2023.01.10
離婚等請求本訴、同反訴事件
LEX/DB25572509/最高裁判所第二小法廷 令和 4年12月26日 判決 (上告審)/令和3年(受)第1115号
上告人が、本訴として、被上告人に対し、離婚を請求するとともに、これに附帯して財産分与の申立てをするなどし、被上告人が、反訴として、上告人に対し、離婚を請求するとともに、これに附帯して財産分与の申立てをするなどしたところ、第1審は、本訴及び反訴の各離婚請求をいずれも認容するなどしたほか、当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の全部につき、財産分与についての裁判をし、上記分与を求める財産には、上告人及び被上告人が婚姻後に出資して設立した医療法人の持分(本件出資持分)が含まれていたとし、これに対し、被上告人は財産分与等に関する第1審の判断に不服があるとして控訴をし、上告人は附帯控訴をし、控訴審は、本件出資持分については、現時点で、上告人の上記医療法人に対する貢献度を直ちに推し量り、財産分与の割合を定め、その額を定めることを相当としない特段の事情があるから、財産分与についての裁判をすることは相当ではないと判断したため、上告人が上告をした事案で、離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において、裁判所が離婚請求を認容する判決をするに当たり、当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき、財産分与についての裁判をしないことは許されないと判示し、これと異なる見解に立って、本件出資持分につき、財産分与についての裁判をしなかった原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決中、財産分与に関する部分は破棄し、更に審理を尽くさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻した事例。