株式会社エス・ビルド 様

株式会社エス・ビルド

中央は経理担当の中川原由佳取締役総務部長

統合型会計情報システム(FX4クラウド)ユーザー事例

業界の枠をこえる斬新な発想力で
躍進しつづける内装工事会社

エス・ビルドは「唯一無二の内装工事会社」を掲げ、オフィスの内装工事を主に手がける。飽和感も指摘されるオフィスビル市場にあって、確固たる施工技術とスピーディーな顧客対応を武器に業績を拡大。澤口貴一社長は成長の源泉として社員の柔軟な働き方や、充実した社員教育を挙げる。業務効率と会計データの信頼性を向上させた『FX4クラウド』の活用術について語ってもらった。

社内プロジェクトを土台に納得感ある行動計画を策定

──オフィス内装工事における最近のトレンドをお聞かせください。

澤口貴一社長

澤口貴一社長

澤口 施工を手がけているのは関西、関東圏都市部のオフィスビルの立ちならぶエリアです。働き方改革の一環から、従業員のモチベーションアップを図るリフレッシュスペースや、さまざまな人たちが働くコワーキングスペースの案件が目につくようになっています。

──「唯一無二の内装工事会社」をうたわれていますが、具体的に意味するところは?

澤口 当社は同業他社が実践していない、斬新な取り組みをいくつか行っています。内装工事業界では、倉庫に立ち寄り建築部材などをトラックに積み込み施工現場に赴くのが一般的ですが、ここに「自社便」という制度を導入しました。
 オフィスのある大阪市内と東京都内それぞれに倉庫があり、現場で必要となる建材を倉庫に常駐するスタッフに伝えれば、建材一式を準備できる体制になっています。外注ドライバーが現場に建材を届けるため、現場監督の社員は直行できるわけです。さらに材料の引き揚げや倉庫での道具の整理も常駐スタッフが行い、労働時間の短縮につながっています。

──働き方の改善を図れたと。

澤口 その他には内勤のアシスタント社員を置き、営業担当者が外出中でも、取引先さまからの問い合わせに対応しています。新規の営業活動はほとんど行っておらず、手がけた案件を評価いただいたお客さまからのリピート受注が大半です。迅速な顧客対応はサービス面の強みであると自負しています。
 また、新入社員を対象にしたマナー研修や「7つの習慣」研修などの外部研修を活用した社員教育にも力を入れており、取引先さまから「あまり内装工事会社っぽくない会社だね」とよく言われます。

大阪市中央区にあるオフィス

大阪市中央区にあるオフィス

──社員主導で目標設定を行うプロジェクトがあるそうですね。

澤口 事業の変革を図るべく、2014年に「イイネプロジェクトS」という活動を始めました。当時、幹部社員とともに参加した外部研修で、会社の方向性と目標を社員自身が討議することの重要性を学んだのがきっかけです。プロジェクトでは年間の事業目標を達成するためのプロセスのほか、海外研修旅行の訪問先、ランチミーティングの開催なども決定しています。
 メンバーは大阪、東京に勤務する幹部社員を中心とした12名。年間24回開催してPDCAを回し、四半期に一度私も参加しています。社員自らが話し合って決定した行動計画にはおのずと納得感が生まれ、ボトムアップの風土が醸成されつつあると感じています。

──社員ごとの数値目標はどのように決めていますか。

澤口 次長から主任まで役職に応じた売り上げ目標のテーブルがあり、目標達成に向けた毎月の指標と行動計画をプロジェクトで議論しています。年間の売上高目標は顧問税理士の山口先生にも伝えています。

目標達成に向け議論する四半期業績検討会を重視

──山口先生と顧問契約を結ばれたいきさつを教えてください。

オフィス受付の施工例

オフィス受付の施工例

澤口 会社の規模が拡大するにつれ、伝票を手書きで記録する従来の記帳方法に負担を感じるようになっていました。そこでインターネットで近隣の税理士を検索し、経理体制等に関して相談したところ、最も適切なアドバイスをいただけたのが山口先生でした。顧問契約を結んで、かれこれ10年くらいになります。

──経理体制はどう変わりましたか。

澤口 山口先生から提案され、『FX2』をまず導入しました。以降、事業拡大にともないオフィスを移転。会社の成長にしたがい仕訳枚数も増え、2014年に『FX4クラウド』に移行しました。現在は1名の経理担当者が大阪、東京2拠点分の仕訳を日々入力しています。システム移行後、仕訳入力の負担感はさらに軽減されたようです。

中川原取締役 TKCシステムのフィンテック機能である「銀行信販データ受信機能」を活用し、金融機関口座に関わる仕訳入力を省力化できたり、「仕訳読込テンプレート設計機能」により他社業務システムに入力した仕訳を取り込めたり、経理業務に要する時間をだいぶ短縮できました。システムを利用しているパソコンを買い換えたとき、『FX4クラウド』ならプログラムをCD─ROMからインストールしなおす必要もなく、ログインしてスムーズに利用開始できるのも便利です。

──日常業務で利用しているシステムの種類は?

中川原 各社員が原価管理ソフトや経費精算システムを利用しており、以前は1件ごとに取引内容を確認し、『FX2』に仕訳入力していました。『FX4クラウド』移行後は他社業務システムの仕訳データを読み込むことができるのでとても助かっています。経理業務以外の仕事をこなす余裕も生まれました。

──どのような財務指標にふだん着目していますか。

澤口 毎月の巡回監査の際に、〈変動損益計算書〉を出力し、主に収益性を重点的にチェックしています。自分のパソコンからシステムの画面を開いて最新業績を確認するときもありますが、売り上げに関する状況は営業担当者から日々報告を受けていますから、期中はあまり細かくデータをチェックしていません。ただ節目である四半期業績検討会には山口先生にも出席してもらい、最新業績の報告と、目標達成に向けた打ち手に関するアドバイスをいただいています。

山口拓顧問税理士

山口拓顧問税理士

山口 四半期業績検討会では、売上高や限界利益率など社長の頭の中にある概算の数字と、システム上の現実のデータにずれはないか、確認をしています。また、6月が決算月であるため、4月に開催される業績検討会で期末の予測売上高を確認し、対策を話し合います。

──金融機関への業績報告も行われていると聞きました。

澤口 5行の取引金融機関に対して「TKCモニタリング情報サービス」(MIS)を活用し決算書データを送信しています。売上高は毎期順調に伸びており財務状況も良好なためか、金融機関から融資を打診される機会が絶えません。

──書面添付も継続して実施されているとか。

山口 私の事務所では書面添付(※)の推進に注力しており、エス・ビルドさまには顧問契約締結後まもなく提案し、毎期実践されています。先日、ほかの関与先企業さまの決算申告内容に関して所轄税務署から問い合わせがあり、その後税務署を訪れ書面添付を実践している旨を説明した結果、税務調査が省略となったケースがありました。

澤口 これまで2回税務調査を受けたことがありますが、準備や立ち会いで時間を割かれるため、負担になっていました。書面添付実施以降は調査される機会もなく、事業に専念できるのはありがたいですね。

積算ソフト「建築の電卓」

内装材の数量を瞬時に計算する
積算ソフト「建築の電卓」を開発、販売

──昨年6月、大阪北部では地震がありましたが……。

澤口 事業や経理業務への影響は特にありませんでした。財務データは「TKCデータセンター」(TISC)で保存されると聞いているので、運用面の安心感があります。

──オリジナル商品を販売しはじめたそうですね。

澤口 ソフトウエア開発を手がける子会社のエス・ビルドシステムで、「建築の電卓」という内装工事会社向けの積算ソフトをこのほど発売しました。特長はCADソフト等の操作知識がなくても床面積や内周長、必要な材料などを瞬時に計算できるところ。ソフトに搭載されている3点のロジックは、特許出願中の独自技術です。公共工事等で将来的に積算根拠資料の添付が義務づけられるようになれば、このソフトの独擅場になるのではと期待しています。

※ 「書面添付制度」とは

 税理士が申告書作成にあたり次のような項目について、添付書面に記載します。

  1. 関与先にどのような資料、帳簿類が備え付けてあり、どの帳簿類を基に計算し、整理し、申告書を作成したか。
  2. 今期大きく増減した科目の原因及び理由。
  3. 関与先からどのような税務に関する相談を受け、回答したか。
  4. 税理士として関与先の申告書内容について、どのような所見を持っているのか。

 書面添付をすると、調査対象となる前に、税理士に記載内容についての意見を求められることがあります。これを「意見聴取」と言います。この意見聴取で疑問点が全て解決できれば、調査省略となります。また、調査に移行したとしても、既に調査を行うテーマが分かっており短時間で終了するのが殆どであり、税理士・関与先ともに負担が軽減されます。

日本税理士会連合会「書面添付制度をご存じですか?」より引用

企業情報

株式会社エス・ビルド

株式会社エス・ビルド

設立
2003年6月
所在地
大阪府大阪市中央区道修町1-5-18
朝日生命道修町ビル1F
売上高
21億円
社員数
60名
URL
http://www.s-build.jp/

顧問税理士 山口拓税理士事務所
税理士 山口 拓

所在地
大阪府大阪市中央区大手通1-2-8
エースマン大手通ビル302
URL
https://www.yamaguchitaku-office.com/

『戦略経営者』2019年11月号より転載)