注目の判例

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2021.12.07
不当利得返還等請求事件(第1事件)、供託金還付請求権帰属確認請求事件(第2事件) new
「新・判例解説Watch」財産法分野 令和4年2月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25591082/旭川地方裁判所 令和 3年10月 1日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第187号 等
名寄市の第3セクターの原告が、同セクターの支配人Dによって締結された被告との間の各債権譲渡契約が無効であるなどと主張して、被告に対し、【1】不当利得(民法703条)に基づいて、原告が被告から受領した金員(譲渡代金)と原告が被告に交付した金員(買戻代金)の差額556万2000円及びこれに対する遅延損害金の支払、【2】本件各供託金の還付請求権を原告が有することの確認を求めるとともに、上記【1】に係る予備的請求として、仮に各債権譲渡契約の全部が無効でないとしても、制限利率を超えて被告が買戻代金を取得した部分は無効であり、被告は悪意の受益者であるなどと主張して、不当利得に基づいて、原告被告間の取引を一連計算した上で、被告が制限利率を超えて受領した過払金及び最終取引日である令和元年5月29日までの過払利息の合計427万7751円、並びに遅延利息の支払を求めた事案(第1事件)と、被告が、原告に対し、上記各債権譲渡契約が有効であることを前提として、本件各供託金の還付請求権を被告が有することの確認を求めた事案(第2事件)で、被告は、原告に対し、196万2000円及びこれに対する遅延損害金の支払いを命じ、原告と被告との間において、原告が本件供託金の還付請求権を有することを確認するとして一部認容し、第1事件に係る原告のその余の請求をいずれも棄却し、第2事件に係る被告の請求を棄却した事例。
2021.12.07
危険運転致死傷被告事件 new
LEX/DB25591081/長野地方裁判所 令和 3年 9月 9日 判決 (第一審)/令和1年(わ)第175号
被告人は、昼間、普通乗用自動車(セレナ)を運転し、最高速度が法定により60km毎時と定められている左方に湾曲する下り勾配の道路(本件カーブ)を、少なくとも時速104km以上の速度で自車を走行させて本件カーブに進入し、その進行を制御することが困難な高速度で自車を走行させたことにより、自車を本件カーブの湾曲に応じて進行させることができずに自車線から対向車線に逸走させて進行し、折から同車線を対向進行してきたP2(当時71歳)運転の普通貨物自動車前部に自車前部を衝突させ、自車に同乗していたP3(当時19歳)に加療約6か月間を要する右急性音響性外傷の傷害を、同じく自車に同乗していたP4(当時19歳)に加療約10日間を要する頚椎捻挫及び背部挫傷の傷害を、同じく自車に同乗していたP5(当時21歳)に加療約2週間を要する外傷性気胸、左肋骨不全骨折等の傷害を、同じく自車に同乗していたP6(当時20歳)に加療約4週間を要する右腸骨打撲傷、胸部打撲の傷害を、P2に右血気胸、両下肢開放性骨折の傷害をそれぞれ負わせ、P2を傷害に伴う出血性ショックにより死亡させたとして、危険運転致死傷の罪で懲役7年を求刑された事案で、被告人には、本件カーブの状況や自己の運転操作等の事実を認識していなかったと疑うべき事情はなく、被告人は、セレナが進行を制御することが困難な高速度であったことを基礎づける事実を認識し故意があったと認め、危険運転致死傷罪が成立するとして、懲役6年に処した事例。
2021.11.30
アスベスト被害に基づく損害賠償請求事件(〔1〕事件)、承継参加事件(〔2〕事件)
LEX/DB25591046/岡山地方裁判所 令和 3年10月20日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第235号 等
過去に石綿工場において石綿を原料に含む煙突製品の製造業務に従事していた亡gの相続人である原告及び参加人b、並びに亡gの相続人である亡hの相続人である参加人c及び参加人dが、石綿含有建築材の使用について規制権限を有していた被告による石綿の粉じん規制が不十分であったために、亡gが、石綿工場において作業に従事したことにより石綿粉じんの曝露を受け、肺がんに罹患して死亡し、被告に対して国家賠償法1条1項に基づく1430万円(慰謝料及び弁護士費用)の損害賠償請求権を有していたところ、原告及び参加人らがこれを相続したと主張して、被告(国)に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求として、原告及び参加人bにつき各476万6667円、参加人c及びdにつき各238万3333円、並びに、これらに対する遅延損害金の支払をそれぞれ求めた事案で、参加人ら相続債権について、原告による本件訴訟提起により除斥期間経過前に権利行使されたといえるから、除斥期間の経過により消滅していないと判示し、原告及び参加人らの本件各請求を一部認容し、原告らのその余の請求を棄却した事例。
2021.11.30
障害補償給付不支給決定等取消請求控訴事件
「新・判例解説Watch」環境法分野 令和4年1月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25590917/札幌高等裁判所 令和 3年 9月17日 判決 (控訴審)/令和2年(行コ)第10号
回転寿司店の事業所に勤務していた控訴人が、本件事業所内のトイレに散布された殺菌剤の原液を拭き取る業務に従事した際、当該業務に起因して化学物質過敏症を発症したとして、労働者災害補償保険法による障害補償給付の請求をしたところ、処分行政庁から、〔1〕これを支給しない旨の処分、〔2〕療養補償給付の支給決定を取り消す旨の変更決定処分、及び〔3〕同日付けで休業補償給付の支給決定を取り消す旨の変更決定処分を受けたため、本件各処分の取消しを求めたところ、原審が控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴した事案で、控訴人の化学物質過敏症は、本件拭き取り作業に起因したものと認められるから、これは、労基則別表第1の2第4号9ないし第11号に該当する業務上の疾病ということができ、控訴人の化学物質過敏症の発症及びこれと本件拭き取り作業との相当因果関係を否定したうえでされた本件各処分は違法であるとして、原判決を取り消し、本件各処分をいずれも取り消した事例。
2021.11.30
詐害行為取消請求事件
LEX/DB25591036/東京地方裁判所 令和 3年 9月 8日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第14636号
T社に対して租税債権を有すると主張する原告(国)が、T社が被告銀行らとの間で本件各根抵当権設定契約を締結したことが詐害行為に該当すると主張して、国税通則法42条及び平成29年法律第44号による改正前の民法424条の規定による詐害行為取消権に基づき、被告Y1銀行に対しては、本件各根抵当権設定契約の取消し並びに本件根抵当権設定登記及び根抵当権一部移転登記の抹消登記手続を求め、被告Y2銀行に対しては、本件各根抵当権設定契約の取消し及び根抵当権設定登記の抹消登記手続を求めた事案において、T社による本件各根抵当権設定契約の締結行為は、原告との関係で詐害行為に該当するものとし、被告銀行らが、T社による本件各根抵当権設定契約の締結行為が詐害行為に該当することを認識していなかったものとは認められないとして、原告の請求をいずれも認容した事例。
2021.11.24
投稿記事削除請求事件
LEX/DB25591035/大阪地方裁判所 令和 3年10月28日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第7156号
原告(結婚情報提供サービス業等を目的とした会社)が、被告が管理運営する地図サービスの「クチコミ」欄を利用して投稿された本件記事により原告の名誉が毀損されたと主張して、被告に対し、人格権(名誉権)に基づく妨害排除請求として、本件記事の削除を求めるとともに、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項に基づく発信者情報開示請求として、本件ログイン時のIPアドレス等の開示を求めた事案において、本件侵害部分が原告の名誉を毀損することが明らかであるとまで認めることはできないとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2021.11.24
「黒い雨」被爆者健康手帳交付請求等控訴事件
LEX/DB25590503/広島高等裁判所 令和 3年 7月14日 判決 (控訴審)/令和2年(行コ)第10号
本件申請者らが、昭和20年8月6日に広島市に原子爆弾が投下された後に発生した雨(黒い雨)に遭ったことをもって、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律1条3号の「原子爆弾が投下された際又はその後において、身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった者」に当たると主張して、広島市長又は広島県知事に対し、同法2条1項に基づく被爆者健康手帳の各交付申請をし、また、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律施行令附則2条、別表第3が黒い雨降雨域全体を第一種健康診断特例区域に指定していないのは、被爆者援護法附則17条の委任の趣旨を逸脱・濫用するものであり、広島原爆が投下された際黒い雨降雨域に所在した本件申請者らについては、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律施行規則附則2条2項に基づく第一種健康診断受診者証の各交付申請が認められてしかるべきであると主張して、広島市長又は広島県知事に対し、上記各交付申請をしたところ、広島市長及び広島県知事が被爆者健康手帳及び第一種健康診断受診者証の各交付申請をいずれも却下したことから、控訴人・広島市らに対し、主位的に、被爆者健康手帳交付申請の各却下処分の取消しと被爆者健康手帳交付の義務付けを求め、予備的に、第一種健康診断受診者証交付申請の各却下処分の取消しと第一種健康診断受診者証交付の義務付けを求め、原審が、本件申請者らの被爆者健康手帳交付申請の各却下処分の取消し及び被爆者健康手帳交付の義務付けの各主位的請求をいずれも認容したところ、控訴人ら及び参加行政庁が控訴した事案で、被控訴人らの各主位的請求はいずれも理由があるところ、これと同旨の原判決は、本件申請者らが原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律1条3号の「原子爆弾が投下された際又はその後において、身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった者」に該当するとの判断の根拠として402号通達を用いるなどした点で失当であるが、結論において相当であるとして、本件各控訴をいずれも棄却した事例。
2021.11.16
損害賠償請求事件
LEX/DB25571787/最高裁判所第三小法廷 令和 3年11月 2日 判決 (上告審)/令和2年(受)第1252号
車両を運転中に交通事故に遭った被上告人が、加害車両の運転者である上告人に対し、不法行為等に基づき、上記交通事故により被上告人に生じた身体傷害及び車両損傷を理由とする各損害の賠償を求め、上記車両損傷を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権が、平成29年法律第44号による改正前の民法724条前段所定の3年の消滅時効により消滅したか否かが争点となった事案で、被上告人は、本件事故の日に少なくとも弁護士費用に係る損害を除く本件車両損傷を理由とする損害を知ったものと認め、遅くとも平成27年8月13日までに本件事故の加害者を知ったものであるから、本件訴訟提起時には、被上告人の上告人に対する不法行為に基づく上記損害の賠償請求権の短期消滅時効が完成していたことが明らかであると判示し、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原判決中、本件車両損傷を理由とする損害賠償請求に関する部分を破棄し、上記部分に関する被上告人の請求は理由がないから、同部分につき第1審判決を取消し、同部分に関する被上告人の請求を棄却し、上告人のその余の上告を却下した事例。
2021.11.16
財産分与申立て却下審判に対する抗告一部却下等決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25571781/最高裁判所第一小法廷 令和 3年10月28日 決定 (許可抗告審)/令和2年(許)第44号
離婚をした相手方と抗告人が,それぞれ,財産の分与の審判を申立てをしたところ、原々審は、第1事件(相手方の申立てに係る事件)及び第2事件(抗告人の申立てに係る事件)の各申立てをいずれも却下する審判をし、原審は、本件即時抗告のうち第1事件に係る部分を却下したため、抗告人が許可抗告をした事案において、財産分与の審判の申立てを却下する審判に対し、夫又は妻であった者である当該申立ての相手方は、即時抗告をすることができるものと判示し、本件即時抗告のうち第1事件に係る部分を却下した原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原決定中、主文第1項を破棄し、更に審理を尽くさせるため,同部分につき本件を原審に差し戻し、その余の抗告を棄却した事例。
2021.11.09
地位確認等請求事件
LEX/DB25590928/岐阜地方裁判所 令和 3年10月 1日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第9号
警備業者に警備員として雇用されていたが、自ら保佐開始の審判を申し立て、家庭裁判所から保佐開始の審判を受けたことに伴い、雇用契約終了の通知を受けて退職した原告が、被告(国)に対し、当時、警備業法は、被保佐人であることを警備員の欠格事由の一つとして定めていた本件規定(令和元年法律第37号による改正前の警備業法14条、3条1号)は憲法22条1項等に反し違憲であり、国会が本件規定を制定し、あるいは上記原告の退職時点まで改廃せず存置し続けたことは、国家賠償法1条1項の適用上違法であるとして、同項所定の損害賠償請求権に基づき、慰謝料100万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案で、本件規定は、警備業務を適正に実施するに足りる能力を備えた者のうち、被保佐人(準禁治産者)である者のみを区別して警備員から排除する規定であるところ、昭和57年改正当時からかかる区別をすることの合理性は認められない状態であったというべきであるから、本件規定は、その前身となる規定が新設された昭和57年改正時点において憲法14条1項にも反する状態であったとし、また、本件規定が被保佐人の職業選択の自由を合理的な理由なく制約していることが国会にとっても明白であったと認められる平成22年7月頃から遅くとも本件退職時点までに本件規定を改廃しなかった国会の立法不作為は国賠法1条1項の適用上違法であるとして、原告の請求を一部認容した事例。
2021.11.09
株主総会招集許可申立事件(日邦産業株主総会招集許可申立事件)
LEX/DB25590929/名古屋地方裁判所 令和 3年 7月14日 決定 (第一審)/令和3年(ヒ)第24号
利害関係参加人の総株主の議決権の100分の3以上を6か月前から引き続き有する株主である申立人が、「2021年4月24日付で無償割当ての効力が発生した新株予約権の無償取得の件」を株主総会の目的として、利害関係参加人に対し、株主総会の招集を請求したが、利害関係参加人がこれに応じないと主張して、会社法297条4項に基づき、申立人が、上記議題を株主総会の目的とする利害関係参加人の株主総会を招集する許可を求めた事案において、本件招集請求に係る議題は、会社法297条1項の「株主総会の目的である事項」に該当しないとして、本件申立てを却下した事例。
2021.11.02
損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25590788/福岡高等裁判所宮崎支部 令和 3年9月15日 判決 (控訴審)/平成31年(ネ)第96号 等
亡患者の相続人である被控訴人(一審原告)らが、控訴人(一審被告)が運営する本件病院に入院していた亡患者が死亡したことについて、本件病院の医師には輸液過剰にならない限度での大量かつ相当な輸液を実施すべき注意義務等の違反があり、又は、本件病院の看護師には患者の容体急変時点で直ちに当直医に連絡すべき注意義務の違反があり、これらの注意義務違反により患者は死亡したと主張し、控訴人に対し、不法行為(使用者責任)又は債務不履行による損害賠償を求め、原審は、被控訴人X1の請求について、1309万1244円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で,被控訴人X2並びに被控訴人X3の各請求ついて、それぞれ704万5621円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で認容し,その余の請求をいずれも棄却したことに対し、当事者双方が上記各敗訴部分を不服として、控訴人が本件控訴を、被控訴人らが本件各附帯控訴をした事案で、被控訴人らの請求はいずれも棄却すべきところ、これを一部認容した原判決は失当であって、控訴人の控訴は理由があるから、原判決中、控訴人敗訴部分を取消して、同取消部分につき被控訴人らの請求をいずれも棄却し、被控訴人らの各附帯控訴は理由がないから、いずれも棄却した事例。
2021.11.02
損害賠償請求事件
LEX/DB25590816/神戸地方裁判所 令和 3年 8月31日 判決 (第一審)/令和1年(ワ)第1764号
消費生活協同組合である原告が、被告の実施する「キャッシュレス・消費者還元事業」に係る補助金の交付事業に関し加盟店登録の登録申請を行ったところ、被告は、当初、原告のような消費生活協同組合についても加盟店として登録する旨の方針を示していたにもかかわらず、本件事業開始の直前に至って上記方針を撤回し、原告を加盟店として登録しないものとしたことは、原告と被告との間に形成された信頼関係を不当に破壊するものであって国家賠償法上違法であり、これにより、原告は、本件事業開始に向けて拠出した費用相当額の損害を被ったと主張して、被告(国)に対し、同法1条1項による損害賠償請求権に基づき、損害金合計2765万6640円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、原告の加盟店登録の対象であるとの信頼については、法的保護に値する利益に当たると認められ、被告が、農協・生協等の加盟店登録要件に関して、課税所得要件に加えて売上高等の事業規模に関する事情を考慮する方針に変更したことは、原告の上記信頼を不当に破壊するものとして、原告との関係において国賠法上違法であるとし、原告の請求は、被告に対し、損害金合計1186万5852円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で一部認容し、その余の請求を棄却した事例。
2021.10.26
殺人,強盗殺人未遂被告事件(連続青酸不審死事件)
LEX/DB25571762/最高裁判所第三小法廷 令和 3年 6月29日 判決 (上告審)/令和1年(あ)第953号
被告人が、平成19年12月、債務の返済を免れる目的で、知人にシアン化合物を服用させて殺害しようとしたが、シアン中毒に基づく全治不能の高次機能障害等の傷害を負わせたにとどまったという強盗殺人未遂と、平成24年3月から同25年12月までの間、遺産取得等の目的で、いずれも当時の夫や内縁の夫ら3名にシアン化合物を服用させて殺害したという殺人3件につき、第1審判決は死刑に処し、原判決もこれを維持したため、被告人が上告した事案において、前科がないこと、高齢であることなど、被告人のために酌むべき事情を十分に考慮しても、原判決が維持した第1審判決の死刑の科刑は、やむを得ないものとして、これを是認せざるを得ないとし、本件上告を棄却した事例。
2021.10.26
道路交通法違反被告事件
LEX/DB25571763/最高裁判所第二小法廷 令和 3年 6月28日 決定 (上告審)/令和3年(あ)第424号
道路交通法違反被告事件で、原判決を不服として、被告人が上告した事案において、原審の判決書には裁判長裁判官の押印がなく、これは刑事訴訟規則55条に違反するが、同判決書には同裁判官の署名及び他の裁判官2名の署名押印があり、同判決書は原判決をした裁判官3名により作成されたものと認めることができるとし、原判決の上記法令違反は判決に影響を及ぼすものとは認められないとした上で、本件は、弁護人の上告趣意は量刑不当の主張で、刑事訴訟法405条の上告理由にあたらないとして、本件上告を棄却した事例。
2021.10.19
国家賠償請求控訴事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和3年12月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25590739/東京高等裁判所 令和 3年 9月22日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第1423号
スリランカ国籍を有する控訴人(原告)らは、在留期間を超えて日本に残留し、いずれも難民不認定処分を受けた後に出入国管理及び難民認定法24条4号ロ(不法残留)に該当することを理由とする退令発付処分を受け、その後、難民不認定処分に対する異議申立てを行ったところ、同異議申立棄却決定の告知を受け、退令の執行を受け、集団送還の方法によりスリランカに強制送還されたことにより、控訴人らが、控訴人らに対する退令の執行は、控訴人らに難民不認定処分に対する取消訴訟等の提起について検討する時間的猶予を与えずに行ったもので、控訴人らの裁判を受ける権利を侵害したなどと主張して、被控訴人(被告。国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、控訴人1人当たり500万円の慰謝料及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、原判決は控訴人らの請求をいずれも棄却したため、控訴人らがこれを不服として控訴した事案で、東京入管職員の本件送還にかかる一連の行為は、控訴人らの難民認定不処分に対する司法審査を受ける機会を実質的に奪ったものとして、国賠法1条1項の適用上違法であると認められるとして、原判決を変更し、控訴人らの請求は、各30万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があるとして一部認容し、その余の請求については棄却した事例。
2021.10.19
窃盗被告事件
LEX/DB25590629/佐賀地方裁判所 令和 3年 9月 2日 判決 (第一審)/令和2年(わ)第215号
被告人は、有料老人ホームで、同所従業員が同所北側出入口設置の棚内に保管していた同人所有又は管理の現金約3500円及び財布等17点在中の手提げバッグ1個(時価合計約1万円相当)を窃取したとして、懲役2年を求刑された事案において、本件防犯カメラの映像には、本件棚の扉が開閉されたのに動体検知システムが作動していない場面があるほか、画角内で人の動きがあったのに動体検知システムが作動していない場面が複数見受けられ、動体検知システムが作動して録画が開始されることの事実を認めるには疑問の余地がある上、被告人が犯人であるとすると不合理な行動をとっているから、弁護人が主張するように、被告人とE以外に本件棚の扉を開閉したがその様子が録画されなかった人物が存在する可能性があり、被告人が犯人であることにつき合理的疑いが残るとして、被告人に対し無罪を言い渡した事例。
2021.10.12
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25590675/名古屋高等裁判所金沢支部 令和 3年 9月 8日 判決 (控訴審)/令和2年(ネ)第137号
控訴人(原告)の社団(憲法を守ることを目的として設立された権利能力なき社団)が、金沢市庁舎前広場を使用して憲法施行70周年集会を開催することを目的として金沢市長に対してした庁舎等行為許可申請に対し、同市長が不許可処分をしたことが、職務上の義務に反してなされた違憲、違法な行為であると主張して、被控訴人(被告。金沢市)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、〔1〕控訴人の社団が、1876円(代替場所の使用料)及びこれに対する遅延損害金の支払、〔2〕控訴人らが、各23万1000円(慰謝料ないし無形の損害及び弁護士費用)及びこれに対する遅延損害金の支払を求めたところ、原判決が、控訴人らの請求をいずれも棄却したため、控訴人らがこれを不服として控訴した事案で、控訴人らの請求をいずれも棄却した原判決は相当であるとし、本件控訴を棄却した事例。
2021.10.12
覚醒剤取締法違反、関税法違反被告事件
LEX/DB25590627/東京高等裁判所 令和 3年 4月26日 判決 (控訴審)/令和2年(う)第1267号
被告人(オランダ国籍)が、氏名不詳者らと共謀の上、営利の目的で、みだりに、スペインのアドルフォ・スアレス・マドリード・バラハス空港において、覚醒剤約997.6gを隠し入れたスーツケース1個を同空港作業員に機内預託手荷物としてドイツのフランクフルト国際空港行きの航空機に積み込ませて同航空機に搭乗し、同空港において、本件スーツケースを同空港作業員に東京国際空港行きの航空機に積み替えさせて同航空機に搭乗し、東京国際空港に到着した同航空機から本件スーツケースを同空港作業員に同航空機の外に搬出させて日本国内に持ち込み、覚醒剤を本邦に輸入するとともに、同空港内の東京税関羽田税関支署旅具検査場において、同支署税関職員の検査を受けた際、覚醒剤を本件スーツケース内に隠し持ったまま、その事実を申告せずに同検査を受け、同検査場を通過しようとし、もって関税法上の輸入してはならない貨物である覚醒剤を輸入しようとしたが、同税関職員に発見されたため、その目的を遂げなかったとして起訴され、原判決は、懲役7年及び罰金300万円に処したため、これに不服の被告人が控訴した事案で、検察官が、答弁書において種々指摘をする内容を踏まえて、改めて検討してみても、被告人に覚醒剤輸入(関税法違反を含む。)の故意があったと認めるには合理的な疑いが残るのに、これがあったと認めて罪となるべき事実を認定した原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認があるとして、原判決を破棄し、被告人に対して無罪を言い渡した事例。
2021.10.05
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25590657/福岡高等裁判所 令和 3年 9月 3日 判決 (控訴審)/令和3年(ネ)第283号
熊本県少年保護育成条例違反の被疑事実により逮捕され、その後勾留された一審原告が、その逮捕・勾留中に一審原告の取調べを行った熊本県警察の警察官が、当該取調べに際し、〔1〕黙秘権を告知せず、かつ黙秘することが一審原告の不利益となることを示唆する発言をするなどして、一審原告の黙秘権を侵害し、〔2〕弁護人との接見内容に関する質問をしたことにより、一審原告の接見交通権を侵害し、この違法な取調べにより一審原告は精神的苦痛を被るなどの損害を受けており、一審被告は、国家賠償法1条1項に基づき、上記警察官の違法な取調べによって一審原告が被った損害について賠償義務を負うとして、一審被告に対し、同項に基づき、損害として慰謝料200万円及び弁護士費用20万円の合計220万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めたところ、原判決は、一審原告の請求のうち、一部認容、一部棄却したため、一審原告及び一審被告が、それぞれ原判決中敗訴部分を不服として控訴した事案で、一審原告の請求につき、16万5000円及びこれに対する平成28年5月24日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるとして一部認容し、その余の請求を棄却した原判決は相当であるとし、本件各控訴を棄却した事例。