注目の判例

行政法

2019.03.12
河川占用許可等取消請求事件
「新・判例解説Watch」行政法分野 5月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25561534/広島地方裁判所 平成30年 9月19日 判決 (第一審)/平成27年(行ウ)第14号 等
国土交通省の中国地方整備局長がK社に対してした、〔1〕平成26年12月12日付けの、広島市の河岸(本件土地)における船上食事施設(本件施設)の設置に係る河川法24条に基づく土地の占用許可処分(旧占用許可処分)及び河川法26条1項に基づく工作物の新築許可処分の取消しを、〔2〕平成29年3月31日付けの、〔1〕と同様の土地占用許可処分(新占用許可処分)の取消しを、被告(国)に対し、それぞれ求めた事案において、原告Z1、同Z2、同Z3、同Z4、同Z5、同Z6、同Z7、同Z8、同Z9、同Z10、同Z11、同Z12及び同Z13の訴え並びに原告Z14、同Z15、同Z16、同Z17、同Z18及び同Z19の訴えのうち本件旧占用許可処分及び本件新築許可処分の取消しを求める部分については、不適法であるのでいずれも却下し、原告Z14、同Z15、同Z16、同Z17、同Z18及び同Z19の訴えのうち本件新占用許可処分の取消請求については、棄却した事例。
2019.02.26
損害賠償請求事件 
LEX/DB25570025/最高裁判所第一小法廷 平成31年 2月14日 判決 (上告審)/平成30年(受)第69号
上告人(被控訴人・被告。名張市)の市議会議員である被上告人(控訴人・原告)が、上告人に対し、名張市議会運営委員会が被上告人に対する厳重注意処分の決定(本件措置)をし、市議会議長がこれを公表したことにより、被上告人の名誉が毀損されたとして、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払を求め、原審は、第1審判決を取消し、被上告人の請求を一部認容したため、上告人が上告した事案において、本件措置は議会の内部規律の問題にとどまるものであるから、その適否については議会の自律的な判断を尊重すべきであり、本件措置等が違法な公権力の行使に当たるものということはできないとし、本件措置等が国家賠償法1条1項の適用上違法であるということはできず、上告人は、被上告人に対し、国家賠償責任を負わないというべきであるとして、上告人の国家賠償責任を肯定した原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、これと同旨の第1審判決は結論において是認することができるから、被上告人の控訴を棄却した事例。
2019.02.19
旧庁舎解体等公金支出等差止請求事件
「新・判例解説Watch」行政法分野・環境法分野 5月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25449920/盛岡地方裁判所 平成31年 1月17日 判決 (第一審)/平成30年(行ウ)第8号
岩手県上閉伊郡大槌町の住民である原告らが、大槌町旧役場庁舎(一部)の解体工事に関して、同解体工事に係る請負契約に地方財政法8条の趣旨に反して無効事由等があるから、又は、解体工事に係る公金の支出の決定過程に地方自治法218条に反する事由があるから、大槌町長である被告において上記公金を支出することは違法であると主張して、被告に対し、地方自治法242条の2第1項1号に基づき、上記解体工事の執行の差止めと上記公金の支出の差止めをそれぞれ求めた住民訴訟の事案において、本件解体工事は、本件請負契約に基づいて工事業者が行う物理的破壊行為、すなわち、財務会計行為に係る相手方が行う事実行為にすぎないから、地方自治法242条の2第1項1号が対象とする行為ではないとして、原告らの訴えのうち、大槌町旧役場庁舎の解体工事の執行の差止めを求める部分をいずれも棄却し、原告らのその余の請求をいずれも棄却した事例。
2019.01.29
建築確認取消請求事件
LEX/DB25561910/東京地方裁判所 平成30年12月21日 判決 (第一審)/平成30年(行ウ)第75号
建築基準法77条の21第1項の指定確認検査機関である被告は,有限会社T社(本件会社)に対し、〔1〕平成28年8月10日付けで,新築しようとする本件建築計画について、同法6条の2第1項に基づく確認の処分(建築確認処分)をし、〔2〕平成29年2月20日付けで、本件建築計画について、同項に基づく確認の処分(本件変更処分)をした。本件は、本件建物の近隣の住戸に居住し、又はこれを所有若しくは共有する原告らが、本件建物の敷地となるべき本件土地が建築基準法43条及び東京都建築安全条例10条の3が規定する敷地等と道路との関係を満たしておらず、上記の法令の規定に違反しているから、本件変更処分は違法にされたものであるなどとして、本件変更処分の取消しを求めた事案で、本件変更処分は、本件建築計画が建築基準関係規定である建築基準法43条の規定する要件を満たさない建築物の計画であることを看過してされた違法な処分であって、同法6条の2第1項の要件を満たさないから、その余の点について判断するまでもなく、取消しを免れないと判示し、原告らの請求を認容した事例。
2019.01.22
建築変更確認取消裁決取消請求控訴事件
LEX/DB25561882/東京高等裁判所 平成30年12月19日 判決 (控訴審)/平成30年(行コ)第199号
控訴人(原告)らが建築主となって建築する共同住宅(本件マンション)の建築計画について、指定確認検査機関である株式会社都市居住評価センター(原処分庁)が建築基準法6条1項前段に定める建築確認処分(原処分)をし、その後、同項後段に定める建築計画変更確認処分(本件処分)をし、被控訴人参加人を含む本件マンションの周辺住民(審査請求人ら)が本件処分の取消しを求めて審査請求をしたところ(26建審・請第1号審査請求事件)、東京都建築審査会(裁決行政庁)が、本件マンションの建築計画には条例違反の違法があるなどとして本件処分を取り消す旨の裁決(本件裁決)をしたことにより、控訴人らが本件裁決は違法であると主張して、被控訴人(被告。東京都)に対し、本件裁決の取消しを求め、原審が、控訴人らの請求を棄却したため、控訴人らが控訴した事案で、控訴人らの請求は理由がないから棄却するのが相当であると判断し、本件控訴を棄却した事例。
2019.01.08
生活保護変更決定取消等請求事件 
LEX/DB25449866/最高裁判所第三小法廷 平成30年12月18日 判決 (上告審)/平成29年(行ヒ)第292号
生活保護法に基づく保護を受けていた被上告人が、同一世帯の構成員である長男の勤労収入について同法61条所定の届出をせずに不正に保護を受けたことを理由として、門真市長から権限の委任を受けた門真市福祉事務所長から、同法78条に基づき、勤労収入に係る額(源泉徴収に係る所得税の額を控除した後のもの)等を徴収する旨の費用徴収額決定を受けるなどしたため、上告人を相手に、その取消し等を求めた上告審の事案において、被上告人は、同一世帯の構成員である長男の勤労収入についての適正な届出をせずに不正に保護を受けたのであるから、門真市福祉事務所長が、本件徴収額決定に係る徴収額の算定に当たり、本件基礎控除額に相当する額を控除しなかったことが違法であるということはできないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、他に本件徴収額決定のうち本件基礎控除額に相当する額を徴収する部分を違法とすべき事情は見当たらず、同部分は適法というべきであるから、同部分に係る取消請求は棄却し、これと異なる原判決主文第1項を変更した事例。
2018.11.27
神奈川県議会議員政務活動費不正受給確認請求事件
LEX/DB25449809/最高裁判所第二小法廷 平成30年11月16日 判決 (上告審)/平成29年(行ヒ)第404号
神奈川県の住民である被上告人(被控訴人・原告)が、県議会の会派であるB(本件会派)が平成23年度から同25年度まで(本件各年度)に交付を受けた政務調査費及び政務活動費に関し、収支報告書に支出として記載されたものの一部は実際には支出されていないから、本件会派はこれを不当利得として県に返還すべきであるにもかかわらず、上告人はその返還請求を違法に怠っているとして、地方自治法242条の2第1項3号に基づき、上告人(控訴人・被告。県知事)を相手として、上告人が本件会派に対する不当利得返還請求権の行使を怠ることが違法であることの確認を求めた住民訴訟で、被上告人の請求を認容したため、上告人が上告した事案で、神奈川県議会政務活動費の交付等に関する条例に基づいて交付された政務活動費等について、その収支報告書上の支出の一部が実際には存在しないものであっても、当該年度において、収支報告書上の支出の総額から実際には存在しないもの及び使途基準に適合しないものの額を控除した額が政務活動費等の交付額を下回ることとならない場合には、当該政務活動費等の交付を受けた会派又は議員は、県に対する不当利得返還義務を負わないものとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、第1審判決を取消し、被上告人の請求を棄却した事例。
2018.11.20
違法公金支出損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」行政法分野 1月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25449792/最高裁判所第三小法廷 平成30年11月 6日 判決 (上告審)/平成29年(行ヒ)第226号
大竹市による市の土地の譲渡につき、市の住民である被上告人(控訴人・原告)らが、当該譲渡は地方自治法237条2項にいう適正な対価なくしてされたにもかかわらず、同項の議会の議決によるものでないことなどから違法であるとして、同法242条の2第1項4号に基づき、上告人(被控訴人・被告)を相手に、当時市長の職にあった者に対して損害賠償請求をすること等を求めた住民訴訟で、原審が、A市長に対する損害賠償請求をすることを求める被上告人らの請求のうち本件土地の適正な対価の下限であるという金額4億9910万円と本件譲渡価格との差額である1億4910万円に相当する部分を認容したため、上告人が上告した事案において、本件譲渡議決に関しては、市議会で、本件譲渡価格に加えて平成23年鑑定評価額を踏まえた上で、本件譲渡が適正な対価によらずにされたものであったとしてもこれを行う必要性と妥当性についても審議がされており、審議の実態に即して、本件譲渡が適正な対価によらないものであることを前提として審議がされた上これを行うことを認める趣旨でされたものと評価することができるから、本件譲渡議決をもって、地方自治法237条2項の議会の議決があったということができ、本件譲渡の方式等についてみても、プロポーザル方式により本件公募をし、エポックワンらを選定した経緯等に関し、A市長が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したことをうかがわせる事情は存しないとして、本件譲渡に財務会計法規上の義務に違反する違法はなく、A市長は、本件譲渡に関して、市に対する損害賠償責任を負わないというべきであるとして、原判決中上告人敗訴部分につき破棄し、上記部分に関する被上告人らの請求を棄却した第1審判決は相当であるとし、上記部分につき、被上告人らの控訴を棄却した事例(補足意見あり)。
2018.11.06
遺留分減殺請求事件
LEX/DB25449749/最高裁判所第二小法廷 平成30年10月19日 判決 (上告審)/平成29年(受)第1735号
上告人が、被上告人に対し、本件相続分譲渡によって遺留分を侵害されたとして、被上告人が遺産分割調停によって取得した不動産の一部についての遺留分減殺を原因とする持分移転登記手続等を求め、本件相続分譲渡が、亡Aの相続において、その価額を遺留分算定の基礎となる財産額に算入すべき贈与(民法1044条、903条1項)に当たるか否かが争われ、原審は、上告人は遺留分を侵害されていないとして、上告人の請求を棄却すべきものとしたため、上告人が上告した事案で、共同相続人間でされた無償による相続分の譲渡は、譲渡に係る相続分に含まれる積極財産及び消極財産の価額等を考慮して算定した当該相続分に財産的価値があるとはいえない場合を除き、上記譲渡をした者の相続において、民法903条1項に規定する「贈与」に当たるとし、本件相続分譲渡はその価額を遺留分算定の基礎となる財産額に算入すべき贈与に当たらないとして上告人の請求を棄却すべきものとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決を破棄し、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととした事例。
2018.10.30
裁判官に対する懲戒申立て事件
LEX/DB25449743/最高裁判所大法廷 平成30年10月17日 決定 (上告審)/平成30年(分)第1号
被申立人(高等裁判所の民事事件担当の判事)が、実名が付された自己のアカウントで、高等裁判所で控訴審判決がされて確定した自己の担当外の事件である犬の返還請求等に関する民事訴訟についての報道記事を閲覧することができるウェブサイトにアクセスすることができるようにするとともに、本件アカウントにおける投稿が裁判官である被申立人によるものであることが不特定多数の者に知られている状況の下で行われたものであった本件ツイートをし、上記訴訟を提起して犬の返還請求が認められた当事者の感情を傷つけた事実につき、被申立人である裁判官に対する懲戒申立てをした事案において、被申立人の行為は、裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」に当たるとし、被申立人は、本件ツイートを行う以前に、本件アカウントにおける投稿によって裁判官の品位と裁判所に対する国民の信頼を傷つけたなどとして2度にわたる厳重注意を受けており、取り分け2度目の厳重注意は、訴訟に関係した私人の感情を傷つけるものである点で本件と類似する行為に対するものであった上、本件ツイートの僅か2か月前であったこと、当該厳重注意を受ける前の事情聴取の際、被申立人は、訴訟の関係者を傷つけたことについて深く反省しているなどと述べていたことにも照らすと、そのような経緯があるにもかかわらず、本件ツイートに及んだ被申立人の行為は、強く非難されるべきものであるとして、裁判官分限法2条の規定により被申立人を戒告することとした事例(補足意見がある)。
2018.08.07
建築確認処分取消等請求事件
LEX/DB25560531/大阪地方裁判所 平成30年 3月22日 判決 (第一審)/平成29年(行ウ)第126号
本件建築主は、大阪市の一部である別紙図面のA区画(本件土地)に地上5階建ての賃貸マンション(本件建物)の建築を計画し、平成28年7月15日付けで建築確認申請をしたところ、大阪市建築主事は、同年8月8日付けで、本件計画につき建築確認をしたが、本件土地の周辺に居住する原告らが、本件土地につき都市計画法29条1項の開発許可を経ていないから本件建築確認は違法であるなどと主張して、被告(大阪市)に対し、その取消しを求めるとともに、本件建築確認に係る原告らの審査請求を棄却した裁決の取消しを求めた事案で、本件建築確認取消請求において、本件建築確認の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として、その取消訴訟における原告適格を有するとし、本件土地につき開発許可は不要であるとした本件不要判定は適法であり、本件計画は都市計画法29条1項に違反しないとし、他に本件建築確認を違法とすべき事由も見当たらないから、本件建築確認は適法であるとし、これを適法として原告らの審査請求を棄却した本件裁決はその結論において正当であり,本件裁決にこれを取り消すべき瑕疵があるとはいえないとし、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2018.07.31
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」憲法・行政法分野 10月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25449587/最高裁判所第一小法廷 平成30年 7月19日 判決 (上告審)/平成28年(受)第563号
都立高校の教職員であった被上告人(原告・被控訴人)ら又はその被承継人らは、その在職中、各所属校の卒業式又は入学式において国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱することを命ずる旨の職務命令に従わなかったところ、東京都教育委員会(都教委)は、このことを理由として、東京都公立学校の再任用職員、再雇用職員又は非常勤教員の採用候補者選考において、上記の者らを不合格とし、又はその合格を取り消して、定年又は勧奨による退職後に再任用職員等に採用しなかったことを踏まえ、都教委が上記の者らを不合格とし、又はその合格を取り消したことについて裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があるなどとして、被上告人らが上告人(被告・控訴人。東京都)に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求め、第1審判決は、東京都教育委員会の裁量権の範囲の逸脱又は濫用を認め、被上告人らの請求を一部認容したため、上告人が控訴し、控訴審判決も第1審判決を維持しため、上告人が上告した事案において、任命権者である東京都教育委員会が、再任用職員等の採用候補者選考に当たり、従前の勤務成績の内容として本件職務命令に違反したことを被上告人らに不利益に考慮し、これを他の個別事情のいかんにかかわらず特に重視すべき要素であると評価し、そのような評価に基づいて本件不合格等の判断をすることが、その当時の再任用制度等の下で、著しく合理性を欠くものではなく、本件不合格等は、いずれも、都教委の裁量権の範囲を超え又はこれを濫用したものとして違法であるとはいえないとして、原判決を破棄し、第1審判決中上告人敗訴部分を取消し、同部分につき被上告人らの請求をいずれも棄却した事例。
2018.07.10
許可処分義務付け等請求事件
「新・判例解説Watch」環境法分野 9月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25560541/水戸地方裁判所 平成30年 6月15日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第9号
被告の知事が、原告がした国定公園の特別地域内における太陽光発電設備の新築の許可申請に対し不許可処分をしたため、原告が、被告に対し、同処分の取消し及び同申請に対する許可処分の義務付けを求める事案で、取消訴訟について、本件申請は、被告が主張するいずれの不許可事由にも該当しないというべきであり、そうであるにもかかわらず被告の知事が本件不許可処分をしたことについては、裁量権の逸脱、濫用があるといわざるをえないとして、取消訴訟に係る原告の請求は理由があるとし、また、義務付け訴訟についても、被告の知事が原告に対し本件申請を許可しないことは、その裁量権の範囲を超え又はその濫用となると認められるから、原告の本件申請に対する許可の義務付けの請求には理由があるとし、請求を認容した事例。
2018.06.12
建築変更確認取消裁決取消請求事件
LEX/DB25560274/東京地方裁判所 平成30年 5月24日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第192号
原告らが建築主となって建築する共同住宅(本件マンション)の建築計画について、指定確認検査機関である株式会社都市居住評価センター(原処分庁)が、建築基準法6条1項前段に定める建築確認処分及び同項後段に定める建築計画変更確認処分をしたところ、被告参加人を含む本件マンションの周辺住民らが建築計画変更確認処分(本件処分)の取消しを求めて審査請求をし(26建審・請第1号審査請求事件)、東京都建築審査会(裁決行政庁)は、本件マンションの建築計画には条例違反の違法があるなどとして、上記審査請求を認容し、本件処分を取り消す旨の裁決をしたため、本件裁決により本件処分が取り消されたことにより本件マンションの建築工事を行うことができなくなったため、建築主である原告らが、被告(東京都)に対し、本件裁決の取消しを求めた事案において、本件マンションの建築計画が東京都建築安全条例32条6号に違反しているとした本件裁決の判断に誤りはなく、その他本件裁決に係る手続上の違法など原告ら及び同補助参加人の主張に係る違法事由はいずれも認められないとし、原告らの請求を棄却した事例。
2018.05.29
原子力発電所設置許可処分取消等請求事件、大間原子力発電所建設・運転差止等請求事件、原子力発電所建設・運転差止等請求事件
LEX/DB25449377/函館地方裁判所 平成30年 3月19日 判決 (第一審)/平成22年(行ウ)第2号
被告電源開発が経済産業大臣の設置許可処分に基づき青森県下北郡大間町に建設に着手した大間原子力発電所(本件原発)について、原告66名が、被告電源開発に対し、人格権に基づく侵害予防として,本件原発の建設及び運転の差止めを求めるとともに、原告ら1164名が、被告らに対し、本件原発の危険性に対する不安のため甚大な精神的苦痛を受けているなどとして、被告電源開発に対しては不法行為に基づき、被告国に対しては国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料各1000万円の一部請求として各3万円の連帯支払を求めた事案で、原告らが、規制委員会が本件原発の安全審査に用いる具体的審査基準に不合理な点があると主張するいずれの事項についても、不合理であるとは認められず、未だ規制委員会の判断がなされておらず、本件原発の運転開始の目途も立っていない現時点(本件口頭弁論終結時)においては、本件原発の重大な事故発生に伴う放射性物質の放出等の具体的危険があるとは認められないとし、原告らの被告電源開発に対する本件原発の建設及び運転の差止請求を棄却し、また、本件原発の運転開始の目途も立っていない現時点においては、本件原発の重大な事故発生に伴う放射性物質の放出等に対する原告らの不安感は抽象的なものにとどまると認められ、原告らの主張する法益侵害が生じているとはいえず、原告らの被告らに対する各慰謝料請求も棄却した事例。
2018.05.08
議場における発言取消命令取消請求事件
LEX/DB25449432/最高裁判所第一小法廷 平成30年 4月26日 判決 (上告審)/平成29年(行ヒ)第216号
被上告人(原告・控訴人。愛知県議会議員)が、県議会議長から、地方自治法129条1項に基づき、県議会の一般質問における県知事に対する発言の一部を取り消すよう命じられたため、上記発言は社会通念上相当な内容のものであるなどとして、上告人(被告・被控訴人。愛知県)を相手に、本件命令の取消しを求め、原審は、本件訴えを適法とし、本件命令の適否が司法審査の対象とならないとした第1審判決を取消し、本件を第1審に差し戻しを言い渡したため、上告人が上告した事案において、県議会議長の県議会議員に対する発言の取消命令の適否は、司法審査の対象とはならないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、本件訴えは不適法であり、これを却下した第1審判決は正当であるから、被上告人の控訴を棄却した事例。
2018.03.20
各水俣病認定申請棄却処分取消等請求控訴事件
LEX/DB25549278/東京高等裁判所 平成29年11月29日 判決 (控訴審)/平成28年(行コ)第259号
1審原告らが1審被告(新潟市)に対し、公害健康被害の補償等に関する法律に基づく水俣病認定申請棄却処分の取消しを求めるとともに、1審原告q11において、亡q1が、そのり患していた疾病が同法施行令1条に基づく別表第2の1において定める新潟県の区域のうち、新潟市及び豊栄市の区域に係る水質の汚濁の影響による水俣病である旨の認定を受けることができる者であった旨の決定をすることの義務付けを、1審原告q11を除く1審原告らにおいて、自己が、り患している疾病が上記区域に係る水質の汚濁の影響による水俣病である旨の認定をすることの義務付けをそれぞれ求め、原審は、1審原告q2の訴えのうち水俣病である旨の認定をすることの義務付けを求める部分及び1審原告q11の訴えのうち亡q1が水俣病である旨の認定を受けることができる者であった旨の決定をすることの義務付けを求める部分をいずれも却下し、1審原告q2及び1審原告q11のその余の請求をいずれも棄却し、また、1審原告らの請求を公健法所定の水俣病にかかっていると認定しいずれも認容したため、1審原告q2、1審原告q11及び1審被告がそれぞれ控訴した事案において、1審原告らの請求はいずれも理由があるから、原判決中、1審原告q2及び1審原告q11に係る部分をそれぞれ取消し、1審原告q2及び1審原告q11の請求をいずれも認容し、1審被告の控訴を棄却した事例。
2018.01.30
不開示決定処分取消等請求事件
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LEX/DB25449195/最高裁判所第二小法廷 平成30年 1月19日 判決 (上告審)/平成29年(行ヒ)第46号
上告人(1審原告)が、情報公開法に基づき、内閣官房内閣総務官に対し、平成24年12月から同25年12月31日までの内閣官房報償費の支出に関する行政文書の開示を請求したところ、これに該当する行政文書のうち、政策推進費受払簿、支払決定書、出納管理簿、報償費支払明細書、領収書、請求書及び受領書の本件各文書に記録された情報が情報公開法5条3号及び6号所定の不開示情報に当たるとして、本件各文書を開示しないなどとする決定を受けたため、被上告人(1審被告。国)に対し、本件決定のうち同年1月1日から同年12月31日までの本件対象期間の内閣官房報償費の支出に関する本件各文書(本件対象文書)を不開示とした本件不開示決定部分の取消し及び本件対象文書の開示決定の義務付けを求めたところ、第1審判決は、一部の行政文書を不開示した部分を取り消し、開示決定をする旨を命じたほか、一部開示決定の義務付け請求に係る訴えを却下したため、双方が控訴し、原判決は、本件対象文書のうち政策推進費受払簿、出納管理簿(国庫からの内閣官房報償費の支出(受領)に係る記録部分を除く。)及び報償費支払明細書に係る本件不開示決定部分の取消請求を棄却し、これに係る開示決定の義務付けを求める訴えを却下すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、政策推進費受払簿、出納管理簿のうち政策推進費の繰入れに係る記録部分及び月分計等記録部分並びに報償費支払明細書のうち政策推進費の繰入れに係る記録部分及び繰越記録部分に係る本件不開示決定部分が適法であるとした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、内閣官房内閣総務官が上記の文書及び各記録部分について開示決定をすべきであることは明らかであり、これに係る上告人の本件不開示決定部分の取消請求及び開示決定の義務付け請求は、いずれも認容し、他方、報償費支払明細書のうち調査情報対策費及び活動関係費の各支払決定に係る記録部分に係る本件不開示決定部分が適法であるとした原審の判断は、是認することができ、これに関する上告人の上告は理由がなく、また、上告人のその余の請求に関する上告については、上告受理申立て理由が上告受理の決定において排除し、原判決を変更した事例(意見がある)。
2018.01.23
損害賠償請求控訴事件
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LEX/DB25449105/大阪高等裁判所 平成29年11月30日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第53号
控訴人(原告)が、大阪府情報公開条例に基づき、大阪府知事に対し、第16回ピースおおさか展示リニューアル監修委員会配付資料等の公開請求をしたのに対し、大阪府知事から、上記配付資料に記録されている情報が本件条例8条1項所定の非公開条例に該当することを理由とする非公開決定を受けたところ、同決定は違法であり、これにより精神的苦痛を受けたと主張して、被控訴人(被告。大阪府)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料の支払を求めた事案の控訴審において、本件文書を公開することにより、本件センターの正当な利益を害すると認められるとして、法人等情報に該当することを理由に本件非公開決定をしたことに相応の合理的な根拠が認められず、本件非公開決定は、大阪府知事が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と本件非公開決定をした点で、国賠法上も違法であるとして、原判決を変更して、控訴人の請求のうち、被控訴人に対し5万円を支払うよう命じ、その余の請求を棄却した事例。
2018.01.09
居住確認等請求本訴、家屋明渡等請求反訴事件
LEX/DB25449141/最高裁判所第一小法廷 平成29年12月21日 判決 (上告審)/平成29年(受)第491号
本件本訴は、上告人が、被上告人(京都市)の所有する住宅地区改良法2条6項の改良住宅である本件住宅を使用する権利を上告人の母であるAから承継したなどと主張して、被上告人に対し、本件住宅の使用権及び賃料額の確認等を求めるものであり、本件反訴は、被上告人が、本件住宅を占有する上告人に対し、所有権に基づく本件住宅の明渡し及び賃料相当損害金の支払等を求め、原審は、上告人による本件住宅の使用権の承継を否定したため、上告人が上告した事案において、原審の判断は是認することができるとし、上告を棄却した事例。