注目の判例

環境法

2018.10.16
請求異議控訴事件
「新・判例解説Watch」環境法分野 12月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25561114/福岡高等裁判所 平成30年 7月30日 判決 (控訴審)/平成27年(ネ)第19号
国営諫早湾土地改良事業としての土地干拓事業を行う控訴人(国)が、佐賀地裁の判決及び福岡高裁の判決によって、諫早湾干拓地潮受堤防の北部排水門及び南部排水門の開放を求める請求権が認容された者らを被告として、上記各判決による強制執行の不許を求めたところ、原判決は、控訴人の請求のうち、一部の一審被告らに対する訴えを却下し、一部の一審被告らに対する請求を認容したが、その余の一審被告である被控訴人らに対する請求についてはこれを棄却したため、同棄却部分を不服として控訴人が控訴した事案(なお、原判決のうち上記訴え却下に係る一審被告らに関する部分及び上記請求認容に係る一審被告らに関する部分については、いずれも不服が申し立てられなかったため、上記各一審被告らは被控訴人となっていない。)で、控訴人の被控訴人らに対する請求はいずれも理由があるから認容すべきであるところ、これと異なる原判決中被控訴人らに関する部分は不当であり、本件控訴はいずれも理由があるとし、民事執行法37条1項に基づき同法36条1項の処分を命じた事例。
2018.09.04
損害賠償請求控訴事件 
LEX/DB25560858/東京高等裁判所 平成30年 6月28日 判決 (控訴審)/平成28年(ネ)第3038号
第1審原告(貨物自動車運送事業等を営む株式会社)が、本件土地及び建物を所有していた第1審被告(風水力機械等の製造及び販売等を目的とする株式会社)に対し、第1審被告から物流ターミナル等の建設を目的として本件土地及び本件建物を代金848億円で売買契約を締結し買い受けたが、本件土地から広範囲にわたって発見されたスレート片が石綿を含有していたと主張して、本件売買契約に基づく瑕疵除去義務の不履行又は本件売買契約上の瑕疵担保責任に基づく損害賠償として、本件スレート片の撤去及び処分費用、物流ターミナルの建設工事が遅れたことに伴う追加費用、逸失利益、弁護士費用の支払等を求めたところ、原判決は、第1審原告の請求額を減額したうえで一部認容したため、第1審原告及び第1審被告の双方が、それぞれ原判決のうち敗訴部分を不服として、本件各控訴した事案において、約56億1000万円の支払いを命じた原判決に続き契約上の過失を認め、賠償額を約59億5000万円に増額した内容で変更した事例。
2018.08.21
損害賠償請求事件 
「新・判例解説Watch」環境法分野 10月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25560627/高松地方裁判所 平成30年 4月27日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第86号
被告の経営するホームセンターにおいてカラーボックス6個を購入した原告が、カラーボックスに使用されている有機系塗料から放散されたホルムアルデヒド等の化学物質により化学物質過敏症を発症し後遺障害を負ったと主張して、被告に対し、不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償として、治療費等の合計7897万3750円のうち7021万9000円の支払等を求めた事案において、被告には、多量のホルムアルデヒドを放散する本件カラーボックスを原告に販売したことにつき過失があり、このような本件カラーボックスの販売は、不完全履行に当たると認め、原告の請求を一部認容した事例。
2018.07.10
許可処分義務付け等請求事件
「新・判例解説Watch」環境法分野 9月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25560541/水戸地方裁判所 平成30年 6月15日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第9号
被告の知事が、原告がした国定公園の特別地域内における太陽光発電設備の新築の許可申請に対し不許可処分をしたため、原告が、被告に対し、同処分の取消し及び同申請に対する許可処分の義務付けを求める事案で、取消訴訟について、本件申請は、被告が主張するいずれの不許可事由にも該当しないというべきであり、そうであるにもかかわらず被告の知事が本件不許可処分をしたことについては、裁量権の逸脱、濫用があるといわざるをえないとして、取消訴訟に係る原告の請求は理由があるとし、また、義務付け訴訟についても、被告の知事が原告に対し本件申請を許可しないことは、その裁量権の範囲を超え又はその濫用となると認められるから、原告の本件申請に対する許可の義務付けの請求には理由があるとし、請求を認容した事例。
2018.05.29
原子力発電所設置許可処分取消等請求事件、大間原子力発電所建設・運転差止等請求事件、原子力発電所建設・運転差止等請求事件
LEX/DB25449377/函館地方裁判所 平成30年 3月19日 判決 (第一審)/平成22年(行ウ)第2号
被告電源開発が経済産業大臣の設置許可処分に基づき青森県下北郡大間町に建設に着手した大間原子力発電所(本件原発)について、原告66名が、被告電源開発に対し、人格権に基づく侵害予防として,本件原発の建設及び運転の差止めを求めるとともに、原告ら1164名が、被告らに対し、本件原発の危険性に対する不安のため甚大な精神的苦痛を受けているなどとして、被告電源開発に対しては不法行為に基づき、被告国に対しては国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料各1000万円の一部請求として各3万円の連帯支払を求めた事案で、原告らが、規制委員会が本件原発の安全審査に用いる具体的審査基準に不合理な点があると主張するいずれの事項についても、不合理であるとは認められず、未だ規制委員会の判断がなされておらず、本件原発の運転開始の目途も立っていない現時点(本件口頭弁論終結時)においては、本件原発の重大な事故発生に伴う放射性物質の放出等の具体的危険があるとは認められないとし、原告らの被告電源開発に対する本件原発の建設及び運転の差止請求を棄却し、また、本件原発の運転開始の目途も立っていない現時点においては、本件原発の重大な事故発生に伴う放射性物質の放出等に対する原告らの不安感は抽象的なものにとどまると認められ、原告らの主張する法益侵害が生じているとはいえず、原告らの被告らに対する各慰謝料請求も棄却した事例。
2018.05.01
補償協定上の地位確認請求控訴事件
「新・判例解説Watch」環境法分野 解説記事が掲載されました
LEX/DB25549794/大阪高等裁判所 平成30年 3月28日 判決 (控訴審)/平成29年(ネ)第1602号
公害健康被害補償法に基づく水俣病の認定を受けた亡P4の相続人である被控訴人(原告)P2及び亡P5の相続人である被控訴人(原告)P3が、水俣病を発生させた企業である控訴人(被告。化学製品製造会社)と水俣病の患者団体の一つである水俣病患者東京本社交渉団との間で、昭和48年7月9日に締結された水俣病補償協定に基づき、控訴人に対し、本件協定に基づく補償を受けられる等の、本件協定上の権利を有する地位にあることの確認を求め、原判決は、被控訴人らの本件各請求をいずれも認容したことから、控訴人が控訴した事案において、P4らは、本件協定の本文第三項にいう「協定締結以降認定された患者」として、本件協定の適用を求め得る地位にあるとはいえないといわざるを得ないとし、被控訴人らの本件請求は、いずれも理由がないことに帰着するから、これを棄却すべきであり、これと異なる原判決は相当でないとし、原判決を取消し、被控訴人らの請求をいずれも棄却した事例。
2018.04.24
損害賠償請求事件(東電に賠償命令 原発避難者 「ふるさと喪失分」認定)
LEX/DB25549758/東京地方裁判所 平成30年 2月 7日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第33633号
平成23年3月11日当時、福島県南相馬市小高区又は原町区に生活の本拠としての住居等を有していた者又はこれらの者の相続人である原告ら321名が、東日本大震災により発生した東京電力福島第1原発事故に伴う放射性物質の放出及び避難指示等により、本訴提起時原告ら(合計335名)は、自らの本来の住まい以外の場所での生活を強いられ、従前の生活を送れないことによる甚大な損害を被り、また自身の人生と生活の拠点である小高を奪われてしまったことにより不可逆的な損害を被り、その共通する慰謝料等の額は少なくとも1人当たり合計3828万円を下らない等と主張して、本件原発について原子炉の運転等をしていた被告(東京電力)に対し、原賠法3条1項本文に基づき、慰謝料の一部請求として、訴訟承継を経ていない原告らについては被告が認める850万円を超える部分である1人当たり2978万円及び弁護士費用300万円の合計3278万円の支払等を、訴訟承継を経た原告らについては上記債権のうち相続した額の支払等をそれぞれ求めた事案において、憲法が保障する居住・移転の自由や人格権を侵害されたとし、請求を一部認容し、被告に総額約11億円の支払を命じた事例。
2018.03.20
各水俣病認定申請棄却処分取消等請求控訴事件
LEX/DB25549278/東京高等裁判所 平成29年11月29日 判決 (控訴審)/平成28年(行コ)第259号
1審原告らが1審被告(新潟市)に対し、公害健康被害の補償等に関する法律に基づく水俣病認定申請棄却処分の取消しを求めるとともに、1審原告q11において、亡q1が、そのり患していた疾病が同法施行令1条に基づく別表第2の1において定める新潟県の区域のうち、新潟市及び豊栄市の区域に係る水質の汚濁の影響による水俣病である旨の認定を受けることができる者であった旨の決定をすることの義務付けを、1審原告q11を除く1審原告らにおいて、自己が、り患している疾病が上記区域に係る水質の汚濁の影響による水俣病である旨の認定をすることの義務付けをそれぞれ求め、原審は、1審原告q2の訴えのうち水俣病である旨の認定をすることの義務付けを求める部分及び1審原告q11の訴えのうち亡q1が水俣病である旨の認定を受けることができる者であった旨の決定をすることの義務付けを求める部分をいずれも却下し、1審原告q2及び1審原告q11のその余の請求をいずれも棄却し、また、1審原告らの請求を公健法所定の水俣病にかかっていると認定しいずれも認容したため、1審原告q2、1審原告q11及び1審被告がそれぞれ控訴した事案において、1審原告らの請求はいずれも理由があるから、原判決中、1審原告q2及び1審原告q11に係る部分をそれぞれ取消し、1審原告q2及び1審原告q11の請求をいずれも認容し、1審被告の控訴を棄却した事例。
2018.03.13
伊方原発3号機運転差止仮処分命令申立(第1事件、第2事件)却下決定に対する即時抗告事件
「新・判例解説Watch」環境法分野 解説記事が掲載されました
LEX/DB25449168/広島高等裁判所 平成29年12月13日 決定 (抗告審(即時抗告))/平成29年(ラ)第63号
抗告人(債権者。伊方発電所3号機の周辺に居住する住民)らが、相手方(債務者。電力供給を行う一般電気事業者)が設置運転している発電用原子炉施設である伊方発電所3号炉及びその附属施設は、地震、火山の噴火、津波等に対する安全性が十分でないために、これらに起因する過酷事故を生じる可能性が高く、そのような事故が起これば外部に大量の放射性物質が放出されて抗告人らの生命、身体、精神及び生活の平穏等に重大かつ深刻な被害が発生するおそれがあるとして、相手方に対し、人格権に基づく妨害予防請求権に基づき、本件原子炉の運転の差止めを命じる仮処分を申し立て、原審は、本件原子炉施設から放射性物質が外部に放出される事故が発生し、抗告人らの生命、身体に危険が生じるおそれがあるとは認められないとして、抗告人らの本件仮処分命令の申立てをいずれも却下したため、抗告人らが即時抗告した事案において、火山事象の影響による危険性の評価については、本件原子炉施設が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は不合理であり、相手方で、本件原子炉施設の運転等によって放射性物質が周辺環境に放出され、その放射線被曝により抗告人らがその生命、身体に直接的かつ重大な被害を受ける具体的危険が存在しないことについて、主張、疎明を尽くしたとは認められないとし、抗告人らの申立ては、火山事象の影響による危険性の評価について、被保全権利の疎明がなされたというべきであるとして、原決定を変更し、相手方は、平成30年9月30日まで、伊方発電所3号機の原子炉を運転してはならないとした事例。
2017.12.19
協定遵守請求事件
「新・判例解説Watch」H30.2月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25449049/名古屋地方裁判所 平成29年10月27日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第3609号
漁業協同組合である原告が、電気事業を営む株式会社であり、火力発電所を保有、運転している被告に対し、火力発電所の運転による水温の上昇等の影響で、原告の漁獲量が減少し、損害が発生しているなどとし、原告と被告との間で締結された協定書に基づき、主位的に、原告と別紙協議目録記載の事項について協議することを求め、予備的に、被告が原告に対し同協議に応ずる義務を負うことの確認を求めた事案において、本件協定書に基づく協議対象は、本件協定書締結当時に建設が予定されていたA火力発電所5号機及びB火力発電所4・5号機の建設及び操業に関する事項に限られると解されるところ、次期石炭灰処分場建設計画は、B火力発電所4・5号機の操業に関する事項に当たり、本件協定書に基づく協議の対象に当たると解するのが相当であるとし、予備的請求を一部認容した事例。
2017.09.26
障害補償費不支給決定取消等請求事件
「新・判例解説Watch」H29.12月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448889/最高裁判所第二小法廷 平成29年 9月 8日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第371号
水俣病の認定を受けた被上告人(原告・控訴人)が、公害健康被害の補償等に関する法律(公健法)に基づく障害補償費の支給を請求したところ、熊本県知事から、被上告人の健康被害に係る損害は損害賠償請求訴訟の結果、原因者により全て填補されているとして、障害補償費の不支給処分の決定を受けたため、上告人(被告・被控訴人。熊本県)を相手に、その取消し等を求め、原審が、第1審判決を取り消したため、上告人が上告した事案において、被上告人は、原因者であるチッソに対して、被上告人の水俣病による健康被害に係る損害につき損害賠償請求訴訟を提起したものであるところ、前訴確定判決は同損害の全てについての賠償をチッソに命じたものと解されるから、被上告人がこれに基づく損害賠償金を受領したことにより、熊本県知事は、被上告人に対する公健法に基づく障害補償費の支給義務の全てを免れたものであり、本件不支給処分が公健法13条1項に違反するものということはできないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼす明らかな法令の違反があるとし、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、公害健康被害認定審査会の意見を聴かないことにより本件不支給処分が違法になる旨の被上告人の主張に理由がないことも明らかであり、被上告人の同処分の取消請求は理由がないから、これを棄却した第1審判決は是認することができ、被上告人の控訴を棄却した事例。
2017.07.18
玄海原子力発電所3号機再稼働差止仮処分申立事件(第1事件)、玄海原子力発電所4号機再稼働差止仮処分申立事件(第2事件)
LEX/DB25448731/佐賀地方裁判所 平成29年 6月13日 決定 (第一審)/ 平成23年(ヨ)第21号 等
第1事件債権者らが、人格権又は環境権に基づき、債務者(電気事業会社)が設置している玄海原子力発電所3号機の運転の差止めを命ずる仮処分命令を申し立てた事案(第1事件)、第2事件債権者らが、人格権又は環境権に基づき、債務者(電気事業会社)が設置している玄海原子力発電所4号機の運転の差止めを命ずる仮処分命令を申し立てた事案(第2事件)において、債務者が、基準地震動の合理性及び配管の安全性について相当の根拠、資料に基づき疎明したということができ、債権者らの疎明を検討しても、本件各原子炉施設の安全性に欠けるところがあるとは認められないから、債務者が本件各原子炉施設を運転することにより、債権者らの人格権を侵害するおそれがあるとは認められず、本件各申立てに係る被保全権利の疎明があるということはできないなどとして、第1事件及び第2事件の本件各申立てをいずれも却下した事例。
2017.07.04
伊方原発3号機運転差止仮処分命令申立事件(第1事件、第2事件)
LEX/DB25545650/広島地方裁判所 平成29年 3月30日 決定 (第一審)/平成28年(ヨ)第38号 等
伊方原発3号機の運転差止仮処分命令を申立てた第1事件及び第2事件の各債権者らにおいて、債務者が設置、運転している発電用原子炉施設である伊方発電所3号炉及びその附属施設は、地震、火山の噴火、津波等に対する安全性が十分でないために、これらに起因する過酷事故を生じる可能性が高く、そのような事故が起これば外部に大量の放射性物質が放出されて債権者らの生命、身体、精神及び生活の平穏等に重大かつ深刻な被害が発生するおそれがあるとして、債務者に対し、人格権に基づく妨害予防請求権に基づき、本件原子炉の運転の差止めを命じる仮処分を申し立てた事案において、基準地震動の策定、耐震設計における重要度分類、使用済燃料ピット等の安全対策、地すべりと液状化現象による危険性の評価、制御棒挿入に係る危険性の評価、基準津波の策定、火山事象の影響による危険性の評価、テロリズム対策、シビアアクシデント対策のそれぞれにつき、新規制基準の定めが不合理であるということはできないし、本件原子炉施設が上記の各点につき新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断が不合理であるともいえないなどとし、第1事件及び第2事件の各債権者らの申立てをいずれも却下した事例。
2017.07.04
仮処分命令認可決定に対する保全抗告事件
LEX/DB25545751/大阪高等裁判所 平成29年 3月28日 決定 (抗告審)/平成28年(ラ)第677号
滋賀県内に居住する相手方(債権者)らが、原子力発電所を設置している抗告人(債務者。電力会社)に対し、各原発が耐震性能に欠け、津波による電源喪失等を原因として周囲に放射性物質汚染を惹起する危険性を有する旨主張して、人格権に基づく妨害(予防)排除請求権に基づき、各原発を仮に運転してはならないとの仮処分を申し立て、これを認容する原決定をがなされたため、抗告人が保全異議の申立てをし、原審が原決定を認可したのに対し抗告人が保全抗告をした事案において、各原発の安全性が欠如していることの疎明があるとはいえないとして、原決定を取り消し、相手方らの仮処分申立てを却下した事例。
2017.06.27
補償協定上の地位確認請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.9月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25545811/大阪地方裁判所 平成29年 5月18日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第11819号
水俣病の認定を受けたd及びeの各相続人である原告らが、水俣病を発生させた企業である被告と水俣病患者東京本社交渉団との間で昭和48年7月9日に締結された水俣病補償協定に基づき、被告に対し、本件協定に基づく補償を受けられる等の協定上の権利を有する地位にあることの確認を求めた事案において、本件協定の本文第三項の「認定された患者」に該当するためには、その文言のとおり水俣病の認定を受けたことのみで足り、それ以外の要件は付されていないというべきであるとし、dらは、本件協定の本文第三項の「認定された患者」に該当し、dらの権利義務を承継した原告らは、受益の意思表示をしていることから、被告に対して本件協定に基づく補償給付を求めることができる地位を有すると認め、原告の請求を認容した事例。
2017.06.06
嘉手納基地爆音差止等請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.6月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25545477/那覇地方裁判所沖縄支部 平成29年 2月23日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第245号
本件飛行場の周辺に居住し、若しくは居住していた者又はその相続人である原告らが、本件飛行場において離着陸するアメリカ合衆国の航空機の発する騒音により健康被害を受けていると主張して、日米安保条約及び日米地位協定に基づいてアメリカ合衆国に本件飛行場を提供している被告に対し、人格権、環境権又は平和的生存権に基づき、毎日午後7時から翌日午前7時までの間における本件飛行場における航空機の離発着禁止等を求めた事案において、本件飛行場の航空機の運航等によって、原告らは相当に大きな騒音に曝露され、少なくとも本件コンター上、W75以上を超える区域に居住する原告らについては法的保護に値する重要な利益の侵害があると認められること等、特に本件コンター上W95以上の地域については、航空機騒音対策緊急指針において緊急に対策を講じるべきとされた強度の騒音曝露状況が現在も続いている等として、原告の請求を一部認容した事例。
2017.04.04
損害賠償等請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.6月上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448466/神戸地方裁判所 平成29年 2月 9日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第1195号
被告の運営する保育園の近隣に居住する原告が、園児が園庭で遊ぶ際に発する声等の騒音が受忍限度を超えているなどと主張し、被告に対し、不法行為による損害賠償を求めるとともに、人格権に基づき、保育園の敷地境界線上において保育園からの騒音が50dB(LA5)以下となるような防音設備の設置を求めた事案において、原告が保育園からの騒音により精神的・心理的不快を被っていることはうかがえるものの、原告宅で測定される保育園の園庭で遊戯する園児の声等の騒音レベルが、未だ社会生活上受忍すべき限度を超えているものとは認められず、不法行為を基礎づける程度の違法があるということはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2017.02.21
環境権等に基づく差止請求事件(第1事件、第2事件) 
「新・判例解説Watch」H29.4月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25544858/大分地方裁判所 平成28年11月11日 判決 (第一審)/平成27年(ワ)第29号 等
大分県由布市湯布院町の塚原地区に居住し又は旅館等の経営をする原告らが、被告会社らの太陽光発電事業計画の実施により、当該土地上にメガソーラー設備が設置されるなどすると、原告らの有する人格権(塚原地区の景観を含む自然環境を享受する権利)及び塚原地区の景観に対する景観利益並びに営業権が侵害されると主張して、被告会社らに対し、それらの権利に基づき、メガソーラー設備の設置等の開発行為等の差止めを求めた事案において、上記開発行為は景観利益を違法に侵害するもので、差止められるべき旨の原告らの主張は理由がないとし、また、原告らの営業権に基づく上記開発行為の差止請求には理由がないとし、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2016.12.27
地方自治法251条の7第1項の規定に基づく不作為の違法確認請求事件 
LEX/DB25448341/最高裁判所第二小法廷 平成28年12月20日 判決 (上告審)/平成28年(行ヒ)第394号
日本国とアメリカ合衆国との間で返還の合意がされた沖縄県宜野湾市所在の普天間飛行場の代替施設を同県名護市辺野古沿岸域に建設するための公有水面の埋立事業につき、沖縄防衛局が、前知事から公有水面の埋立承認を受けていたところ、被告(上告人。県知事)が本件埋立承認は違法であるとしてこれを取り消したため、原告(被上告人。国土交通大臣)が、沖縄県に対し、本件埋立承認取消しは違法であるとして、地方自治法245条の7第1項に基づき、本件埋立承認取消しの取消しを求める是正の指示をしたものの、被告が、本件埋立承認取消しを取り消さず、法定の期間内に地方自治法251条の5第1項に定める是正の指示の取消しを求める訴えの提起もしないことから、地方自治法251条の7第1項に基づき、被告が上記指示に従って本件埋立承認取消しを取り消さないことが違法であることの確認を求め、原審は、被告が、適法な指示に従わず、本件埋立承認取消しを取り消さないのは違法であるとし、原告の請求を認容したため、被告が上告した事案において、被告が上記指示に係る措置として本件埋立承認取消しを取り消さないことは違法であるとし、原告の請求を認容した原審の判断は、結論において是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2016.12.20
各航空機運航差止等請求事件 
「新・判例解説Watch」H29.2月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448308/最高裁判所第一小法廷 平成28年12月 8日 判決 (上告審)/平成27年(行ヒ)第512号 等
神奈川県内に所在し、海上自衛隊及び米海軍が使用する施設である厚木海軍飛行場の発する騒音により精神的及び身体的被害を受けていると主張して、上告人(1審被告)に対し、行政事件訴訟法に基づき、主位的には厚木基地における一定の態様による自衛隊機及び米軍機の運航の差止めを、予備的にはこれらの運航による一定の騒音を被上告人(1審原告)らの居住地に到達させないこと等を求めた事案の上告審において、1審原告らの自衛隊機に関する主位的請求(運航差止請求)は,理由がないから棄却を免れないところ,これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中、1審原告らの主位的請求の認容部分は破棄し、1審原告らの自衛隊機に関する予備的請求に係る訴えは、いずれも主位的請求に係る訴えと実質的に同内容のものを当事者訴訟の形式に引き直して予備的に併合提起したものにすぎず、このような訴えを許容することは相当でないから、予備的請求に係る訴えのうち、原判決における主位的請求の認容部分と予備的併合の関係にある部分は、いずれも不適法として却下し、1審原告らのその余の請求に関する上告については、上告受理申立て理由が上告受理の決定において排除されたので、棄却した事例。