注目の判例

憲法

2018.01.09
医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定に対する抗告棄却決定に対する再抗告事件
LEX/DB25449140/最高裁判所第三小法廷 平成29年12月18日 決定 (再抗告審)/平成29年(医へ)第16号
医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定に対し、抗告したが棄却決定となったため、再抗告した事案において、医療観察法の目的の正当性、同法の規定する処遇及びその要件の必要性、合理性、相当性、手続保障の内容等に鑑みれば、医療観察法による処遇制度は、憲法14条、22条1項に違反するものではなく、憲法31条の法意に反するものということもできないとして、抗告を棄却した事例。
2017.12.19
受信契約締結承諾等請求事件
「新・判例解説Watch」H30.1月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25449082/最高裁判所大法廷 平成29年12月 6日 判決 (上告審)/平成26年(オ)第1130号 等
原告(NHK)が、原告のテレビ放送を受信することのできる受信設備を設置したが、放送受信契約を締結しない1審被告に対し、主位的には、放送法64条1項等によって1審原告と1審被告との間で放送受信契約が成立していると主張して、放送受信契約に基づき、上記受信機を設置した月から現在までの受信料の支払を求め(主位的請求)、予備的には、上記放送受信契約が成立していないことを前提として、被告は放送受信契約締結義務の履行を遅滞していると主張して、債務不履行に基づく損害賠償として上記受信料相当額の支払を求め(予備的請求1)、被告は放送受信契約締結義務を負うと主張して、原告からの上記申込みに対する承諾の意思表示と、上記申込み及び承諾の意思表示によって成立する放送受信契約に基づき、上記受信料の支払を求め(予備的請求2)、被告は上記受信料相当額を不当に利得していると主張して、上記受信料相当額の返還を求め(予備的請求3)、1審判決が、主位的請求及び予備的請求1をいずれも棄却し、予備的請求2を認容し、原告及び被告の双方がこれを不服として控訴し、被告が受信機を設置した日の属する月の翌月である平成18年4月分から平成26年1月分までの未払受信料又は未払受信料相当額の支払等を求める請求に変更し、控訴審は、原告の主位的請求及び予備的請求1を棄却し、予備的請求2については認容し、これと一部異なる1審判決を変更し、被告の控訴を棄却したため、双方が上告した事案において、放送法64条1項は、同法に定められた原告の目的にかなう適正・公平な受信料徴収のために必要な内容の受信契約の締結を強制する旨を定めたものとして、憲法13条、21条、29条に違反しないとし、また、受信契約に基づき発生する受信設備の設置の月以降の分の受信料債権(受信契約成立後に履行期が到来するものを除く。)の消滅時効は、受信契約成立時から進行するものと解するのが相当であるなどとし、原告の請求のうち予備的請求2を認容すべきものとした控訴審の判断は、是認することができるとして、本件各上告を棄却した事例(補足意見、反対意見がある)。
2017.11.21
九条俳句不掲載損害賠償等請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.12月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25547455/さいたま地方裁判所 平成29年10月13日 判決 (第一審)/平成27年(ワ)第1378号
原告が被告(さいたま市)に対し、〔1〕かたばみ三橋俳句会と三橋公民館は、本件句会が三橋公民館に提出した俳句を同公民館が発行する公民館だより(本件たより)に掲載する合意をしたと主張し、同合意に基づき、原告が詠んだ俳句を本件たよりに掲載することを求めるとともに、〔2〕三橋公民館(その職員ら)が、本件俳句を本件たよりに掲載しなかったことにより精神的苦痛を受けたと主張し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料の支払等を求めた事案において、三橋公民館及び桜木公民館の職員らが、原告の思想や信条を理由として、本件俳句を本件たよりに掲載しないという不公正な取扱いをしたことにより、法律上保護される利益である本件俳句が掲載されるとの原告の期待が侵害されたということができるから、三橋公民館が、本件俳句を本件たよりに掲載しなかったことは、国家賠償法上、違法であるとして、原告の請求を一部認容し、その余の請求を棄却した事例。
2017.11.21
損害賠償請求控訴事件 
「新・判例解説Watch」H30.1月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25547456/名古屋高等裁判所 平成29年 9月14日 判決 (控訴審)/平成28年(ネ)第796号
名張市議会議員で教育民生委員会に所属する控訴人(原告)が、同委員会で計画された視察旅行の必要性に疑問を感じてその実施に反対意見を述べ、欠席願いを提出した上、同視察旅行を欠席したところ、名張市議会運営委員会が控訴人に対して同欠席について厳重注意処分を決定し、D議長が多数の新聞記者のいる議長室で上記処分の事実を公表するという名誉棄損行為によって精神的苦痛を被ったと主張して、国家賠償法1条1項に基づき、被控訴人(被告。名張市)に対し、慰謝料の支払等を求め、原審は、議会運営委員会が厳重注意処分を決定し、D議長が同処分を公表したことは、控訴人に対する名誉棄損行為に該当するものの、上記処分は地方議会の自律権の範囲内で決定されたものであって、その適否については司法審査が及ばないとして、控訴人の請求を棄却したため、控訴人が控訴した事案において、被控訴人には国家賠償法1条1項による損害賠償責任があるというべきであるとし、控訴人に認められるべき慰謝料の額を50万円の限度としたうえで一部認容とし、その余の請求を棄却すべきところ、これと異なり、控訴人の請求を全部棄却した原判決は失当であるとして、原判決を取り消した事例。
2017.11.14
選挙無効請求事件 
LEX/DB25449008/最高裁判所第三小法廷 平成29年10月31日 判決 (上告審)/平成29年(行ツ)第67号
公職選挙法204条の選挙無効訴訟は、選挙人らによる公職の候補者に対する投票の結果としての選挙の効力について、選挙人又は公職の候補者が上記のような無効原因の存在を主張して争う争訟方法であり、同法の規定で一定の年齢に達しない者につき被選挙権を制限していることの憲法適合性については、当該者が自己の被選挙権の侵害を理由にその救済を求めて提起する訴訟においてこれを争うことの可否はおくとしても、同条の選挙無効訴訟において選挙人らが被選挙権の制限に係る当該規定の違憲を主張してこれを争うことは法律上予定されていないというべきであるとし、選挙人が同条の選挙無効訴訟において公職選挙法205条1項所定の選挙無効の原因として本件規定の違憲を主張し得るものとはいえないから、この点に関する論旨は採用することができないとして、本件上告を棄却した事例(意見がある)。
2017.11.07
旅券返納命令及び渡航先制限取消請求事件 
LEX/DB25547177/東京地方裁判所 平成29年 4月19日 判決 (第一審)/平成27年(行ウ)第462号
ジャーナリストである原告が、トルコ共和国とシリアとの国境付近に渡航し、現地を取材した上でその成果を発表する計画を有していたところ、外務大臣から旅券法19条1項4号の規定に基づく一般旅券の返納命令を受け、その後、原告が一般旅券の発給の申請をしたところ、外務大臣から一般旅券の発給処分を受けるに当たり、同法5条2項の規定に基づき、その渡航先を本件渡航先とする制限を受けたことから、上記各処分が、いずれも原告の報道及び取材の自由(憲法21条1項)並びに海外渡航の自由(憲法22条2項)を侵害し、外務大臣の裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであり、また、憲法31条に由来する行政手続法13条1項の規定に基づく聴聞の手続を経なかったものであるから、違憲かつ違法であるとして、その各取消しを求めた事案において、原告の請求を棄却した事例。
2017.10.10
選挙無効請求事件 
LEX/DB25448923/最高裁判所大法廷 平成29年 9月27日 判決 (上告審)/平成29年(行ツ)第47号
平成28年7月10日施行の参議院議員通常選挙について、東京都選挙区及び神奈川県選挙区の選挙人である上告人(原告)らが、公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の上告審において、本件選挙当時、平成27年改正後の本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできないとし、原審の判断は、結論において是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(意見、反対意見がある)。
2017.10.10
選挙無効請求事件  
「新・判例解説Watch」H29.12月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448924/最高裁判所大法廷 平成29年 9月27日 判決 (上告審)/平成29年(行ツ)第4号 等
平成28年7月10日施行の参議院議員通常選挙について、各選挙区(東京都選挙区ほか20選挙区)の選挙人である上告人らが、公職選挙法14条、別表第3の参議院(選挙区選出)議員の議員定数配分規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の上告審において、本件選挙当時、平成27年改正後の本件定数配分規定の下での選挙区間における投票価値の不均衡は、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものとはいえず、本件定数配分規定が憲法に違反するに至っていたということはできないとし、原審の各判断は、いずれも是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(意見、反対意見がある)。
2017.08.15
要指導医薬品指定差止請求事件(薬のインターネット販売 一部規制は合憲)
LEX/DB25546307/東京地方裁判所 平成29年 7月18日 判決 (第一審)/平成26年(行ウ)第29号
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)で、店舗販売業者に対し、要指導医薬品の販売又は授与を行う場合には薬剤師に対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導を行わせなければならないものとし、上記の情報提供又は指導ができないときは要指導医薬品の販売又は授与をしてはならないものとする各規定が設けられ、医薬品が要指導医薬品として指定されたことについて、インターネットを通じて店舗以外の場所にいる者に対する郵便その他の方法による医薬品の販売を行う事業者である原告が、本件対面販売規制は必要性及び合理性に欠ける規制であって憲法22条1項に違反するなどと主張して、〔1〕厚生労働大臣が行った製剤に係る要指導医薬品の指定の取消しを求めるとともに、〔2〕要指導医薬品である製剤につき、本件各規定にかかわらず郵便等販売をすることができる権利ないし地位を有することの確認を求めた事案において、本件訴えのうち、厚生労働大臣が行った本件製剤に係る要指導医薬品の指定の取消しを求める部分を却下し、本件対面販売規制を定める本件各規定は、立法府の合理的裁量の範囲を逸脱するものと断じることはできず、憲法22条1項に違反するものということはできないとし、また、本件各指定は、その指定の要件に欠けるものではなく、適法であるとして、原告のその余の請求を棄却した事例。
2017.08.08
損害賠償請求控訴事件 
「新・判例解説Watch」H29.9月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25546145/大阪高等裁判所 平成29年 7月14日 判決 (控訴審)/平成28年(ネ)第3239号
被控訴人(原審原告)が、控訴人(原審被告。松原市)の設置管理する公園につき使用許可申請をしたところ、控訴人の市長がこれを不許可と決定したため、本件不許可決定は集会の自由を定める憲法21条1項に違反し、かつ、市長の裁量権を逸脱濫用したもので違法であると主張して、控訴人に対し、国家賠償法1条1項に基づき、財産的損害及び非財産的損害の賠償等を求め、原判決は、被控訴人の請求を一部認容し、その余の請求を棄却したところ、敗訴部分を不服として控訴人が控訴した事案において、被控訴人の請求は原判決が認容した限度で理由があり、原判決は相当であるとして、控訴を棄却した事例。
2017.06.06
嘉手納基地爆音差止等請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.6月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25545477/那覇地方裁判所沖縄支部 平成29年 2月23日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第245号
本件飛行場の周辺に居住し、若しくは居住していた者又はその相続人である原告らが、本件飛行場において離着陸するアメリカ合衆国の航空機の発する騒音により健康被害を受けていると主張して、日米安保条約及び日米地位協定に基づいてアメリカ合衆国に本件飛行場を提供している被告に対し、人格権、環境権又は平和的生存権に基づき、毎日午後7時から翌日午前7時までの間における本件飛行場における航空機の離発着禁止等を求めた事案において、本件飛行場の航空機の運航等によって、原告らは相当に大きな騒音に曝露され、少なくとも本件コンター上、W75以上を超える区域に居住する原告らについては法的保護に値する重要な利益の侵害があると認められること等、特に本件コンター上W95以上の地域については、航空機騒音対策緊急指針において緊急に対策を講じるべきとされた強度の騒音曝露状況が現在も続いている等として、原告の請求を一部認容した事例。
2017.05.30
損害賠償請求控訴事件 
LEX/DB25545528/名古屋高等裁判所金沢支部 平成29年 4月19日 判決 (控訴審)/平成28年(ネ)第249号
被控訴人学校法人(原審被告)の運営する医科大学の教授であった控訴人(原審原告)が、被控訴人C学長(原審被告)によって文部科学省等の運営する科学研究費助成に関する応募を違法に妨害され、学問の自由や期待権が侵害されたなどと主張して、被控訴人らに対し、不法行為に基づく損害賠償請求として、連帯して慰謝料及び弁護士費用等の支払を求め、原審は、控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴した事案において、原判決は相当であるとして、控訴を棄却した事例。
2017.05.30
わいせつ物陳列,わいせつ電磁的記録等送信頒布,わいせつ電磁的記録記録媒体頒布事件
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LEX/DB25448616/東京高等裁判所 平成29年 4月13日 判決 (控訴審)/平成28年(う)第1100号
漫画家兼芸術家である被告人が、アダルトショップにおいて、被告人ほか2名の女性器を象った石膏ようの造形物3点を展示したほか、自己の女性器の三次元形状データファイルが保存されたURL情報等を送信し、同データファイルが記録されたCD-Rを発送したとして、わいせつ物陳列やわいせつ電磁的記録等送信頒布などの罪に問われた事案の控訴審において、上記造形物は刑法175条の「わいせつ物」に該当しないが、上記三次元形状データは刑法175条の「わいせつな電磁的記録」に該当するとした原判決を維持し、本件各控訴を棄却した事例。
2017.05.16
文書提出命令に対する即時抗告事件 
LEX/DB25448592/福岡高等裁判所宮崎支部 平成29年 3月30日 決定 (抗告審(即時抗告))/平成29年(ラ)第4号
鹿児島県警察所属の警察官5名が、Aに対して違法な制圧行為を行い、これによりAを死亡させたとして、Aの父母である相手方らが国家賠償を求めた基本事件について、相手方らが、報道機関が制圧状況を撮影したビデオ映像である本件準文書の提出を求める文書提出命令の申立てをし、原審が、鹿児島地方検察庁検察官に対し、その提出を命ずる決定をしたのに対し、準文書の所持者である抗告人(検察官)が、即時抗告を申し立てた事案において、本件準文書の提出を拒否した検察官の裁量判断が、その裁量権の範囲を逸脱し、又は濫用するものであるとは認められないとして、原決定を取り消し、文書提出命令の申立てを却下した事例。
2017.04.25
行政処分取消等請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.6月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25545343/横浜地方裁判所 平成29年 3月 8日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第32号
〔1〕海老名市長から、指定管理者の承認を受けずに、自由通路上を移動しながら、プラカードを持って静止する行為(ポージング)を原告P1らが行ったことなどについて、海老名市海老名駅自由通路設置条例19条5項及び30条2項に基づき、あらかじめ指定管理者の承認を受けること、及び、プラカードを掲げる行為を行わないことを命令された原告P1が、被告(海老名市)に対し、上記命令が違法であると主張してその取消しを求め、また、〔2〕上記行動を呼びかけたと主張する原告団体及び原告P1とともに上記行動に参加したと主張する原告P4ら8名(原告P1及び原告団体以外の原告ら)が、被告に対して、市長が上記行動につき当該原告らに上記命令と同様の命令をすることの差止めを求めた事案において、上記命令のうち、原告P1が、同条例30条1項3号所定の禁止行為である「集会、デモ、座込み」をしたことを理由として、同条例30条2項に基づき命令された部分は、同条例の解釈適用を誤った違法であるとし、原告P1の取消請求の部分について一部認容し、その余の原告らの訴えを却下した事例。
2017.04.11
性別の取扱いの変更審判申立事件 
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LEX/DB25545225/岡山家庭裁判所津山支部 平成29年 2月 6日 審判 (第一審)/平成28年(家)第1306号
申立人が、申立人の性別の取扱いを女から男に変更する審判を求めた事案において、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項4号が、憲法13条に違反するほどに不合理な規定であるということはできないとし、本件申立てを却下した事例。
2017.04.11
書籍販売等禁止仮処分命令申立事件 
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LEX/DB25545218/東京地方裁判所 平成29年 1月 6日 決定 (第一審)/平成28年(ヨ)第1284号
Cの著書である本件書籍記載の各記述により名誉を毀損されたと主張する債権者が、本件書籍の発行所である債務者(出版社)に対し、上記各記述を抹消しない限り、書籍の販売、無償配布及び第三者への引渡しを禁止することなどを求めた事案において、本件書籍の出版等の差止めは、表現の自由に重大な制約になることから、表現内容が真実でないこと及び専ら公益目的でないことの疎明責任は債権者が負うべきであるとしても、これらの要件の明白性まで要求するのは相当ではなく、表現内容が真実でないこと、又は公益を図る目的に出たものではないことの相当程度の蓋然性があり、かつ、債権者が重大にして著しく回復困難な損害を被るおそれが認められる必要があると解するのが相当であるとし、債権者の申立ては、一部の記述部分の出版、販売又は頒布の禁止を求める限度で認め、300万円の担保を立てることを保全執行の条件としてこれを認容し、その余の申立てを却下した事例。
2017.03.28
遺族補償年金等不支給決定処分取消請求事件 
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LEX/DB25448538/最高裁判所第三小法廷 平成29年 3月21日 判決 (上告審)/平成27年(行ツ)第375号
上告人(原告・被控訴人)の妻が、公務により精神障害を発症し自殺したため、上告人が、遺族補償年金の支給請求をするとともに、遺族特別支給金等の支給申請をしたが、いずれも不支給とする旨の決定を受けたため、被上告人(被告・控訴人。地方公務員災害補償基金)に対し、上記処分の取消しを求め、第一審では、上告人の請求を認容したため、被上告人が控訴し、控訴審では、妻について、遺族補償年金を受給できるものとするが、夫について、「一般に独力で生計を維持することが困難である」と認められる一定の年齢に該当する場合に遺族補償年金を受給できるものとする旨の遺族補償年金の受給要件に係る区別は、合理性を欠くということはできないとし、第一審判決を取り消し、上告人の請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、地方公務員災害補償法32条1項ただし書及び附則7条の2第2項のうち、死亡した職員の夫について、当該職員の死亡の当時一定の年齢に達していることを受給の要件としている部分が憲法14条1項に違反しないとしたうえで、原審の判断は正当として是認することができるとし、上告を棄却した事例。
2017.03.21
窃盗,建造物侵入,傷害被告事件  
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LEX/DB25448527/最高裁判所大法廷 平成29年 3月15日 判決 (上告審)/平成28年(あ)第442号
被告人が複数の共犯者と共に犯したと疑われていた窃盗事件に関し、組織性の有無、程度や組織内における被告人の役割を含む犯行の全容を解明するための捜査の一環として、約6か月半の間、被告人、共犯者のほか、被告人の知人女性も使用する蓋然性があった自動車等合計19台に、同人らの承諾なく、かつ、令状を取得することなく、GPS端末を取り付けた上、その所在を検索して移動状況を把握するという方法によりGPS捜査が実施されたことにつき、第1審は、GPS捜査により直接得られた証拠及びこれに密接に関連する証拠の証拠能力を否定したが、その余の証拠に基づき被告人を有罪と認定し、これに対し、原判決は、GPS捜査に重大な違法があったとはいえないと説示して、第1審判決が証拠能力を否定しなかったその余の証拠についてその証拠能力を否定せず、被告人の控訴を棄却したため、被告人が上告した事案において、GPS捜査によって直接得られた証拠及びこれと密接な関連性を有する証拠の証拠能力を否定する一方で、その余の証拠につき、同捜査に密接に関連するとまでは認められないとして証拠能力を肯定し、これに基づき被告人を有罪と認定した第1審判決は正当であり、第1審判決を維持した原判決の結論に誤りはないとし、上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2017.02.21
当選無効請求事件(昨年7月参院選比例代表 「政党なし」は無効票) 
LEX/DB25544649/東京高等裁判所 平成28年11月16日 判決 (第一審)/平成28年(行ケ)第20号
平成28年7月10日施行の参議院議員通常選挙における比例代表選出議員選挙の名簿届出政党等である原告政治団体及び原告政治団体の代表かつ名簿登載者である原告Aが、原告政治団体の得票数は、無効投票として扱われた「なし」票などを有効投票とすれば、本件比例代表選挙において当選した政党のD議員の当選の基礎となった票数を上回るとして、D議員の当選を無効とすることを求めた事案において、なし票については、原告政治団体の有効投票と認めることができないとして、原告らの請求を棄却した事例。