかに『FX4クラウド』の機能で気に入っているものがあれば教えてください。

阿部 「プロジェクト管理」機能ですね。これを活用して、イベント別の管理をしています。イベントごとの損益を把握するうえで、大いに役立っています。各イベントのタクシー代が何百円かかったかというところまで収支に入れることができるので、より正確な数字が分かります。年間30本以上のイベントを行っている当社にとって、実にありがたい機能ですね。

服部税理士 今まで黒字だと思っていたイベントが、経理側でもっている情報を入れてみたら、実は赤字だったということもあります。そういうところが管理できるようになったのは、良かったといえます。

──今後の事業戦略をお聞かせください。

田中 渋谷を日本を代表する、ダンスをはじめとしたエンターテインメントの街にしていきたい。ニューヨークのブロードウェイみたいに、海外から大勢の人が集まる街にしたいですね。私たちがその〝先導役〟になれれば最高ですね。2018年中に新しい大型スタジオを作ろうとしているのは、そのための足がかりの一つです。

企業情報

プレジャーガレージグループ

ダンスは若い女性たちの間で人気がある

プレジャーガレージグループ

設立
1998年3月
所在地
東京都渋谷区桜丘町24-3 インエステートビル3階
売上高
約10億円
社員数
55名
URL
http://www.pg-g.com/

顧問税理士 横浜税理士法人
代表社員 服部久男税理士

所在地
神奈川県横浜市西区高島2丁目12番6号
ヨコハマジャスト1号館4F
URL
http://www.tkcnf.com/yokohama/

『戦略経営者』2018年2月号より転載)