注目の判例

倒産法

2018.01.09
否認権行使請求事件
LEX/DB25449126/最高裁判所第三小法廷 平成29年12月19日 判決 (上告審)/平成28年(受)第1797号
被上告人(Aの破産管財人)が、本件支払1及び本件支払2について、破産法162条1項1号イの規定により否認権を行使して、上告人に対し、167万8905円及び法定利息の支払を求めたところ、原審は、本件支払1及び本件支払2は、いずれもAの財産である給料債権からの支払であり、これによりAの上告人に対する貸金債務が消滅するから、破産法162条1項の規定による否認権行使の対象となるなどとして、被上告人の請求を、法定利息の一部を除いて認容したため、上告人が上告した事案において、本件会社は、本件差押命令の送達を受けた後も、Aに対し、その給料債権のうち本件支払1に係る部分を除いた全額の弁済をし、これによりAの給料債権が消滅した後、更に差押債権者である上告人に対して本件支払2をしたものであるから、本件支払2は、破産法162条1項の規定による否認権行使の対象とならないというべきであるとして、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、被上告人の請求のうち本件支払2に係る部分を棄却すべきであるとし、原判決を変更した事例。
2018.01.09
再生計画認可決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25449148/最高裁判所第三小法廷 平成29年12月19日 決定 (許可抗告審)/平成29年(許)第19号
抗告人(税理士)を再生債務者とする小規模個人再生における住宅資金特別条項を定めた再生計画について、民事再生法202条2項4号の不認可事由の有無が争われ、原々審は、本件再生計画案が可決された再生計画につき認可の決定をしたため、相手方が即時抗告し、原審は、抗告人が実際には存在しない本件貸付債権を意図的に債権者一覧表に記載するなどの信義則に反する行為により本件再生計画案を可決させた疑いが存するので、本件貸付債権の存否を含め信義則に反する行為の有無につき調査を尽くす必要があるとして、原々決定を取り消し、本件を原々審に差し戻したため、抗告人が抗告した事案において、本件再生計画を認可した原々審の判断は不当であるとして、原々決定を取消し、更に審理を尽くさせるため本件を原々審に差し戻した原審の判断は是認することができるとして、抗告を棄却した事例(補足意見がある)。
2017.12.19
自動車引渡請求事件
「新・判例解説Watch」H30.1月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25449089/最高裁判所第一小法廷 平成29年12月 7日 判決 (上告審)/平成29年(受)第408号
自動車販売会社から自動車を購入した者の売買代金債務を連帯保証した被上告人(原告・被控訴人)が、保証債務の履行として販売会社に売買代金残額を支払い、販売会社に留保されていた自動車の所有権を法定代位により取得したと主張して、上記支払後に破産手続開始の決定を受けた購入者の破産管財人である上告人(被告・控訴人)に対し、別除権の行使として自動車の引渡しを求めたところ、第一審判決は、被上告人の請求を認容したため、上告人が控訴し、控訴審判決は、第一審判決を維持したため、上告人が上告した事案において、自動車の購入者と販売会社との間で当該自動車の所有権が売買代金債権を担保するため販売会社に留保される旨の合意がされ、売買代金債務の保証人が販売会社に対し保証債務の履行として売買代金残額を支払った後、購入者の破産手続が開始した場合、その開始の時点で当該自動車につき販売会社を所有者とする登録がされているときは、保証人は、上記合意に基づき留保された所有権を別除権として行使することができるものとし、これと同旨の原審の判断は是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2017.11.28
再生債権査定異議事件
LEX/DB25449050/最高裁判所第一小法廷 平成29年11月16日 判決 (上告審)/平成29年(受)第761号
Y社は、上告人との間で、G社の上告人に対する7億円の借入金債務を連帯保証する旨の契約を締結したが、再生手続開始の申立てをし、その後の再生手続で、上告人が再生債権として届出をした本件連帯保証契約に基づく連帯保証債務履行請求権につき、その額を0円と査定する旨の決定がされたことから、これを不服とする上告人がその変更を求める異議の訴えであり、再生管財人である被上告人が本件連帯保証契約の締結に対し民事再生法127条3項に基づく否認権の行使をすることの可否が争われている事案の上告審において、再生債務者が無償行為等の時に債務超過であること又はその無償行為等により債務超過になることは、民事再生法127条3項に基づく否認権行使の要件ではないと解するのが相当であるとし、これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2017.03.14
破産法違反幇助、破産法違反被告事件 
LEX/DB25545029/高松高等裁判所 平成29年 2月 7日 判決 (控訴審)/平成28年(う)第111号
地方裁判所により破産手続開始の決定を受けた破産者C及び破産者D社から破産手続全般につき委任を受けた被告人(司法書士)が、D社の清算人でもあるC及びその妻であるBと共謀の上、C及びDの破産管財人から、各破産手続開始申立ての際にG銀行に開設されたD名義の普通預金口座を各申立書添付の預貯金目録に記載しなかった理由等について書面で説明を求められた際、真実は、同口座から引出した現金はJ銀行に開設された前記B名義の預金口座に預け入れていたにもかかわらず、これを秘して、D名義の上記口座から引き出した現金は借金の返済等に充てて費消済みである旨の虚偽の事実を記載し、報告書を、ファクシミリ送信して上記破産管財人に受領させ、破産管財人の請求があったときに破産に関し虚偽の説明をしたとする事案において、被告人の説明は、法律専門職である司法書士の説明として信用されやすいものであり、本件犯行が手続の適正を害する程度は軽視できないものがあるとし、破産法違反として罰金100万円に処し、C及びBの上記犯行を容易にしたとする破産法違反幇助については、無罪を言い渡した事例。
2015.06.23
債権差押命令に対する執行抗告事件
「新・判例解説Watch」 解説記事が掲載されました
LEX/DB25505977/名古屋高等裁判所金沢支部 平成26年10月31日 決定 (抗告審(執行抗告))/平成26年(ラ)第88号
集合動産譲渡担保権を共有する相手方らが、譲渡担保権に基づく物上代位権の行使として、担保の目的物である動産の売却により抗告人(原審債務者)が取得した売買代金債権の差押えの申立てをし、原裁判所が債権差押命令を発令したため、抗告人が執行抗告をした事案において、本件集合動産譲渡担保契約では、抗告人が通常の営業の範囲内において売却等の処分をした商品について、当然に譲渡担保権の効力が及ばないこととされているものではなく、抗告人があくまで通常の営業を継続している場合において、転売した商品の売買代金債権に対しては契約の効力が及ばず、物上代位権を行使することができないとされているものと解されるから、本件においては、相手方らが差押えを申し立てた時点までに、通常の営業を継続していなかったと認められるから、相手方らは本件差押債権に対し物上代位権を行使することができるというべきであるとして、抗告を棄却した事例。
2014.07.01
民事再生法違反、会社法違反、電磁的公正証書原本不実記録・同供用被告事件
LEX/DB25503880/東京地方裁判所 平成26年4月30日 判決 (第一審)/平成22年(特わ)第1519号
商業手形の割引業務、資金の貸付業務等を目的とするA社の代表取締役社長兼会長であった被告人が、東京地方裁判所が、A社につき民事再生開始の決定をなし、同決定が確定したところ、A社からB社に対して譲渡されたA社が保有している簿価418億4583万1026円の不動産担保貸付債権について、民事再生手続当における否認権行使を免れるため、東京法務局の登記官に対し、前記債権を譲渡した事実もないのに、A社従業員をして内容虚偽の債権譲渡登記を申請させ、前記登記官をして、債権譲渡登記簿の原本として用いられる電磁的記録にその旨不実の記録をさせ、前記不実の記録を公正証書の原本としての用に供させた事案において、本件登記の申請が被告人の指示に基づくものであることが認められるとして、電磁的公正証書原本不実記録及び同供用罪については懲役1年6月、執行猶予3年を言い渡し、民事再生法違反及び会社法違反については無罪を言い渡した事例。
2014.06.17
損害賠償等請求及び独立当事者参加事件
LEX/DB25446460/最高裁判所第一小法廷 平成26年6月5日 判決 (上告審)/平成24年(受)第908号
本件訴訟のうち上告人の第2次的請求は、再生債務者である上告人が、支払の停止の前に、A銀行から購入し、A銀行にその管理を委託していた投資信託受益権につき、支払の停止の後、再生手続開始の申立て前に本件受益権に係る信託契約の一部解約がされたとして、原判決言渡し後にA銀行を吸収合併し、その権利義務を承継した被上告人Yに対し、上記の管理委託契約に基づき、その解約金の支払を求めたもので、再生債権者であった被上告銀行は、上告人に対する上記解約金の支払債務の負担が民事再生法93条2項2号にいう「支払の停止があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因」に基づく場合に当たるので相殺が許されるとして、上記解約金の支払請求権を受働債権とする相殺を主張しているところ、原審は、本件債務の負担は,民事再生法93条1項3号本文にいう「支払の停止があった後に再生債務者に対して債務を負担した場合」に当たるものの、同条2項2号にいう「支払の停止があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因」に基づく場合に当たるから、本件相殺は許されるとし、上告人の第2次的請求を棄却したため、上告人が上告した事案において、原審の上記判断のうち本件債務の負担が民事再生法93条2項2号にいう「支払の停止があったことを再生債権者が知った時より前に生じた原因」に基づく場合に当たるとはいえず、本件相殺は許されないと解するのが相当であるとし、原判決中、上告人の第2次的請求に関する部分を破棄し、これを認容した第1審判決は正当であるから、上記部分につき被上告人Yの控訴を棄却した事例。
2014.06.17
配当異議事件
LEX/DB25446461/最高裁判所第一小法廷 平成26年6月5日 判決 (上告審)/平成24年(受)第880号等
再生手続終結の決定後に破産手続開始の決定を受けたA株式会社の破産管財人である被上告人が、同社の工場等の本件各不動産を目的とする担保不動産競売事件において作成された配当表の取消しを求める配当異議訴訟で、被上告人は、Aが、上記再生手続において、当時別除権者であった上告人Y1、B及び株式会社Cとの間で別除権の行使等に関する協定をそれぞれ締結し、これにより、別除権の目的である本件各不動産の受戻しの価格が定められ、各担保権の被担保債権の額が本件各受戻価格に減額されたから、上告人Y1、Bから被担保債権及び担保権を譲り受けた上告人Y2並びにCから被担保債権及び担保権を譲り受けた会社の承継人である上告人Y3は、本件各受戻価格から既払金を控除した額を超える部分につき、配当を受け得る地位にないと主張し、これに対し、上告人らは、本件各別除権協定は破産手続開始の決定がされたことにより失効したと主張して争い、原審は、本件解除条件条項は、再生計画認可の決定の効力が生じないことが確定すること、再生計画不認可の決定が確定すること又は再生手続廃止の決定がされることを本件各別除権協定の解除条件とするものであるところ、本件破産手続開始決定はそのいずれにも該当しないから、本件各別除権協定は失効していないとして、被上告人の請求を認容したため、上告人らが上告した事案において、本件解除条件条項に係る合意は、契約当事者の意思を合理的に解釈すれば、Aがその再生計画の履行完了前に再生手続廃止の決定を経ずに破産手続開始の決定を受けた時から本件各別除権協定はその効力を失う旨の内容をも含むものと解するのが相当であるとして、原判決を破棄し、これを棄却した第1審判決は正当であるから、被上告人の控訴を棄却した事例。
2014.05.20
執行文付与請求事件
LEX/DB25446377/最高裁判所第一小法廷 平成26年4月24日 判決 (上告審)/平成25年(受)第419号
被上告人につき破産手続終結の決定がされ免責許可の決定が確定後、被上告人に対し確定した破産債権を有する上告人が、上記破産債権は破産法253条1項2号に掲げる請求権に該当すると主張して、被上告人に対し、上記破産債権が記載された破産債権者表について提起した執行文付与の訴えをした事案の上告審において、免責許可の決定が確定した債務者に対し確定した破産債権を有する債権者が、当該破産債権が非免責債権に該当することを理由として、当該破産債権が記載された破産債権者表について執行文付与の訴えを提起することは許されないと解するのが相当であるとして、上告を棄却した事例。
2014.03.18
給与所得者等再生手続開始決定に対する即時抗告事件
LEX/DB25446235/名古屋高等裁判所 平成26年1月17日 決定 (抗告審(即時抗告))/平成25年(ラ)第441号
相手方が、抗告人を含む債権者5名に対する総額5825万6822円の債務について、相当部分の免除を受けた上、分割弁済することを求めて給与所得者等再生手続の申立てをした事案の抗告審において、本件申立ては、民事再生法25条2号及び4号のいずれにも該当しないとして、本件抗告を棄却した事例。
2014.01.14
損害賠償請求事件
LEX/DB25502340/東京地方裁判所 平成25年11月6日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第32681号
原告らが、被告C、被告E及び被告Fにおいて濫用的な目的で訴外会社の民事再生手続開始の申立てをすることを取締役会で決議し、訴外会社に本件申立てを行わせたことは、悪意又は重過失による任務懈怠に当たるなどと主張して、会社法429条1項又は民法709条、民法719条に基づくなどして、被告らに対し、原告らがそれぞれ損害賠償の支払を求めた事案において、本件申立てが民事再生法21条1項前段の要件に該当し、否認目的を目的の一つとしていることをもって濫用的なものといえず、民事再生法25条4号に該当せず、民事再生法上適法であることなどから、訴外会社による本件申立ては民事再生手続開始の申立権の適法かつ適切な行使であり、社会的にみて許容されない行為でもないから、権利の濫用に当たらず、不法行為を構成しないとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2014.01.14
共益債権請求控訴事件
LEX/DB25502120/大阪高等裁判所 平成25年6月19日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第508号
控訴人が、被控訴人に対し、担保不動産競売手続において要した費用の費用請求権は、小規模個人再生手続において共益費用に当たるとして、その支払を求めた事案の控訴審において(なお、控訴人の申立に係る担保不動産競売手続は、いわゆる巻き戻し(民事再生法204条)が生じたために取り消されている)、仮に本件手続費用の請求権が本件抵当権の被担保債権であるとしても、民事再生法が共益債権の範囲について詳細な規定を有しており、競売手続が巻き戻しによって取消になった場合の競売手続費用については、それらの規定のいずれの要件にも当てはまらないことから、これを共益債権と解することができないというべきであるとされた事例。
2013.12.16
請負代金請求控訴事件
LEX/DB25502146/札幌高等裁判所 平成25年8月22日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第213号
破産者(被控訴訴人)が被告(控訴人)に対し、被告から破産者が請け負った本件工事の未払請負代金の支払を求めたところ、請求が認容されたため、被告が控訴した事案において、本件解除事由は、破産者の約定解除権を定める本件破産者解除条項で定める事由がないのに本件契約の解除を申し出たことをもって、被告の約定解除権の発生事由としたものと解され、法定解除権に基づく解除の意思表示をしたときには、被告がさらに本件契約を解除することはできないのであるから、被告の約定解除権を定める本件約款43条1項が、本件管財人解除のように法定解除権に基づく解除の意思表示をしたことを被告の約定解除権の発生事由と定めたものと解することはできず、本件管財人解除は本件解除事由に該当しないから、本件賠償金条項に基づく本件賠償金債権は発生しないとし、原判決を変更し、原告らの請求を一部認容した事例。
2013.12.03
訴訟費用負担決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25446019 / 最高裁判所第二小法廷 平成25年11月13日 決定 (許可抗告審)/ 平成25年(許)第4号
抗告人が、更生会社の管財人である相手方に対し、抗告人が更生手続開始前に更生会社を被告として提起した過払金返還請求訴訟(本案訴訟)に係る訴訟費用につき、本案訴訟終了後に、その負担を命ずる決定の申立てをした事案の許可抗告審において、更生債権に関する訴訟が更生手続開始前に係属した場合において、当該訴訟が会社更生法156条又は会社更生法158条の規定により受継されることなく終了したときは、当該訴訟に係る訴訟費用請求権は、更生債権に当たるとして、抗告を棄却した事例。
2013.08.27
免責許可決定に対する抗告事件
LEX/DB25501348 / 東京高等裁判所 平成25年 3月19日 決定 (抗告審) / 平成24年(ラ)第2597号
 相手方についてされた免責許可決定について、相手方の破産債権者である抗告人が、これを不服として、即時抗告を申し立てた事案において、本件においては、前件破産手続開始事件から本件破産手続開始事件の申立てに至る経緯の下で、破産裁判所は再度の破産手続開始の申立てについて不適法なものとして却下することも、不当な目的による申立てとして棄却することもせず、開始決定をし、その開始決定に対しては不服申立てもなく、確定しているところ、破産手続が適法に開始された以上、その申立てが濫用にわたるなどの特段の事情のない限り、免責許可の申立てが許されない理由はなく、本件においては、抗告人は、相手方に対し、前件破産手続開始事件において免責されなかった債務の支払を厳しく求めており、相手方が免責許可を求める必要性は高いものと認められるなどとして、本件免責許可申立ては適法であるとして、抗告を棄却した事例。
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