会計・税務

平成22年度診療報酬改定ー概要ー

10年ぶりプラス改定も入院医療に重点配分

 平成22年度診療報酬改定は、10年ぶりにネットで0.19%(診療報酬本体は+1.55%、薬価等は ▲1.36 %)のプラス改定となった。増額分の大半は入院医療に配分された。「救急、産科、小児、外科等の医療の再建」と「病院勤務医の負担軽減」を重点課題とした診療報酬について、告示の内容から主な医科改定項目を紹介する。

主な改定項目

【初・再診料】

 最大の争点となった再診料の点数は、患者の納得、わかりやすさの観点から、公益委員の裁定により、69点で統一した。あわせて休日・夜間診療に対応する診療所には地域医療貢献加算と、明細書発行体制等加算の新たな加算を新設した。また、電子化加算は廃止された。

・再診料  69点(200床未満の病院、診療所)

・乳幼児加算の引き上げ
 初診料 乳幼児加算       75点
 再診料、外来診療料 乳幼児加算 38点

・外来管理加算の算定要件見直し
 概ね5分以上という時間の目安は廃止。なお、趣旨である懇切丁寧な説明は要件としたまま、簡単な症状の確認等を行ったのみで継続処方をした場合は算定できない。

・明細書発行体制等加算 1点(新設)
 レセプトオンライン請求を行う診療所が明細書を無料で発行し、その旨を院内掲示している場合、再診料に加算。

・地域医療貢献加算  3点(新設)
 休日・夜間に患者からの問い合わせや受診等に対応可能な体制を確保している場合は再診料に加算。

【医学管理等】

  地域の開業医等との連携により、救急患者の受け入れ体制を整備するため、在宅復帰後を見越した地域連携を評価する項目が新設された。また、充実が求められる領域であるがん医療、認知症医療の加算が設けられた。

・地域連携夜間・休日診療料 100点(新設)

・地域連携小児夜間・休日診療料の引き上げ
  地域連携小児夜間・休日診療料1 400点
  地域連携小児夜間・休日診療料2 550点

・院内トリアージ加算 30点(新設)

・地域連携診療計画退院時指導料の見直し
 (1)地域連携診療計画退院時指導料1 600点
   地域連携診療計画退院計画加算100点(新設)
 (2)地域連携診療計画退院時指導料2 300点(新設)

・介護支援連携指導料 300点(入院中2回)(新設)

・外来化学療法加算の評価の充実
 (1)外来化学療法加算1 550点
   15歳未満の患者 750点
 (2)外来化学療法加算2 420点
   15歳未満の患者 700点

・がん患者カウンセリング料 500点(新設)

・がん患者リハビリテーション料 200点(新設)

・認知症専門診断管理料 500点(新設)

・認知症専門医療機関連携加算 50点(新設)

・医薬品安全性情報等管理体制加算 50点(新設)

・医療機器安全管理料1 100点、同管理料2 1,100点

【在宅医療】

  患者が安心して在宅医療を受けられるように、在宅への円滑な移行や在宅医療を支える医療機関間の連携に対し評価を行う。同様に在宅における専門医療の評価を引き上げる。また、訪問看護に対する評価も引き上げる。

・往診料 720点

・在宅患者訪問診療料の算定要件見直し
  在宅患者訪問診療料2を同一建物に居住する複数患者とし、1は「2以外の場合」とした。また、専門性が求められる小児に対する在宅医療では、在宅患者訪問診療料および退院前在宅療養指導管理料に乳幼児加算を新設した。在宅ターミナルケア加算は、往診または訪問診療を行った後、24時間以内に在宅以外で死亡した場合を含むと、要件を緩和した。

・在宅移行早期加算 100点(新設)

・在宅血液透析指導管理料(1月につき)8,000点

・透析液供給装置加算 10,000点

・在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料 500点(新設)

【リハビリテーション】

  各疾患の特性をふまえた発症早期からの集中的なリハビリテーションが予後の向上に寄与することから、発症早期のリハビリが充実できるように評価した。

・脳血管疾患等リハビリテーション料

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・運動器リハビリテーション料

img_b0292_02.gif・早期リハビリテーション加算 45点

・がん患者リハビリテーション料 200点 (新設)

・難病患者リハビリテーション料 640点
 短期集中リハビリテーション実施加算
 退院後1月以内        280点(新設)
 退院後1月を超え3月以内 140点(新設)

【精神科専門療法】

  精神科外来における精神療法については、長時間に及ぶものは評価を引き上げるとともに、認知行動療法の評価を新設する。また、精神科デイ・ケア等については、精神障害者の地域移行の推進につながるような評価の見直しをした。

・通院・在宅精神療法2(1以外の場合)
  イ 30分以上の場合400点
  ロ 30分未満の場合330点

・認知療法・認知行動療法 420点(新設)

・精神科デイ・ケア等の見直し
  精神科ショート・ケア、精神科デイ・ケア、精神科ナイト・ケア、精神科デイ・ナイト・ケア、重度認知症患者デイ・ケア料の点数の改定とともに、当該療法の算定を開始した日から1年以内の場合の加算が新設された。

【入院料等】

●一般病棟

・一般病棟入院基本料14日以内の期間の加算 450点

・7対1、10対1入院基本料
  月平均夜勤時間72時間以内の要件を満たせない場合、該当入院基本料点数の80%、3か月を限度に算定。

img_b0292_03.gif※ 準7対1入院基本料は廃止。

・一般病棟入院基本料15対1入院基本料 934点

・看護補助者の配置の評価(新設)
  急性期看護補助体制加算1(50対1)120点
 急性期看護補助体制加算2(75対1)80点
 (7対1、10対1入院基本料の患者で、14日を限度に算定)

・一般病棟看護必要度評価加算 5点(新設)
  10対1入院基本料の患者で、そのすべてにおいて患者の状態を一般病棟用の重症度・看護必要度の評価票を用い継続的に測定・評価していること。

・栄養サポートチーム加算(週1回)200点(新設)

・呼吸ケアチーム加算(週1回)150点(新設)

●療養病棟

・療養病棟入院基本料の再編成

療養病棟入院基本料1

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療養病棟入院基本料2

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●有床診療所

・有床診療所入院基本料の再編成

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・有床診療所一般病床初期加算 100点(新設)

・有床診療所入院基本料
   医師配置加算1 88点(新設)
   医師配置加算2 60点

・救急・在宅等支援療養病床初期加算 150点(新設)

・慢性期病棟等退院調整加算の評価見直し
   慢性期病棟等退院調整加算1
    イ 退院支援計画作成加算 100点
    ロ 退院加算
    (1)療養病棟入院基本料等の
      算定患者が退院した場合 140点(新設)
    (2)障害者施設等入院基本料等の
      算定患者が退院した場合 340点(新設)

●回復期リハビリテーション病棟

・回復期リハビリテーション病棟入院料

img_b0292_07.gif・休日リハビリテーション提供体制加算 60点(新設)

・リハビリテーション充実加算 40点(新設)

・リハビリテーション提供体制加算 50点(新設)
 医療の高度化、複雑化、患者ニーズから医療安全対策がさらに進むように、評価を引き上げるとともに、質を担保しつつ、要件を緩和した評価を新設した。
  後期高齢者の診療報酬に関しては、後期高齢者という名称を削除するとともに、原則として対象者を全年齢に拡大する。

(「TKC医業経営情報」2010年4月号より)
 

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