統合型会計情報システム FX5 企業グループの戦略的意思決定、決算早期化を支援します。 TKC CLOUD

ユーザー事例

株式会社イチネンホールディングス様(導入システム FX5/eCA-DRIVER)

個別会計と連結会計の連携でシェアード業務をさらに効率化

株式会社イチネンホールディングス

「いちねんで、いちばんの毎日を。」をスローガンにかかげるイチネングループ。自動車リース・メンテナンスをコア事業としながら、M&Aを有効に活用。ケミカル事業や機械工具販売事業などにも業容を拡大してきた。そのようなグループ経営をより堅固にするべく、連結納税システム『eConnsoliTax』、固定資産管理システム『FAManager』に続き、このほど統合型会計情報システム『FX5』、連結会計システム『eCA-DRIVER』も導入。村中正取締役、経理財務部経理課の下山哲也課長、情報システム部の由利功氏、そして、システムコンサルタントの岸田泰治公認会計士・税理士に話を聞いた。

──『FX5』と『eCA-DRIVER』導入の背景と選定理由は?

村中正取締役

村中正取締役

村中 従来利用していた個別と連結の二つの会計システムがそれぞれ保守切れを迎えるタイミングで、両会計システムをセットで提案してほしいというのが、当社からベンダーさんへの要望のひとつでした。その中で、TKCさんの場合、個別から連結会計まで通しで考えたマスタや運用を考えてくれる期待や、会計や税制改正に対する適切な対応の部分で安心感がありました。実際、会計の専門家がほぼ付きっきりで導入支援をしてくれたのには、大変助かりました。

──導入のプロセスで苦労されたことは?

村中 グループ会社は、基本的には同じ個別会計システムを使用していたのですが、M&Aの過程で各社が利用する勘定科目がまちまちとなっていました。これを統一する構想に3カ月ほどかかりました。

下山 具体的には、現在必要な科目とそうでないものを峻別(しゅんべつ)したり、類似した科目を統合したり、後工程である連結決算や決算開示上バラす必要がある科目はなるべく分けることでグループ統一勘定科目体系をつくったりし、各子会社で横展開できるようにしました。

由利 私の役割では、従来システムで多くのカスタマイズを行っていた支払管理機能で苦労しました。そのため、『FX5』でどう実現するかをTKCさんと細かく打ち合わせを行いました。当たり前のことかもしれませんが、結果的に、支払い漏れなどのミスがまったく出なかったことには安堵(あんど)しました。

──機能的な点で便利だと感じられたところは?

村中 導入当初の目的の一つだったのですが、関係会社間の立替金と未払金について両社の仕訳の自動計上です。当グループの場合、子会社分の経費を親会社が一括して立て替えて支払い、親会社から子会社へ請求しています。これを従来は親会社と子会社それぞれが手入力で仕訳をしていました。上流であるワークフローのシステム機能も考慮しながら、『FX5』の機能をどう活用すれば可能になるのか皆でアイデアを出し合って実現にこぎ着けました。

下山哲也課長

下山哲也課長

下山 現場レベルで言うと、第一に、最も大きな効果が出ているのは月次の役員会資料作成の効率化です。従来は、会計システムからデータを抽出して別のシステムにデータを読み込んで帳表を作成していました。この方法では、読み込みに時間がかかることと、読み込みエラーがあるとさらに時間を要してしまうことがネックでした。これに対して『FX5』では、まず毎月の決算整理仕訳をコントロールすることで、財務会計と管理会計数値を一元管理して切り替えられるようにしました。そしてそれぞれの数値を専用のエクセル関数(「マネジメントレポート設計ツール」)を用いることで、『FX5』への仕訳入力完了と同時に毎月の役員会報告資料ができあがるようにしました。月次決算の時間がない中、丸一日は短縮できたことで、資料作成よりも分析に時間を充てられるようになりました。この機能を利用して決算開示システムへの連携も行っています。
 第二に、やはりクラウドサービスというのは大きなメリットだと思います。サーバーいらずなので新規に子会社が増えても横展開がしやすい状態を作れたと感じています(取材当時、17社で『FX5』を利用)。さらに、各子会社の顧問税理士にもクラウド上で見ていただけるようにして、税務チェックの作業を効率化しました。
 第三は、『FX5』と『eCA-DRIVER』にも搭載されている「リコンサイル機能」です。連結決算作業に入る前に、各社の担当者がいつでもグループ内取引照合を行えるため、効率化に非常に役立っています。

社内情報システムのシームレス化に拍車

岸田泰治公認会計士・税理士

岸田泰治公認会計士・税理士

──連結会計システム『eCA-DRIVER』の導入をコンサルティングされたのが岸田泰治先生でした。いかがでしたか。

岸田 『FX5』から『eCA-DRIVER』、さらには決算開示の過程において、従来システムで余儀なくされていた、科目粒度の違いから生じる手修正を極力なくしていくというスタンスで取り組まれていました。今回、勘定科目の粒度を細かくしたので、従来システムと『FX5』『eCA-DRIVER』の残高の整合性を確保する仕組み作りに大変苦労しました。

村中 従来は、個別と連結会計のデータが連携していませんでした。つまり、個別の数字を拾って、連結会計システムに手作業で入力していました。今ではそれが、全社・全対象パッケージがワンクリックで連携できるようになった。入力ミスもなくなりますし、余分な検証が減り、時間でいうと2日分くらいはスピードアップしました。

岸田 セグメント情報も含めて個別財務諸表と内部取引データも連携しているので、『eCA-DRIVER』では、連結精算表だけでなく、セグメント情報も自動生成できるようになりました。

由利功氏

由利功氏

──情報システム部でも、TKCシステムを高く評価していただけているとか。

由利 従来は、サーバーの管理やシステムの不具合時の対応は、情報システム部の役割でしたが、今はそこから解放され、その他の業務に時間を使えるようになりました。また導入作業を行う中で「ここの使い勝手が良くなればいいのに」とつぶやいたことが、後のレベルアップで標準機能として実現されたものがいくつかあります。TKCさんの場合、ユーザーの要望を聞きながら、徐々にシステムの使い勝手をよくしていこうとする姿勢がすごいと思います。

──TKCへ今後の要望は?

村中 積極的にシステム改善要望に耳を傾けてもらえるため、一緒にシステムを育てているような感じがしています。今後も要望を伝えていきたいと思います。

企業トピックス

新たな取り組みに次々と挑戦

 1963年に燃料販売事業で創業したイチネン。自動車リース・メンテナンス事業を主力に、パーキング事業、ケミカル事業、機械工具販売事業などに順次業容を広げていき、右肩上がりの成長を続けている。2017年3月期の売り上げは797億円と前年度比6.5%増と相変わらずの成長曲線を堅持。中期経営計画による2020年の目標「年商1000億円、営業利益100億円、自動車以外の各セグメントでグループ全体の営業利益の10%以上」も視野に入ってきた。

 そんな成長軌道を見ても分かる通り、同社は積極果敢な経営が特徴。とくにM&A戦略に定評があり、最近では2015年11月東電リース(現・イチネンTDリース)、2017年4月のゴンドー、ここ10年を見ても、グループ会社化した企業は10社を超える。

農業、中古車販売に進出

篠山農場のミニトマト

篠山農場のミニトマト

 また同社は、より業容の幅を広げるべく、昨年3月にイチネン農園を設立。兵庫県篠山市でミニトマトの栽培を開始、出荷をスタートしている。さらに、高知県日高村で、今年9月に農園をオープン。高知県や日高村、地元農協とコラボしながらミニトマトのハウス栽培施設を建設。来年には約2ヘクタールにまで拡張する。15年後の農業関連の売上高を50億円にまで引き上げる計画だ。

 海外で中古車販売も始めた。国内自動車リース事業の契約満了車(リースアップ車)などを、新たに立ち上げたニュージーランドの子会社を通じて当地で販売する。これによりリースアップ車の処分利益の拡大に確かな道筋をつけた。

 さらに、東大阪の倉庫を取得し、機械工具販売事業の拡大と効率化を実現するため、グループ各社が保有している物流拠点を移転統合。自動車部品や工具などをネット販売する「イチネンネット」においては、在庫確保や自社配送も効率的に行えるようになった。

 このように新たな取り組みに次々とチャレンジするイチネン。上昇への推進力は、当面弱まりそうもない。

会社概要
名称 株式会社イチネンホールディングス 株式会社イチネンホールディングス
所在地 大阪府大阪市淀川区西中島4-10-6
売上高 797億円(連結2017年3月期)
社員数 879名(連結2017年3月現在)
URL http://www.ichinenhd.co.jp/

『戦略経営者』2017年11月号より転載

掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、2017年11月現在のものです。
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