TKC法律事務所実務セミナー2015 労働紛争における弁護士の実務ポイントを学びます 開催のご報告

 平成27年7月27日(月)、8月22日(土)・29日(土)の計3回、旬報法律事務所所属の棗 一郎(なつめ・いちろう)先生を講師にお招きし、「労働事件の実務」をテーマとしたTKC法律事務所実務セミナーを開催しました。
 棗先生は、日本労働弁護団常任理事等をお務めになられ、また多くの労働事件を担当し第一線でご活躍されている著名な弁護士です。労働法制の改正が続き複雑化するなか、労働紛争における豊富な実務経験を基に、労働側で労働事件を扱う上での姿勢、弁護士として必要な実務ポイントを、具体的な事例や最新動向を交えご講演いただきました。

労働紛争における弁護士の活動局面と紛争解決手段
~労働者側で労働事件を扱う弁護士としての基本的な心構えと姿勢~

旬報法律事務所 棗一郎 弁護士

 我々の使命は、委任を受けた具体的な労働紛争事件を代理人として相手方企業(使用者)と交渉、もしくは法的な手段などによって解決することです。しかしどんな内容の解決でも良いということではなく、法律的に主張できることとできないことを峻別した上で、解決手続きを通じて依頼者の納得と安心を獲得することが重要です。労使紛争の背景を知ること、労働者の仕事に対するプライドやキャリア形成、また家族のことを考えて解決する等、労働事件特有の配慮が必要となります。

<勝てない弁護士に依頼する労働者、労働組合はいません!>
 勝つために、あるいは依頼者の納得できる解決をするためには、次の2点が重要です。

「事件そのもの」に学ぶ

事件の真相を掴むために徹底的に聴取・調査をし、依頼人が気付いていないところに私たちが気付き指摘をすること、これこそが事件解決の糸口に繋がることがあります。

「人」に学ぶ

労働判例や労働雑誌等を常にウォッチして、事件例や判例、解決の仕方等を学ばなければなりません。また、雑誌への執筆や講演会の講師等を引き受けることで、対依頼者と話す時の訓練をしましょう。
労働法制は大きく動く分野ですので、常に「一生修行」だという謙虚な気持ちを持って臨むことが大切です。

事例に学ぶ個別紛争における弁護士実務
~法的手段の選択-本訴か労働審判か-~

【サブテキスト】「ローヤリング労働事件」

 個別紛争解決システムには軽い手続きから重い手続きまで様々ありますが、どのようなものを選択するかということを検討しなくてはなりません。

 労働審判制度には、司法判断機能がついており、2回の審理で司法判断までいくという背景があるため、非常に説得力・強制力があります。
 しかも、労働審判を申し立てれば会社は答弁する義務があり、時間を引き延ばして逃げることはできないので、会社の具体的な主張を引出し、早期の司法判断を得ることができる場合があります。
 また、視点を変えると、当事者の団結と闘争(訴訟)の維持という意味からも労働審判で早期に勝利することができれば、労働組合の活動にとって極めて有利になります。
(参考判例:東京地判平成25.11.12 地位確認等請求事件)

参加者の声

  • 具体的事例やご経験に基づく講義をしていただいて、非常にイメージができました。
  • 年間を通して、これ程勉強になるセミナーは他にないと感じました。
  • 具体的な事件の団体交渉、労働審判、訴訟を経ての具体的な事件処理の仕方をお聞きすることができ、非常に参考になった。
  • 労働側で労働事件を扱う弁護士としての基本的な心構えと姿勢を具体的事件の検討を通じて学ぶことができ大変参考になった。
  • 具体的なノウハウまで立ち入ったお話を頂けて、非常に良かった(個人的にはこれまでの様々のセミナーで最も実用的であった)