注目の判例

行政法

2018.01.09
居住確認等請求本訴、家屋明渡等請求反訴事件
LEX/DB25449141/最高裁判所第一小法廷 平成29年12月21日 判決 (上告審)/平成29年(受)第491号
本件本訴は、上告人が、被上告人(京都市)の所有する住宅地区改良法2条6項の改良住宅である本件住宅を使用する権利を上告人の母であるAから承継したなどと主張して、被上告人に対し、本件住宅の使用権及び賃料額の確認等を求めるものであり、本件反訴は、被上告人が、本件住宅を占有する上告人に対し、所有権に基づく本件住宅の明渡し及び賃料相当損害金の支払等を求め、原審は、上告人による本件住宅の使用権の承継を否定したため、上告人が上告した事案において、原審の判断は是認することができるとし、上告を棄却した事例。
2018.01.09
執行停止決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25449147/最高裁判所第三小法廷 平成29年12月19日 決定 (許可抗告審)/平成29年(行フ)第3号
留寿都村議会が、地方自治法127条1項に基づき、同議会の議員である相手方が地方自治法92条の2の規定に該当する旨の決定をしたため、相手方が、その取消しを求める訴えを提起した上、これを本案として、行政事件訴訟法25条2項に基づき、本件決定の効力の停止を求めた事案において、相手方は、原々決定により、本件補欠選挙の投票及び開票がされる前に留寿都村議会の議員の地位を暫定的に回復していたのであり、同選挙について公職選挙法所定の異議の申出の期間が経過しても、相手方が上記地位を喪失することはず、そして、同議会の議員としての職務の遂行が制限されることによって相手方が受ける不利益は、その性質上、金銭賠償によって容易に回復し得ないものであるから、そのような重大な損害を避けるため本件決定の効力を停止する緊急の必要があるとし、原審は、原々決定に対する抗告人の抗告を棄却したため、抗告した事案において、現時点で、相手方はもはや上記議員の地位を回復することができない以上、本件決定の効力の停止を求める利益はないものといわざるを得ないとし、これと異なる原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原決定を破棄し、本件決定の効力を停止するとした原々決定を取消し、相手方の本件申立てを却下した事例(補足意見、反対意見がある)。
2018.01.09
被爆者健康手帳交付等請求事件 
LEX/DB25449124/最高裁判所第一小法廷 平成29年12月18日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第404号の1
長崎市に投下された原子爆弾に被爆したとする本件申請者らが、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(被爆者援護法)に基づき被爆者健康手帳の交付及び健康管理手当の認定の各申請をしたところ、長崎市長又は長崎県知事からこれらを却下する旨の処分を受けたため、本件申請者らは被爆者援護法1条3号所定の被爆者の要件を満たすなどと主張して、本件各処分の取消し、被爆者健康手帳の交付の義務付け等を求め、本件申請者らのうち本件訴訟の原審口頭弁論終結前に死亡した者については、それぞれ相続人が相続により本件訴訟における当該者の地位を承継したと主張して、訴訟承継の申立てをし、原審は、本件被相続人らに係る本件各処分の取消し及び被爆者健康手帳交付義務付けの訴えについて、本件各処分の取消しによって回復すべき法律上の利益及び被爆者健康手帳の交付の義務付けを求める法律上の利益は、本件申請者らが被爆者援護法上の被爆者として同法による援護(健康管理手当の支給を含む。)を受ける地位であるところ、同法による援護を受ける地位は被爆者に固有のものであり、一身専属的なものであると解されるから、本件相続人らが本件被相続人らの相続人としてこれを承継することはできず、本件被相続人らが本件各処分の取消しを求める訴訟及び被爆者健康手帳の交付の義務付けを求める訴訟は、本件被相続人らの死亡により当然に終了する。
2018.01.09
被爆者健康手帳交付等請求事件
LEX/DB25449125/最高裁判所第一小法廷 平成29年12月18日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第404号の2
長崎市に原子爆弾が投下された日の原子爆弾の爆心地付近に在ったなどとするAが、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(被爆者援護法)に基づき被爆者健康手帳の交付及び健康管理手当の認定の各申請をしたところ、長崎市長からこれらを却下する旨の処分を受けたため、Aは被爆者援護法1条2号又は3号所定の被爆者の要件を満たすなどと主張して、本件各処分の取消し等を求め、Aが本件訴訟の第1審口頭弁論終結前に死亡したことから、第1審で、上告人らが相続により本件訴訟におけるAの地位を承継したと主張して、訴訟承継の申立てをし、原審は、本件各処分の取消しによって回復すべき法律上の利益は、Aが被爆者援護法上の被爆者として同法による援護(健康管理手当の支給を含む。)を受ける地位であるところ、同法による援護を受ける地位は被爆者に固有のものであり、一身専属的なものであると解されるから、上告人らがAの相続人としてこれを承継することはできず、本件各処分の取消しを求める訴えは同人の死亡により当然に終了すると判断し、当該訴えにつき訴訟終了宣言をした第1審判決に対する上告人らの控訴を棄却したため、上告人らが上告した事案において、Aは、生前に被爆者健康手帳の交付及び健康管理手当の認定の各申請をしたものであるところ、これらを却下する旨の本件各処分の取消しを求める訴訟の係属中に死亡したのであるから、その相続人である上告人らにおいて、当該訴訟を承継することができるとし、本件各処分の取消しを求める訴えにつき訴訟終了宣言をした第1審判決及びこれを維持した原判決には、いずれも判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるから、原判決中、当該訴えに関する部分を破棄し、同部分に関する第1審判決を取り消し、地方裁判所に差し戻した事例。
2017.12.19
協定遵守請求事件
「新・判例解説Watch」H30.2月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25449049/名古屋地方裁判所 平成29年10月27日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第3609号
漁業協同組合である原告が、電気事業を営む株式会社であり、火力発電所を保有、運転している被告に対し、火力発電所の運転による水温の上昇等の影響で、原告の漁獲量が減少し、損害が発生しているなどとし、原告と被告との間で締結された協定書に基づき、主位的に、原告と別紙協議目録記載の事項について協議することを求め、予備的に、被告が原告に対し同協議に応ずる義務を負うことの確認を求めた事案において、本件協定書に基づく協議対象は、本件協定書締結当時に建設が予定されていたA火力発電所5号機及びB火力発電所4・5号機の建設及び操業に関する事項に限られると解されるところ、次期石炭灰処分場建設計画は、B火力発電所4・5号機の操業に関する事項に当たり、本件協定書に基づく協議の対象に当たると解するのが相当であるとし、予備的請求を一部認容した事例。
2017.11.14
損害賠償請求事件 
LEX/DB25449009/東京地方裁判所 平成29年10月17日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第19708号
被告の設置運営する警視庁四谷警察署の留置施設に勾留されていた被疑者である原告A及びその弁護人である原告Bが、被告に対し、原告Aが原告B宛ての信書として発信を申し出た信書について、上記留置施設の職員がその内容を検査した上で一部をマスキングしてこれを発信したことが原告らの間の接見交通権を違法に侵害するものであるとして、国家賠償法1条1項に基づき、原告らが賠償金の支払等を求めた事案において、上記マスキングは刑事訴訟法39条1項及び刑事訴訟法224条2項に反する違法なものであるとし、四谷警察署長及びその指示を受けた留置施設職員は、刑事訴訟法225条1項の文言及び趣旨から、弁護人等に対して発する信書であるか否かはあくまで形式的かつ客観的に判断されるべきであることを容易に了解可能であったといえ、職務上尽くすべき注意義務を怠ったというべきであるとして、請求を一部認容した事例。
2017.11.14
横田基地飛行差止等請求事件(第1事件、第2事件) 
LEX/DB25448974/東京地方裁判所立川支部 平成29年10月11日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第658号 等
横田飛行場の周辺に居住し、又は居住していた住民である原告らが、横田飛行場を航行する航空機の発する騒音を中心とする侵害により身体的被害、睡眠妨害、日常生活妨害や精神的・情緒的被害等を受けているとして、米軍の使用する施設及び区域として、アメリカ合衆国に対して横田飛行場を提供している被告(国)に対し、航空機の離陸、着陸及びエンジンの作動の禁止を求める差止等を請求した事案において、原告らの請求のうち、一部の原告らに対する賠償金の支払を一部認容し、その余の原告らの各訴えを却下し、各原告らによる横田飛行場におけるアメリカ合衆国軍隊の使用する航空機の離発着及びエンジンの作動の差止め、及び将来分の請求については棄却した事例。
2017.10.31
障害年金請求事件 
LEX/DB25448960/最高裁判所第三小法廷 平成29年10月17日 判決 (上告審)/平成29年(行ヒ)第44号
厚生年金保険の被保険者であった昭和45年6月、交通事故により左下腿を切断する傷害を負い、平成23年6月、厚生年金保険法47条(昭和60年法律第34号による改正前)に基づく障害年金の裁定及びその支給をそれぞれ請求したところ、厚生労働大臣は、平成23年8月、上告人に対し、受給権を取得した年月を昭和45年6月とする障害年金の裁定をする一方、厚生年金保険法36条(平成2年2月1日より前については平成元年法律第86号による改正前)所定の支払期から5年を経過した障害年金についてはその支給を受ける権利が時効により消滅しているとして支給しなかったことにつき、本件は、上告人が、上記権利の消滅時効は上記裁定の時から進行すると主張して、被上告人に対し、支給されなかった上記障害年金の支払を求めた事案の上告審において、上記支分権(支払期月ごとに支払うものとされる保険給付の支給を受ける権利)の消滅時効は、当該障害年金に係る裁定を受ける前であっても、厚生年金保険法36条所定の支払期が到来した時から進行するものと解するのが相当であるとし、上告人の前記傷害に係る障害年金のうち厚生年金保険法36条所定の支払期から5年を経過したものにつき、時効により消滅したものとした原審の判断は、正当として是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2017.10.24
文書提出命令申立て却下決定に対する抗告審の変更決定に対する許可抗告事件 
LEX/DB25448943/最高裁判所第二小法廷 平成29年10月 4日 決定 (許可抗告審)/平成29年(行フ)第2号
相手方(香川県の住民)が、議員らが県議会の議長に提出した平成25年度分の政務活動費の支出に係る領収書及び添付資料の写しのうち、本件各領収書について、議長の属する地方公共団体である抗告人を文書の所持者として、文書提出命令の申立てをしたのに対し、却下決定が出されたので、これ対する抗告審においてだされた変更決定に対する許可抗告をした事案において、地方公共団体は、その機関が保管する文書について、文書提出命令の名宛人となる文書の所持者に当たるというべきであるとし、抗告人が本件各領収書に係る文書の所持者に当たるとした原審の判断は、正当として是認することができるとして、本件抗告を棄却した事例。
2017.10.17
権利変換計画不認可処分取消等請求事件 
LEX/DB25546955/徳島地方裁判所 平成29年 9月20日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第9号
第一種市街地再開発事業の施行者である原告(市街地再開発組合)が権利変換計画認可申請に対し、徳島市長(処分行政庁)が不認可処分をしたことから、原告が、不認可処分は違法であり、徳島市長は権利変換計画を認可すべきであると主張して、処分行政庁の所属する公共団体である被告に対し、不認可処分の取消しと上記権利変換計画の認可処分の義務付けを求めた事案において、権利変換計画の認可について判断権者たる市長には、裁量が認められるところ、本件処分の理由には合理性があり、本件処分についての市長の判断について裁量の逸脱濫用と認めうる事情はなく、その他の原告の主張する違法事由はいずれも認められないから、本件処分が違法であるとする原告の主張は認められないとし、請求を棄却した事例。
2017.10.03
求償権行使懈怠違法確認等請求及び共同訴訟参加事件 
「新・判例解説Watch」H29.12月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448912/最高裁判所第二小法廷 平成29年 9月15日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第33号
大分県の住民である上告人らが、被上告人(大分県知事)を相手に、被上告人が教員採用試験で受験者の得点を操作するなどの不正に関与した者に対する求償権を行使しないことが違法に財産の管理を怠るものであると主張し、地方自治法242条の2第1項3号に基づく請求(3号請求)として、本件不正に関与したと上告人らが主張するE、F等に対する求償権行使を怠る事実の違法確認を求めるとともに、同項4号に基づく請求(4号請求)として、本件不正に関与したA、B、C及びD並びにE及びFに対する求償権に基づく金員の支払を請求することを求めた住民訴訟の上告審において、上記求償権のうち本件返納額に相当する部分を行使しないことが違法な怠る事実に当たるとはいえないとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中、上告人らのAらに関する4号請求並びに上告人X1らのEらに関する3号請求及び4号請求に関する部分を破棄し、県の教員採用試験において不正が行われるに至った経緯や、本件不正に対する県教委の責任の有無及び程度、本件不正に関わった職員の職責、関与の態様、本件不正発覚後の状況等に照らし、県による求償権の行使が制限されるべきであるといえるか否か等について、更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻しを命じ、上告人らのその余の上告を棄却した事例(意見がある)。
2017.09.26
廃止負担金請求事件
LEX/DB25448903/最高裁判所第一小法廷 平成29年 9月14日 判決 (上告審)/平成28年(受)第1187号
大阪府が営む工業用水道事業に係る条例に基づき、府との間で給水契約を締結して工業用水道を使用していたところ、上記条例の改正により、工業用水道の使用者がその使用を廃止したときは負担金を納付しなければならない旨の規定が設けられたところ、被上告人は工業用水道の使用を廃止したことより、府から上記事業を承継した一部事務組合である上告人が、被上告人に対し、上記給水契約に基づく負担金の支払を求め、原審は、本件廃止負担金が分担金に当たるとして、上告人の請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、本件廃止負担金は、地方自治法224条、228条1項にいう分担金に当たらないというべきであり、条例で定めなければならないものということはできないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、被上告人に本件規定が適用されるか等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻した事例。
2017.09.26
障害補償費不支給決定取消等請求事件
「新・判例解説Watch」H29.12月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448889/最高裁判所第二小法廷 平成29年 9月 8日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第371号
水俣病の認定を受けた被上告人(原告・控訴人)が、公害健康被害の補償等に関する法律(公健法)に基づく障害補償費の支給を請求したところ、熊本県知事から、被上告人の健康被害に係る損害は損害賠償請求訴訟の結果、原因者により全て填補されているとして、障害補償費の不支給処分の決定を受けたため、上告人(被告・被控訴人。熊本県)を相手に、その取消し等を求め、原審が、第1審判決を取り消したため、上告人が上告した事案において、被上告人は、原因者であるチッソに対して、被上告人の水俣病による健康被害に係る損害につき損害賠償請求訴訟を提起したものであるところ、前訴確定判決は同損害の全てについての賠償をチッソに命じたものと解されるから、被上告人がこれに基づく損害賠償金を受領したことにより、熊本県知事は、被上告人に対する公健法に基づく障害補償費の支給義務の全てを免れたものであり、本件不支給処分が公健法13条1項に違反するものということはできないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼす明らかな法令の違反があるとし、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、公害健康被害認定審査会の意見を聴かないことにより本件不支給処分が違法になる旨の被上告人の主張に理由がないことも明らかであり、被上告人の同処分の取消請求は理由がないから、これを棄却した第1審判決は是認することができ、被上告人の控訴を棄却した事例。
2017.09.12
鳴門市競艇従事員共済会への補助金違法支出損害賠償等請求控訴事件 
LEX/DB25546426/高松高等裁判所 平成29年 8月 3日 判決 (差戻控訴審)/平成28年(行コ)第27号
鳴門市の住民である原告ら(控訴人)が、鳴門競艇従事員共済会から鳴門競艇臨時従事員に支給される離職せん別金に充てるため、市が共済会に対して離職せん別金補助金を交付したことが、給与条例主義を定める地方公営企業法38条4項に反する違法、無効な財務会計上の行為に当たるなどとして、地方自治法242条の2第1項4号に基づく請求をした住民訴訟の差戻控訴審において、当時の市長の職にあって本件各補助金に関する予算を調製したDに対し、被告(被控訴人)市長が損害賠償金の支払を請求することを命じ、当時の市公営企業管理者(職名は企業局長)の職にあって本件各補助金の交付決定をしたE、及び、競艇従事員共済会に対し、被告(被控訴人)市公営企業管理者が損害賠償金の支払を請求することを命じる内容で差戻し前の第1審判決中、差戻しに係る部分を変更した事例。
2017.09.12
鳴門市競艇従事員共済会への補助金違法支出損害賠償等請求控訴事件 
LEX/DB25546571/高松高等裁判所 平成29年 8月 3日 判決 (差戻控訴審審)/平成28年(行コ)第26号
鳴門市の住民である原告ら(控訴人)が、鳴門競艇従事員共済会から鳴門競艇臨時従事員に支給される離職せん別金に充てるため、市が共済会に対して離職せん別金補助金を交付したことが、給与条例主義を定める地方公営企業法38条4項に反する違法、無効な財務会計上の行為に当たるなどとして、地方自治法242条の2第1項4号に基づく請求をする住民訴訟の差戻控訴審の事案において、当時の市長の職にあって本件補助金に関する予算を調製したDに対し、被告(被控訴人)市長が損害賠償金の支払を請求することを命じ、及び、当時の市公営企業管理者(職名は企業局長)の職にあって本件補助金の交付決定をしたF、当時の競艇事業担当の企業局次長の職にあって本件補助金の交付決定の決裁に関与したG、及び、市競艇従事員共済会に対し、被告(被控訴人)市公営企業管理者が各損害賠償金の支払を請求することを命じる内容で、差戻し前の第1審判決中、差戻しに係る部分を変更した事例。
2017.07.18
玄海原子力発電所3号機再稼働差止仮処分申立事件(第1事件)、玄海原子力発電所4号機再稼働差止仮処分申立事件(第2事件)
LEX/DB25448731/佐賀地方裁判所 平成29年 6月13日 決定 (第一審)/ 平成23年(ヨ)第21号 等
第1事件債権者らが、人格権又は環境権に基づき、債務者(電気事業会社)が設置している玄海原子力発電所3号機の運転の差止めを命ずる仮処分命令を申し立てた事案(第1事件)、第2事件債権者らが、人格権又は環境権に基づき、債務者(電気事業会社)が設置している玄海原子力発電所4号機の運転の差止めを命ずる仮処分命令を申し立てた事案(第2事件)において、債務者が、基準地震動の合理性及び配管の安全性について相当の根拠、資料に基づき疎明したということができ、債権者らの疎明を検討しても、本件各原子炉施設の安全性に欠けるところがあるとは認められないから、債務者が本件各原子炉施設を運転することにより、債権者らの人格権を侵害するおそれがあるとは認められず、本件各申立てに係る被保全権利の疎明があるということはできないなどとして、第1事件及び第2事件の本件各申立てをいずれも却下した事例。
2017.07.04
伊方原発3号機運転差止仮処分命令申立事件(第1事件、第2事件)
LEX/DB25545650/広島地方裁判所 平成29年 3月30日 決定 (第一審)/平成28年(ヨ)第38号 等
伊方原発3号機の運転差止仮処分命令を申立てた第1事件及び第2事件の各債権者らにおいて、債務者が設置、運転している発電用原子炉施設である伊方発電所3号炉及びその附属施設は、地震、火山の噴火、津波等に対する安全性が十分でないために、これらに起因する過酷事故を生じる可能性が高く、そのような事故が起これば外部に大量の放射性物質が放出されて債権者らの生命、身体、精神及び生活の平穏等に重大かつ深刻な被害が発生するおそれがあるとして、債務者に対し、人格権に基づく妨害予防請求権に基づき、本件原子炉の運転の差止めを命じる仮処分を申し立てた事案において、基準地震動の策定、耐震設計における重要度分類、使用済燃料ピット等の安全対策、地すべりと液状化現象による危険性の評価、制御棒挿入に係る危険性の評価、基準津波の策定、火山事象の影響による危険性の評価、テロリズム対策、シビアアクシデント対策のそれぞれにつき、新規制基準の定めが不合理であるということはできないし、本件原子炉施設が上記の各点につき新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断が不合理であるともいえないなどとし、第1事件及び第2事件の各債権者らの申立てをいずれも却下した事例。
2017.07.04
仮処分命令認可決定に対する保全抗告事件
LEX/DB25545751/大阪高等裁判所 平成29年 3月28日 決定 (抗告審)/平成28年(ラ)第677号
滋賀県内に居住する相手方(債権者)らが、原子力発電所を設置している抗告人(債務者。電力会社)に対し、各原発が耐震性能に欠け、津波による電源喪失等を原因として周囲に放射性物質汚染を惹起する危険性を有する旨主張して、人格権に基づく妨害(予防)排除請求権に基づき、各原発を仮に運転してはならないとの仮処分を申し立て、これを認容する原決定をがなされたため、抗告人が保全異議の申立てをし、原審が原決定を認可したのに対し抗告人が保全抗告をした事案において、各原発の安全性が欠如していることの疎明があるとはいえないとして、原決定を取り消し、相手方らの仮処分申立てを却下した事例。
2017.06.27
補償協定上の地位確認請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.9月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25545811/大阪地方裁判所 平成29年 5月18日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第11819号
水俣病の認定を受けたd及びeの各相続人である原告らが、水俣病を発生させた企業である被告と水俣病患者東京本社交渉団との間で昭和48年7月9日に締結された水俣病補償協定に基づき、被告に対し、本件協定に基づく補償を受けられる等の協定上の権利を有する地位にあることの確認を求めた事案において、本件協定の本文第三項の「認定された患者」に該当するためには、その文言のとおり水俣病の認定を受けたことのみで足り、それ以外の要件は付されていないというべきであるとし、dらは、本件協定の本文第三項の「認定された患者」に該当し、dらの権利義務を承継した原告らは、受益の意思表示をしていることから、被告に対して本件協定に基づく補償給付を求めることができる地位を有すると認め、原告の請求を認容した事例。
2017.06.06
嘉手納基地爆音差止等請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.6月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25545477/那覇地方裁判所沖縄支部 平成29年 2月23日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第245号
本件飛行場の周辺に居住し、若しくは居住していた者又はその相続人である原告らが、本件飛行場において離着陸するアメリカ合衆国の航空機の発する騒音により健康被害を受けていると主張して、日米安保条約及び日米地位協定に基づいてアメリカ合衆国に本件飛行場を提供している被告に対し、人格権、環境権又は平和的生存権に基づき、毎日午後7時から翌日午前7時までの間における本件飛行場における航空機の離発着禁止等を求めた事案において、本件飛行場の航空機の運航等によって、原告らは相当に大きな騒音に曝露され、少なくとも本件コンター上、W75以上を超える区域に居住する原告らについては法的保護に値する重要な利益の侵害があると認められること等、特に本件コンター上W95以上の地域については、航空機騒音対策緊急指針において緊急に対策を講じるべきとされた強度の騒音曝露状況が現在も続いている等として、原告の請求を一部認容した事例。