注目の判例

租税法

2018.10.09
納税告知処分等取消請求事件
LEX/DB25449691/最高裁判所第三小法廷 平成30年 9月25日 判決 (差戻上告審)/平成29年(行ヒ)第209号
上告人(被控訴人・原告。権利能力のない社団)が、その理事長であったAに対し、同人の上告人に対する借入金債務の免除をしたところ、所轄税務署長から、上記の債務免除に係る経済的な利益がAに対する賞与に該当するとして、給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分を受けたため、被上告人(控訴人・被告。国)を相手に、上記各処分(ただし、上記納税告知処分については審査請求に対する裁決による一部取消し後のもの)の取消しを求めた事案の差戻後上告審において、給与所得に係る源泉所得税の納付義務を成立させる支払の原因となる行為が無効であり、その行為により生じた経済的成果がその行為の無効であることに基因して失われたときは、税務署長は、その後に当該支払の存在を前提として納税の告知をすることはできないものと解され、当該行為が錯誤により無効であることについて、一定の期間内に限り錯誤無効の主張をすることができる旨を定める法令の規定はなく、また、法定納期限の経過により源泉所得税の納付義務が確定するものでもないとし、給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分について、法定納期限が経過したという一事をもって、当該行為の錯誤無効を主張してその適否を争うことが許されないとする理由はないというべきであるとし、上告人が法定納期限の経過後に本件債務免除の錯誤無効を主張することは許されないとした原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法があるものといわざるを得ない。しかしながら、上告人は、本件債務免除が錯誤により無効である旨の主張をするものの、納税告知処分が行われた時点までに、本件債務免除により生じた経済的成果がその無効であることに基因して失われた旨の主張をしておらず、上告人の主張をもってしては、本件各部分が違法であるということはできないとして、本件各部分が適法であるとした原審の判断は、結論において是認することができるとし、本件上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2018.09.11
法人税更正処分取消請求事件 
LEX/DB25550515/東京地方裁判所 平成29年11月24日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第263号
所轄税務署長(処分行政庁)が、原告(めっき薬品の製造販売等を業とする会社)に対し、原告が租税特別措置法66条の4第1項(平成18年法律第10号による改正前のもの)に規定する国外関連者との間でしためっき薬品の製造・販売に係る技術やノウハウ等の無形資産の使用許諾及び役務提供の取引について、原告が当該国外関連者から支払を受けた対価の額が、同条2項2号ロ、租税特別措置法施行令39条の12第8項(平成16年政令第105号による改正前のもの)所定の方法(利益分割法)のうちの残余利益分割法と同等の方法によって算定した独立企業間価格に満たないとして、その独立企業間価格によって当該取引が行われたものとみなして所得金額を計算し、平成12年3月期ないし平成16年3月期の法人税に係る本件各更正処分及び本件各賦課決定処分をしたところ、原告が、上記取引の独立企業間価格の算定方法として残余利益分割法と同等の方法を採用するのは不相当であり、その算定過程にも誤りがあるなどとして、被告(国)に対し、本件各更正処分等(ただし、法人税の減額更正処分、過少申告加算税の変更決定処分及び国税不服審判所長の裁決による一部取消し後のもの)のうち申告額等を超える部分の取消しを求めた事案において、本件各事業年度の原告の所得金額及び納付すべき法人税額並びに過少申告加算税額を計算すると、予備的主張額の通りとなり、いずれも本件各更正処分等におけるこれらの金額を上回るから、本件各更正処分等は、いずれも適法であるとして、原告の請求を棄却した事例。
2018.08.28
納税告知取消請求控訴事件
LEX/DB25560843/東京高等裁判所 平成29年 1月19日 判決 (控訴審)
破産会社が、本件匿名組合を組織し、破産会社を営業者として匿名組合員との間で締結した匿名組合契約において、これを締結した匿名組合員に対して利益の分配として支払った金員につき、所轄税務署長から源泉所得税の納税の告知及び不納付加算税の賦課決定を受けたことに関し、破産会社の破産管財人である控訴人(原告)が、被控訴人(被告。国)に対し、本件匿名組合員に対する上記各支払は出資の払戻しであって「匿名組合契約に基づく利益の分配」に該当せず、源泉所得税の納付義務を負わないと主張して、(1)ア 平成26年10月1日付け納税の告知の取消し、イ 上記アの告知処分に係る納付済みの源泉所得税1億1241万円につき、国税通則法56条1項に基づく還付及びこれに対する同法58条に基づく還付加算金の支払、(2)ア 平成26年10月1日付け納税の告知のうち、匿名組合利益の分配金に対する源泉所得税合計2327万円及びこれに対する不納付加算税合計232万7000円の取消し、イ 上記アの納税の告知記載の租税債務のうち、匿名組合利益の分配金に対する源泉所得税合計2327万円及び不納付加算税合計232万7000円につき、それぞれ支払義務が存在しないことの確認を求め、原判決は、控訴人の請求を棄却したため、控訴人が控訴した事案において、原判決は相当であるとし、本件控訴を棄却した事例。
2018.07.31
固定資産評価審査決定取消請求事件
LEX/DB25449580/最高裁判所第三小法廷 平成30年 7月17日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第406号
京都市所在の4筆の土地に係る固定資産税の納税義務者であったAが、上記の各土地につき、京都市長により決定され土地課税台帳に登録された平成21年度の価格を不服として京都市固定資産評価審査委員会に対し審査の申出をしたところ、これを棄却する旨の決定を受けたため、上告人(Aは、第1審係属中に死亡し、Aの子である上告人が本件訴訟を承継した。)が、被上告人を相手に、本件各決定の取消しを求め、原審は、本件各土地の西側に接する街路(本件街路)が建築基準法42条1項3号所定の道路(3号道路)に該当することを前提とする本件登録価格の決定は適法であるとし、上告人の請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、本件街路が3号道路に該当するための要件を満たすか否かは明らかでないとしながら、本件道路判定がされていること等を理由に、建築確認を受けることができないために本件各土地上に建築物を建築することができない事態となる可能性はないとして、本件街路が3号道路に該当することを前提とする本件登録価格の決定は適法であるとした原審の判断には、固定資産の評価等に関する法令の解釈適用を誤った違法があるとし、原判決を破棄し、本件街路が3号道路に該当すると認められるか否か、本件登録価格が評価基準によって決定される本件各土地の価格を上回らないか否か等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻した事例。
2018.07.24
国家賠償請求事件
LEX/DB25560641/東京地方裁判所 平成30年 3月12日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第12113号
外資系証券会社に勤務していた原告が、国である被告に対し、平成18年分及び平成19年分の所得税確定申告で、給与の収入金額として、源泉徴収票に記載された支払金額のみを申告し、株式報酬に係る収入を申告しなかったことなどから所得税法違反の罪として国税局収税官吏による告発及び検察官による起訴がされたものの第1審で無罪判決を受け、これに対し、検察官による控訴がされたものの控訴棄却判決を受け無罪判決が確定したところ、それらの〔1〕告発、〔2〕起訴及び〔3〕控訴並びに〔4〕国税局職員等による報道機関への情報漏えいが違法であるとして、国家賠償法1条1項に基づき、逸失利益及び慰謝料の損害の一部である〔1〕から〔4〕までの各行為ごとの各1億2500万円の合計5億円支払等を求めた事案において、本件告発は、告発時における各種の調査資料を総合勘案して合理的な判断過程により犯則があると思料する程度の嫌疑があったということができ、また、本件起訴は、起訴時における各種の証拠資料を総合勘案して合理的な判断過程により有罪と認められる嫌疑があったということができるから、いずれについても、国家賠償法上違法ではないなどとして、請求を棄却した事例。
2018.07.03
法人税更正処分等取消控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25560510/東京高等裁判所 平成30年 4月25日 判決 (控訴審)/平成29年(行コ)第334号 等
控訴人(兼附帯被控訴人・1審被告。国)は、被控訴人(兼附帯控訴人・1審原告)を死亡退職した元代表取締役の亡eへの退職慰労金(本件役員退職給与)の支給額4億2000万円を損金の額に算入して本件事業年度分の法人税の確定申告をしたが、これに対し、三条税務署長(処分行政庁)は、本件役員退職給与の額のうち不相当に高額の部分である2億0875万2000円については損金の額に算入されないことを理由として、被控訴人に対して、所得金額2億6683万3941円、納付すべき税額7814万4200円とする更正処分及び過少申告加算税822万円の賦課決定処分をしたため、被控訴人が、控訴人に対して、本件各処分の取消しを求めたところ、原審は、処分行政庁の調査に基づく本件平均功績倍率の3.26にその半数を加えた4.89に亡eの最終月額報酬額240万円及び勤続年数27年をそれぞれ乗じて計算される金額に相当する3億1687万2000円までの部分は亡eに対する退職給与として相当であると認められる金額を超えるものではなく,本件役員退職給与の額のうち「不相当に高額な部分の金額」は同額を4億2000万円から控除した残額の1億0312万8000円であることを前提として計算すべきと判断して、本件更正処分のうち所得金額1億6704万1941円及び納付すべき税額4820万6600円を超える部分並びに本件賦課決定処分のうち過少申告加算税の額372万9000円を超える部分をいずれも取り消したため、控訴人は、原審の本件各処分について一部取消しを認めた判断を不服として控訴し、被控訴人は、請求が一部認められなかった部分を不服として附帯控訴した事案において、本件更正処分のうち所得金額1億6704万1941円及び納付すべき税額4820万6600円を超える部分並びに本件賦課決定処分のうち過少申告加算税の額372万9000円を超える部分は、いずれも違法な処分として取消し、被控訴人のその余の部分はいずれも適法なものというべきであるとして、棄却した事例。
2018.04.17
通知処分取消等請求事件
LEX/DB25549745/大阪地方裁判所 平成30年 1月15日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第68号
破産会社の破産管財人である原告が、本件過払金返還債権1が破産債権者表に記載され、確定判決と同一の効力により確定したことを前提に、各事業年度に計上した益金のうち、本件過払金返還債権1に対応する制限超過利息部分が過大であったとして、破産会社の各事業年度の法人税に係る課税標準等又は税額等につき各更正をすべき旨の請求をしたが、所轄税務署長から更正をすべき理由がないとする各通知処分を受けたため、原告が、主位的請求として、〔1〕本件過払金返還債権1が破産債権者表に記載され、当該債権に係る不当利得返還義務が確定判決と同一の効力により確定したことが国税通則法23条1項1号及び同条2項1号所定の各要件に該当する、〔2〕仮に〔1〕の事情のみでは前記の各要件に該当しないとしても、原告は本件過払金返還債権1に対する配当を行って経済的成果を喪失しており、前記の各要件に該当する、〔3〕所轄税務署長が配当の完了を待たずに本件各通知処分をしたことは、裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たる旨主張して、本件各通知処分の一部取消しを求め、予備的請求として、仮に本件各通知処分が適法であるとしても、被告は、本件各事業年度において益金の額に算入された本件過払金返還債権1及び2に対応する当該事業年度の法人税相当額を法律上の原因なく利得している旨主張して、前記法人税相当額の一部である5億円の支払等を求めた事案において、本件各通知処分が違法であるということはできず、また、被告は本件破産会社が納付した本件各事業年度の法人税額について不当利得返還義務を負うとはいえないとして、原告の主位的請求及び予備的請求を棄却した事例。
2017.12.26
所得税更正処分等取消請求事件 
LEX/DB25449120/最高裁判所第二小法廷 平成29年12月15日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第303号
長期間にわたり馬券を購入し、当たり馬券の払戻金を得ていた被上告人(原告・控訴人)が、平成17年分から同22年分までの所得税の確定申告をし、その際、当たり馬券の払戻金に係る所得は雑所得に該当し、外れ馬券の購入代金が必要経費に当たるとして、総所得金額及び納付すべき税額を計算したところ、所轄税務署長から、本件所得は一時所得に該当し、外れ馬券の購入代金を一時所得に係る総収入金額から控除することはできないとして、上記各年分の所得税に係る各更正並びに同17年分から同21年分までの所得税に係る無申告加算税及び同22年分の所得税に係る過少申告加算税の各賦課決定を受けたことから、上告人(被告・被控訴人。国)を相手に、上記各更正のうち確定申告額を超える部分及び上記各賦課決定の取消しを求め、第1審判決は、請求を棄却したため、被上告人が控訴し、控訴審判決は、第1審判決を取消し、被上告人の請求を認容したため、上告人が上告した事案において、競馬の当たり馬券の払戻金が所得税法35条1項にいう雑所得に当たるとし、競馬の外れ馬券の購入代金は、雑所得である当たり馬券の払戻金を得るため直接に要した費用として、所得税法37条1項にいう必要経費に当たるとし、原審の判断は、是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2017.11.07
法人税更正処分取消等請求事件 
LEX/DB25448977/最高裁判所第三小法廷 平成29年10月24日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第224号
内国法人である上告人(原告・被控訴人兼控訴人)が、平成20年3月期及び平成21年3月期の各事業年度の法人税の各確定申告をしたところ、刈谷税務署長から、租税特別措置法66条の6第1項(タックスヘイブン対策税制)により、シンガポール共和国で設立された上告人の子会社であるA社の課税対象留保金額に相当する金額が上告人の本件各事業年度の所得金額の計算上益金の額に算入されるなどとして、平成20年3月期の法人税の再更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分並びに平成21年3月期の法人税の再更正処分を受けたため、被上告人(被告・被控訴人兼控訴人。国)を相手に、本件各処分の取消しを求めた事案の上告審において、上告人は、A社につきA社各事業年度において適用除外要件を全て満たし、本件各事業年度において租税特別措置法66条の6第1項の適用が除外されるから、事業基準を満たさないことを理由に同項を適用してされた本件各処分(ただし、平成21年3月期の法人税の再更正処分については確定申告に係る所得の金額を超える部分及び翌期へ繰り越す欠損金の額を下回る部分)はいずれも違法というべきであるとして、原判決中、主文第1項を破棄し、上告人の請求をいずれも認容した第1審判決は相当であるとし、被上告人の控訴を棄却し、その余の上告を棄却した事例。
2017.09.12
固定資産税等賦課処分取消請求控訴事件 
LEX/DB25546537/東京高等裁判所 平成29年 8月24日 判決 (控訴審)/平成29年(行コ)第6号
被控訴人(原審原告)が、東京都練馬都税事務所長から、被控訴人が所有する本件各土地のうち駐車場として使用されている各部分については地方税法349条の3の2及び702条の3に規定する固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例の適用を受ける住宅用地に該当せず、その余の部分に限り上記の住宅用地に該当するものとして、東京都都税条例118条1項、188条の26第1項、同附則20条により、平成26年度分の固定資産税及び都市計画税の各賦課決定を受け、本件各駐車場も住宅用地に該当する旨を主張して、本件各処分の一部の取消しを求めたところ、原審が被控訴人の請求をいずれも認容したため、控訴人(被告。東京都)が控訴した事案において、被控訴人の請求をいずれも認容した原判決は相当であるとし、控訴を棄却した事例。
2017.05.02
印紙税過怠税賦課決定処分取消請求控訴事件 
LEX/DB25448549/東京高等裁判所 平成28年 6月29日 判決 (控訴審)/平成28年(行コ)第14号
控訴人(原審原告)が、所轄税務署長から、控訴人の作成する「お客様返金伝票」と題する伝票綴りが印紙税法に規定する課税文書である「判取帳」に該当するとして印紙税の過怠税の各賦課決定処分を受けたことから、被控訴人(原審被告。国)に対し、その取消しを求めたのに対し、原審が請求を棄却したことより控訴人が控訴した事案において、上記伝票綴りは、印紙税法別表第一課税物件表20号に規定する「判取帳」に該当し、印紙税法3条1項に規定する課税文書に該当するとした原判決を是認し、本件控訴を棄却した事例。
2017.03.07
相続税更正及び加算税賦課決定取消請求事件  
LEX/DB25448475/最高裁判所第三小法廷 平成29年 2月28日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第169号
共同相続人である上告人らが、相続財産である土地の一部につき、財産評価基本通達の24に定める私道供用宅地として相続税の申告をしたところ、相模原税務署長から、これを貸家建付地として評価すべきであるとしてそれぞれ更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を受けたため,被上告人(国)を相手に、本件各処分(更正処分については申告額を超える部分)の取消しを求めた上告審の事案において、本件各歩道状空地の相続税に係る財産の評価につき、建築基準法等の法令による制約がある土地でないことや、所有者が市の指導を受け入れつつ開発行為を行うことが適切であると考えて選択した結果として設置された私道であることのみを理由として、具体的に検討することなく、減額をする必要がないとした原審の判断には、相続税法22条の解釈適用を誤った違法があるとし、原判決を破棄し、本件各歩道状空地につき、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻した事例。
2016.12.27
不動産取得税還付不許可決定処分取消請求事件
LEX/DB25448336/最高裁判所第一小法廷 平成28年12月19日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第6号
土地の取得に対する不動産取得税を納付した原告(控訴人・被上告人)が、当該土地上に建築された複数棟の建物につき同税が減額されるべき住宅に該当するとして、その還付を求める申請をしたところ、東京都都税総合事務センター所長(処分行政庁)からこれを還付しない旨の処分を受けたため、被告(被控訴人・上告人。東京都)を相手に、本件処分の取消しを求めたところ、原審は、本件処分は違法であり、原告の請求を認容すべきものとしたため、被告が上告した事案において、本件各建物は、1棟ごとの独立区画部分がいずれも100未満であって戸数要件を満たさないから、本件処分は違法であるとはいえないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決を破棄し、原告の請求を棄却した第1審判決は正当であるから、原告の控訴を棄却すべきであるとした事例。
2016.11.29
固定資産税都市計画税賦課処分取消請求事件(ビル型納骨堂の課税は適法 東京地裁)
LEX/DB25535515/東京地方裁判所 平成28年 5月24日 判決 (第一審)/平成27年(行ウ)第414号
曹洞宗を宗派とする宗教法人である原告が、処分行政庁(東京都港都税事務所長)から、原告所有の各土地及び建物に係る平成26年度の固定資産税及び都市計画税の各賦課処分を受けたことに関し、上記建物において納骨堂を運営しており、上記各土地はその敷地であることからすれば、地方税法348条2項3号所定の「宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法3条に規定する境内建物及び境内地」に該当し、固定資産税及び都市計画税を賦課することはできないと主張して、被告(東京都)に対し、上記各賦課処分の取消しを求めた事案において、本件非課税対象外部分は、「宗教法人が専らその本来の用に供する宗教法人法第3条に規定する境内建物及び境内地」に当たるということはできないとし、本件各賦課処分は適法であるとして、原告の請求を棄却した事例。
2016.11.08
損害賠償請求事件(相続税対策で損害 税理士法人に賠償命令)
LEX/DB25543800/東京地方裁判所 平成28年 5月30日 判決 (第一審)/平成25年(ワ)第26327号
原告が、原告の顧問税理士であった被告に対し、〔1〕被告は、原告の前代表者Cの相続税対策としてデット・エクイティ・スワップ(DES)を提案するに際し、当該DESにより原告に多額の債務消滅益が生じることを説明せず、このため原告は課税リスクを認識することなくDESを実行したが、多額の法人税等の納付義務を生じ、本来支払う必要のなかった法人税等相当額計2億9309万3200円の損害を被った、〔2〕被告は、税務代理人として原告の税務申告書を作成、提出した際、事実と異なりDESはなかったとする前提の申告をしたため、原告はその後修正申告を余儀なくされ、延滞税等計516万5800円の損害を被った、〔3〕被告は、役員事前確定届出給与制度についての助言指導を怠ったために、原告は役員給与について同制度を利用できず、不要な納税義務が生じ、計85万7200円の損害を被った、〔4〕以上の被告の不法行為により本件訴訟に係る弁護士費用2991万1620円の支出を余儀なくされたと主張して、税務顧問契約の債務不履行又は不法行為に基づき、上記損害額合計3億2902万7820円及びその内金である上記〔1〕、〔2〕の小計2億9825万9000円に対する催告の日の翌日から、同じく上記〔3〕、〔4〕の小計3076万8820円に対する訴状送達の日の翌日から、各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案において、原告の請求が全部認容された事例。
2016.06.28
所得税更正処分等取消請求控訴事件 
「新・判例解説Watch」H28.7下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25542863/東京高等裁判所 平成28年 4月21日 判決 (控訴審)/平成27年(行コ)第236号
競馬の勝馬投票券の的中による払戻金に係る所得を得ていた原告(控訴人)が、平成17年から平成21年までの各年分の所得税に係る申告期限後の確定申告及び平成22年分の所得税に係る申告期限内の確定申告をし、その際、上記各年において原告が得た馬券の的中による払戻金に係る所得は雑所得に該当し、外れ馬券の購入代金は必要経費として雑所得に係る総収入金額から控除することができるとして、総所得金額及び納付すべき税額を計算していたところ、所轄税務署長から、本件競馬所得は一時所得に該当し、外れ馬券の購入代金を一時所得に係る総収入金額から控除することはできないとして,上記各年分の所得税に係る更正及び同各更正に係る無申告加算税ないし過少申告加算税の賦課決定を受けたことから、被告(被控訴人。国)に対し、これらの各処分(本件各更正処分については総所得金額及び納付すべき税額が確定申告額を超える部分)の取消しを求め、原審が、本件競馬所得は一時所得に該当し、外れ馬券の購入代金を一時所得に係る総収入金額から控除することはできず、本件各更正処分及び本件各賦課決定処分はいずれも適法であるとして、請求をも棄却したため、これを不服として原告が控訴した事案において、本件競馬所得が一時所得に該当し、その総収入金額から外れ馬券の購入代金を控除することができないとする被告の主張は理由がなく、原告の確定申告額を超える総所得金額及び納付すべき税額についての証明がないことに帰するから、本件各更正処分のうち総所得金額及び納付すべき税額が確定申告額を超える部分並びに本件各賦課決定処分は、いずれも違法な処分であるとし、原判決を取消し、原告の請求をいずれも認容した事例。
2016.04.12
法人税更正処分取消等請求控訴事件(株式会社デンソーVS国) 
LEX/DB25542132/名古屋高等裁判所 平成28年 2月10日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第91号
内国法人である一審原告が、平成20年3月期及び平成21年3月期各事業年度の法人税の各確定申告をしたところ、処分行政庁から、租税特別措置法66条の6第1項(タックスヘイブン対策税制)により、シンガポール共和国において設立された一審原告の子会社の課税対象留保金額に相当する金額が一審原告の上記各事業年度の所得金額の計算上益金の額に算入されるなどとして、平成22年6月28日付けで上記各事業年度の法人税の更正処分及び平成20年3月期の法人税に係る過少申告加算税賦課決定処分を受けた上、平成24年6月22日付け及び平成25年2月28日付けで平成21年3月期の法人税の各再更正処分を受けたため、一審被告(国)に対し、上記各更正ないし再更正処分のうち一審原告主張金額を超える部分及び上記賦課決定処分の取消しを求め、原審は、一部認容・一部却下したため、一審原告及び一審被告双方が控訴した事案において、原判決中一審原告の請求を認容した部分は不当であるとし、一審被告の控訴に基づき、原判決中、一審被告敗訴部分を取り消し、同部分に関する一審原告の請求を棄却し、一審原告の控訴は失当であるとし、棄却した事例。
2016.04.12
法人税更正処分取消等請求事件(株式会社デンソーVS国(平成28年2月10日名古屋高裁(平成26年(行コ)第91号)の原審))
LEX/DB25542131/名古屋地方裁判所 平成26年 9月 4日 判決 (第一審)/平成23年(行ウ)第116号
内国法人である原告が、平成20年3月期及び平成21年3月期各事業年度の法人税の各確定申告をしたところ、処分行政庁から、租税特別措置法66条の6第1項(タックスヘイブン対策税制)により、シンガポール共和国において設立された原告の子会社の課税対象留保金額に相当する金額が原告の上記各事業年度の所得金額の計算上益金の額に算入されるなどとして、平成22年6月28日付けで上記各事業年度の法人税の更正処分及び平成20年3月期の法人税に係る過少申告加算税賦課決定処分を受けた上、平成24年6月22日付け及び平成25年2月28日付けで平成21年3月期の法人税の各再更正処分を受けたため、被告(国)に対し、上記各更正ないし再更正処分のうち原告主張金額を超える部分及び上記賦課決定処分の取消しを求めた事案において、本件訴えのうち、〔1〕平成21年3月期第1次更正処分について取消しを求める部分、〔2〕第2次更正処分について取消しを求める部分、〔3〕第4次更正処分のうち所得金額マイナス688億6903万1633円を超えない部分及び翌期へ繰り越す欠損金688億6903万1633円を超える部分の取消しを求める部分はいずれも不適法であるからこれを却下し、原告のその余の請求はいずれも理由があるとして、認容した事例。
2016.03.15
法人税更正処分取消請求事件 
LEX/DB25447796/最高裁判所第一小法廷 平成28年 2月29日 判決 (上告審)/平成27年(行ヒ)第75号
平成21年2月24日にa社からb社の発行済株式全部を譲り受け、同年3月30日にb社を被合併会社とする吸収合併をした原告(控訴人・上告人)が、同20年4月1日から同21年3月31日までの事業年度に係る法人税の確定申告に当たり、法人税法2条12号の8の適格合併に適用される法人税法57条2項によりb社の未処理欠損金額を原告の欠損金額とみなして、これを損金の額に算入したところ、麻布税務署長が、組織再編成に係る行為又は計算の否認規定である法人税法132条の2を適用し、上記未処理欠損金額を原告の欠損金額とみなすことを認めず、上記事業年度の法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしたため、原告が、被告(被控訴人・被上告人)国を相手に、上記更正処分等の取消しを求め、原審は、原告の控訴を棄却したため、原告が上告した事案において、本件副社長就任は、組織再編税制に係る上記各規定を租税回避の手段として濫用することにより法人税の負担を減少させるものとして、法人税法132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に当たるとし、原審の判断は是認することができるとし、また、本件副社長就任は、上記更正処分等を受けた原告の行為とは評価し得ないとしても、本件合併の被合併法人(同条1号)であるb社の行為である以上、同条による否認の対象となるものと解され、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2016.03.15
法人税更正処分等取消請求事件 
LEX/DB25447797/最高裁判所第二小法廷 平成28年 2月29日 判決 (上告審)/平成27年(行ヒ)第177号
平成21年2月2日にb社から新設分割により設立された原告(控訴人・上告人)が、当該分割は法人税法2条12号の11の適格分割に該当しない分割(非適格分割)であり、法人税法62条の8第1項の資産調整勘定の金額が生じたとして、同日から平成21年3月31日まで、同年4月1日から同22年3月31日まで、同年4月1日から同23年3月31日まで及び同年4月1日から同24年3月31日までの各事業年度に係る各法人税の確定申告に当たり、上記の資産調整勘定の金額からそれぞれ所定の金額を減額し損金の額に算入したところ、四谷税務署長が、組織再編成に係る行為又は計算の否認規定である法人税法132条の2を適用し、上記の資産調整勘定の金額は生じなかったものとして所得金額を計算した上で、上記各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分をしたため、原告が、被告(被控訴人・被上告人)国を相手に、上記各更正処分等の取消しを求め、原審は、原告の控訴を棄却したため、原告が上告した事案において、新設分割により設立された分割承継法人の発行済株式全部を分割法人が譲渡する計画を前提としてされた当該分割が、法人税法132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に当たるとし、原審の判断は是認することができるとし、また、本件計画を前提とする当該分割が、各更正処分等を受けた原告の行為ではなく、当該分割の分割会社(同条1号)であるb社の行為であるからといって、同条による否認の対象とならないとはいえないとし、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例。