TKC法律事務所実務セミナー2014 知財紛争の実務を基本と最新動向・重要判例から学べます 開催のご報告

 平成26年7月23日(水)・8月6日(水)、25日(月)の各3回、潮見坂綜合法律事務所所属で東京大学法科大学院客員教授を務めておられる末吉亙先生を講師にお招きし、「知財紛争の実務」をテーマとしたTKC法律事務所実務セミナーを開催しました。末吉先生は、長年知財弁護士として第一線で活躍されており、司法制度改革推進本部知的財産訴訟検討会委員を務める等、豊富なご経験をお持ちです。今回は自らの実務経験を踏まえ、知財弁護士として活躍するための必要条件、具体的な事例や最新動向を交えご講演いただきました。

知財法と知財紛争の実務ポイント
~知財紛争の実務ポイントと心構え~

潮見坂綜合法律事務所 末吉亙弁護士

 私はかねてより「知財楽しむ者」を提唱しています。紛争を解決することを楽しむためには、自分で考えることが必要です。基本から出発して自分で考えることができれば、必ず成長します。

 知的財産法は判断が難しいことが多く、注意すべきリスクがいくつもありますので、具体例をもとに基本的なポイントを検討しましょう。

<知財紛争の実務ポイント~著作権紛争の論点~>
 著作権行使を検討する際には①著作権の帰属、②創作性、③依拠性、④侵害行為論 等の論点があります。この著作物の創作性は、「思想又は感情」の外部的表現に著作者の個性が何らかの形で現れていれば足りますが、「誰が著作しても同様の表現となるようなありふれた表現のもの」や、「アイデアそのもの」については、「創作的に表現したもの」でなく、リスク要因となります。
(参考判例:知財高判平成24年8月8日判時2165号42頁釣りゲーム事件)

知財法務の提案
~「知財法務」という新たな視点~

【サブテキスト】「実務に効く知的財産判例精選」(有斐閣刊・定価2,880円/税込)

 知財法務とは、「知財紛争等の『知的財産に関する法的リスク』をマネージメントすることにより企業の経営判断に役立とうとすること」です。

 しかし知財法務は判断が不明確であり、法改正も多く、判例の蓄積が不十分であるため、リスクマネージメントが難しい分野です。そこで、私が「提唱したい知財法務」は次の3つです。

「裁判ベース法務」
 裁判になったらどうなるか徹底的にシミュレーションし、裁判ベースで検討しましょう。

「接点(interface)」
 特許法は「法」と「技術」との接点であり、著作権法は「法」と「文化」との接点となります。この接点を大いに楽しみましょう。

「ダイナミズムへの対処」
 常に将来の動きを予測しつつリスクマネージし、時として、状況の変化に応じて以前の判断を大胆に変更する勇気も必要です。

参加者の声

  • 知財法務に限らず、弁護士としての姿勢、キャリアの磨き方、訴訟対応、判例の勉強の仕方など、一般的に役に立つ内容でした。
  • 「裁判ベース法務」「接点」「ダイナミズムへの対処」、3つの視点を意識しながら、今後の業務を行いたいと思います。
  • よい成果をあげることができるかは、事実を分析、理解することにかかっていることや、そのためには膨大なストックが武器になることを知れて良かったです。
  • 日頃書籍では勉強できない実体験をふまえたお話まで聞けて大変良かったです。