2014年10月号Vol.96

【ユーザー事例】電子申告で、法定調書等の提出コストを30%削減

住民系ソリューション「電子申告システム」 > 総務省

地方公共団体金融機構 管理部庶務課 主査 熊倉弘統氏(前総務省大臣官房会計課 収支第二係長)

住所
東京都千代田区霞が関2-1-2
電話
03-5253-5111
URL
http://www.soumu.go.jp/
熊倉弘統氏

熊倉弘統氏

──総務省では、今年から法定調書と給与支払報告書(給報)の提出に電子申告を活用されることになりました。

熊倉 ご承知のとおり、平成23年度および24年度の税制改正により、「法定調書」と「給与支払報告書(個人住民税)」の提出枚数が1000枚(前々年を基準)以上の事業者に対して、平成26年1月1日から電子申告または光ディスク等を利用した電子的提出が義務づけられました。

 これに伴い、総務省としても率先して電子申告へ取り組んだわけです。これにより、法定調書等(給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票、報酬の支払調書)約6000枚と、約4000枚の給報を180団体へ提出しました。

3名で1週間超の作業が大幅短縮

──今回、「e-TAX法定調書」をご採用いただきましたが、なぜパッケージを選択されたのでしょうか。

熊倉 われわれとしても初めての電子申告だったので、事前にいろいろ調べました。総務省では、月次の業務は政府間共通人事給与計算業務システムを利用しています。しかし、現状のシステム環境のまま電子申告を行うには、国税電子申告・納税システム(e-Tax)に一人ずつデータを入力するか、人事給与システムから出力したCSVを100枚単位で読み込ませる必要があり、申告する側にとって業務効率化とはほど遠い対応を迫られることが分かりました。

 そこで、現行のシステム環境を変更せずに、できるだけ手間をかけることなく国税・地方税の双方へ電子申告できるものがないかと探したところ、「e-TAX法定調書」のことを知りました。さっそくシステムを見せてもらい、実際に人事給与システムから出力したCSVファイルをそのまま使って電子申告できることが確認できたため、採用を決めました。

 また、事前準備から実際の電子申告までの業務プロセスが全部メニュー化されており、これに沿って処理すればいいというのも魅力でした。これならば電子申告に慣れていない職員でも、迷わず処理できますからね。

──電子申告によって、どのような効果がありましたか。

熊倉 「業務の効率化」と「コスト削減」の効果がありました。これまでは、会計課の職員3名が毎年1月上旬から1週間以上かけて、法定調書と給報の作成(印刷、仕分け、封入・封かん)、発送の作業を行っていました。それが今年は、主担当者1名だけで実質3日間で申告まで完了することができたんです。今回は初めての電子申告だったこともあって、データ連携の準備として人事給与システムからCSVファイルを作成するのに多少時間がかかりましたが、これに手間取らなければ1日で電子申告まで完了させることも可能だと考えています。

 また、コスト面では通信費だけで約2万円(内訳・120円×約180団体)を削減することができました。作業に関わる職員の人件費を考えれば、約105万円相当(内訳・会計課収支第二係3名分で約15万円、各部局の庶務担当18人分で約90万円)が圧縮された計算になります。

 ざっくりとした試算ですが、各部局で約20%、また会計課では約66%の業務削減効果があったと思われ、申告業務全体では約30%程度のコストダウンが図れたのではないでしょうか。

各事業所で積極的な取り組みを

──電子申告を行うにあたって、苦労された点はありませんでしたか。

熊倉 特にありません。強いて挙げるとすれば、電子申告はインターネットに接続して行う仕組みのため、省内のインターネット利用申請手続に時間を要したことぐらいですね。省内のパソコンは外部のインターネットとの接続を制限されているため、利用するパソコンを特定し、電子申告のために接続するサイトのURLを省内の管理部署に事前申請して、期間限定でインターネットに接続できるようにしました。また、e-TAX法定調書はシステム起動時に最新のプログラムをダウンロードする仕組みとなっているため、TKCのデータセンターの接続先も同様に事前申請しました。

──なるほど。地方税の電子申告は、全団体でのサービスがスタートしたことで利用件数も急速に増えると見られ、いよいよ電子行政のメリットを社会全体で実感できるようになりますね。

熊倉 そうですね。私も今回、電子申告のメリットを実感しました。法定調書や給報の提出にかかる業務が簡略化された分について、実際に人件費の振り替えができるわけではありませんが、繁忙期である1月に職員を他の業務に従事させることが可能となり、この効果はとても大きいと感じています。また、申告を受ける側の地方公共団体にとっても、給報を電子データで基幹税務システムへ取り込めるため、データ入力にかかる労力やコストの削減につながっているはずです。

──おっしゃる通りですね。

熊倉 法定調書と給報の電子的提出を義務づけられているのは、一定要件を満たす納税者に限られます。その意味では、電子的提出の義務がない事業所は従来通り紙で提出しても法的な問題はありません。また、提出義務がある事業所でも光ディスクなどによる提出が認められています。しかし、納税者へ電子申告を推進する立場でもある公的機関としては、業務効率化の観点からも他の官公庁や地方公共団体にも率先して電子申告を活用いただくことが望ましいと考えます。

 新たに取り組まれる場合、電子申告は大変だという印象があるかもしれませんが、最近では便利なシステムがいろいろ揃っており、申告業務だけを見ても効率化やコスト削減の効果が期待できます。

 全団体が電子申告の受付を開始したことで、いよいよサービス基盤が整いました。次は活用です。民間事業者では電子申告の利用が急速に進んでいるようです。加えて、すべての官公庁・地方公共団体が電子申告を実践したら、その効果はさらに大きなものになると想像されます。社会全体で電子行政のメリットを享受できるよう、電子申告の積極的な活用をお薦めします。

 法定調書・給与支払報告書の電子申告についてそれぞれ電子申告による提出の流れは、国税庁および一般社団法人地方税電子化協議会のホームページで紹介されています。

※掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、取材当時のものです。

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