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実務・研究上重要と思われる「注目の判例」を
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「注目の判例」バックナンバーへ

2026.05.07
各廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反被告事件 new
LEX/DB25574913/最高裁判所第三小法廷 令和 8年 4月 7日 決定(上告審)/令和6年(あ)第1479号
産業廃棄物中間処理施設を設置して産業廃棄物処分業を営んでいた被告会社は、中間処理施設において、公共下水道内に産業廃棄物である汚泥及び一般廃棄物である汚水を放流させて廃棄物を捨て、産業廃棄物管理票に虚偽の内容を記載して交付するなどしたとして、被告人A(被告会社の代表取締役で中間処理施設の業務の統括管理者)及び被告人B(被告会社の実質的経営者で業務全般の統括管理者)が、各廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反の罪で起訴され、第一審が、被告会社を罰金5000万円に処し、被告人A及び被告人Bをそれぞれ懲役3年に処し、被告人Bに対し5年間、被告人Aに対し4年間の刑の執行を猶予したことから、被告人らが控訴し、控訴審が、被告会社による不法な公訴受理の主張は採用できず、また、被告人Aによる法令違反、事実誤認の主張はいずれも採用できないなどとして、本件各控訴を棄却したところ、被告人らが上告した事案で、被告会社の弁護人の上告趣意のうち判例違反をいう点は、事案を異にする判例を引用するものであって、本件に適切でなく、その余は、単なる法令違反の主張であって、刑訴法405条の上告理由に当たらず、本件において破産手続開始当時に被告会社の代表取締役であったAを被告会社の代表者として関与させた第1審の訴訟手続を是認した原判決及びAを被告会社の代表者として関与させた原審の訴訟手続に法令違反はないとし、また、被告人Bの弁護人らの上告趣意は、憲法違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑訴法405条の上告理由に当たらず、不法投棄罪の成立を認めた第1審判決を是認した原判決は相当であるとし、なお所論に鑑み、破産会社を被告人とする刑事事件が係属している場合には、破産手続が終了したとしても、刑訴法339条1項4号にいう「被告人たる法人が存続しなくなつたとき」に当たらないから、公訴棄却の決定をすべき場合に当たらず、下水道法の罰則は、不法投棄罪の特別規定ではなく、同罪の適用を排除する趣旨のものでもないから、みだりに廃棄物を捨てたものと認められる場合には、不法投棄罪が成立するというべきであるなどと判断して、本件各上告を棄却した事例。
2026.05.07
詐欺(変更後の訴因組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反)被告事件 new
「新・判例解説Watch」刑事訴訟法分野 令和8年7月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25627622/東京地方裁判所 令和 8年 3月16日 判決(第一審)/平成30年(刑わ)第3437号 他
被告人を含む詐欺の犯罪組織が、あたかも正業を行う会社組織であるがごとく、拠点を構えて、研修を終えた従業員らを抱え、印鑑や契約書、機器等も揃えたうえ、共犯者らが、従業員として、地図アプリや各種サービスを用いて未利用の土地の所有者等を探し出し、高額で土地を買い取りたいなどと言葉巧みに持ち掛けて契約を締結し、調査費用名目で金銭をだまし取るなどし、合計26件にわたり、5000万円以上という多額の現金といくばくかの土地をだまし取ったとして、被告人が、詐欺(変更後の訴因 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反)の罪で懲役18年を求刑された事案で、〔1〕本件通信傍受捜査については、種々の問題はあるが、本件傍受記録等の証拠能力が否定されるような重大な違法はないと判断し、本件傍受記録等も含めた各証拠を踏まえ検討すると、〔2〕公訴事実記載の行為が組織的犯罪処罰法における「団体の活動」として行われたものであること、〔3〕少なくとも、被告人が、本件各犯行について、共犯者らと共謀の上で、不法な利益を得ようと、場所の提供をするなど、実行犯らよりも上位の立場で関与していたことは、合理的疑いを超えて認めることができるとし、他方で、〔4〕被告人がこの団体を「統括」していたとまでは認められないと判断したうえで、本件各犯行は、高度に組織化された犯罪組織によって、極めて巧妙な手口で、合計26件にわたり、反復継続されたものであって、悪質極まりなく、被告人は、少なくとも、実行犯らよりも上位の立場にあり、不法な利益をあげるべく、犯行拠点提供などの形で本件各犯行に関与したものであるから、被告人の責任は、既に処罰を受けている実行犯らに比して重く、共犯者らによる弁償状況を被告人に有利に斟酌する一方で、被告人が異種執行猶予前科の公判継続中から犯行を開始していたものであることや、責任回避的な弁解に終始していることも考慮するとして、被告人を懲役14年に処した事例。
2026.04.28
自由に不妊手術等を受けることのできる地位確認等請求事件 
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和8年6月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25627082/東京地方裁判所 令和 8年 3月17日 判決(第一審)/令和6年(行ウ)第102号
母体保護法は、3条1項において、医師が2条1項に規定する不妊手術を行うための要件について規定し、28条において、何人も、同法の規定による場合のほか、故なく、生殖を不能にすることを目的として手術等を行ってはならない旨を規定し、34条において、28条の規定に違反した場合の罰則について規定するところ、(1)原告ら4名が、同法3条1項、28条及び34条が違憲無効であるなどとして、被告に対し、公法上の当事者訴訟として、〔1〕主位的に、同法3条1項所定の要件の一部を満たさなくとも、医師による不妊手術を受けることのできる地位にあることの確認を求め(本件地位確認の訴え)、〔2〕予備的に、被告が、本件各規定を改廃しないことにより、原告ら4名が不妊手術を受けられるようにしないことが違法であることの確認を求める(本件違法確認の訴え)とともに、(2)原告らが、上記の改廃をしないという立法不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法であり、これにより精神的苦痛を被ったとして、被告に対し、同項に基づく損害賠償として、それぞれ慰謝料及び遅延損害金の支払を求めた(本件国賠請求)事案で、本件地位確認の訴えは、法律上の争訟に当たり、確認の利益もあるが、憲法13条が、不妊手術を受ける権利又は自由を保障しているものとはいえないなどとし、本件において、本件違法確認の訴えが、当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、一般的・抽象的な立法不作為の違法の確認を求めるものではないというべき事情は見当たらないから、本件違法確認の訴えは、裁判所法3条1項にいう法律上の争訟に当たるということはできず、また、確認対象としての適格性があるとはいえず、確認の利益も欠くものといわざるを得ないとして、本件訴えのうち、違法であることの確認請求に係る部分を却下し、本件各規定は、憲法13条、24条2項に違反するものとはいえないなどとして、原告らのその余の請求をいずれも棄却した事例。