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2023.03.14
動産引渡等請求事件
LEX/DB25572655/最高裁判所第一小法廷 令和 5年 3月 2日 判決 (上告審)/令和3年(受)第1176号
被上告人が、被上告人を債務者とする動産執行事件において物資搬送装置一式(本件動産)を買受けた上告人に対し、本件動産の売却は無効であるなどと主張して、所有権に基づき、本件動産の引渡し等を求めたところ、原審は、本件動産の引渡しを求める被上告人の請求を一部認容したため、上告人が上告した事案において、執行処分が弁済受領文書(民事執行法39条1項8号)の提出による強制執行の停止の期間中にされたものであったとしても、そのことにより当該執行処分が当然に無効となるものではないというべきであり、本件売却は、弁済受領文書の提出による強制執行の停止の期間中にされたことにより当然に無効となるものではないとし、これと異なる原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決中上告人敗訴部分は破棄し、所有権に基づき本件動産の引渡しを求める被上告人の請求は理由がなく、これを棄却した第1審判決は正当であるから、上記部分につき、被上告人の控訴を棄却した事例。
2023.03.14
法人税更正処分等取消請求控訴事件
LEX/DB25572529/東京高等裁判所 令和 4年 9月14日 判決 (控訴審)/令和4年(行コ)第36号
連結納税の承認を受けた内国法人である控訴人(原告)が、法人税及び地方法人税の確定申告をしたところ、処分行政庁から、英領バミューダ諸島において設立された控訴人の子会社が非関連者である保険会社との間で締結した再保険契約に係る収入保険料は、租税特別措置法施行令(平成28年政令第159号による改正前のもの)39条の117第8項5号括弧書きにいう「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険に係る収入保険料」に該当せず、外国子会社合算税制の適用除外要件のうちいわゆる非関連者基準を満たさないなどとして、本件法人税再更正処分及び本件地方法人税再更正処分並びに本件法人税当初賦課決定処分及び本件地方法人税当初賦課決定各処分をしたため、被控訴人(被告。国)に対し各処分について、控訴人主張額を超える各部分の取消しを求め、原審が控訴人の請求をいずれも棄却したところ、控訴人が控訴した事案で、本件再保険契約に係る収入保険料は、本件括弧書きにいう「関連者以外の者が有する資産又は関連者以外の者が負う損害賠償責任を保険の目的とする保険に係る収入保険料」に当たるものとし、処分行政庁の判断は誤りであるとして、原判決を取り消し、控訴人の請求をいずれも認容した事例。
2023.03.07
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和5年5月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25572633/最高裁判所第三小法廷 令和 5年 2月21日 判決 (上告審)/令和3年(オ)第1617号
上告人(原告・控訴人。憲法を守ることを目的として設立された権利能力なき社団)が、金沢市長の管理に属する金沢市庁舎前広場において「憲法施行70周年集会」を開催するため、金沢市庁舎等管理規則6条1項(平成23年金沢市規則第55号)所定の許可を申請したところ、同市長から不許可処分を受けたことについて、上告人及びその関係者であるその余の上告人らが、被上告人(金沢市)に対し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めたところ、第一審判決は上告人らの請求を棄却し、原判決も上告人らの控訴を棄却したため、上告人らが上告した事案で、金沢市庁舎前広場における集会に係る行為に対し金沢市庁舎等管理規則5条12号を適用することが憲法21条1項に違反するものということはできないなどとして、本件上告を棄却した事例(反対意見がある)。
2023.03.07
貸金業法違反、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律違反被告事件
LEX/DB25572636/最高裁判所第三小法廷 令和 5年 2月20日 決定 (上告審)/令和4年(あ)第288号
東京都内に事務所を設け、株式会社Aの名称で、「給料ファクタリング」と称する取引を行っていた被告人が、(1)都知事の登録を受けないで、業として、約4か月間、969回にわたり、合計504名の顧客に対し、口座に振込送金する方法により、貸付名目額合計2790万9500円(実交付額合計2734万2120円)を貸し付け、もって登録を受けないで貸金業を営んだという貸金業法違反(同法47条2号、11条1項、3条1項)、(2)業として金銭の貸付けを行うに当たり、約4か月間、33回にわたり、前記株式会社A名義の普通預金口座に振込送金で受け取る方法により、前記顧客のうち8名から、法定の1日当たり0.3パーセントの割合による利息合計11万8074円を101万7816円超える合計113万5890円の利息を受領したという出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律違反(同法5条3項後段)から成る事案の上告審において、本件取引に基づく金銭の交付は、貸金業法2条1項と出資法5条3項にいう「貸付け」に当たるとして、被告人について、(1)貸金業法違反及び(2)出資法違反の各罪の成立を認めた第1審判決を是認した原判決の判断は相当であるとして、本件上告を棄却した事例。
2023.02.28
仮処分命令申立事件
「新・判例解説Watch」知的財産法分野 令和5年6月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25572503/東京地方裁判所 令和 4年11月25日 決定 (第一審)/令和3年(ヨ)第22075号
債権者が、工芸美術館新築工事、一体化工事及び公園整備工事と称する各工事の実施を計画する債務者に対し、債務者が、これらの工事の一部である本件各工事を行うことにより、版画美術館と称する建物及びその敷地であって芹ヶ谷公園の一部を構成する本件庭園に係る債権者の著作者人格権が侵害されるおそれがあると主張して、著作権法112条1項に基づき、本件各工事の差止めを求めた事案において、版画美術館は、全体として、「美術」の「範囲に属するもの」であると認められ、かつ、「思想又は感情を創作的に表現したもの」であると認められるから、「建築の著作物」として保護されると示しつつ、本件工事1の1ないし4については、「建築物の増築、改築、修繕又は模様替えによる改変」として、著作権法20条2項2号が適用されるから版画美術館に係る債権者の同一性保持権が侵害されたとは認められないなどとして、本件申立てをいずれも却下した事例。
2023.02.28
仮の地位を定める仮処分申立事件(面会交流)
「新・判例解説Watch」家族法分野 令和5年5月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25594097/福岡家庭裁判所 令和 4年 6月28日 審判 (第一審)/令和3年(家ロ)第1045号
別居中の夫婦間において、父である申立人が、母であり、未成年者らを現に監護している相手方に対し、未成年者らとの面会交流を求め、その時期、方法等を定めるよう申し立てた事件を本案として、仮に面会交流を認めることを求めた事案(なお、相手方は、未成年者の長男が申立人の行為に起因してPTSD再燃との診断を受けていること、申立人から生活の監視や精神的いじめ等のDVを受け、別居後も非開示を希望していた住所を探索されるなどし、当事者間に面会交流を実施するための協力関係を築くことが困難であること等を理由に、申立人と未成年者らの面会交流を認めるべきでない旨の意向を有している。)において、実施された申立人と未成年者らとの面会交流の状況を踏まえると、その後の未成年者らに関する診療経過等をもって、面会交流の実施が未成年者の利益に反するものということはできないから、申立人と未成年者らの面会交流を実施するのが相当であるとして、相手方は、申立人に対し、申立人が未成年者らと面会交流することを仮に許さなければならないと命じた事例。
2023.02.21
根抵当権実行禁止等仮処分命令申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25572582/最高裁判所第三小法廷 令和 5年 2月 1日 決定 (許可抗告審)/令和4年(許)第16号
抗告人所有の不動産について相手方を根抵当権者とする根抵当権の実行としての競売の開始決定がされたところ、抗告人が、上記根抵当権の被担保債権が時効によって消滅したことにより上記根抵当権は消滅したと主張して、相手方に対し、上記競売手続の停止及び上記根抵当権における実行禁止の仮処分命令の申立てをしたところ、原審は、本件破産管財人がした認識の表示は本件各被担保債権についての債務の承認(民法147条3号(平成29年法律第44号による改正前のもの))に当たり、本件各被担保債権の消滅時効を中断する効力を有するから、本件各被担保債権の消滅時効は完成していないとして、原審は、本件申立ての却下決定に対する抗告棄却決定をしたため、抗告人が許可抗告をした事案において、破産管財人が、別除権の目的である不動産の受戻しについて上記別除権を有する者との間で交渉し、又は、上記不動産につき権利の放棄をする前後に上記の者に対してその旨を通知するに際し、上記の者に対して破産者を債務者とする上記別除権に係る担保権の被担保債権についての債務の承認をしたときは、その承認は上記被担保債権の消滅時効を中断する効力を有すると解するのが相当であるとし、これと同旨の原審の判断は、正当として是認することができるとして、本件抗告を棄却した事例。
2023.02.21
強制性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、準強制わいせつ被告事件
「新・判例解説Watch」刑法分野 解説記事が掲載されました
LEX/DB25594258/大阪高等裁判所 令和 5年 1月24日 判決 (控訴審)/令和4年(う)第758号
かつて発達障害児を対象とする施設の児童指導員であった被告人が、約8か月間で、同施設で知り合った発達障害のある男子児童5名を自宅で寝泊まりさせた際、Bと口腔性交をし、あるいは就寝中のAの陰茎を被告人の口腔に入れて口腔性交をし、就寝中のC、DやEの陰茎を手指で触るわいせつ行為をし、それらの機会にその様子をスマートフォンで動画撮影するなどして児童ポルノを作成し、その動画データの一部を他人に提供し、それ以外の児童ポルノである動画データをSNSに投稿して公然陳列したとして起訴され、原審は、被告人を懲役15年に処したため、被告人が控訴した事案で、原判決には、検察官が、本来、上記各事実をいずれも姿態をとらせ製造罪として起訴すべきところを、誤ってひそかに製造罪が成立すると解し、同一機会の各事実と合わせると姿態をとらせたこととなる事実を記載しながら、「ひそかに」との文言を付して公訴事実を構成し、罰条には児童買春・児童ポルノ処罰法7条5項を上げた起訴状を提出し、原判決もその誤りを看過して、同様の事実認定をしたことによる法令適用の誤り、さらには、訴訟手続の法令違反があり、これが判決に影響を及ぼすことは明らかであるとして、原判決を破棄し、被告人を懲役13年に処した事例。
2023.02.14
検察官がした刑事確定訴訟記録の閲覧申出一部不許可処分に対する準抗告棄却決定に対する特別抗告事件
LEX/DB25572567/最高裁判所第一小法廷 令和 5年 1月30日 決定 (特別抗告審)/令和4年(し)第594号
申立人が、東京簡易裁判所の略式命令により終結した政治資金規正法違反被告事件に係る刑事確定訴訟記録(本件保管記録)の閲覧請求をしたのに対し、本件保管記録の保管検察官が、閲覧を一部不許可とした(本件閲覧一部不許可処分)ため、申立人が東京簡易裁判所に準抗告を申し立てたという事案の特別抗告審において、本件閲覧一部不許可処分は、検察庁法12条、関係通達に基づき、東京地方検察庁に属する検察官が東京区検察庁の検察官の事務を取り扱ってしたものであると認められ、地方検察庁に属する検察官が区検察庁の検察官の事務取扱いとして保管記録の閲覧に関する処分をした場合、当該区検察庁の対応する簡易裁判所は、刑事確定訴訟記録法8条1項にいう「保管検察官が所属する検察庁の対応する裁判所」に当たるというべきであり、東京簡易裁判所は本件準抗告の管轄裁判所でないとして、本件閲覧一部不許可処分の当否を審査しないまま、本件準抗告を棄却した原決定を取消し、本件を東京簡易裁判所に差し戻すことを命じた事例。
2023.02.14
発信者情報開示請求事件
LEX/DB25572563/最高裁判所第二小法廷 令和 5年 1月30日 判決 (上告審)/令和3年(受)第2050号
インターネット上の電子掲示板に原判決別紙2投稿記事目録記載の本件記事が投稿されたことによって自己の権利を侵害されたとする上告人が、本件記事を投稿した者にインターネット接続サービスを提供した経由プロバイダである被上告人に対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律4条1項(令和3年法律第27号による改正前のもの)に基づき、上記権利の侵害に係る発信者情報として、被上告人の保有する原判決別紙1発信者情報目録記載〔5〕の本件情報(発信者の電話番号)等の開示を請求したところ、原審は、本件情報の開示を求める上告人の請求を棄却したため、上告人が上告した事案で、特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、当該権利の侵害が改正省令の施行前にされたものであったとしても、プロバイダー責任制限法4条1項に基づき、当該権利の侵害に係る発信者情報として、上記施行後に発信者の電話番号の開示を請求することができるとして、上告人は、上記施行前に本件記事の投稿によってされた自己の権利の侵害に係る発信者情報として、発信者の電話番号の開示を請求することができるとして、原判決中、上告人の原審における追加請求に関する部分は破棄し、原審の確定した事実関係の下においては、上記部分に関する上告人の請求は理由があるから、上記請求を認容した事例。
2023.02.14
損害賠償請求事件
LEX/DB25572561/最高裁判所第二小法廷 令和 5年 1月27日 判決 (上告審)/令和3年(受)第968号
統合失調症の治療のため、上告人(被告・被控訴人。香川県)の設置する本件病院に入院した患者が、入院中に無断離院をして自殺したことについて、患者の相続人である被上告人(原告・控訴人)が、上告人には、診療契約に基づき、本件病院においては無断離院の防止策が十分に講じられていないことを患者に対して説明すべき義務があったにもかかわらず、これを怠った説明義務違反があるなどと主張して、上告人に対し、債務不履行に基づく損害賠償を求め、原審は、平日の日中は敷地の出入口である門扉が開放され、通行者を監視する者がおらず、任意入院者に徘徊センサーを装着するなどの対策も講じていないため、単独での院内外出を許可されている任意入院者は無断離院をして自殺する危険性があることを負っていたとし、これをを怠った説明義務違反を理由とする被上告人の損害賠償請求を一部認容したため、上告人が上告した事案で、上告人が、患者に対し、本件病院と他の病院の無断離院の防止策を比較した上で入院する病院を選択する機会を保障すべきであったということはできず、これを保障するため、上告人が、患者に対し、本件病院の医師を通じて、説明をすべき義務があったということはできないとし、本件病院の医師が、本件患者に対し、説明をしなかったことをもって、上告人に説明義務違反があったということはできないとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄し、上記部分に関する被上告人の請求を棄却した事例。
2023.02.07
選挙無効請求事件
LEX/DB25572554/最高裁判所大法廷 令和 5年 1月25日 判決 (上告審)/令和4年(行ツ)第103号 等
令和3年10月31日施行の衆議院議員総選挙について、別紙2記載の各選挙区の選挙人である上告人らが、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき行われた本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であるなどと主張して提起した選挙無効訴訟の上告審において、本件選挙当時、公職選挙法(令和4年法律第89号による改正前のもの)13条1項、別表第1の定める衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りは、憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったということはできず、本件区割規定が憲法14条1項等に違反するものということはできないとし、原審の各判断は、結論において是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(反対意見がある)。
2023.02.07
選挙無効請求事件
LEX/DB25572555/最高裁判所大法廷 令和 5年 1月25日 判決 (上告審)/令和4年(行ツ)第130号
令和3年10月31日施行の衆議院議員総選挙について、東京都第5区、同第8区、同第9区、同第18区及び神奈川県第15区の選挙人である上告人らが、衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき行われた本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であるなどと主張して提起した選挙無効訴訟の上告審において、本件選挙当時、公職選挙法(令和4年法律第89号による改正前のもの)13条1項、別表第1の定める衆議院小選挙区選出議員の選挙区割りは、憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったということはできず、上記規定が憲法14条1項等に違反するものということはできないとし、これと同旨の原審の判断は、是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(反対意見がある)。
2023.02.07
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反、恐喝未遂被告事件
LEX/DB25572551/最高裁判所第一小法廷 令和 5年 1月23日 判決 (上告審)/令和4年(あ)第779号
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反、恐喝未遂被告事件の上告審において、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律11条2項、46条1号の憲法14条1項違反しないことは、当裁判所の判例(最高裁昭和37年(オ)第1472号同39年5月27日大法廷判決・民集18巻4号676頁)の趣意に徴して明らかであるなどとして、本件上告を棄却した事例。
2023.01.31
選挙無効請求事件
LEX/DB25572548/最高裁判所第二小法廷 令和 5年 1月20日 判決 (上告審)/令和4年(行ツ)第131号
令和3年10月31日に行われた衆議院議員総選挙のうち東京都選挙区及び南関東選挙区における比例代表選出議員の選挙について、衆議院比例代表選出議員の選挙に関する公職選挙法の規定は憲法に違反しており、これに基づいてされた上記各比例代表選出議員の選挙は無効であるとして、上告人(原審原告)らが選挙無効請求をしたところ、原判決が請求を棄却したため、上告人らが上告した事案において、令和4年法律第89号による改正前の公職選挙法13条2項及び別表第2、86条の2並びに95条の2が憲法14条1項、15条1項、3項、43条、44条、47条等の憲法の規定に違反するものでないことは、最高裁平成11年(行ツ)第7号同年11月10日大法廷判決・民集53巻8号1441頁、最高裁平成11年(行ツ)第8号同年11月10日大法廷判決・民集53巻8号1577頁の趣旨に徴して明らかであるとして、本件上告を棄却した事例。
2023.01.31
自動車運転過失致死傷被告事件
「新・判例解説Watch」刑法分野 令和5年1月27日解説記事が掲載されました
LEX/DB25594005/仙台高等裁判所 令和 4年12月 1日 判決 (差戻控訴審)/令和4年(う)第75号
被告人が自動車運転過失致死傷の罪で起訴された事件の差戻し審において、原判決が被告人に対し、無罪を言い渡したところ、検察官が、原判決(差戻後第一審判決)は、論理則、経験則等に反した判断をした結果、本件事故時、被告人にA車に対する動静等注視義務違反、車間距離保持義務違反がいずれも認められ、被告人に過失が認められることが明らかであるにもかかわらず、事実を誤認しているとして、控訴した事案で、被告人が動静等注視義務違反及び車間距離保持義務違反の過失により本件事故を起こしたことを認めることはできず、本件公訴事実について犯罪の証明がないとして被告人に無罪を言い渡した原判決は是認することができるとして、本件控訴を棄却した事例。
2023.01.24
傷害致死被告事件
LEX/DB25593970/大阪地方裁判所 令和 4年12月 2日 判決 (第一審)/令和2年(わ)第1200号
被告人は、当時の自宅浴室で、実子である被害者(当時7か月の乳児)に対し、その頸部を手で圧迫するなどの何らかの暴行を加え、同所において、同人を窒息により死亡させたとして、懲役5年を求刑され、乳児の死因が被告人の暴行による窒息死か否かが争点となった事案において、本件に現れた全証拠を詳細に検討しても、被告人が公訴事実記載の暴行を加えて乳児を窒息死させた事実につき、常識に照らして間違いないといえるほどの立証がされているとはいえないとして、被告人に対し無罪を言い渡した事例(裁判員裁判)。
2023.01.24
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25594126/東京高等裁判所 令和 4年 9月 7日 判決 (控訴審)/令和4年(ネ)第1711号
控訴人(被告)の取締役兼代表取締役であった被控訴人(原告)が、正当な理由がないにもかかわらず取締役を解任された旨を主張して、会社法339条2項に基づく損害賠償として、残任期中の報酬相当額から既払額を控除した1712万5403円の支払等を求めたところ、原審は、被控訴人の請求を認容したため、控訴人が控訴した事案で、当審における控訴人の補充主張を考慮しても、被控訴人の請求は理由があるものと判断し、本件控訴を棄却した事例。
2023.01.17
LINEを用いたオンラインによる住民票の写し交付請求サービス適法確認請求事件
LEX/DB25593988/東京地方裁判所 令和 4年12月 8日 判決 (第一審)/令和2年(行ウ)第344号
原告は、市町村(特別区を含む)に対して、当該市町村が備える住民基本台帳に記録されている者(住民)が当該市町村の長に対して行う住民票の写しの交付請求に係る手続につき、電子情報処理組織を使用する方法(LINEを用いたオンライン使用)によることができるサービスの提供を開始したが、〔1〕総務省自治行政局住民制度課長は、都道府県等に対し、電子署名による本人確認を行うことなくオンラインで住民票の写しの交付請求をすることは、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)12条3項、総務省関係法令に係る情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律施行規則(平成15年総務省令第48号)4条2項等に違反する旨の通知(本件通知)を発出し、その後、〔2〕住民基本台帳の一部の写しの閲覧並びに住民票の写し等及び除票の写し等の交付に関する省令(昭和60年自治省令第28号)が令和3年総務省令第96号により改正され、本件省令22条において、住民票の写しの交付請求に当たっては、デジタル手続法総務省令4条2項ただし書の適用がない旨が規定され、電子署名及び電子証明書の併用による本人確認以外の方法によりオンラインで住民票の写しの交付請求をすることは、本件省令22条に違反することとなった事実関係の下において、原告が、〔1〕本件通知が違法であることの確認を求め(本件通知違法確認請求)、又は、〔2〕(本件通知及び)本件省令改正が違法であることを前提に、原告が(本件通知及び本件省令22条の存在にもかかわらず)本件サービスを適法に行い得る地位にあることの確認を求めた(本件地位確認請求)事案で、〔1〕本件各確認請求のうち、本件通知違法確認請求は確認の利益が認められず不適法な訴えであるが、本件地位確認請求は適法な訴えである、〔2〕本件省令22条は根拠法令の授権の範囲を超えるものとは認められないから、本件地位確認請求には理由がないものと判断し、本件訴えのうち、本件通知(総行住第55号)は違法であることを確認を求めた請求に係る部分を却下し、その余の請求を棄却した事例。
2023.01.17
事務管理費用償還等請求控訴事件、同附帯控訴事件
LEX/DB25593981/名古屋高等裁判所金沢支部 令和 4年12月 7日 判決 (控訴審)/令和3年(ネ)第109号 等
福井県敦賀市内に設置された廃棄物の最終処分場に多量の廃棄物が処分され、その周辺の河川に汚染水が流入するなどの生活環境保全上の支障ないしそのおそれが生じたとして、同処分場をその区域内に有する地方公共団体である控訴人兼被控訴人(附帯被控訴人・一審原告。敦賀市)が、廃棄物処理業者への委託により一般廃棄物を同処分場に処分した被控訴人兼控訴人(一審被告組合)らに代わって上記支障等を除去するための工事等を行い、そのための費用の支出を余儀なくされたと主張して、一審被告組合らに対し、事務管理に基づく有益費償還請求権、不当利得返還請求権、国家賠償法1条1項、民法715条1項及び同法709条に基づく損害賠償請求を求め、原審は、事務管理に基づく有益費償還請求権の成立を認め、請求を一部認容、一部棄却をしたため、一審原告が控訴し、一審被告組合らが附帯控訴した事案において、一審原告の請求はいずれも理由がなく棄却し、これと異なる原判決は相当でないから、一審被告組合らの各控訴並びに一審被告組合の附帯控訴に基づき、一審被告組合らの各敗訴部分を取消し、一審被告組合らに対する請求をいずれも棄却し、一審原告の控訴をいずれも棄却した事例。