2016.12.27
風俗案内所営業権確認等請求事件
★「新・判例解説Watch」H29.2月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
LEX/DB25448330/最高裁判所第一小法廷 平成28年12月15日 判決 (上告審)/平成27年(行ツ)第211号
京都府風俗案内所の規制に関する条例が、学校等の敷地から200メートル以内の地域を営業禁止区域と定めているところ、風俗案内所を営んでいた一審原告(上告人)が、条例は憲法22条に違反するなどと主張して、一審被告(被上告人。京都市)に対し、風俗案内所を営む法的地位を有することの確認等を求め、第一審が、一部請求を認容したため、双方が控訴し、控訴審では、本件条例は、風俗案内所に対する規制の必要性と合理性についての立法機関の判断にその裁量の逸脱又は濫用があったと認めることはできないから、憲法22条1項に反するとはいえないとして、一審被告の控訴に基づき、一審被告敗訴部分を取り消し、一審原告の請求を棄却したため、一審原告が上告した事案において、本件条例が、青少年が多く利用する施設又は周辺の環境に特に配慮が必要とされる施設の敷地から一定の範囲内における風俗案内所の営業を禁止し、これを刑罰をもって担保することは、公共の福祉に適合する上記の目的達成のための手段として必要性、合理性があるということができ、風営法に基づく風俗営業に対する規制の内容及び程度を踏まえても、京都府議会が営業禁止区域における風俗案内所の営業を禁止する規制を定めたことがその合理的な裁量の範囲を超えるものとはいえず、本件条例3条1項及び16条1項1号の各規定は、憲法22条1項に違反するものではないと解するのが相当であるとし、また、風俗案内所が青少年の育成や周辺の生活環境に及ぼす影響の程度に鑑みれば、風俗案内所の表示物等に関する上記の規制も、公共の福祉に適合する上記の目的達成のための手段として必要性、合理性があるということができ、京都府議会が同規制を定めたことがその合理的な裁量の範囲を超えるものとはいえないから、本件条例7条2号の規定は、憲法21条1項に違反するものではないと解するのが相当であるとして、一審原告の上告を棄却した事例。
2016.12.20
覚せい剤取締法違反,関税法違反被告事件
LEX/DB25448314/最高裁判所第三小法廷 平成28年12月 9日 判決 (上告審)/平成27年(あ)第416号
税関職員が行った郵便物の各検査等は、郵便物を破壊し、その内容物を消費する行為であり、プライバシー権及び財産権を侵害するものであるところ、捜査を目的として、郵便物の発送人又は名宛人の同意なく、裁判官の発する令状もなく行われたもので、関税法上許容されていない検査であり、憲法35条が許容しない強制処分に当たり、郵便物検査によって取得された証拠である郵便物内の覚せい剤及びその鑑定書等の証拠能力は否定されるべきであるのに、これらの証拠能力を認めた第1審判決及びこれを是認した原判決の判断は、関税法、刑事訴訟法の解釈を誤り、憲法35条に違反するとして弁護人が上告した事案において、上記郵便物検査等が、犯則事件の調査あるいは捜査のための手段として行われたものでないことも明らかであるから、これによって得られた証拠である郵便物内の覚せい剤及びその鑑定書等の証拠能力を認めた第1審判決及びこれを是認した原判決の判断は正当であるとして、上告を棄却した事例。
2016.12.13
損害賠償請求事件
★「新・判例解説Watch」H29.1月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
LEX/DB25544238/大阪地方裁判所堺支部 平成28年11月15日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第1506号
原告が、被告の設置管理する公園を催しの会場として使用するために原告がした使用許可申請に対し、被告市長がした不許可決定は違法であり、これにより原告は、上記催しの実施のために支出した準備費用相当額等の財産的損害及び原告の信頼や名誉の低下等の非財産的損害等を被ったと主張して、被告(松原市)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害金の支払等を求めた事案において、上記不許可決定時において、公園をまつりによる使用に供することによって、松原市都市公園条例3条3項3号に定める「公園の管理上支障がある」との事態が生ずることが、客観的な事実に照らして具体的に明らかに予測されたものということはできないから、上記不許可決定は、上記条例の解釈適用を誤った違法なものというべきであり、このような不許可決定を漫然と行った被告市長には、故意又は過失が認められるというべきであるとして、一部認容した事例。
2016.12.06
選挙無効請求事件
★「新・判例解説Watch」H29.1月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
LEX/DB25543979/広島高等裁判所岡山支部 平成28年10月14日 判決 (第一審)/平成28年(行ケ)第1号
参議院議員通常選挙について、岡山県選挙区の選挙人である原告が、本件定数配分規定は、人口比例に基づいて定数配分をしていない点で、憲法に違反し無効であるから、これに基づき実施された本件選挙の上記選挙区における選挙も無効である旨主張して、選挙無効を求めた事案において、本件選挙は、違憲の問題が生ずる程度の投票価値の著しい不平等状態の下で実施されたものであるが、国会が平成27年改正法を制定するにとどめ、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態を解消しなかったことが、国会の裁量権の限界を超えるものということはできず、本件定数配分規定が、本件選挙の時点で憲法に違反するに至っていたということはできないとし、請求を棄却した事例。
2016.11.01
選挙無効請求事件
LEX/DB25448209/最高裁判所第三小法廷 平成28年10月18日 判決 (上告審)/平成28年(行ツ)第115号 等
千葉県議会議員の定数及び選挙区等に関する条例に基づいて平成27年4月12日に施行された千葉県議会議員一般選挙で、千葉市稲毛区選挙区、千葉市若葉区選挙区、千葉市美浜区選挙区、市川市選挙区、船橋市選挙区、野田市選挙区、習志野市選挙区、柏市選挙区、市原市選挙区、流山市選挙区、浦安市選挙区、八街市選挙区及び印西市選挙区の選挙人である原告ら(上告人)が、被告(被上告人。千葉県選挙管理委員会)に対し、上記条例のうち各選挙区で選挙すべき議員の数を定める規定が公職選挙法15条8項に違反するとともに憲法14条1項に違反して無効であるから、これに基づき施行された上記選挙の上記各選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟で、原審が、請求を棄却したため、原告らが上告した事案において、上記選挙当時における上記定数配分規定は、公職選挙法15条8項に違反していたものとはいえず適法であるとし、また、上記定数配分規定が憲法14条1項の規定に違反していたものとはいえないとし、上記各請求をいずれも棄却した原審の判断は、是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2016.09.20
損害賠償請求事件
★「新・判例解説Watch」H28.9月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
LEX/DB25543234/金沢地方裁判所 平成28年 2月 5日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第276号
金沢市庁舎前広場を利用して軍事パレードの中止を求める集会を開催するべく行われた許可申請に対し、平成26年5月14日付けで金沢市長によってなされた不許可処分について、集会の参加予定者であった原告らが、本件不許可処分は金沢市長の職務上の義務に違反した違憲・違法な処分であるとして、国家賠償法1条1項に基づき、被告(金沢市)に対し、原告平和運動センターに対して1460円(他の集会開催場所を用意するために要した費用)及びこれに対する集会予定日である同月19日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金を支払うよう請求するとともに(請求1),原告ら各自に対して21万円(慰謝料ないし表現行為が制約されるという無形の損害)及び2万1000円(弁護士費用)並びにこれらに対する本件不許可処分の日である同月14日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金をそれぞれ支払うよう請求した(請求2及び3)事案において、原告らの請求はいずれも理由がないとして、棄却した事例。
2016.09.06
投稿記事削除仮処分決定認可決定に対する保全抗告事件
★「新・判例解説Watch」H28.10月下旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
LEX/DB25543332/東京高等裁判所 平成28年 7月12日 決定 (抗告審)/平成28年(ラ)第192号
インターネット上で抗告人(債務者。グーグル)が提供する検索サービスにおいて、検索語として相手方の住所の県名及び氏名を入力して検索すると、検索結果として、相手方(債権者)が平成23年7月に犯した児童買春行為に係る逮捕歴を含む内容のものが複数表示されることについて、相手方(債権者)が、人格権を被保全権利として、その侵害排除請求権に基づき、民事保全法23条2項の仮の地位を定める仮処分として、上記検索結果の削除を命じる仮処分命令の申立てをし、原審は、平成27年6月25日付けで、本件申立てを認容する仮処分決定を発令し、これに対して抗告人が申し立てた保全異議に対しても、同年12月22日付けで、仮処分決定を認可する原決定をしたため、これらを不服とする抗告人が、原決定及び仮処分決定をいずれも取消した上で本件申立てを却下することを求めて抗告した事案において、現時点において、上記検索結果の削除又は非表示措置を求める保全の必要性があるとは認められないとして、原決定及び仮処分決定をいずれも取消し、本件申立てを却下した事例。
2016.08.30
給与減額処分取消等請求事件
★「新・判例解説Watch」H28.10中旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
LEX/DB25543334/大阪地方裁判所 平成28年 7月 6日 判決 (第一審)/平成26年(行ウ)第7号
大阪府立高校の教員であった原告が、平成24年度同校卒業式で、同校校長から正門での警備業務を命じられていたにもかかわらず、この職務を無断で放棄した上、式場内に勝手に立入り、持参した丸椅子に座り,国歌斉唱時に起立して斉唱しなかったことを理由に大阪府教育委員会(府教委)から減給1か月の懲戒処分を受けた処分について、同処分が違法であると主張して、その取消しを求めるとともに、被告(大阪府)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、原告が被った精神的苦痛に相当する慰謝料として100万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、府教委の教育長が教職員宛に発出した「入学式及び卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱について(通達)」及び同校長が卒業式当日に正門校内外警備・自転車整理の職務が原告に割り当てられた職務命令の違反を理由として原告に対して減給処分をした府教委の判断は、懲戒権者としての裁量権の範囲を超え又はこれを濫用したものとして違法であるいうことはできないなどとして、原告の請求を棄却した事例。
2016.08.16
ヘイトデモ禁止仮処分命令申立事件(川崎市ヘイトデモ禁止仮処分命令申立事件決定)
★「新・判例解説Watch」H28.9上旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
LEX/DB25543108/横浜地方裁判所川崎支部 平成28年 6月 2日 決定 (第一審)/平成28年(ヨ)第42号
社会福祉法人の認可を受けた債権者が、債務者に対し、いわゆるヘイトデモ禁止仮処分命令を申し立てた事案において、専ら本邦外出身者に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で、公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し、又は本邦外出身者の名誉を毀損し、若しくは著しく侮辱するなどして、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由に本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する、差別的言動解消法2条に該当する差別的言動は、平穏に生活する人格権に対する違法な侵害行為に当たるものとして不法行為を構成すると解され、また、当該法人の事業所において平穏に事業を行う人格権を侵害する違法性が顕著な場合には、当該法人は、自然人の場合と同様に、人格権に基づく妨害予防請求権として、その差別的言動の事前の差止めを求める権利を有するとして、本件申立てを認容した事例。
2016.08.16
強制わいせつ物陳列、わいせつ電磁的記録等送信頒布、わいせつ電磁的記録媒体頒布被告事件
(ろくでなし子被告に罰金)
★「新・判例解説Watch」H28.9上旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
LEX/DB25543071/東京地方裁判所 平成28年 5月 9日 判決 (第一審)/平成26年(刑わ)第3268号
漫画家兼芸術家である被告人が、アダルトショップにおいて、被告人ほか2名の女性器を象った石膏ようのもの3点を展示したほか、自己の女性器の三次元形状データファイルが保存されたURL情報等を送信し、同データファイルが記録されたCD-Rを発送したとして、わいせつ物陳列やわいせつ電磁的記録等送信頒布などの罪に問われた事案において、「本件各造形物が、女性器であるとの印象を殊更強く与えるものでなく、それぞれの性的刺激も限定的であることに加えて、本件各造形物に表象された一定の芸術性や思想性による性的刺激の緩和も認められることからすれば、本件各造形物は、主として表現の受領者の好色的興味に訴えるものとは認められないから、刑法175条にいうわいせつ物には該当しない」として、わいせつ物陳列罪については無罪とする一方、「本件各データは、いずれも、女性器の形状を立体的かつ忠実に再現したものであり、それらの形状やその表象方法、データ全体に占める性的部位の割合に照らせば、それぞれの性的刺激の程度が強い上、表現された思想とその表象との関連性を一見して読み取ることは困難であって、芸術性・思想性等による性的刺激の緩和の程度もさほど大きく評価できないことからすれば、本件各データは、主として受け手の好色的興味に訴えるものになっているといわざるを得ないから、刑法175条にいうわいせつな電磁的記録に該当する」として、わいせつ電磁的記録等送信頒布などの罪については有罪とし、罰金40万円を言い渡した事例。
2016.08.02
国家賠償請求事件
★「新・判例解説Watch」H28.8下旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
LEX/DB25543007/和歌山地方裁判所 平成28年 3月25日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第229号
原告が、被告が設置・管理する太地町立くじらの博物館に来館したが、捕鯨反対者を本件博物館から排除する目的で、原告が外国人であることを理由に本件博物館への入館を拒否されたところ、このような入館拒否は、憲法14条、憲法19条及び憲法21条、市民的及び政治的権利に関する国際規約26条等に反し、上記入館拒否によって精神的苦痛などを受けたと主張して、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求めた事案において、さまざまな意見、知識、情報に接する自由が憲法上保障されるべきことは、思想及び両親の自由の不可侵を定めた憲法19条の規定や、表現の自由を保障した憲法21条の規定の趣旨、目的から、いわばその派生原理として当然に導かれると示し、本館入館拒否は、本件博物館条例の要件を欠く違法なものであり、憲法19条、憲法21条の趣旨、目的から導かれる原告の情報摂取行為を妨げるものである等として、原告の請求を一部認容した事例。
2016.08.02
特定秘密の保護に関する法律無効確認等請求控訴事件
(秘密保護法訴訟 東京高裁 再び敗訴)
LEX/DB25542979/東京高等裁判所 平成28年 4月26日 判決 (控訴審)/平成27年(行コ)第445号
フリージャーナリスト、フリーライター等である控訴人らが、特定秘密の保護に関する法律が違憲無効な法律であり、特定秘密保護法の立法及び施行により平穏に生活する法的利益が侵害されて精神的苦痛を被ったなどと主張して、特定秘密保護法が無効であることの確認を求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づいて、損害賠償を求めた事案の控訴審において、特定秘密保護法の立法及び施行が取材行為を従前よりも制約していると認めることはできないから、仮に控訴人らの取材活動について、その取材を受ける側の対応に控訴人らが主張するような変化が生じているとしても、特定秘密保護法を正しく理解しないままの対応であるか、特定秘密保護法に藉口しての対応等であって、特定秘密保護法の立法及び施行が控訴人らの取材活動を従前よりも制約していると認めることはできないといわなければならないとして、控訴をいずれも棄却した事例。
2016.04.26
損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件(組合活動アンケート 二審も大阪市に賠償命令)
LEX/DB25542305/大阪高等裁判所 平成28年 3月25日 判決 (控訴審)/平成27年(ネ)第1608号 等
被告(大阪市。控訴人)の職員あるいは職員であった原告(被控訴人)らが、被告が第三者に委託して実施したアンケートは、原告らの思想・良心の自由、政治活動の自由、労働基本権、プライバシー権又は人格権を侵害するなど違憲・違法なものであるから、前市長が、原告らに対し、業務命令をもって上記アンケートに回答することを命令したことは、国家賠償法上違法であるとして、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、原告らに生じた精神的損害に対する賠償金及びこれに対する遅延損害金の支払を求め、原審は、原告ら各自につき6000円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で原告らの請求を認容したため、被告が控訴し、原告らが附帯控訴した事案において、原告らの本件請求は、被告に対し、国家賠償法1条1項に基づき、それぞれ5000円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからそれぞれ認容し、その余の請求については、いずれも棄却すべきであるとし、よって、被告の控訴に基づき、上記と一部結論を異にする原判決を変更し、原告らの附帯控訴を棄却した事例。
2016.03.01
損害賠償請求控訴事件(裁判員でストレス障害 仙台高裁も請求棄却)
LEX/DB25541488/仙台高等裁判所 平成27年10月29日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第360号
刑事裁判の審理を担当した合議体に裁判員として参加した原告(控訴人)が、被告(被控訴人)国に対し、原告は、上記刑事裁判において、裁判員等選任手続への出頭を強制され、裁判員に選任されて、凄惨な内容の証拠を取り調べた上、死刑の判決を言い渡す審理をした合議体への参加を余儀なくされた結果、急性ストレス障害を発症したとして、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(いわゆる裁判員法)の規定は憲法18条後段、憲法22条1項及び憲法13条に違反するもので、裁判員法を制定した国会議員の立法行為は違法である等と主張して、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償金の支払を求めたところ、原審が、裁判員制度は憲法18条後段に違反するものではなく、裁判員法を制定した国会議員の立法行為及び裁判員法を合憲と判断した最高裁裁判官の行為にいずれも違法はないとして、請求を棄却したため、原告が控訴した事案において、主位的請求を棄却した原判決は相当であり、主位的請求のうち当審で拡張された部分及び当審で追加された予備的請求は理由がないとして、控訴を棄却した事例。
2016.02.16
選挙無効請求事件
LEX/DB25541676/最高裁判所大法廷 平成27年11月25日 判決 (上告審)/平成27年(行ツ)第214号等
平成26年12月14日施行の衆議院議員総選挙について、東京都第1区ほか119選挙区の選挙人である原告(上告人)らが、小選挙区選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の各選挙区における選挙も無効であると主張して、選挙の無効を求めた事案の上告審において、本件選挙時において、本件区割規定の定める本件選挙区割りは、前回の平成24年選挙時と同様に憲法の投票価値の平等の要求に反する状態にあったものではあるが、憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかったとはいえず、本件区割規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできないとし、上告を棄却した事例(反対意見、補足意見、意見あり)。
2016.02.09
旅行業法違反被告事件
LEX/DB25447725/最高裁判所第一小法廷 平成27年12月 7日 判決 (上告審)/平成26年(あ)第1118号
旅館業法違反事件の上告審において、被告人本人の上告趣意のうち、旅行業の登録制度に関し、憲法22条1項違反をいう点について、旅行業法29条1号、旅行業法3条、旅行業法2条1項は、憲法22条1項に違反する旨主張するするが、旅行業法の上記各規定は、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを目的として、旅行業を営む者について登録制度を採用し、無登録の者が旅行業を営むことを禁止し、これに違反した者を処罰することにしたものであるため、上記各規定が、憲法22条1項に違反しないとした事例。
2016.02.09
懲戒処分取消等請求事件
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LEX/DB25541620/東京地方裁判所 平成27年10月 8日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第504号
区立小学校の音楽専科教諭であった原告が、同校校長から卒業式における国歌斉唱時に「君が代」のピアノ伴奏をすることを命じる旨の職務命令を受け、これに従わなかったため、東京都教育委員会から停職1月の懲戒処分を受けたことについて、同懲戒処分の取消し、東京都人事委員会の行った裁決の取消し、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求を求めた事案において、同懲戒処分については、処分の選択において、社会通念上著しく妥当を欠き、懲戒権者の裁量を逸脱したものとして違法であるとし、その取消請求を認容し、その余の請求を棄却した事例。
2015.12.22
損害賠償請求事件
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LEX/DB25447651/最高裁判所大法廷 平成27年12月16日 判決 (上告審)/平成26年(オ)第1023号
原告(控訴人、上告人)らが、夫婦が婚姻の際に定めるところに従い夫又は妻の氏を称すると定める民法750条の規定は、憲法13条、憲法14条1項、憲法24条1項及び2項等に違反すると主張し、前記規定を改廃する立法措置をとらないという立法不作為の違法を理由に、被告(被控訴人、被上告人)国に対し、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求めたところ、第一審及び控訴審とも原告らの請求が棄却されたため、原告らが上告した事案において、前記規定を改廃する立法措置をとらない立法不作為は、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではなく、原告らの請求を棄却すべきものとした原審の判断は是認することができるとして、上告を棄却した事例(意見、補足意見、反対意見がある)。
2015.12.22
損害賠償請求事件
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LEX/DB25447652/最高裁判所大法廷 平成27年12月16日 判決 (上告審)/平成25年(オ)第1079号
原告(控訴人、上告人)が、女性について6箇月の再婚禁止期間を定める民法733条1項の規定は、憲法14条1項及び憲法24条2項に違反すると主張し、前記規定を改廃する立法措置をとらなかった立法不作為の違法を理由に、被告(被控訴人、被上告人)に対し、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求め、第一審及び控訴審とも原告の請求が棄却されたため、原告が上告した事案において、平成20年当時、女性について6箇月の再婚禁止期間を定める民法733条1項の規定のうち100日超過部分が憲法に違反するものとなってはいたものの、これを国家賠償法1条1項の適用の観点からみた場合には、憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反することが明白であるにもかかわらず国会が正当な理由なく長期にわたって改廃等の立法措置を怠っていたと評価することはできないとして、立法不作為は、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないというべきであり、原告の請求を棄却すべきものとした原審の判断は、結論において是認することができるとし、上告を棄却した事例(意見、補足意見、反対意見がある)。
2015.12.15
強盗殺人被告事件
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LEX/DB25447623/最高裁判所第一小法廷 平成27年12月 3日 判決 (上告審)/平成26年(あ)第749号
被告人(控訴人・上告人)が、競馬等に金銭を費消したことを理由に借金を抱え、その返済資金や遊興費等を得ようと元勤務先のビジネスホテルに潜み、夜勤の従業員が一人になる時間帯に売上金等を盗もうとしたが、同人に見つかり、同人ともみ合ううちに同人を殺害して現金を強取しようと決意し、持っていたナイフで同人を複数回突き刺して死亡させ、現金合計159万1000円を強取した強盗殺人事件で、第一審判決は無期懲役を言い渡したため、被告人が控訴した原判決では、公訴時効の完成を認めず、免訴の判決を言い渡さなかったことにつき法令適用の誤りはなく、量刑が重過ぎて不当であるとはいえないとし、控訴を棄却したため、被告人が上告した事案において、刑事訴訟法を改正して公訴時効を廃止又は公訴時効期間を延長した本法の適用範囲に関する経過措置として、平成16年改正法附則3条2項の規定にかかわらず、同法施行前に犯した人を死亡させた罪であって禁錮以上の刑に当たるもので、「刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律」(平成22年法律第26号)平成22年4月27日施行の際、その公訴時効が完成していないものについて、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律による改正後の刑事訴訟法250条1項を適用するとした本法附則3条2項は、憲法39条、憲法31条に違反しないとし、上告を棄却した事例。