注目の判例

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2022.05.17
覚醒剤取締法違反被告事件 new
LEX/DB25572121/最高裁判所第一小法廷 令和 4年 4月28日 判決 (上告審)/令和3年(あ)第711号
第1審判決が、被告人の尿に関する捜索差押調書、鑑定嘱託書謄本及び鑑定書の証拠能力を認め、覚醒剤自己使用の事実について被告人を有罪としたところ、被告人が控訴し、原判決は、強制採尿令状執行としての強制採尿手続も違法であるとして、第1審判決を破棄し、被告人に対して無罪を言い渡したため、検察官が上告した事案で、本件強制採尿手続の違法の程度はいまだ令状主義の精神を没却するような重大なものとはいえず、本件鑑定書等を証拠として許容することが、違法捜査抑制の見地から相当でないとも認められないから、本件鑑定書等の証拠能力は、これを肯定することができると解するのが相当であり、本件鑑定書等の証拠能力を否定した原判決は、法令の解釈適用を誤った違法があり、これが判決に影響を及ぼすことは明らかであるとし、原判決を破棄し、本件鑑定書等の証拠能力を肯定した第1審判決の判断は、その結論において是認することができ、また、訴訟記録に基づいて検討すると、第1審判決は、被告人を懲役3年2月に処した量刑判断を含め、これを維持するのが相当であるとした事例。
2022.05.17
退院の許可の申立て棄却決定及び入院を継続すべきことを確認する旨の決定に対する各抗告棄却決定に対する再抗告事件 new
LEX/DB25572117/最高裁判所第一小法廷 令和 4年 2月 8日 決定 (再抗告審)/令和3年(医へ)第27号
退院の許可の申立て棄却決定及び入院を継続すべきことを確認する旨の決定に対する各抗告棄却決定に対する再抗告をした事案で、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)による処遇制度に関し、憲法14条、34条違反をいう点は、医療観察法による処遇制度が憲法のこれらの規定に違反しないことは、当裁判所の判例(最高裁昭和37年(オ)第1472号同39年5月27日大法廷判決・民集18巻4号676頁,最高裁昭和61年(行ツ)第11号平成4年7月1日大法廷判決・民集46巻5号437頁)の趣旨に徴して明らかであるなどとして、本件抗告を棄却した事例。
2022.05.10
法人税更正処分等取消請求事件
LEX/DB25572104/最高裁判所第一小法廷 令和 4年 4月21日 判決 (上告審)/令和2年(行ヒ)第303号
被上告人(原告・被控訴人)は、平成20年12月期(平成20年10月7日から同年12月31日までの事業年度)及び平成21年12月期(平成21年1月1日から同年12月31日までの事業年度から平成24年12月期までの各事業年度に係る法人税の確定申告において、被上告人と同じ企業グループに属するUMIFからの金銭の借入れに係る支払利息の額を損金の額に算入したところ、麻布税務署長は、同族会社等の行為又は計算の否認に関する規定である法人税法132条1項を適用し、上記の損金算入の原因となる行為を否認して被上告人の所得の金額につき本件支払利息の額に相当する金額を加算し、本件各事業年度に係る法人税の各更正処分及び平成20年12月期を除く本件各事業年度に係る過少申告加算税の各賦課決定処分に対し、被上告人が、上告人(被告・控訴人。国)を相手に、本件各処分(上記各更正処分については申告額を超える部分)の取消しを求め、第1審判決は、本件各処分を取り消したことで、上告人が控訴し、原判決も控訴を棄却したため、上告人が上告した事案で、本件借入れは、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものとはいえず、本件借入れは、法人税法132条1項にいう「これを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」には当たらないとし、原審の判断は正当として是認することできるとして、本件上告を棄却した事例。
2022.05.10
傷害、暴行被告事件
LEX/DB25572105/最高裁判所第一小法廷 令和 4年 4月21日 判決 (上告審)/令和2年(あ)第1751号
被告人は、交際相手Cの双子の男児A及びB(当時7歳)に対する傷害等(Aに対する暴行及び傷害、Bに対する傷害)の各事実で起訴され、第1審判決は、Aに対する暴行及びBに対する傷害の各事実を認定した上、Aに対する傷害について、急性硬膜下血腫等及び重度の認知機能障害等の後遺症を伴う脳実質損傷の傷害を負わせた旨の犯罪事実を認定し、被告人を懲役3年に処したため、被告人は、第1審判決に対して控訴し、原判決は、Aに対する傷害について本件暴行を認定することはできないとして第1審判決を事実誤認を理由に破棄し、被告人に対し、Aに対する暴行及びBに対する傷害の各事実につき懲役1年6月、4年間執行猶予を言い渡し、Aに対する傷害の事実につき無罪を言い渡したため、検察官および被告人の双方が上告した事案で、本件暴行を認定した第1審判決に判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があるとした原判決は、事実誤認の審査に当たり必要な検討を尽くして第1審判決の事実認定が論理則、経験則等に照らして不合理であることを十分に示したものと評価することはできず(最高裁平成23年(あ)第757号同24年2月13日第一小法廷判決・刑集66巻4号482頁参照)、刑事訴訟法382条の解釈適用を誤ったものというべきであり、この違法は判決に影響を及ぼすものであって、原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認められる。なお、Aに対する傷害の事実は、原判決が有罪としたAに対する暴行及びBに対する傷害の各事実と併合罪の関係にあるとして起訴されたものであるから、上記違法は、原判決の全部に影響を及ぼすものである。よって、刑事訴訟法411条1号により原判決を破棄し、同法413条本文に従い、本件を高等裁判所に差し戻すこととした事例。
2022.05.06
相続税更正処分等取消請求事件
LEX/DB25572099/最高裁判所第三小法廷 令和 4年 4月19日 判決 (上告審)/令和2年(行ヒ)第283号
共同相続人である上告人らが、相続財産である不動産の一部について、財産評価基本通達の定める方法により価額を評価して相続税の申告をしたところ、札幌南税務署長から、当該不動産の価額は評価通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められるから別途実施した鑑定による評価額をもって評価すべきであるとして、それぞれ更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたため、被上告人(国)を相手に、これらの取消しを求め、第1審判決、原判決とも、請求を棄却したため、上告人らが上告した事案で、本件各不動産の価額を評価通達の定める方法により評価した価額を上回る価額によるものとすることが租税法上の一般原則としての平等原則に違反するということはできないとし、本件各更正処分において、札幌南税務署長が本件相続に係る相続税の課税価格に算入される本件各不動産の価額を本件各鑑定評価額に基づき評価したことは適法であり、原審の判断は是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2022.05.06
横領被告事件
LEX/DB25572096/最高裁判所第二小法廷 令和 4年 4月18日 判決 (上告審)/令和2年(あ)第131号
被告人は、Aが取締役を務める有限会社BがC所有の茨城県の本件土地を購入するに当たり、本件土地の農地転用許可を得るために本件土地の登記簿上の名義人を一旦被告人とし、農地転用等の手続及び資材置場として使用するための造成工事終了後にBに本件土地の所有権移転登記手続をする旨Aの兄であるDと約束し、被告人が代表理事を務めるE組合に前記Cが本件土地を売却する旨の合意書を作成し、その際、Dに土地代金500万円を支払わせ、同組合を登記簿上の名義人として本件土地をBのために預かり保管中、D及びBに無断で本件土地を売却しようと企て、株式会社Fに、本件土地を代金800万円で売却譲渡した上、本件土地について同社への所有権移転登記手続を完了させ、横領したとして起訴され、第1審判決は、本件土地の買主はBであるとして被告人の主張を排斥し、訴因変更後の公訴事実どおりの犯罪事実を認定して被告人を懲役1年6月に処したため、被告人が控訴し、事実誤認を主張したところ、原判決は、職権で、農地を転用する目的で所有権を移転するためには、農地法所定の許可が必要である以上、この許可を受けていないBに本件土地の所有権が移転することはないから、本件土地に関してBを被害者とする横領罪は成立し得ず、第1審判決には、横領罪の解釈、適用を誤った点について判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあるので、第1審判決を破棄して被告人を無罪としたことに対し、検察官が上告した事案で、農地の所有者たる譲渡人と譲受人との間で農地の売買契約が締結されたが、譲受人の委託に基づき、第三者の名義を用いて農地法所定の許可が取得され、当該第三者に所有権移転登記が経由された場合において、当該第三者が当該土地を不法に領得したときは、当該第三者に刑法252条1項の横領罪が成立するものと解されるとして、原判決を破棄し、高等裁判所に差し戻した事例。
2022.04.26
共有持分権確認請求事件
LEX/DB25572093/最高裁判所第三小法廷 令和 4年 4月12日 判決 (上告審)/令和3年(受)第919号
上告人は、本件建物の建築時に上告人及び被上告人を含む3町内会の間で本件建物をその3町内会の共有とする旨の合意がされた旨主張したが、これに対し、被上告人は、本件合意がされた事実はないから、上告人は本件建物の共有持分権を有しない旨主張したところ、第1審は、本件合意の存否が本件の争点であり、本件合意があったと認められるとして、本件請求を認容する判決をし、被上告人が控訴し、原審は、本件請求は本件建物の共有持分権が上告人自体に帰属することの確認を求めるものであるところ、権利能力のない社団である上告人が所有権等の主体となることはできないとして、本件請求を棄却したため、上告人が上告した事案で、原審が、上告人の請求につき共有持分権の構成員全員への総有的帰属の確認を求める趣旨か否かについて、釈明権の行使を怠った違法があるとし、原判決を破棄し、更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すこととした事例。
2022.04.26
公金支出差止等請求控訴事件
「新・判例解説Watch」環境法分野 令和4年6月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25591999/東京高等裁判所 令和 3年12月15日 判決 (控訴審)/令和2年(行コ)第246号
日野市が、都市計画公園である北川原公園の予定地内に、近隣の可燃ごみ処理施設に出入りする廃棄物運搬車両の通行路を整備することとし、設計業務委託契約、工事請負契約及び工事監理業務委託契約を締結したことについて、日野市の住民である被控訴人らが、当時の日野市長であったP3市長による本件各契約の締結が違法であると主張して、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、控訴人(日野市の執行機関である日野市長)を相手方として、P3市長に対して損害賠償請求をすることを求めた住民訴訟で、原判決は被控訴人ら並びに第1審原告P1及び第1審原告P2の請求を全部認容したため、控訴人が原判決の全部を不服として控訴した事案において、被控訴人らの請求は理由があるからこれを認容すべきであり、これと同旨の原判決は正当であり、控訴人の被控訴人らに対する本件控訴は理由がないから棄却し、原判決中、第1審原告P1及び第1審原告P2の請求に係る部分を取り消した事例。(なお、本件訴訟のうち、第1審原告P1の請求に係る部分は、令和2年6月28日に第1審原告の死亡により、第1審原告P2の請求に係る部分は平成30年10月27日に第1審原告の死亡により、それぞれ訴訟終了の宣言をした。)
2022.04.19
国家賠償請求事件(第1事件、第2事件)
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和4年6月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25591984/札幌地方裁判所 令和 4年 3月25日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第2369号 等
原告らが、街頭演説に対して路上等から「P1辞めろ」、「増税反対」などと声を上げたところ、北海道警察の警察官らに肩や腕などをつかまれて移動させられたり、長時間にわたって付きまとわれたりしたと主張して、被告(北海道)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、それぞれ損害賠償金の支払等を求めた事案で、原告らに対する警察官らの本件行為の一部について、国家賠償法1条1項の適用上、違法であるとし、また、原告らの表現の自由は、警察官らによって侵害されたものとし、原告2の移動・行動の自由、名誉権及びプライバシー権の侵害についても、警察官らによって侵害されたものとして、原告らの請求を一部認容した事例。
2022.04.19
国家賠償請求控訴事件
LEX/DB25591851/東京高等裁判所 令和 4年 3月11日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第2936号
平成8年法律第105号による改正前の優生保護法に基づいて強制不妊手術(本件優生手術)を受けさせられたと主張する控訴人(原告)が、被控訴人(被告。国)に対し、国家賠償法1条1項に基づく慰謝料の支払、また、民法723条の法意に照らし、優生手術を受けた者に対する社会的評価を回復させる義務があるなどとして、被控訴人に対し謝罪広告を求めたところ、原判決が控訴人の請求をいずれも棄却したため、これを不服として控訴人が控訴した事案において、控訴人が本件優生手術を受けたことが認められ、本件優生手術時、控訴人は未成年者であり、これが控訴人の同意によるもの(優生保護法3条の定める「医師の認定による優生手術」)でないことは明らかであるから、本件優生手術が優生条項に基づくものであり、憲法13条、14条1項で保障される人権を侵害するものであることが認められるとし、控訴人の請求を全部棄却した原判決は失当であり、本件控訴は一部理由があるから、原判決を取消し、慰謝料請求について一部認容した事例。
2022.04.12
損害賠償請求事件
LEX/DB25572056/最高裁判所第三小法廷 令和 4年 3月22日 決定 (上告審)/令和2年(オ)第1413号
上告人(控訴人・原告)の夫となるべき者であるAとともに、上告人は上告人の氏を、AはAの氏をそれぞれ称するものとして婚姻届を提出したが、同婚姻届は、民法750条の規定及び戸籍法74条1号の規定に違反することを理由に受理されなかったことについて、控訴人が、本件各規定は憲法14条1項、24条1項及び2項、我が国が批准した市民的及び政治的権利に関する国際規約2条1項及び3項(b)、3条、17条1項、23条各項並びに女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約2条、16条1項(b)及び(g)に違反するものであるから、これを改廃して夫婦同氏制に加えて夫婦別氏制という選択肢を新たに設けない立法不作為は国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けると主張して、被上告人(被控訴人・被告。国)に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として慰謝料の支払を求め、1審判決は上告人の請求を棄却し、控訴審判決も、結果として1審判決は相当であるとして控訴を棄却したため、上告人が上告した事案で、本件上告の理由は、違憲及び理由の不備・食違いをいうが、その実質は単なる法令違反を主張するもの又はその前提を欠くものであり、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとして本件上告を棄却した事例(意見がある)。
2022.04.12
損害賠償請求事件
LEX/DB25591862/大阪地方裁判所 令和 4年 3月11日 判決 (第一審)/平成29年(ワ)第3251号
刑事事件(いわゆる和歌山カレー事件)の被告人であった原告が、当該刑事事件において鑑定書を提出するなどした被告らに対し、〔1〕被告らによる虚偽の鑑定書の提出等が不法行為に該当し、〔2〕被告らによる記者会見での発言が原告の名誉を毀損するなどと主張して、共同不法行為に基づき、損害賠償金等の連帯支払を求めた事案において、本件各鑑定等が虚偽鑑定ないし偽証である違法である旨の原告の主張については、鑑定人等のその行為が著しく正義に反し、刑事裁判手続の法的安定の要請を考慮してもなお容認し得ないような特別の事情が認められないし、損害及び因果関係の観点からも原告の主張は認められないとし、また、本件記者会見に係る原告の主張についても、仮に、被告らの本件記者会見における本件説明が名誉毀損に該当する違法な行為と評価されるものであったとしても、本件訴え提起までに消滅時効が完成しており、被告らの時効の援用により、原告の被告らに対する名誉毀損を理由とした共同不法行為に基づく損害賠償請求権は消滅したといえるから、原告の主張は認められないとして、原告の請求を棄却した事例。
2022.04.12
認知請求事件(甲事件、乙事件)
「新・判例解説Watch」家族法分野 解説記事が掲載されました
LEX/DB25591787/東京家庭裁判所 令和 4年 2月28日 判決 (第一審)/令和3年(家ホ)第500号 等
いずれも提供精子を用いた生殖補助医療により生まれた原告A及び原告Bが、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律に基づき女性への性別の取扱いの変更の審判を受けた被告に対し、認知を求めた事案で、原告らと被告との間に法律上の親子関係を認めることは現行法制度と整合しないから、本件各認知を認めることはできないというべきであるなどとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2022.04.05
損害賠償請求事件
LEX/DB25572047/最高裁判所第一小法廷 令和 4年 3月24日 判決 (上告審)/令和2年(受)第1198号
信号機による交通整理が行われていない交差点である本件事故現場で、上告人(1審原告)車両が直進中、上告人から見て左方向の交差道路から進入してきた被上告人(1審被告)車両と側面衝突した交通事故によって傷害を受けた上告人が、加害車両の運転者である被上告人に対し、民法709条又は自動車損害賠償保障法3条に基づき、損害賠償を求め、上告人の夫との間で人身傷害条項のある普通保険約款が適用される自動車保険契約を締結していた保険会社が、上記交通事故によって生じた上告人の損害について、自動車損害賠償責任保険から自動車損害賠償保障法16条1項に基づく損害賠償額の支払として金員を受領していることから、上告人の被上告人に対する損害賠償請求権の額から上記金員に相当する額を全額控除することができるか否かが争われた事案の上告審において、人身傷害保険について保険会社が被害者に対して自賠責保険分を含めて一括払することを合意した場合、上告人の被上告人に対する損害賠償請求権の額から、訴外保険会社が本件支払金の支払により保険代位することができる範囲を超えて本件自賠金に相当する額を控除することはできないというべきであるとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、上告人の控訴に基づき第1審判決を変更した事例。
2022.04.05
不動産取得税賦課処分取消請求事件
LEX/DB25572039/最高裁判所第三小法廷 令和 4年 3月22日 判決 (上告審)/令和3年(行ヒ)第62号
上告人が、被上告人を相手に、都税事務所長がした本件不動産取得税の賦課処分の取消しを求めた事案の上告審において、上告人は、共有物の分割により、従前は持分10分の1を有していた本件各土地について、それぞれ、他の共有者から、その余の持分10分の9を取得したというのであるから、本件各取得の全部が持分超過部分の取得に当たるとし、いわゆる一括分割により不動産を取得した場合における本件各取得に対しては地方税法73条の7第2号の3の括弧書きの「分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の有無等は、分割の対象とされた個々の不動産ごとに判断すべきであるとし、原審の判断は是認することができるとして、本件上告を棄却した事例。
2022.03.29
山形大学不当労働行為救済命令取消請求事件
「新・判例解説Watch」労働法分野 令和4年5月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25572036/最高裁判所第二小法廷 令和 4年 3月18日 判決 (上告審)/令和3年(行ヒ)第171号
労働組合である上告補助参加人から、使用者である被上告人の団体交渉における対応が労働組合法7条2号の不当労働行為に該当する旨の申立てを受けた処分行政庁が、上告補助参加人の請求に係る救済の一部を認容し、その余の申立てを棄却する旨の命令を発したところ、被上告人が、上告人を相手に、本件命令のうち上記の認容部分の取消しを求め、第1審判決は、処分行政庁による本件命令は、その命令の内容において、処分行政庁の裁量権の範囲を逸脱したものとして、被上告人の請求を認容し、原判決もこれを維持したため、上告人が上告した事案で、本件認容部分は、被上告人が誠実交渉義務に違反する不当労働行為をしたとして、被上告人に対して本件各交渉事項につき誠実に団体交渉に応ずべき旨を命ずる誠実交渉命令であるところ、原審は、本件各交渉事項について、被上告人と上告補助参加人とが改めて団体交渉をしても一定の内容の合意を成立させることは事実上不可能であったと認められることのみを理由として、本件認容部分が処分行政庁の裁量権の範囲を逸脱したものとして違法であると判断したものであり、原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、本件各交渉事項に係る団体交渉における被上告人の対応が誠実交渉義務に違反するものとして不当労働行為に該当するか否か等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻した事例。
2022.03.29
措置命令処分取消請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和4年5月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25572006/最高裁判所第三小法廷 令和 4年 3月 8日 判決 (上告審)/令和3年(行ツ)第33号
上告人(健康食品販売会社)が、サプリメントの広告が優良誤認に該当するとして、措置命令処分を受けたため、被上告人に対し、本件処分の取消しを求めた事案の上告審において、不当景品類及び不当表示防止法7条2項は、事業者がした自己の供給する商品等の品質等を示す表示について、当該表示のとおりの品質等が実際の商品等には備わっていないなどの優良誤認表示の要件を満たすことが明らかでないとしても、所定の場合に優良誤認表示とみなして直ちに措置命令をすることができるとすることで、事業者との商品等の取引について自主的かつ合理的な選択を阻害されないという一般消費者の利益をより迅速に保護することを目的とするものであり、公共の福祉に合致することは明らかであるとし、不当景品類及び不当表示防止法7条2項は、憲法21条1項、憲法22条1項に違反しないとして、本件上告を棄却した事例。
2022.03.29
再審請求棄却決定に対する異議申立て事件(名張毒ぶどう酒事件第10次再審請求棄却決定に対する異議申立て棄却決定)
LEX/DB25591762/名古屋高等裁判所 令和 4年 3月 3日 決定 (異議審)/平成29年(け)第16号
亡被告人が、昭和36年3月28日、公民館において、地元住民らを構成員とする会の総会後に催された懇親会の席上で提供されるぶどう酒に、有機燐テップ製剤(農薬)を混入し、同ぶどう酒を飲んだ女性会員のうち5名を殺害したほか、12名に有機燐中毒症の傷害を負わせたとされる殺人及び殺人未遂被告事件(名張ぶどう酒事件)について死刑を言い渡した確定判決に対し、平成27年11月6日、刑事訴訟法439条1項4号に基づき被告人の妹として再審を請求し(第10次再審請求)、平成29年12月8日、名古屋高等裁判所がこれを棄却する決定をしたため、異議を申し立てた事案で、原審に提出された新証拠について無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たらないとして再審請求を棄却した原決定の判断は是認できるとして、本件異議の申立てを棄却した事例。
2022.03.22
大垣警察市民監視国家賠償請求事件(甲事件)、個人情報抹消請求事件(乙事件)
LEX/DB25591788/岐阜地方裁判所 令和 4年 2月21日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第758号 等
岐阜県警察本部警備部及び岐阜県警各警察署警備課が、原告らの個人情報を長年にわたって収集、保有し、大垣警察署警備課の警察官がそれらの情報の一部を民間企業に提供したことにより、原告らの人格権としてのプライバシー等が侵害されたとして、原告らが、被告県に対し、国家賠償法1条1項に基づき、それぞれ損害賠償金の支払等を求めた事案(甲事件)、また、原告らが、人格権としてのプライバシーに基づき、被告県に対しては岐阜県警等が保有する、被告国に対しては警察庁警備局が保有する、原告らの個人情報の抹消を求めた事案(乙事件)で、乙事件については訴えを却下し、甲事件については、原告らは、必要性もないのに、大垣警察からプライバシーに係る情報を、積極的、意図的に対立の相手方である民間企業にその情報を提供されたことにより、精神的な損害を被ったものであるとして一部認容した事例。
2022.03.22
課徴金納付命令処分取消請求控訴事件
LEX/DB25591763/東京高等裁判所 令和 3年11月24日 判決 (控訴審)/令和3年(行コ)第31号
株式会社M社の取締役である被控訴人(1審原告)が、M社の「業務執行を決定する機関」が株式会社D社との「業務上の提携」を「行うことについての決定」をした旨の重要事実を知りながら、法定の除外事由がないのに、本件重要事実の公表がされた平成27年12月11日よりも前にM社株式(本件株式)合計400株を買い付けたことが金融商品取引法166条1項1号及び同条2項1号ヨの内部者取引に当たるとして、金融庁長官(処分行政庁)から、金融商品取引法185条の7第1項に基づき、課徴金として133万円を国庫に納付することを命ずる決定を受けたことについて、本件納付命令が違法である旨主張して、控訴人(1審被告。国)に対し、その取消しを求め、原判決は、被控訴人が上記買付けをした時までにM社の「業務執行を決定する機関」が「業務上の提携」を「行うことについての決定」をしていたとは認められず、本件納付命令は違法であるとして、これを取消したため、控訴人が、これを不服として控訴した事案において、本件納付命令は違法であり、被控訴人の請求は理由があるものと判断し、原判決は相当であるとして、本件控訴を棄却した事例。