注目の判例

憲法

2020.09.29
医師法違反被告事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和2年12月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
「新・判例解説Watch」刑法分野 令和2年12月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25571066/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 9月16日 決定 (上告審)/平成30年(あ)第1790号
医師でない被告人が、業として、平成26年7月から平成27年3月までの間、大阪府吹田市内のタトゥーショップで、4回にわたり、3名に対し、針を取り付けた施術用具を用いて皮膚に色素を注入する医行為を行い、もって医業をなしたとして、医師法17条違反に問われ、第1審判決は、医行為とは,医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為をいうと解した上で、被告人の行為は、医師が行うのでなければ皮膚障害等を生ずるおそれがあるから医行為に当たる旨判示して、被告人を罰金15万円に処したため、被告人が控訴し、控訴審判決は、医行為とは,医療及び保健指導に属する行為の中で,医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為をいうと解した上で,被告人の行為は,医師が行うのでなければ皮膚障害等を生ずるおそれはあるが、医療及び保健指導に属する行為ではないから、医行為に当たらない旨判示し、刑訴法397条1項、380条により第1審判決を破棄し、無罪を言い渡したところ、検察官が上告をした事案において、被告人の行為は、社会通念に照らして、医療及び保健指導に属する行為であるとは認め難く、医行為には当たらないとした原判断は正当であるとして、本件上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2020.09.08
裁判官に対する懲戒申立て事件
LEX/DB25571017/最高裁判所大法廷 令和 2年 8月26日 決定 (第一審)/令和2年(分)第1号
被申立人は、フェイスブック上の被申立人の実名が付された自己のアカウントにおいて、自らが裁判官であることが知られている状況の下で、多数のフェイスブックの会員に向けて、本件遺族が被申立人について裁判官訴追委員会に対する訴追請求をしていることなどに言及する投稿をした際、本件遺族が被申立人を非難するよう東京高裁事務局等に洗脳されている旨の表現を用いて本件遺族を侮辱した行為等の各事実につき、被申立人の行為は、裁判所法49条にいう「品位を辱める行状」に当たるとして、裁判官分限法2条の規定により被申立人を戒告することとした事例。
2020.07.07
憲法53条違憲国家賠償請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 令和2年9月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25565871/那覇地方裁判所 令和 2年 6月10日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第803号
国会議員である原告らが、その他の国会議員とともに、平成29年6月22日、内閣に対し、憲法53条後段に基づき、衆議院及び参議院の臨時会の召集を要求(本件召集要求)したところ、それから98日が経過した同年9月28日までの約3か月間、臨時会が召集されなかったことにつき、内閣は合理的な期間内に臨時会を召集するべき義務があるのにこれを怠ったものであり、その結果、原告らは臨時会において国会議員としての権能を行使する機会を奪われたなどと主張して、被告(国)に対し、原告らそれぞれにつき損害金である100万円の一部請求として1万円の支払等を求めた事案において、原告らの本件召集要求に対し、内閣が行った臨時会の召集は、これが冒頭解散により実質的には召集されていないか、あるいは憲法上認められる合理的期間を徒過したものであるとして、違憲かどうかを判断するまでもなく、原告らの国賠法1条1項に基づく損害賠償請求は理由がないとして、棄却した事例。
2020.03.24
性別の取扱いの変更申立て却下審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 6月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570771/最高裁判所第二小法廷 令和 2年 3月11日 決定 (特別抗告審)/令和1年(ク)第791号
性同一性障害者につき性別の取扱いの変更の審判が認められるための要件として「現に婚姻をしていないこと」を求める性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律3条1項2号の規定は、現に婚姻をしている者について性別の取扱いの変更を認めた場合、異性間においてのみ婚姻が認められている現在の婚姻秩序に混乱を生じさせかねない等の配慮に基づくものとして、合理性を欠くものとはいえないから、国会の裁量権の範囲を逸脱するものということはできず、憲法13条、14条1項、24条に違反するものとはいえないとした上で、結婚後に女性への性別適合手術を受け、戸籍上の性別を男性から女性に変えるよう審判を申し立てた抗告人の特別抗告を棄却した事例。
2020.03.24
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ、徳島県青少年健全育成条例違反、東京都青少年の健全な育成に関する条例違反被告事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 5月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570757/最高裁判所第三小法廷 令和 2年 3月10日 判決 (上告審)/平成30年(あ)第1757号
平成29年法律第72号により刑法を改正して強制わいせつ罪等を非親告罪とした本法の経過措置として、本法により非親告罪とされた罪であって本法の施行前に犯したものについて、本法の施行の際既に法律上告訴がされることがなくなっているものを除き、本法の施行後は、告訴がなくても公訴を提起することができるとした本法附則2条2項は、憲法39条に違反しないとした事例。
2020.03.10
非認定処分取消請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 4月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570652/東京地方裁判所 令和 1年12月16日 判決 (第一審)/平成28年(行ウ)第316号
学校法人である原告が、原告の運営する医療専門学校について、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律2条2項に基づき、視覚障害者以外の者を対象とするあん摩マッサージ指圧師養成施設の認定の申請をしたところ、厚生労働大臣が、視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧師の生計の維持が著しく困難とならないようにするため必要があるとして、同法附則19条1項に基づき、上記認定をしない旨の処分をしたため、原告において、同項が憲法22条1項等に違反して無効であるなどとして、同処分の取消しを求めた事案において、視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧者の職域を優先し、その生計の維持が著しく困難とならないようにすることを重要な公益と認め、必要かつ合理的な措置としてあはき師法附則19条1項を定める立法府の判断が、政策的・技術的な裁量の範囲を逸脱するものとはいえないなどとして、原告の請求を棄却した事例。
2020.02.04
投稿記事削除請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 4月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25580335/東京地方裁判所 令和 1年10月11日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第66号 等
原告が、ツイッターに投稿された原告の過去の逮捕歴に係る本件各投稿記事により原告の前科等を公表されない利益や社会生活の平穏を害されない利益が侵害されていると主張して、同ウェブサイトを管理運営する被告に対し、前記各利益に係る人格権及び人格的利益に基づく妨害排除請求権に基づき、本件各投稿記事の削除を求めた事案において、本件各投稿記事がグーグルにおける検索結果では表示されず、ツイッターにおける検索結果においてのみ表示されるものであって、本件各投稿記事が伝達される範囲は一定程度限られたものであることを考慮したとしても、本件逮捕に関する事実を公表されない原告の法的利益は、本件各投稿記事により本件逮捕に関する事実の公表を継続する法的利益ないし必要性に優越するものと認められるとして、原告の請求を認容した事例。
2020.01.14
選挙供託金制度違憲国家賠償請求控訴事件 
LEX/DB25564528/東京高等裁判所 令和 1年12月11日 判決 (控訴審)/令和1年(ネ)第2797号
控訴人(原告)が、第47回衆議院議員総選挙における小選挙区選出議員の選挙に立候補しようとしたところ、公職選挙法92条1項1号が立候補のために必要と定める300万円または同額の国債証書を供託することができず、上記選挙に立候補することが許されなかったが、上記公職選挙法の規定は、憲法15条1項が保障する立候補の自由を侵害し、立候補資格について財産又は収入による差別を禁止する憲法44条ただし書並びに市民的及び政治的権利に関する国際規約25条に違反することが明らかであり、国会は、上記公職選挙法の規定を改正して供託の定めを廃止し又は少なくとも供託金の額を減額することが必要不可欠であったにもかかわらず、正当な理由なく、長期間にわたってそのような立法措置を怠ったものであるから、この立法の不作為は国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものであると主張して、被控訴人(被告)である国に対し、同法1条1項に基づき慰謝料の支払を求め、原判決が、控訴人の請求を棄却したところ、控訴人が控訴した事案で、原判決は相当であるとし、控訴人の本件控訴を棄却した事例。
2019.11.05
損害賠償請求事件(第1事件、第2事件)
「新・判例解説Watch」憲法分野 1月中旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25564040/東京地方裁判所 令和 1年10月 2日 判決 (第一審)
婚姻後の夫婦の氏として、夫は夫の氏、妻は妻の氏を称する旨を記載した婚姻届を提出しようとしたところ、民法750条及び戸籍法74条1号の各規定(本件各規定)を根拠に婚姻届を不受理とされた者である原告らが、本件各規定が憲法14条1項、24条又は国際人権条約に違反することが明白であるにもかかわらず、国会が本件各規定について正当な理由なく長期にわたってその改廃等の立法措置を怠ったことにより、婚姻をするについての自由を制約され、法律上の婚姻(法律婚)に認められる民法や税法等の法律上の権利・利益,事実上の様々な利益を享受できず、また、夫婦であることの社会的承認を受けることができない不利益を被り、それらにより多大な精神的苦痛を受けたとして、被告(国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料各50万円の支払を求めた事案で、本件各規定は、憲法14条1項又は24条に違反することが明白ではなく、また、女子差別撤廃条約又は自由権規約に違反することが明白であるともいえないから、本件立法不作為は、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないとし、原告らの請求を棄却した事例。
2019.08.13
在外日本人国民審査権確認等請求事件(第1事件)、国家賠償請求事件(第2事件)
「新・判例解説Watch」憲法分野 10月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570333/東京地方裁判所 令和 1年 5月28日 判決 (第一審)/平成30年(行ウ)第143号 等
日本国外に住所を有する日本国民である原告らが、〔1〕主位的に、次回の最高裁判所裁判官国民審査において審査権を行使することができる地位にあることの確認を求め、予備的に、次回の国民審査において審査権の行使をさせないことが違法であることの確認を求め、また、〔2〕平成29年10月22日執行の前回国民審査において審査権を行使することができなかったことについて、国家賠償を求めた事案において、前回国民審査において在外国民が審査権を行使することを認めないことについて、やむを得ない事由があったとは到底いうことができないから、最高裁判所裁判官国民審査法が、前回国民審査当時、在外国民であった原告らの審査権の行使を認めていなかったことは、国民に対して審査権を認めた憲法15条1項並びに79条2項及び3項に違反するものであったとして、〔1〕に係る訴えをいずれも却下し、〔2〕の国家賠償請求を一部認容した事例。
2019.08.13
選挙供託金制度違憲国家賠償請求事件
LEX/DB25563149/東京地方裁判所 令和 1年 5月24日 判決 (第一審)/平成28年(ワ)第17007号
原告が、第47回衆議院議員総選挙における小選挙区選出議員の選挙に立候補しようとしたところ、公職選挙法92条1項1号が立候補のために必要と定める300万円又は同額の国債証書を供託することができず、上記選挙に立候補することが許されなかったが、同選挙に立候補するために供託が必要と定める公選法92条1項1号は、憲法15条1項により保障される立候補の自由を侵害し、立候補者資格について財産又は収入による差別を禁止する憲法44条ただし書、市民的及び政治的権利に関する国際規約(B規約)25条に違反することが明らかであり、国会は、公選法を改正して供託の定めを廃止し又は供託金の額を減額することが必要不可欠であるにもかかわらず、正当な理由なく、長期にわたり立法措置を怠ったというべきであるから、当該立法不作為は国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けると主張して、被告(国)に対し、慰謝料の支払を求めた事案において、選挙供託金制度は、憲法15条1項、憲法44条ただし書及びB規約25条のいずれにも違反するものではなく、国会が選挙供託金制度を廃止し又は供託金の額を減額する立法行為をしなかったことが国賠法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないとして、原告の請求を棄却した事例。
2019.08.06
命令服従義務不存在確認請求事件
LEX/DB25570367/最高裁判所第一小法廷 令和 1年 7月22日 判決 (上告審)/平成30年(行ヒ)第195号
陸上自衛官である被上告人(控訴人・原告)が、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態に際して内閣総理大臣が自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる旨を規定する自衛隊法76条1項2号の規定は憲法に違反すると主張して、上告人(被控訴人・被告。国)を相手に、被上告人が同号の規定による防衛出動命令に服従する義務がないことの確認を求めた事案の上告審において、差止めの訴えの訴訟要件については、行政庁によって一定の処分がされる蓋然性の要件を満たすことが必要とされるとし、将来の不利益処分の予防を目的として当該処分の前提となる公的義務の不存在確認を求める無名抗告訴訟は、蓋然性の要件を満たさない場合には不適法というべきであるとし、原審は、蓋然性の要件を満たすものか否かの点を検討することなく本件訴えを適法としたもので、判決に影響を及ぼすことが明らかな違法があるとして、原判決を破棄し、本件を原審に差し戻した事例。
2019.07.23
年金額減額処分取消請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 10月下旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25570261/札幌地方裁判所 平成31年 4月26日 判決 (第一審)/平成27年(行ウ)第15号
老齢基礎年金、老齢厚生年金及び遺族厚生年金の受給者である原告らが、平成24年改正法及び平成25年政令に基づいて厚生労働大臣が行った原告らの年金額を減額する改定(本件各処分)は、憲法13条、25条及び29条に反する違憲のものであり、又は厚生労働大臣に認められた裁量を逸脱及び濫用するものであって違法のものであるなどと主張して、本件各処分の取消しを求めた事案において、本件特例水準は、その創設時から将来における解消が予定されていたものであり、また、その解消の判断に至る過程における判断及び手続に誤りがあるということもできないから、平成24年改正法の内容の策定について、国会に明らかな裁量権の逸脱又はその濫用があるということはできないから、憲法25条に反するということはできず、したがって、本件各処分が同条に違反するとはいえないなどとして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2019.07.09
国家賠償請求事件
「新・判例解説Watch」憲法分野 10月上旬頃解説記事の掲載を予定しております
LEX/DB25563157/仙台地方裁判所 令和 1年 5月28日 判決 (第一審)/平成30年(ワ)第76号 等
原告らが、平成8年法律第105号による改正前の旧優生保護法に基づき不妊手術(本件優生手術)を受けたところ、旧優生保護法第2章、第4章及び第5章の各規定は違憲無効であり子を産み育てるかどうかを意思決定する権利(リプロダクティブ権)を一方的に侵害されて損害を被ったと主張して、被告(国)に対し、主位的に、国会が当該損害を賠償する立法措置を執らなかった立法不作為又は厚生労働大臣が当該損害を賠償する立法等の施策を執らなかった行為の各違法を理由に、予備的に、国家賠償法4条により適用される民法724条後段の除斥期間の規定を本件に適用することが違憲となると主張して、当時の厚生大臣が本件優生手術を防止することを怠った行為の違法を理由に、国家賠償法1条1項に基づき損害賠償を求めた事案において、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2019.06.04
(刑事確定記録閲覧請求不許可処分準抗告事件)
LEX/DB25562806/東京地方裁判所 平成31年 4月23日 決定 (第一審)/平成29年(む)第83309号
逮捕監禁、爆発物取締罰則違反、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反被告事件の刑事確定訴訟記録について閲覧請求をしたところ、保管検察官がした閲覧不許可処分に対し、申立人が準抗告の申立てをした事案において、本件準抗告は、第3回公判前整理手続調書2頁13行目から3頁1行目までに関する閲覧不許可処分を取消し、検察官は、本件閲覧不許可処分を取り消した部分を、申立人に閲覧させるよう命じた事例。
2019.04.02
最高裁判所裁判官国民審査無効請求事件
LEX/DB25570104/最高裁判所第三小法廷 平成31年 3月12日 決定 (上告審)/平成30年(行ツ)第185号
最高裁判所裁判官国民審査法36条の審査無効訴訟で、年齢満18歳及び満19歳の日本国民につき衆議院議員の選挙権を有するとしている公職選挙法9条1項が憲法15条3項に違反し、最高裁判所裁判官国民審査法4条により上記の者につき審査権を有するものとして行われた最高裁判所の裁判官の任命に関する国民の審査は無効であるとして、上告人が上告した事案で、審査人が、最高裁判所裁判官国民審査法37条1項所定の審査無効の原因として、年齢満18歳及び満19歳の日本国民につき衆議院議員の選挙権を有するとしている公職選挙法9条1項の違憲を主張し得るものとはいえないとし、本件上告を棄却した事例。
2019.03.26
衆議院議員小選挙区長崎4区選挙無効確認請求事件
LEX/DB25570067/最高裁判所第一小法廷 平成31年 2月28日 決定 (上告審)/平成30年(行ツ)第171号 等
公職選挙法204条の選挙無効訴訟において、選挙人が、公職選挙法205条1項所定の選挙無効の原因として、年齢満18歳及び満19歳の日本国民につき衆議院議員の選挙権を有するとしている公職選挙法9条1項の規定の違憲を主張し得るものとはいえないとし、本件上告を棄却し、上告審として不受理の決定をした事例。
2019.03.05
医師法違反被告事件 
「新・判例解説Watch」憲法分野 解説記事が掲載されました
LEX/DB25561598/大阪高等裁判所 平成30年11月14日 判決 (控訴審)/平成29年(う)第1117号
被告人は、医師でないのに、平成26年7月6日頃から平成27年3月8日頃までの間、タトゥーショップで、4回にわたり、Aほか2名に対し,針を取り付けた施術用具を用いて前記Aらの左上腕部等の皮膚に色素を注入する医行為を行ったことに対し、医師法31条1項1号、医師法17条を適用し、原判決が罰金15万円に処したため、被告人が控訴した事案において、医師に入れ墨(タトゥー)の施術を独占させ、医師でない者のタトゥー施術業を医師法で禁止することは、非現実的な対処方法というべきであり、そのような医師法の解釈は合理性、妥当性を有しないといわざるを得ないとして、原判決を破棄し、無罪を言い渡した事例。
2019.02.19
選挙無効請求事件
LEX/DB25561944/最高裁判所大法廷 平成30年12月19日 判決 (上告審)/平成30年(行ツ)第183号
平成29年10月22日施行の衆議院議員総選挙について、愛知県第1区から同第15区まで、岐阜県第1区から同第5区まで及び三重県第1区から同第4区までの選挙人である上告人(原告)らが、被上告人(国。被告)に対し、衆議院小選挙区選出議員の小選挙区選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に違反し無効であるから、これに基づき施行された本件選挙の上記各選挙区における選挙も無効であるなどと主張して提起した選挙無効訴訟の上告審において、本件区割規定が本件選挙当時憲法に違反していたということはできないとした原審の判断は、結論において是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(意見及び反対意見がある)。
2019.02.12
選挙無効請求事件
LEX/DB25570001/最高裁判所第三小法廷 平成31年 2月 5日 判決 (上告審)/平成30年(行ツ)第92号 等
東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例(昭和44年東京都条例第55号)に基づいて平成29年7月2日に施行された東京都議会議員一般選挙について、江東区選挙区の選挙人である上告人が、〔1〕本件条例が大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ヶ島村及び小笠原村の区域(島しょ部)を合わせて1選挙区(島部選挙区)として存置したことが公職選挙法271条に、〔2〕本件条例のうち各選挙区において選挙すべき議員の数を定める規定(定数配分規定)が同法15条8項にそれぞれ違反するとともに、同法271条及び本件条例の定数配分規定が憲法14条1項等に違反して無効であるから、これらに基づき施行された本件選挙の江東区選挙区における選挙も無効であると主張して提起した選挙無効訴訟の上告審において、本件選挙当時、本件条例が島部選挙区を特例選挙区として存置していたことや本件条例の定数配分規定が憲法の上記各規定に違反していたものとはいえないことは、当裁判所大法廷判決の趣旨に徴して明らかというべきであるとし、本件請求を棄却した原審の判断は,是認することができるとして、本件上告を棄却した事例(意見がある)。