注目の判例

民法(財産法)

2018.12.18
不当利得返還等請求事件 new
「新・判例解説Watch」財産法分野 2月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25449849/最高裁判所第二小法廷 平成30年12月 7日 判決 (上告審)/平成29年(受)第1124号
上告人(控訴人・原告。中小企業等への融資等を主たる事業とする金融機関)が、被上告人(被控訴人・被告。自動車部品等の製造、販売等を主たる事業とする会社)に対し、金属スクラップ等の引揚げ及び売却が上告人に対する不法行為に当たるとして5000万円の損害賠償金及び遅延損害金の支払を請求し、選択的に、これによって被上告人が得た利益は不当利得に当たるとして同額の不当利得金の返還及び民法704条前段所定の利息の支払を請求し、上記の不法行為及び不当利得の成否に関して、本件動産につき、上告人が被上告人に対して本件譲渡担保権を主張することができるか否かが争われ、1審判決は上告人の請求を棄却したため、これを不服として上告人が控訴し、控訴審判決は、本件動産譲渡担保の範囲は、目的物の種類、数量及び保管場所により特定されており、被上告人自認超過部分(一部の各品目を除いたもの)について留保所有権の消滅が認められる以上、その品目及び数量に係る損害が発生したものと認め、上告人に対する不法行為を構成するとして、1審判決を変更し、上告人の請求を一部認容した。しかし、上告人は、本件売買契約で、目的物の所有権は、上記代金の完済をもって、被上告人からM社に移転するという本件条項に基づき被上告人が本件動産の所有権を留保することは本件動産の所有権を被上告人からM社に移転させた上でM社が被上告人のために担保権を設定したものとみるべきであるにもかかわらず、本件動産につき、その所有権が被上告人からM社に移転しておらず、上告人が被上告人に対して本件譲渡担保権を主張することができないとした原審の判断には、法令解釈の誤り、判例違反がある旨を主張し、上告した事案において、本件動産の所有権は、本件条項の定めどおり、その売買代金が完済されるまで被上告人からM社に移転しないものと解するのが相当であるとして、本件動産につき、上告人は、被上告人に対して本件譲渡担保権を主張することができないとし、本件上告を棄却した事例。
2018.12.11
損害賠償請求事件(東住吉女児焼死事故 車メーカへの請求棄却)
LEX/DB25561588/大阪地方裁判所 平成30年10月26日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第724号
原告が、平成7年に原告の自宅で発生した火災により原告の子が焼死した事故に関し、本件火災の原因は、被告会社が設計・製造し、販売した軽乗用自動車が通常備えるべき安全性を備えておらず、同車から漏出したガソリンに原告宅の風呂釜の種火が引火したものである旨主張して、被告会社に対し、不法行為に基づく損害賠償として、原告が相続した子の損害(逸失利益及び死亡慰謝料の各2分の1に相当する3237万1578円)、原告固有の損害(慰謝料1500万円)及び弁護士費用の合計5210万8735円の支払等を求めた事案において、原告が本件被害者から相続した損害賠償請求権について、除斥期間の経過により権利行使をさせないことが著しく正義・公平の理念に反するとは未だ認められないというべきであり、本訴請求権は、いずれも除斥期間の経過により消滅したと認められ、原告の請求を棄却した事例。
2018.12.04
損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件
「新・判例解説Watch」財産法分野 1月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25561484/東京高等裁判所 平成30年 9月12日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第1183号 等
被控訴人(原告)は、控訴人(被告)とペアを組んでバドミントンのダブルス競技を行っていた際に控訴人のラケットが被控訴人の左眼に当たった事故について、控訴人に過失があると主張して、控訴人に対し、不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害1534万1527円の支払等を求め、原審は、被控訴人の請求を789万3244円の支払等を求める限度で認容し、その余の請求を棄却したところ、控訴人がその敗訴部分につき本件控訴を提起し、被控訴人がその敗訴部分につき本件附帯控訴を提起した事案で、控訴人の控訴を棄却したうえで、被控訴人の附帯控訴に基づき、原審の認容額を1319万0378円に増額した内容で一部認容し、その余の請求を棄却した事例。
2018.12.04
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25561483/東京高等裁判所 平成30年 7月19日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第1024号
控訴人(原告。身長159cm、体重50kg程度の体格の40歳代の女性)が被控訴人(被告。身長180cm、体重85kg程度の体格の40代の男性)に対し、A地区合同運動会における自転車リングリレー競技中に発生した衝突事故は被告の注意義務違反によるものであるとして、不法行為による損害賠償請求権に基づき、休業損害90万4512円及び通院慰謝料119万円の合計209万4512円の支払等を求めたところ、原審は、被控訴人が、本件事故について、控訴人に対し、道義的責任を負うことは明らかというべきであるが、法的責任があるということはできないとし、控訴人の請求を棄却したため、控訴人が控訴した事案で、原判決を変更し、競技者が対向して走行する方式である本件競技の下でも、被控訴人が本件事故を回避することは十分可能であったといえ、主催者の責任と競技者の責任とは、一方のみが成立して他方が成立しないといった択一的な関係にはないから、主催者の損害賠償責任の有無にかかわらず、本件事実関係において、加害者である被控訴人は、その責任を免れないというべきであるとして、原判決を変更し、控訴人の請求を一部認容した事例。
2018.12.04
損害賠償請求事件(神奈川県弁護士会に賠償命令 個人情報を不当漏えい)
LEX/DB25561550/横浜地方裁判所 平成30年 7月19日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第5128号
原告が、被告の弁護士法23条の2に基づく報告の請求(弁護士会照会)に際して照会先に原告の戸籍全部事項証明書等が送付されたことによって、プライバシーを違法に侵害されたなどと主張して、被告に対し、不法行為に基づき、慰謝料140万円の支払等を求めた事案において、原告は、被告の本件送付行為により、本件原戸籍に記載された原告の個人に関する情報が本件照会先に開示されたことにより、相応の精神的苦痛を受けたものと認められるが、一方で、情報が本件照会先以外の者に伝播したことを認めるに足りる証拠は存在せず、これらの事情を総合すると、原告の精神的苦痛に対する慰謝料の金額は、10万円とするのが相当であるとし、原告の請求を一部認容した事例。
2018.11.06
発信者情報開示仮処分命令申立事件 
LEX/DB25561324/東京地方裁判所 平成30年 9月14日 決定 (第一審)/平成30年(ヨ)第1081号
債権者(「美整顔」と呼ぶフェイスアップ、ほうれい線の解消等の施術を行っている者)が、債務者(インターネット検索サービス等を提供する法人)が管理・運営する地図情報と連動した口コミ投稿サイトに何者かが投稿した記事によって、名誉権を侵害された、ないし業務妨害を受けたと主張して、債務者に対し、プロバイダ責任制限法4条1項に基づく発信者情報開示請求権を被保全権利として、上記侵害に係る別紙発信者情報目録記載の各情報の仮の開示を求めた事案において、本件投稿は、債権者の名誉権を侵害するものであるとは認められず、本件投稿が業務妨害に当たるということもできないとして、本件申立てを却下した事例。
2018.10.30
各放送受信料支払等請求控訴事件
LEX/DB25561275/東京高等裁判所 平成30年 9月20日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第1993号
1審原告において、(1)1審被告らに対し、1審被告らがそれぞれ運営するホテルの客室等合計3万4426か所に遅くとも平成24年1月までに設置した衛星受信機について、平成26年2月28日付け放送受信契約書が提出されたことにより、1審原告と1審被告らとの間において、それぞれ放送受信契約が成立し、1審被告らが当該受信機の設置の月から放送受信料の支払義務を負うとして、平成24年1月から平成26年1月までの期間における放送受信料合計19億2932万1040円の支払を求めた(第1請求)とともに、(2)1審被告ホテルに対し、同1審被告が平成25年10月まで運営していたホテル支店の客室114室に遅くとも平成24年1月までに設置した衛星受信機について、選択的に、〔1〕1審原告による放送受信契約の申込みが1審被告ホテルに到達した時点で、放送受信契約が成立したとして、平成24年1月から平成25年10月までの期間における放送受信料563万9580円の支払、又は,〔2〕1審被告ホテルは放送受信契約を締結しないことにより、法律上の原因なく1審原告の損失により放送受信料相当額を利得しているとして、不当利得返還請求として上記同額の支払を求めたところ、原審は、1審原告の上記(1)の請求を全部認容し、上記(2)の各請求をいずれも棄却し、1審原告及び1審被告らが敗訴部分を不服として双方が控訴した事案(なお、1審原告は、当審で、上記(2)に関する訴えを変更し、主位的に、1審被告ホテルは、放送法64条1項に基づき、1審原告からの放送受信契約の申込みを承諾する義務があるとして、当該承諾の意思表示をするよう求めるとともに、これにより成立する放送受信契約に基づく放送受信料として563万9580円の支払を求め、予備的に、上記(2)〔2〕の不当利得返還請求を維持した(第2請求))で、1審原告の第1請求を認容した原判決は相当であるとし、1審被告らの控訴を棄却し、1審原告の当審における第2請求の主位的請求を認容した事例。
2018.10.30
工作委託料等請求控訴事件
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LEX/DB25449701/大阪地方裁判所 平成30年 8月29日 判決 (控訴審)/平成30年(レ)第57号
被控訴人が、控訴人に対し、被控訴人が控訴人に協力するという内容で締結された「別れさせ工作委託契約」と称する契約について、着手金として80万円、上記契約の目的が達成されたときは成功報酬として40万円を控訴人がそれぞれ支払う旨の約定があったと主張して、残金70万円等の支払を求めた本訴請求と、控訴人が、被控訴人に対し、本件契約及びこれに付随する調査委託契約が公序良俗に反し無効であるなどと主張して、不当利得返還請求権に基づき、本件契約等に基づいて支払った既払金等の支払を求めた反訴請求からなる事案の控訴審において、本件契約等の目的達成のために想定されていた方法は、人倫に反し関係者らの人格、尊厳を傷付ける方法や、関係者の意思に反してでも接触を図るような方法であったとは認められないなどとして、本件契約等が公序良俗に反するとまではいえないなどとして、原判決を相当であるとし、本件控訴を棄却した事例。
2018.10.23
損害賠償請求事件(「茶のしずく」石鹸 福岡集団訴訟)
LEX/DB25449631/福岡地方裁判所 平成30年 7月18日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第1447号
各原告が、被告Y社(販売会社)及び被告F社(製造元)が製造した石けん(商品名「茶のしずく石鹸」)を使用したところ、同石けん中に成分として含有されていた、被告K社(小麦グルテン加水分解物(商品名「グルパール19S」)製造会社)によって感作されてアレルギーにり患し、それによりアレルギー症状を発症したと主張して、製造物責任法3条に基づき、本件6名原告らを除くその余の各原告は、被告Y社及び被告F社に対しては上記石けんの欠陥を、被告K社に対してはグルパール19Sの欠陥を原因とする損害賠償請求の一部請求として、各1500万円及び遅延損害金の連帯支払を求め、本件6名原告らは、それぞれ、被告K社に対し、グルパール19Sの欠陥を原因とする損害賠償請求の一部請求として、各1500万円及びこれに対する同各原告のアレルギー発症の日以降の日から支払済みまで同割合による遅延損害金の支払を求めた事案において、原告14名分については被告3社連帯で認容額を合計約4120万円の支払を命じ、被告Y社と被告F社と和解が成立した本件6名原告らは、被告K社に合計約1615万円の支払を命じた事例。
2018.10.16
損害賠償請求事件(「茶のしずく」石鹸 東京集団訴訟)
LEX/DB25560920/東京地方裁判所 平成30年 6月22日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第11529号 等
原告(23名)らが、本件石けんの使用により小麦アレルギーに罹患し、その多くは小麦依存性運動誘発アナフィラキシーを発症し、小麦摂取の制限や摂取後の日常生活の制限を受けることとなったなどと主張して、上記石けんを製造販売した被告株式会社Y社、上記石けんを製造した被告F社及び上記石けんの原材料の一つとして配合された加水分解コムギ末を製造した被告K社に対し、製造物責任法3条に基づき、連帯して、損害賠償として、原告一人当たり1500万円又は1000万円の包括一律請求での支払を求めた事案において、本件石けんは通常有すべき安全性を欠いているものと認められ、本件石けんには欠陥があるとし、被告Y社は、製造物責任法2条3項3号の実質的製造業者に当たるとしたした上で、、被告Y社、被告F社に対する請求については、請求額を減額した形で一部認容し、原材料の成分であるグルパール19Sが、完成品の製品設計のいかんにかかわらず社会通念上期待される安全性の水準を欠いているとまでは認められず、グルパール19Sには欠陥がないとして、原材料の小麦由来成分を製造した被告K社に対する請求については、棄却した事例。
2018.09.25
検索結果削除請求控訴事件
LEX/DB25561115/東京高等裁判所 平成30年 8月23日 判決 (控訴審)/平成30年(ネ)第1104号
控訴人(原告。インターネット上における広告業務及び広告代理業務等を目的とする株式会社)が、〔1〕被控訴人(被告。インターネットで検索サイトを管理、運営する米国法人)が管理運営する日本向けグーグル検索サービスで、検索すると、表題、URL及び抜粋等情報(本件検索結果)が表示される、〔2〕本件検索結果は、控訴人ない控訴人の代表取締役が控訴人の事業として詐欺商材を販売し、詐欺行為をしているとの事実を摘示している、〔3〕〔2〕の事実摘示は控訴人の社会的評価を低下させるものであり、名誉毀損が成立する、〔4〕したがって、被控訴人は、本件検索結果を削除する義務を負うと主張して、被控訴人に対し、人格権に基づき、日本向け検索サービスにおいて、本件検索結果の削除を求めたところ、原審は、本件検索結果は、控訴人の社会的評価を低下させるものであるが、その表現行為は、公益を図る目的のものであり、これらの摘示事実が真実でないと認めることはできないとして、控訴人の請求を棄却したため、これを不服として控訴人が控訴した事案で、本件摘示事実が真実でないことが明らかであると認めることはできないなどとして、本件控訴を棄却した事例。
2018.09.25
補償金請求事件
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LEX/DB25550748/東京地方裁判所 平成29年11月29日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第8712号
被告銀行に預金口座を開設している原告が、被告銀行から発行を受けたデビットカードを海外で使用したところ、その後何者かによって複数回にわたり上記カードの情報及び暗証番号が不正に使用されて海外の現金自動支払機(ATM)から日本円に換算して合計86万7719円に相当する現地通貨が引き出され、その結果原告の上記預金口座から同額の引落しがされたとして、〔1〕被告がデビットカード取引システムについて定めている規定に基づく補償金支払請求権又は〔2〕原告の預金口座からの上記引落しが預金者保護法の適用又は類推適用により無効となることを前提とした預金払戻請求権に基づき、上記86万7719円の支払等を求めた事案において、偽造デビットカードを用いた本件引出行為に起因する本件引落しについて、預金者保護法4条1項の適用又は類推適用により無効となるということはできないから、原告の被告に対する本件口座からの預金払戻請求も理由がないとして、原告の請求を棄却した事例。
2018.09.25
障害年金不支給決定取消請求控訴事件
LEX/DB25561139/東京高等裁判所 平成29年 4月12日 判決 (控訴審)/平成28年(行コ)第189号
控訴人(原告)が、本件傷病により、本件20歳到達日において、旧国民年金法別表2級15号に該当する障害の状態にあったから、旧国民年金法57条1項前段の規定する初診日において20歳未満であった者に係る障害福祉年金の受給資格を有していたとして、本件裁定請求をしたところ、処分行政庁から、控訴人の本件20歳到達日における障害の程度を判定することができないとして、本件不支給決定を受けたことから、本件不支給決定が違法であるとして、被控訴人(被告。国)に対し、その取消しを求めたところ、原判決は、控訴人の請求を棄却したため、控訴人が控訴した事案で、控訴人の請求は理由がなく、これを棄却した原判決は相当であるとし、本件控訴を棄却した事例。
2018.09.11
損害賠償請求事件 
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LEX/DB25560273/京都地方裁判所 平成30年 2月20日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第1230号 等
分離前相被告Y社と被告F社が製造し販売した化粧石鹸にアレルギー感作を生じさせる成分が含まれていたため、同石鹸を使用した原告(女性17名)らが小麦依存性運動誘発性アレルギーとなり、小麦摂取後の運動で、アナフィラキシー、アナフィラキシーショック症状を起こすなどし、生命の危険にさらされ、小麦摂取の困難、制限、摂取後の安静など日常生活、就労において各種制限を受けることとなったとして、石鹸を製造販売したY社、被告F社及びアレルギー感作を生じさせる成分を製造した被告K社に対して、製造物責任法に基づき、上記一切の損害を包括する慰謝料等として、1人550万円から880万円の損害賠償を請求した事案(提訴後、原告らはいずれもY社と和解。このため、Y社に対する原告らの訴訟はすべて終了。原告らとともに提訴した者は、被告F社との間でも和解し、被告K社に対する訴えを取り下げたので、これらの者の訴訟は終了。原告らは、Y社から和解金を受領したことを理由として、請求を一部減縮した。Y社と原告らの訴訟は終了したが、その後Y社は、被告らに補助参加した。Y社は、補助参加人として、本件石鹸の欠陥の有無、同欠陥に係る開発危険の抗弁の成否並びに原告らの損害の有無及び範囲について主張し、被告らはこれらを明示的ないし黙示的に援用したが、Y社は弁論終結後の平成30年2月1日補助参加の申出を取り下げた。)において、原告らの被告F社への請求のうち、本件石鹸引渡当時、重篤なアレルギーを回避するための経験知は存在していたと考えられ、また、本件石鹸外箱の表示を警告したことをもって、本件石鹸に欠陥がなかったということはできないとして、請求額を減額したうえで一部認容し、原告らの被告F社に対するその余の請求及び被告K社に対する請求を棄却した事例。
2018.08.28
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25560842/東京高等裁判所 平成30年 1月18日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第4886号
認知症の要介護者が、被控訴人との間の訪問介護契約に基づき在宅介護を受け、被控訴人が派遣したヘルパーが昼食の副食として調理、提供したシュウマイを摂食した際、誤嚥を起こし、シュウマイを喉に詰まらせる事故を起こし、それにより低酸素脳症に陥り、嚥下性(誤嚥性)肺炎が原因で死亡したことについて、亡き要介護者の兄弟姉妹で相続人である控訴人らは、ヘルパーが、(1)要介護者の介護に当たり、食事時の誤嚥リスクを十分に理解していたにもかかわらず、ア 食品の調理を刻み食にするなどせず、シュウマイを4分割しただけで、かつ適切な調理を怠って提供し、イ 食事中も要介護者を見守り、声をかけるに止まり、食事方法について適切な指示、介助をしなかったことにより、本件事故を発生させ、(2)その後も直ちに救急車の出動を要請するなど適切な応急措置を執らなかったことから、要介護者は、低酸素脳症に陥り、嚥下性肺炎により死亡したと主張して、使用者責任による損害賠償請求権に基づき、被控訴人に対し、控訴人につき慰謝料及び弁護士費用、その余の兄弟姉妹らにつき各慰謝料及び各弁護士費用の支払等を求めたところ、原判決は、ヘルパーについて上記(1)ア及びイの注意義務違反を認めることができず、上記(2)のような救命措置についての注意義務違反もなかったとして、控訴人らの本件各請求をいずれも棄却した。このため、第1審で訴えを取り下げた者を除く兄弟姉妹らは控訴人を選定当事者として控訴をし(控訴人以外の者については控訴を取り下げた)、また、控訴人は、当審において、使用者責任(不法行為)に加えて、債務不履行(契約及びそれに付随する安全配慮義務違反)による損害賠償請求も追加した事案において、ヘルパーには、不法行為上並びに本件契約上あるいは本件契約に付随する、食事の調理、提供に関する注意義務(結果回避義務)違反、摂食中の注意義務(結果回避義務)違反及び誤嚥後の注意義務違反はないから、本件控訴及び当審における控訴人の追加請求はいずれも理由がないものと判断し、本件控訴を棄却し、当審における追加請求も棄却した事例。
2018.08.28
不当利得返還等請求控訴事件
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LEX/DB25560652/東京高等裁判所 平成29年 3月 9日 判決 (控訴審)/平成28年(ネ)第2611号
訴外A社に対して金属スクラップを継続・反復して売却する取引を行い、A社が代金を完済するまで売買目的物の所有権を留保する旨を合意していた被控訴人(被告)が、A社の支払停止に伴い、被控訴人がA社に売却し、同時点で同社の工場内に保管されていた金属スクラップ等についての動産引渡断行の仮処分命令に基づき上記動産を当該工場から引き揚げ、処分したところ、A社に対する融資を担保するため、A社が同社の工場内で保管する在庫製品等に対して集合動産譲渡担保を設定していた控訴人(原告)が、上記動産について、控訴人と被控訴人とは対抗関係に立ち、対抗要件を具備しない被告による処分行為は不法行為を構成し、又は、これにより得た利益は不当利得に当たると主張して、被控訴人に対し、上記動産の価格に相当する金額及び遅延損害金又は民法704条所定の利息の支払を求めたところ、原判決は控訴人の請求を棄却したため、これを不服として控訴した事案において、本件動産譲渡担保の範囲は、目的物の種類(非鉄金属製品の在庫製品等)、数量(全部)及び保管場所(本件工場)により特定されており、被控訴人自認超過部分(一部の各品目を除いたもの)について留保所有権の消滅が認められる以上、その品目及び数量に係る損害が発生したものと認め、控訴人に対する不法行為を構成するとして、原判決を変更し、控訴人の請求を一部認容した事例。
2018.08.21
発信者情報開示仮処分命令申立事件
LEX/DB25560844/東京地方裁判所 平成30年 6月12日 決定 (第一審)/平成30年(ヨ)第1076号
債権者(歯科医院を開設・運営する医療法人)が、債務者(地図及び位置情報を提供するほか、地図上に表示される店舗・施設等に対する評価(口コミ)の投稿・閲覧ができるウェブサイトを管理・運営する法人)に対し、債務者が管理・運営するウェブサイトに投稿された記事によって債権者の名誉権が侵害されたと主張し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)4条1項に基づき、発信者情報を仮に開示することを求めた事案において、本件発信者が意見・感想を述べる表現方法も穏当で、社会的に相当な範囲内であり、社会的評価の低下は受忍限度の範囲内であるとして、本件申立てを却下した事例。
2018.08.21
情報開示仮処分申立事件 
LEX/DB25560846/神戸地方裁判所尼崎支部 平成30年 5月25日 決定 (第一審)/平成29年(ヨ)第88号
債権者が、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)4条1項による開示請求権に基づき、債務者(インターネットの地図情報サービス上に表示される口コミ投稿機能を管理・運営もしているウェブサイト検索システムの運用等サービス提供会社)に対し、前記口コミ投稿機能を利用して、何者かが行った本件書込における発信者情報の開示を命ずる仮処分命令を申し立てた事案において、本件書込が債権者に対する信用毀損に当たらないとして、本件申立てを却下した事例。
2018.08.07
損害賠償請求事件
LEX/DB25551060/東京地方裁判所 平成29年12月13日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第32019号
総合病院の副院長であった原告が、厚生労働省の官僚による不当な圧力等について記載した厚生労働大臣宛の文書案を厚生労働大臣政務官に送付したところ、当時厚生労働省の課長であった被告Bがこれを入手し、千葉県の医療整備課の課長である被告Cに送付するとともに、同文書案を総合病院を経営する医療法人の理事長に送付して原告を懲戒解雇するよう求めることを指示し、被告Cにおいて同理事長に同文書案を送付して原告を懲戒解雇するように求めて、原告の言論活動を妨害しようとしたため、精神的損害を被ったと主張して、被告らに対し、共同不法行為に基づき、損害賠償金等の連帯支払を求めた事案において、本件文書の内容は、国家公務員法100条1項にいう「秘密」に当たるものではないから、仮に、被告Bが被告Cに本件文書を送付したとしても、その行為が不法行為を構成するものということはできず、また、被告CがD理事長に本件文書を送付した行為も不法行為を構成するものということはできないとして、請求をいずれも棄却した事例。
2018.07.31
放送受信料請求事件
「新・判例解説Watch」財産法分野 10月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25449581/最高裁判所第三小法廷 平成30年 7月17日 判決 (上告審)/平成29年(受)第2212号
被上告人(NHK)が、遅くとも平成7年6月末までに被上告人の放送の受信についての契約を締結した上告人に対し、同契約に基づき、平成23年4月分から平成29年5月分までの受信料の支払等を求め、上告人は、被上告人が同契約に基づく受信料の支払を20年間請求しなかったことから、民法168条1項前段所定の定期金債権の消滅時効が完成したと主張して争った事案の上告審において、受信契約に基づく受信料債権には、民法168条1項前段の規定は適用されないと解するのが相当であるとし、これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例。