注目の判例

商法

2018.10.09
保険金請求事件 
「新・判例解説Watch」商法分野 12月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25449702/最高裁判所第一小法廷 平成30年 9月27日 判決 (上告審)/平成29年(受)第659号 等
自動車同士の衝突事故により被害を受けた1審原告が、加害車両を被保険自動車とする自賠責保険の保険会社である1審被告に対し、自賠法16条1項に基づき、保険金額の限度における損害賠償金の支払を求めた事案の上告審において、自賠法16条の9第1項にいう「当該請求に係る自動車の運行による事故及び当該損害賠償額の確認をするために必要な期間」とは、保険会社において、被害者の損害賠償額の支払請求に係る事故及び当該損害賠償額の確認に要する調査をするために必要とされる合理的な期間をいうと解すべきであり、その期間については、事故又は損害賠償額に関して保険会社が取得した資料の内容及びその取得時期、損害賠償額についての争いの有無及びその内容、被害者と保険会社との間の交渉経過等の個々の事案における具体的事情を考慮して判断するのが相当であるとし、被害者が直接請求権を訴訟上行使した場合であっても異なるものではないとし、1審原告が直接請求権を訴訟上行使した本件において、1審被告が訴訟を遅滞させるなどの特段の事情がないからといって、直ちに1審被告の損害賠償額支払債務が原判決の確定時まで遅滞に陥らないとすることはできないと判示し、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、344万円に対する平成27年2月20日から本判決確定の日の前日までの遅延損害金の支払請求を棄却した部分を破棄し、同部分につき、本件を高裁へ差し戻し、1審原告のその余の上告、及び1審被告の上告を棄却した事例。
2018.09.04
株主総会決議取消請求控訴事件(山根標板製作所株主総会決議取消請求控訴事件)
「新・判例解説Watch」商法分野 8月24日 解説記事が掲載されました
LEX/DB25560219/広島高等裁判所松江支部 平成30年 3月14日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第78号
被控訴人(190号事件及び34号事件1審原告)X1が、特例有限会社である控訴人(190号事件、34号事件及び35号事件1審被告)の株主として(190号事件)、更に控訴人の取締役として(34号事件)、被控訴人X2(35号事件1審原告)が控訴人の取締役として(35号事件)、控訴人の株主総会における故Bの相続人らに対し同人らが有する控訴人の株式1800株を控訴人に売り渡すことを請求する旨の決議が特別決議の要件を満たさないものであったと主張して、会社法831条1項1号に基づき、その取消しを求めたところ、原判決は、被控訴人らの本訴請求を認容したため、控訴人補助参加人が、これを不服として控訴した事案において、被控訴人X1の本件各訴えのうち34号事件に係る部分は不適法であるとして却下し、本件決議の取消しについては認容すべきところ、これと異なる原判決を変更した事例。
2018.08.15
損害賠償請求控訴事件(プロデュースに対する粉飾決算損害賠償請求控訴事件)
「新・判例解説Watch」商法分野 10月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25560526/東京高等裁判所 平成30年 3月19日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第3882号
株式会社P社の株式を取得した1審原告らが、P社が関東財務局長に提出した有価証券届出書及び有価証券報告書につき、重要な事項に虚偽の記載等があったため損害を被ったとして、旧証券取引法21条、22条、24条の4又は金融商品取引法21条、22条、24条の4に基づき、当該有価証券届出書及び有価証券報告書に係る財務計算書類について監査証明をしたD監査法人を吸収合併した被告に対し、損害賠償及び遅延損害金の支払を求めたところ、原判決は、第1審原告らの請求を全部棄却したので、これを不服とする第1審原告らが控訴した事案において、第1審原告らの請求をいずれも全部棄却した原判決は失当であり、本件控訴の一部は理由があるから、原判決を変更することとし、訴訟費用については第1審原告らの第1審における請求額がほとんど全額認容されるべきものであったことや、第1審被告の訴訟活動の内容その他本件訴訟の全経過に照らしてこれを全部第1審被告に負担させることとした事例。
2018.02.27
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」商法分野 5月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25449248/最高裁判所第一小法廷 平成30年 2月15日 判決 (上告審)/平成28年(受)第2076号
上告人(被告・被控訴人)の子会社の契約社員として上告人の事業場内で就労していた被上告人(原告・控訴人)が、同じ事業場内で就労していた他の子会社の従業員Aから、繰り返し交際を要求され、自宅に押し掛けられるなどしたことにつき、国内外の法令、定款、社内規程及び企業倫理の遵守に関する社員行動基準を定め、自社及び子会社等から成る企業集団の業務の適正等を確保するための体制を整備していた上告人において、上記体制を整備したことによる相応の措置を講ずるなどの信義則上の義務に違反したと主張して、上告人に対し、債務不履行又は不法行為に基づき,損害賠償を求め、原審は、上告人は、被上告人に対し、本件行為につき、信義則上の義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償責任を負うべきものと解され、上告人に対する債務不履行に基づく損害賠償請求を一部認容したため、上告人が上告した事案において、上告人が、自ら又は被上告人の使用者である勤務先会社を通じて本件付随義務を履行する義務を負うものということはできず、勤務先会社が本件付随義務に基づく対応を怠ったことのみをもって、上告人の被上告人に対する信義則上の義務違反があったものとすることはできないとし、親会社である上告人が、被上告人に対し、子会社の従業員による相談の申出の際に求められた対応をしなかった行為につき、債務不履行に基づく損害賠償責任を負わないというべきであるとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決中上告人敗訴部分は破棄し、被上告人の上告人に対する請求はいずれも理由がなく、これらを棄却した第1審判決は結論において是認することができ、上記部分に関する被上告人の控訴を棄却した事例。
2017.12.26
建物明渡等請求事件
LEX/DB25449114/最高裁判所第一小法廷 平成29年12月14日 判決 (上告審)/平成29年(受)第675号
上告人(生コンクリートの製造会社)が、被上告人(一般貨物自動車運送事業会社)に対し、所有権に基づく本件土地の明渡し等を求め、被上告人は、本件土地について、運送委託料債権を被担保債権とする商法521条の留置権が成立すると主張して、上告人の請求を争っている事案の上告審において、不動産は、商法521条が商人間の留置権の目的物として定める「物」に当たるとし、これと同旨の原審の判断は、正当として是認できるとして、上告を棄却した事例。
2014.09.22
損害賠償(株主代表訴訟)請求控訴事件(金融庁による課徴金納付命令等をめぐる株主代表訴訟)
LEX/DB25504493/東京高等裁判所 平成26年4月24日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第734号
本件会社(被控訴人補助参加人)の株主である控訴人(原告)らが、株主代表訴訟として、本件会社が所有する不動産の流動化の実行に係る会計処理等に任務懈怠があったと主張して、当時取締役又は監査役であった被控訴人(被告)らに対し、改正前の商法266条1項5号による損害賠償請求権に基づき、また、不動産の流動化の終了に係る会計処理等に任務懈怠があったと主張して、当時取締役又は監査役であった被控訴人らに対し、会社法423条1項による損害賠償請求権に基づき、損害賠償の支払いを求め、原審が請求を却下ないし棄却した事案において、原判決は相当であるとして、各控訴をいずれも棄却した事例。
2014.05.13
金融商品取引法違反、詐欺(変更後の訴因組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という)違反)被告事件、公正証書原本不実記載、同行使被告事件
LEX/DB25503199/大阪地方裁判所 平成26年3月5日 判決 (第一審)/平成24年(わ)第458号等
被告人両名が、共犯者とともに被告人Aが実質的に保有するA社の株式を無届け、無登録で売り出し、同じ詐欺集団所属の他の12名とともに、A社の株式を販売することを名目に、詐取行為を繰り返し、被害者17名から金員をだまし取るなどした事案において、被告人Aは、自らが保有するA社の株式を、その取得価格をはるかに上回る高値で売り捌いて利益を上げるために、共犯者らと主導して本件犯行に及んだもので、共同正犯の罪責を負うのは当然であり、被告人Bも、被告Aに雇われて、被告人Aの意図を分かった上で、犯行を実現する上で欠かせない役割を果たしたことが明らかであり、共同正犯の罪責を免れないとし、被告人Aに懲役13年及び罰金500万円、被告人Bに懲役4年及び罰金200万円を言い渡した事例。
2014.05.13
有価証券偽造、同行使、詐欺、証券取引法違反被告事件
LEX/DB25503202/福岡高等裁判所 平成26年2月27日 判決 (控訴審)/平成25年(う)第315号
被告人が、共謀の上、有価証券偽造、同行使、詐欺、証券取引法違反により起訴され、第一審が有罪判決を言い渡し、被告人が、有価証券偽造、同行使、詐欺について無罪であるとして、控訴をした事案において、被告人が有価証券偽造、同行使、詐欺の故意を有していたことを認め、また、原判決の量刑不当との主張を退け、控訴を棄却した事例。
2014.04.15
 
LEX/DB25503084/最高裁判所第一小法廷 平成26年1月30日 決定 (上告審)/平成25年(オ)第1029号等
原告(控訴人、上告人)が、被告A(被控訴人、被上告人)の代表取締役であった被告B(被控訴人、上告人)が、被告Aの子会社の上場準備の状況について虚偽の事実を述べて原告に同子会社の第三者割当増資を引き受けるよう勧誘し、又は同子会社の上場準備の状況について発表できる段階にない事柄を発表し、その後発表内容を訂正しなかったため、原告は、同子会社の上場準備の状況について誤信して上記第三者割当増資を引き受けて損害を被ったとして、被告らに対し、連帯して損害賠償の支払を求めるとともに、被告Aに対しては、予備的に、原告と被告A間で同子会社の株式を被告Aが買い取る旨の契約が成立したとして、金員の支払を求めたところ、請求がいずれも棄却されたため、原告が控訴したが、控訴が棄却されたため、原告が上告及び上告受理の申立てをした事案において、上告を棄却し、上告審として受理しないとした事例。
2014.04.15
各損害賠償請求控訴事件(西武鉄道有価証券報告書虚偽記載損害賠償請求事件差戻し控訴審判決)
LEX/DB25503064/東京高等裁判所 平成26年1月30日 判決 (差戻控訴審)/平成23年(ネ)第6335号
東京証券取引所に上場されていた一審被告鉄道会社の株式を取引市場において取得した者及びその相続人である一審原告らが、訴外会社等の少数特定者が所有する鉄道会社株式の数の割合が東京証券取引所の定める上場廃止事由に該当するという事実があったにもかかわらず、一審被告鉄道会社が有価証券報告書等に虚偽の記載をして同事実を隠蔽したことなどにより損害を被ったと主張して、一審被告鉄道会社、訴外会社を吸収合併した一審被告ホテル、代表取締役らに対し、不法行為に基づく損害賠償を求め、原審が一部を認容し、双方が控訴をした事案において、原判決を変更し、一部の一審原告らの控訴を一部認容した事例。
2014.03.25
損害賠償請求事件
LEX/DB25503001/さいたま地方裁判所 平成25年12月25日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第810号
被告が、原告の取締役在任中、当時の原告の代表取締役と共に取締役会の決議を経ることなく別会社の社債を引き受けることを決定、実行した行為につき、原告が、被告のかかる行為は会社法362条4項1号に違反する等として、被告に対し、損害賠償を求めた事案において、本件社債の額や原告の総資産に占める割合、取引の態様、原告における従前の取扱い等を総合的に考慮すると、本件引受け行為については、いずれも「重要な財産の処分」に当たり、取締役会決議を要するものであったと解するのが相当であり、被告が取締役会決議を経ることなく主位的、積極的に本件引受け行為を決定したことは、会社法362条4項に反するといえ、被告の上記行為は、任務懈怠に該当するとし、請求を認容した事例。
2014.02.24
損害賠償請求事件
LEX/DB25502745/名古屋地方裁判所 平成26年1月15日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第1947号
被告会社の従業員として勤務していた被災者の相続人である原告らが、被災者が自殺したのは、被告会社の代表取締役である被告X及び被告会社の監査役である被告Yの被災者に対する暴言、暴行あるいは退職強要といった日常的なパワハラ(パワーハラスメント)が原因であるなどとして、被告らに対し、不法行為に基づき、被告会社に対し、会社法350条及び民法715条に基づき、それぞれ損害賠償金の連帯支払を求めた事案において、被告Xの被災者に対する暴言、暴行及び退職強要のパワハラが認められるところ、被告Xの被災者に対する前記暴言及び暴行は、被災者の仕事上のミスに対する叱責の域を超えて、被災者を威迫し、激しい不安に陥れるものと認められ、不法行為に当たると評価するのが相当であり、また、本件退職強要も不法行為に当たると評価するのが相当である(原告らが主張する被告Yのパワハラを認めることはできない)とした上で、被告Xは被告会社の代表取締役であること、及び、被告Xによる被災者に対する暴言、暴行及び本件退職強要は、被告会社の職務を行うについてなされたものであることが認められるのであるから、会社法350条により、被告会社は、被告Xが被災者に与えた損害を賠償する責任を負うとした事例。
2014.02.24
新株発行差止等仮処分命令申立却下決定に対する抗告事件
LEX/DB25502707/東京高等裁判所 平成25年5月31日 決定 (抗告審)/平成25年(ラ)第1135号
相手方(債務者)の筆頭株主である抗告人(債権者)らが、相手方に対し、主位的には、相手方が取締役会の決議に基づき現に手続中の普通株式500万株の募集株式の発行が「著しく不公正な方法」による発行(会社法210条2号)又は「特に有利な金額」による発行(会社法199条3項)に当たると主張して、当該新株発行を仮に差し止めることを求め、予備的には、相手方が基準日後に株式を取得した者の全部又は一部に対して定時株主総会における議決権を付与することを仮に差し止めることを求めた事案の抗告審において、本件新株発行は、不公正発行に当たらないし、有利発行にも当たらないから、抗告人らの予備的請求である議決権の付与の差止請求にも理由がなく、原決定の結論に誤りはないとして、抗告をいずれも棄却した事例。
2014.02.18
株式取得価格決定に対する抗告事件
LEX/DB25502629/東京高等裁判所 平成25年11月8日 決定 (抗告審)/平成25年(ラ)第2051号
利害関係参加人(営業マネジメントの代行及び労働者派遣等を業とする会社)の発行した普通株式を保有していた抗告人が、同参加人による全部取得条項付種類株式の全部取得に反対し、会社法172条1項に基づき、裁判所に対し、抗告人が保有していた株式2427株の取得価格の決定を求める申立てをし、原審が、1株につき1310円と決定した事案において、参加人発行に係る普通株式のうち、抗告人が保有していた2427株の取得価格は、1株につき1310円と定めるのが相当であり、これと同旨の原決定は相当であるとして、抗告人の本件抗告を棄却した事例。
2014.02.10
損害賠償請求事件
LEX/DB25446161/最高裁判所第一小法廷 平成26年1月30日 判決 (上告審)/平成24年(受)第1600号
株式会社Aの株主である被上告人(原告、被控訴人)が、同社の取締役であった上告人(被告、控訴人)らに対し、上告人らの忠実義務違反及び善管注意義務違反により同社が損害を被ったと主張して、平成17年法律第87号による改正前の商法267条3項に基づき、連帯して18億8000万円の損害賠償金及びこれに対する平成17年6月13日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金を同社に支払うことを求める株主代表訴訟で、原審は、遅延損害金の利率について次のとおり判断して、被上告人の請求を全部認容すべきものとしたため、上告人が上告した事案において、商法266条1項5号に基づき取締役が会社に対して支払う損害賠償金に付すべき遅延損害金の利率は、民法所定の年5分と解するのが相当であり、上記遅延損害金の利率を年6分とした原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、また、商法266条1項5号に基づく取締役の会社に対する損害賠償債務は,期限の定めのない債務であって、履行の請求を受けた時に遅滞に陥ると解するのが相当であり、原審は、上告人らが履行の請求を受けた時について何ら認定説示をすることなく、上告人らに対する訴状送達の日の翌日よりも前の日である平成17年6月13日から遅延損害金を付すべきものとしているのであるから、原審の判断中この部分にも判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中、遅延損害金の請求に関する部分は破棄を免れないとし、遅延損害金の起算日について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻した事例。
2014.02.04
保険金請求控訴事件
LEX/DB25502499/東京高等裁判所 平成25年12月25日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第5376号
被控訴人(被告)と自動車保険契約を締結していた者の相続人である控訴人(原告)らが、別件交通事故訴訟において認められて支払われた弁護士費用は、保険契約における弁護士費用等担保特約における弁護士費用とは別のものであると主張して、同特約に基づき、保険会社である被控訴人に対し、控訴人らに対する保険金及びこれらに対する遅延損害金の各支払を求めた事案の控訴審において、本件特約が、被保険者において、賠償義務者から弁護士費用相当額の損害賠償金の支払を受けることができず、弁護士報酬額の自己負担を生じる場合のリスクを対象とするものであり、保険料はこのような保険の対価として定められるのであって、上記自己負担の範囲を超える保険金の支払を要するものでないことは、被保険者の損害を填補する損害保険としての性質に照らし、約款1条、11条及び12条を含む本件特約の解釈上明らかであるから、控訴人らの主張は採用の限りでないとして、控訴を棄却した事例。
2014.01.14
損害賠償請求事件
LEX/DB25502340/東京地方裁判所 平成25年11月6日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第32681号
原告らが、被告C、被告E及び被告Fにおいて濫用的な目的で訴外会社の民事再生手続開始の申立てをすることを取締役会で決議し、訴外会社に本件申立てを行わせたことは、悪意又は重過失による任務懈怠に当たるなどと主張して、会社法429条1項又は民法709条、民法719条に基づくなどして、被告らに対し、原告らがそれぞれ損害賠償の支払を求めた事案において、本件申立てが民事再生法21条1項前段の要件に該当し、否認目的を目的の一つとしていることをもって濫用的なものといえず、民事再生法25条4号に該当せず、民事再生法上適法であることなどから、訴外会社による本件申立ては民事再生手続開始の申立権の適法かつ適切な行使であり、社会的にみて許容されない行為でもないから、権利の濫用に当たらず、不法行為を構成しないとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2014.01.14
 
LEX/DB25502342/東京高等裁判所 平成25年10月8日 決定 (抗告審)/平成25年(ラ)第751号
相手方がいわゆるマネジメント・バイアウトの一環として、S社による相手方株式の公開買付けの実施後に、相手方株式に全部取得条項を付すなどの定款変更を行った上で、相手方株式の全部取得を行ったところ、相手方株式を保有していた抗告人(申立人)らが、相手方による上記全部取得に反対し、会社法172条1項に基づき、裁判所に対し、保有していた相手方株式の取得価格の決定を求めた事案の抗告審において、本件公開買付価格(1050円)は、SMBC日興證券算定書のDCF法による算定結果の中間程度の値であり、本件取得日の相手方株式の客観的価値である627円に対して約67.5パーセントのプレミアムを付加した価格に相当することなどを併せ考えると、本件公開買付価格は本件取得価格としても相当と考えられるなどとして、本件抗告をいずれも棄却した事例。
2014.01.14
株式取得価格決定申立事件(セレブリックス株式取得価格決定申立事件)
LEX/DB25502124/東京地方裁判所 平成25年9月17日 決定 (第一審)/平成25年(ヒ)第123号
参加人の株式を保有していた申立人が、参加人による全部取得条項付種類会社の全部取得に反対し、会社法172条1項に基づき、申立人が保有していた参加人の株式の取得価格の決定を求めた事案において、公開買付を含む本件MBO(経営者による企業買収)は、経営者と株主との利益相反関係を踏まえ、これを抑制するための相応の措置が講じられ、株主の利益を踏まえた交渉を経て決定されたものと認められる上に、本件公開買付も適切な情報開示がされた上で株主の多数の賛成を得て成立したものということができ、これらを総合的に考慮すれば、本件買付価格は、取得日における参加人の客観的価値(703円)に比して相当のプレミアムが付されていると評価することができるから、本件においては、本件公開買付に近接した時期に実施された他社の事例におけるプレミアム率は明らかでないものの、本件買付価格は、本件MBOの実施によって増大が期待される価値のうち株主が享受されてしかるべき部分として十分な増加価値の分配がされているものと認められ、したがって、本件買付価格は相当であり、本件の株式取得価格も、本件買付価格と同額の1株当たり1310円とするのが相当であるとされた事例。
2013.12.16
再審請求棄却決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25446040/最高裁判所第一小法廷 平成25年11月21日 決定 (許可抗告審)/平成24年(許)第43号
株式会社の成立後における株式の発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける抗告人が、上記確定判決につき、民事訴訟法338条1項3号の再審事由があるとして再審を申し立てた事案において、新株発行の無効の訴えに係る請求を認容する確定判決の効力を受ける第三者は、上記確定判決に係る訴訟について独立当事者参加の申出をすることによって、上記確定判決に対する再審の訴えの原告適格を有することになるとした事例。