決算処理

退職給付について(3)

【質問】
退職金の引当、支払についてお伺いしたいのですが。
当支部では、退職給付引当金の特定預金を設けておらず、一般の現預金から支払っています。その場合、仕訳の仕方はどのようになり、収支計算書とストック式正味財産増減計算書、フロー式正味財産計算書上ではどのようにしたらよいのでしょうか。
また、「資金の範囲」として流動資産の現預金がすべて含まれ、固定負債の退職給付引当金は含まれないことになってしまいますが、収支計算書の次期繰越収支差額に含まれる資産および負債の内訳の範囲はどのようにしたらよいでしょうか。

【回答】
退職給付引当金は、職員に対し退職金を支給することが定められている場合には、将来支給する退職金のうち、当該会計年度の負担に属すべき金額を当該会計年度の正味財産増減計算における減少額として計上し、その残高を負債の部に退職給付債務として計上する科目です。
このため、退職給付の支払のために設定される退職給付引当資産は退職給付引当金と同額まで設定することを強制されるものでありません(「公益法人会計基準に関する実務指針」(平成17年6月13日日本公認会計士協会非営利法人委員会報告第28号)Q13))。
したがって、退職給付関係の処理は次のようになります。

(1)退職給付引当金の毎期の繰入れ(繰入額 1,000)

  • 収支計算書
    仕訳なし
  • フロー式正味財産計算書
    借方:退職給付費用 1,000 貸方:退職給付引当金 1,000
  • ストック式正味財産増減計算書
    借方:退職給付引当金増加額
    (正味財産減少の部)
    1,000 貸方:退職給付引当金 1,000

(2)退職金の支払い(支払額 2,000、うち退職給付引当金充当額 1,500)

  • 収支計算書
    借方:退職給付支出
    (又は退職金)
    2,000 貸方:現金預金 2,000
  • フロー式正味財産計算書
    借方:退職給付引当金 1,500 貸方:現金預金 2,000
    借方:退職給付費用 500    
  • ストック式正味財産増減計算書
    借方:退職給付引当金 1,500 貸方:退職給付引当金減少額
    (正味財産増加の部)
    1,500

また、「資金の範囲」には流動資産及び流動負債のすべて含むことができますが、固定資産及び固定負債は資金には含まれません。
したがって、収支計算書の次期繰越収支差額には固定負債の退職給付引当金は当然含まれないことになります。

※当Q&Aの内容は、個別の質問に対する回答であり、TKC全国会公益法人経営研究会及び株式会社TKCは、当Q&Aを参考にして発生した不利益や問題について何ら責任を負うものではありません。

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