TKC法律事務所実務セミナー2015 刑事弁護の実務を最新技術から学べます 開催のご報告

 平成27年2月21日(土)、4月18日(土)・21日(火)の各3回、趙誠峰先生(早稲田リーガルコモンズ法律事務所・東京会場)、高山巌先生(弁護士法人大阪パブリック法律事務所・大阪会場)を講師にお招きし、「TKC法律事務所実務セミナー2015」を開催しました。講師のお二人は、ともに多くの刑事弁護を担当し現場の第一線でご活躍の弁護士です。
 今回は昨年10月に刊行された書籍『刑事弁護ビキナーズ2』(現代人文社発行)をサブテキストとして、自らの実務経験に基づき刑事事件司法制度改革の動向も踏まえた、刑事事件を担当する弁護士に必要な技術や技法を、具体的な事例と実演を交えご講演いただきました。

接見の技法
~初回接見の役割とポイント~

早稲田リーガルコモンズ法律事務所 趙誠峰弁護士

 初回接見の役割のひとつとして、依頼人との信頼関係を構築するということがあります。
 そのためには、まず依頼人に礼儀正しく挨拶をすること、弁護人の役割を伝えること、守秘義務について説明すること、が必要です。

 また、初回接見で一番重要なことは、「依頼人の話を聞きに行く」という心構えを持つことです。勾留状の被疑事実が合っているかどうかを聞いて完結するのではなく、オープンに、何があったのか事実の聞き取りをすることが重要です。

 もうひとつ接見の際に重要となることは、取り調べ対応について弁護人が方針を明確に伝えることです。メニューだけ示して選択を相手にゆだねることはプロの仕事ではありません。供述をすることは「相手に証拠を与える」のだという発想を持ち、依頼人にとって何がベストかを考え、「こうすべきだ」ということを明確に伝えましょう。

【サブテキスト】刑事弁護ビギナーズ2

刑事弁護の本質はコレです!

「誰が何と言おうとあなたの味方です」

弁護人は「判断者」ではない。
徹底的に偏った存在でなければならない。

付録のDVDに収録されている動画(初回接見等)について、セミナーで解説をいただきました。

反対尋問の技術
~ケースセオリーを意識しましょう~

弁護士法人大阪パブリック法律事務所 高山巌弁護士

 すべての公判弁護活動は、一貫した「ケースセオリー(=この事件についての私たちの説明)」によって貫かれるはずであり、裁判は私たち側のケースセオリーがすべての証拠と矛盾なく成り立っている、ということを示す場です。冒頭陳述から最終弁論まで一貫したセオリーとして説明できているかということを意識してください。

 反対尋問の準備として必要なことは、ケースセオリーを意識して①獲得目標を具体的に見定めること、②主尋問を予想することです。そして獲得目標となるうるのは、私たちのケースセオリーを支える事実を活かすことと、私たちのケースセオリーに反する事実を潰すこと、この2つだけです。

 反対尋問では、獲得目標を意識して誘導尋問を使ってください。答えを想定できない質問や主尋問の繰り返し、まとめの質問(「要するに・・・」等)は厳禁です。
 反対尋問の場は証人が語る場ではなく、「あなたが語るあなたの物語」なのです。

参加者の声

  • 具体例、実演をまじえたご説明はとても明瞭で分かりやすかったです。
  • 基本的な考え方を学べたと同時に、刑事弁護人という仕事に誇りを感じました。
  • 実演を交えたわかりやすい説明で、参考になりました。
    今後、自分が取り組むにあたっての指針になると思います。
  • 良い反対尋問と悪い反対尋問の例が示され、非常にわかりやすかったです。