2021.12.28
不当利得返還請求事件
LEX/DB25571864/最高裁判所第三小法廷 令和 3年12月21日 判決 (上告審)/令和2年(行ヒ)第335号
岡山市の住民である被上告人(原告・控訴人兼附帯被控訴人)が、市議会の複数の会派が平成27年度に交付を受けた政務活動費に関し、岡山市議会の各会派に対する政務活動費の交付に関する条例の定めに適合しない違法な支出がされているから、各会派はこれを不当利得として市に返還すべきであるにもかかわらず、上告人(被告・被控訴人兼附帯控訴人。岡山市長)はその返還の請求を違法に怠っているとして、地方自治法242条の2第1項4号に基づき、上告人を相手に、各会派に対して不当利得返還を求めた住民訴訟で、原審は、印刷代の全額及び講座費用のうち一部が使途基準に適合しないとした上で、被上告人のネクスト岡山に係る請求を全部認容し、市民ネットに係る請求のうち平成27年5月以降分の政務活動費に係るものを一部認容したため、上告人が上告した事案で、原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、被上告人のネクスト岡山に係る請求について認容額を一部変更し、また、市民ネットに係る請求に関する部分については、不当利得返還義務の存否等について更に審理を尽くさせるため、本件を原審に差し戻すことを命じた。他方、本件上告のうち自由民主党岡山市議団に係る請求に関する部分については、上告受理申立てを棄却し、その余の本件上告については却下した事例(補足意見がある)。