TKC法律事務所実務セミナー2014 2014年展望:会社法改正の影響とコーポレート・ガバナンスの実務対応 開催のご報告

 平成26年2月22日(土)・26日(水)、6月24日(火)の各3回、中央大学法科大学院所属の野村修也教授を講師にお招きし、「コーポレートガバナンス」をテーマにしたTKC法律事務所実務セミナーを開催しました。

 平成26年6月に通常国会にて改正会社法案が可決成立し、株式会社の経営に対する監査はより強化されていく情勢にあります。講師の野村先生は法制審議会会社法制部会の幹事として会社法の改正に尽力されました。そこで、今回は野村先生に現在のコーポレートガバナンスの在り方・今後の展望について、株主総会や取締役の義務・責任に関する重要な判例を取り上げながら解説をしていただきました。

会社法改正の展望と実務への影響について
~社外取締役に求められる役割とは~

中央大学法科大学院教授 野村修也先生

 従来の日本型のコーポレート・ガバナンスの最大の課題は、強大な権限を持ちながら、独立性の高いモニタリングができる監視機関が存在していないことにあります。
 日本が世界からの信用力を高め投資を呼び戻すためには、世界のトレンドに合わせたコーポレート・ガバナンスの体制をしっかり整える必要があります。

 これが今回の会社法改正の背景となっており、社外取締役の要件見直し等につながっています。
 社外取締役には「しがらみのない人がブレーキを踏む」こと、「利害関係のない人が利益相反のレフェリー役をする」ことが求められているため、今回の改正により見直された社外取締役の要件においては、親会社等の取締役は子会社等の社外取締役になれないとされました。社外取締役の機能からみて、この要件の見直しは当然のことと言えるでしょう。

コーポレート・ガバナンス重要判例の解説
~株主総会や取締役の義務・責務に関する重要判例~

中央大学法科大学院教授 野村修也先生

 取締役は、善管注意義務すなわち、「平均以上の取締役であれば果たせるであろう注意義務」を負います。いわゆる経営判断の原則が適用される場合でも、判断に至るプロセスでは同様の義務が課されます。
(参考判例:最判平成22.7.15判時2091号90頁、大阪高判平成18.6.9)
 また、取締役には①具体的な善管注意義務違反②内部統制システム構築義務違反③内部統制システム運用義務違反の3つの責任が課せられます。これらは、取締役の善管注意義務の内容となります。
 決議を要求されていない会社でも構築義務はあり、単に決議をするだけでは足りず、システムを構築し、その機能を発揮させることが必要となります。
(参考判例:大阪地判平成12.9.20 大和銀行株主代表訴訟事件判決)

 ビジネスロイヤーには、常に新しい判例の基準を頭に入れることが求められます。
トレンドは日々変わってます。古い情報は不要です。世の中が要求している水準をどんどん叩きこんでいってください。

参加者の声

  • 「企業法務も一般民事」という言葉は企業法務を中心に扱う事務所で働く身としても大きく響きました。
  • 自力で学びづらい根本思想から丁寧にときほぐしていただけたので良かったです。
  • 会社法実務の実情、制度趣旨にさかのぼった説明を聞くことができ、大変勉強になりました。