イベント開催報告

「TKCタックスフォーラム2013」が盛大に開催されました

TKCタックスフォーラム2013

「TKCタックスフォーラム2013」がリーガロイヤルホテル東京において、約500名の参加者を集め盛大に開催された。当日は稲垣光隆国税庁長官による講演、相続税法改正への対応をテーマにしたパネルディスカッション、TKC中国会による「不確定概念」の研究発表、TKC東北会による地方税改革についての研究発表が行われた。

主催:TKC税務研究所 共催:公益財団法人租税資料館 後援:TKC全国会
とき:平成25年6月21日(金) ところ:リーガロイヤルホテル東京

(※敬称略)

開会の挨拶

TKC税務研究所所長 森 幹雄

TKC税務研究所所長 森 幹雄

TKC税務研究所所長 森 幹雄

 本日は3部構成となっています。第1部はTKC地域会による研究発表「税法における『不確定概念』についての一考察」「地域活性化と地方税改革の方向性」です。いずれも今日的問題であり、実務を担う税理士の役割・使命を考える上で非常に重要なテーマといえるでしょう。

 第2部は稲垣光隆国税庁長官から、「最近の税務行政の課題と対応」と題して国際的な租税回避への対応、税務コンプライアンスの向上に向けた取組、法改正への対応など、税務行政の課題とその対応策についてご講演いただきます。

 第3部はパネルディスカッション「相続税法の改正と実務への影響」です。平成25年度税制改正で大幅な見直しが行われた相続税の内容と留意点について、相続税の案件を多数手がけている資産税実務の専門家から情報提供を行います。

 本日のフォーラムが、少しでも皆さまの今後の実務に役立てば幸いです。

研究発表1 税法における「不確定概念」についての一考察

発表者:TKC中国会(リーダー/井上 徹会員)

発表者:TKC中国会(リーダー/井上 徹会員)

 中国会の研究発表は4つの「不確定概念」について、森末英男TKC中国会会長をはじめとする会員出演による再現映像で問題提起し、その後壇上で議論を掘り下げていく形をとった。不確定概念は租税公平主義の観点からは必要と認めつつも、租税法律主義の観点からは適用の幅を狭める努力を続けることが税理士に必要ではないかなどと提言した。

PDFにて「研究発表1」の詳細をご覧いただけます。

研究発表2 地域活性化と地方税改革の方向性

発表者:TKC東北会(リーダー/丹治 洋会員)

発表者:TKC東北会(リーダー/丹治 洋会員)

 東日本大震災からの復興と地域活性化のためには地方税改革が欠かせない──との視点に立って研究を行った東北会は、地方自治体には課税自主権が付与されていながら実際には法定外税の導入等が進まず、独自の税収確保が困難になっていることを指摘。地方自治体の課税自主権と裁量権を高めるべく、地方交付税のあり方や個人課税、法人課税における課題などに触れ地方税改革の方向性を発表した。

PDFにて「研究発表2」の詳細をご覧いただけます。

講演 最近の税務行政の課題と対応

国税庁長官 稲垣光隆

国税庁長官 稲垣光隆

国税庁長官 稲垣光隆

 稲垣国税庁長官は最新情報を交えながら、①税務行政を取り巻く環境の変化と課題、②制度改正への対応──の2点について講演を行った。

 ①では、諸外国における効果的・効率的な税務コンプライアンス確保の取組内容を紹介するとともに、現在国税庁が推進している施策について語った。②では今年1月施行の改正国税通則法への取組、改正消費税法への対応、平成25年5月に関連法が成立した社会保障・税番号制度への対応などを紹介した。

PDFにて「講演」の詳細をご覧いただけます。

パネルディスカッション
相続税法の改正と実務への影響
──税理士は相続、申告に如何に関わるべきか

◎パネリスト
TKC資産対策研究会代表幹事 山本和義
           税理士 今仲 清
           税理士 坪多晶子
◎コーディネーター
           税理士 竹本守邦

パネルディスカッション

 3名のパネリストから、相続税法の改正ポイント(小規模宅地等の課税価格計算の特例、教育資金の一括贈与の非課税制度の創設、事業承継税制の適用要件の拡大等)と考えられる実務上の対応策、さらにその留意点について、具体例を交えた解説と情報提供などが行われた。

PDFにて「パネルディスカッション」の詳細をご覧いただけます。

閉会の挨拶

公益財団法人租税資料館代表理事 河﨑照行

公益財団法人租税資料館代表理事
河﨑照行

公益財団法人租税資料館代表理事 河﨑照行

 閉会にあたり、皆さまには中小企業の経営基盤強化推進をお願いしたいと思います。

 すでに中小企業の成長・発展に資する「三本の矢」が放たれています。

 それは、①中小企業経営力強化支援法の成立とそれに基づく経営革新等支援機関の認定、②成長分野等における中核的専門人材養成事業(「中小会計要領」に習熟した「中小企業会計実務士(仮称)」資格制度の創設)、③2月16日(武田隆二第3代TKC全国会会長の物故日の翌日)に設立された世界初の「中小企業会計学会」──です。

 これらの「三本の矢」が、中小企業の経営基盤強化という「的(まと)」を見事に射抜くことができるよう、ぜひ税理士の皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。

(TKC出版 篠原いづみ)

(会報『TKC』平成25年9月号より転載)