注目の判例

民事訴訟法

2016.07.05
損害賠償請求事件 
「新・判例解説Watch」H28.9上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25448021/最高裁判所第一小法廷 平成28年 6月27日 判決 (上告審)/平成26年(受)第1813号 等
司法書士法3条2項各号のいずれにも該当する認定司法書士である甲(第1事件上告人・第2事件被上告人)に依頼した債務整理につき、亡A(X2及びX3が亡きAの本件訴訟に係る権利を継承。第1事件被上告人・第2事件上告人)が、甲に対し、甲は認定司法書士が代理することができる範囲を超えて、違法に裁判外の和解を行い、これに対する報酬を受領したなどとして、不法行為による損害賠償請求権に基づき上記報酬相当額の支払等を求めた事案の上告審において、認定司法書士の甲は、本件各債権に係る裁判外の和解について代理することができないにもかかわらず、違法にこれを行って報酬を受領したものであり、不法行為による損害賠償として報酬相当額の支払義務を負うとし、他方、本件各債権以外の本件各取引に係る各債権については、その価額がいずれも140万円を超えないから、認定司法書士の甲は、当該各債権に係る裁判外の和解について代理することができ、これに対する報酬の支払を受けたとしても、不法行為による損害賠償義務を負わないとし、これと同旨の原審の判断は正当として是認できるとした事例。
2016.06.14
債券償還等請求事件 
LEX/DB25447985/最高裁判所第一小法廷 平成28年 6月 2日 判決 (上告審)/平成26年(受)第949号
いずれも銀行である上告人らが、外国国家である被上告人が発行したいわゆるソブリン債である円建て債券を保有する債権者らから訴訟追行権を授与された訴訟担当者であるなどと主張して、被上告人に対し、当該債券の償還及び約定利息等の支払を求めた事案において、上告人らに本件訴訟についての訴訟追行権を認めることは、弁護士代理の原則を回避し、又は訴訟信託の禁止を潜脱するおそれがなく、かつ、これを認める合理的必要性があるというべきであり、上告人らは、本件訴訟について本件債券等保有者のための任意的訴訟担当の要件を満たし,原告適格を有するものというべきであるとし、本件訴えを却下すべきものとした原審の判断には法令違反があるとして、原判決を破棄し、第1審判決を取消し、更に審理を尽くさせるため、本件を第1審に差し戻しを命じた事例。
2016.03.22
損害賠償請求事件 
LEX/DB25447828/最高裁判所第一小法廷 平成28年 3月10日 判決 (上告審)/平成26年(受)第1985号
上告人らが、被上告人がインターネット上のウェブサイトに掲載した記事によって名誉及び信用を毀損されたなどと主張して、被上告人に対し、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案の上告審において、民事訴訟法3条の9にいう「日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を害し、又は適正かつ迅速な審理の実現を妨げることとなる特別の事情」があるとし、本件訴えを却下すべきものとした原審の判断は正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2016.03.15
株主総会決議取消請求事件 
「新・判例解説Watch」H28.5下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447820/最高裁判所第二小法廷 平成28年 3月 4日 判決 (上告審)/平成27年(受)第1431号
被上告人の株主である上告人らが、被上告人に対し、被上告人の臨時株主総会における上告人らを取締役から解任する旨の議案を否決する株主総会決議について、会社法831条1項1号に基づき、その取消しを求めた事案の上告審において、上記否決決議の取消しを請求する本件訴えは不適法であり、これを却下した原判決は、正当として是認することができるとして、上告を棄却した事例(補足意見がある)。
2015.12.29
訴訟救助申立て却下決定に対する抗告事件
LEX/DB25447660/最高裁判所第一小法廷 平成27年12月17日 決定 (許可抗告審)/平成27年(行フ)第1号
抗告人が、訴訟救助却下決定に対する即時抗告の抗告状に所定の印紙を貼付していなかったため、原審裁判長から、抗告提起の手数料を命令送達の日から14日以内に納付することを命ずる補正命令を受けたが、当該命令で定められた期間内に上記手数料を納付しなかったため、原審裁判長は、抗告人に対して抗告状却下命令(原命令)を発することとし、その告知のため、原命令の謄本が抗告人に宛てて発送されたが、抗告人は、その送達を受ける前に上記手数料を納付したことが認められ、抗告人が、原命令が確定する前に抗告提起の手数料を納付したものであるから、その不納付の瑕疵は補正され、抗告人の上記抗告状は当初に遡って有効となったものであり、これを却下した原命令は失当であるとして、原命令を破棄した事例(補足意見がある)。
2015.12.22
不当利得返還請求本訴、貸金請求反訴事件
「新・判例解説Watch」H28.2下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447648/最高裁判所第一小法廷 平成27年12月14日 判決 (上告審)/平成25年(オ)第918号
上告人が、貸金業者である被上告人との間、平成8年6月5日から平成21年11月24日までの間、第1審判決別紙計算書1の「借入金額」欄及び「弁済額」欄記載のとおり行われた継続的な金銭消費貸借取引について、平成8年6月5日から平成12年7月17日までの取引(第1取引)と平成14年4月15日から平成21年11月24日までの取引(第2取引)を一連のものとみて、各弁済金のうち利息制限法1条1項所定の制限を超えて利息として支払った部分を元本に充当すると過払金が発生しているなどと主張して、被上告人に対し、不当利得返還請求権に基づき、上記過払金の返還等を求め(本訴)、被上告人が、上告人に対し、第2取引に基づく貸金の返還等を求め(反訴)、原審は、本件取引は一連のものとはいえず、第1取引に基づく過払金の返還請求権は時効により消滅したと判断したが、相殺の抗弁につき何ら判断することなく、被上告人の反訴請求のうち第2取引に基づく貸金返還請求等を認容したため、上告人が上告した事案において、原判決のうち被上告人の反訴請求を認容した部分は、相殺の抗弁についての判断がないため、主文を導き出すための理由の一部が欠けているといわざるを得ず、民事訴訟法312条2項6号に掲げる理由の不備があり、原判決のうち上記部分は破棄を免れないとし、相殺の抗弁につき、更に審理を尽くした上で必要な判断をさせるため、上記部分につき本件を原審に差し戻した事例。
2015.12.08
建物明渡請求事件
「新・判例解説Watch」H28.2上旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447612/最高裁判所第一小法廷 平成27年11月30日 判決 (上告審)/平成26年(受)第2146号
被上告人は、上告人に対し、当該貸室の所有権に基づく明渡し及び賃料相当損害金の支払を求め提起したところ、上告人と被上告人との間には、平成25年5月8日、訴訟上の和解が成立したが、上告人は、同月22日、その和解の無効を主張して既に終了した訴訟手続の続行を求めて期日指定の申立てをした事案の上告審において、和解による訴訟終了判決である第1審判決に対しては、第1審被告である上告人のみが控訴しているのであるから、第1審判決を取消して第1審原告である被上告人の請求の一部を認容することは、不利益変更禁止の原則に違反して許されず、原審としては、仮に本件和解が無効であり、かつ、上告人の請求の一部に理由があると認めたとしても、第1審に差し戻すことなく自判する限りは、上告人の控訴の全部を棄却するほかなかったというべきであり、それにもかかわらず、原判決は、第1審判決を取り消し、上告人に対し、40万円の支払を受けるのと引換えに本件貸室を明け渡すべきこと及び賃料相当損害金を支払うべきことを命じた上で、被上告人のその余の請求をいずれも棄却した処理には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとして、原判決を破棄し、上告人の控訴を棄却をした事例。
2015.11.04
配当異議事件
LEX/DB25447529/最高裁判所第三小法廷  平成27年10月27日  判決 (上告審)/平成25年(受)第2415号
供託金の支払委託がされた時点における各貸金債権に、供託金及び供託利息の法定充当がされた結果残存するその各貸金債権の額は、配当表記載の被上告人の債権額を下回らないものと認められるから、上告人の請求には理由がないことになり、これを棄却した原審の判断は、是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2015.10.13
損害賠償請求事件
「新・判例解説Watch」H27.11下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447456/最高裁判所第二小法廷 平成27年 9月18日 判決 (上告審)/平成25年(受)第2331号
死刑確定者として拘置所に収容されている被上告人が、夫の養子との外部交通の申出を拘置所長から不許可とされ、著しい精神的苦痛を被ったと主張して、上告人に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料等の支払を求めたところ、第一審は、本件訴状の請求の趣旨の「300万円」を「50万円」に訂正する旨の訴状訂正申立書による被上告人の請求の減縮によっては本件補正命令に応じた補正がされたものといえず、本件訴えは不適法であるなどとして、民事訴訟法140条により本件訴えを却下したため、被上告人が控訴し、本件訴えの提起と同時に訴訟上の救助の申立てをした被上告人の意思を合理的に解釈すれば、本件訴えの請求金額は、本件訴状が提出された時ではなく、本件訂正申立書が提出された時に50万円に確定したというべきであるから、本件補正命令は違法であり、これに応じた補正がされなかったことを理由に本件訴えを却下することは許されないとして、第1審判決を取消し、本件を第1審に差し戻しを命じたため、上告人が上告した事案において、被上告人は、金銭債権の支払を請求する本件訴えの提起時に訴訟上の救助を申し立てたところ、請求の数量的な一部である50万円については勝訴の見込みがないとはいえないことを理由として、これに対応する訴え提起の手数料5000円につき訴訟上の救助を付与する旨の本件救助決定が確定したのであり、被上告人は、本件訂正申立書により50万円に請求を減縮したと認められるのであるから、訴え提起の手数料が納付されていないことを理由に、本件訴えを却下することは許されないというべきであるとし、原審の判断は、結論において是認することができるとして、上告を棄却した事例。
2015.09.24
不当利得返還請求事件
「新・判例解説Watch」H27.11下旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25447450/最高裁判所第三小法廷 平成27年 9月15日 判決 (上告審)/平成25年(受)第1989号
被上告人が、貸金業者であるA社、外1社及び両社を吸収合併した上告人との間の継続的な各金銭消費貸借取引に係る各弁済金のうち利息制限法1条1項所定の制限利率を超えて利息として支払われた部分を各元金に充当するといずれも過払金が発生していると主張して、上告人に対し、不当利得返還請求権に基づき、過払金合計354万4715円及び民法704条前段所定の法定利息の支払を求めたところ、原審は、本件調停の効力につき、被上告人の請求のうちAとの継続的な金銭消費貸借取引に係る過払金279万4081円及び法定利息の支払並びにB取引に係る過払金30万4217円及び法定利息の支払を求める限度で認容し、その余を棄却したため、上告人が上告した事案において、原審の判断には法令の違反があるとして 原判決を変更し、Aとの継続的な金銭消費貸借取引に係る被上告人の請求は、A取引に係る過払金234万9614円、平成24年5月31日までに発生した法定利息119万8107円及び上記過払金に対する同年6月1日から支払済みまで年5分の割合による法定利息の支払を求める限度で認容し、その余を棄却した事例。
2015.09.02
請求異議事件(「新・判例解説Watch」執筆対象事件の原原審)
LEX/DB25540651/札幌簡易裁判所 平成26年 2月19日 判決 (第一審)/平成25年(ハ)第5140号
被告が、更生手続開始決定を受ける前のT社に対して提起した過払金返還請求訴訟(前件訴訟)に係る訴訟費用につき、前件訴訟終了後、その負担を命ずる旨の決定及び額の確定処分がされたのに対し、T社の管財人である原告が、同請求権は更生債権に当たり、被告が更生手続において債権届出をしなかったため、更生計画認可決定により同請求権につき免責されたと主張して、上記訴訟費用額確定処分に基づく強制執行の不許を求めた事案において、本件訴訟は、債務名義となる本件確定処分の執行力の排除を求めるものであるところ、その前提となる本件負担決定は、確定判決と異なり、既判力を有しないのであるから、負担を命ぜられた当事者は、何ら時的制限を受けることはなく、本件負担決定前の事由を請求異議事由として主張することができるとした上で、本件訴訟費用請求権は、更生債権に当たるところ、更生手続においてその届出がされず、T社は本件認可決定があったことによりその責任を免れたものといえるとして、原告の請求を全部認容した事例。
2015.06.23
競売手続停止仮処分申立却下決定に対する抗告事件
LEX/DB25506323/札幌高等裁判所 平成27年 5月29日 決定 (抗告審)/平成27年(ラ)第99号
抗告人(債権者)が、被抗告人(債務者。北海道信用保証協会)の申立てにより抗告人の所有する不動産についてされた担保不動産競売手続について、被担保債権が時効消滅したと主張して、競売手続の停止を求めたところ、原審は、被担保債権について時効中断が認められるとして、抗告人の申立てを却下したため、抗告人が抗告した事案において、原決定は相当であるとして、抗告を棄却した事例。
2015.01.27
出資金返還請求控訴事件(MRIインターナショナル事件(控訴審))
LEX/DB25505266/東京高等裁判所 平成26年11月17日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第623号
被告(被控訴人)と金融商品取引契約書により金融商品を購入する旨の契約を締結して、被告に出資した原告(控訴人)らが、被告に対し、約定の満期が到来したとして、その出資金の返還を求めたところ、原判決が、アメリカ合衆国ネヴァダ州裁判所を専属的合意管轄とする管轄合意の存在を認め、日本の裁判所には本訴えの管轄権はないとして、原告らの訴えを却下したため、原告らが控訴した事案において、被告の本案前の抗弁は理由がなく、これを認めて原告らの訴えを却下した原判決は相当でないとし、原判決を取消し、原審に差し戻した事例。
2014.12.16
訴訟費用額確定処分異議申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
LEX/DB25446797/最高裁判所第一小法廷 平成26年11月27日 決定 (許可抗告審)/平成26年(許)第19号
抗告人の相手方に対する立替金請求訴訟について裁判所書記官が行った訴訟費用の負担の額を定める処分について、抗告人が異議の申立てをし、抗告人が準備書面の直送をするために支出した郵便料金が、訴訟費用に含まれるかが争われた事案において、抗告人が支出した本件郵便料金は、民事訴訟費用等に関する法律2条2号の類推適用により費用に当たると解することはできず、訴訟費用には含まれないことになるとして、本件抗告を棄却した事例。
2014.11.25
産業廃棄物処理施設設置許可処分取消請求控訴事件
LEX/DB25504811/東京高等裁判所 平成26年9月25日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第147号
茨城県知事が補助参加人に対して産業廃棄物処理施設の設置の許可処分につき、原告(控訴人)らを含む周辺住民等442名が、被告(被控訴人)である茨城県を相手に、許可要件を満たさないのにされた違法なものであると主張して、その取消しを求めたところ、原判決は、上記処理施設から2キロメートルの範囲内に居住地又は勤務先がある原告らについては、原告適格を認めた上で請求をいずれも棄却し、その余の原告らについては原告適格が認められないとして訴えをいずれも却下したところ、原告らが控訴した事案において、控訴を棄却した事例。
2014.11.18
売却許可決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件
「新・判例解説Watch」H27.1月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25446742/最高裁判所第三小法廷 平成26年11月4日 決定 (許可抗告審)/平成26年(許)第15号
当該不動産につき、債権者をA、債務者を抗告人として、強制競売の開始決定をした本件競売事件において、Cに対する売却不許可決定が確定した後、当初の入札までの手続を前提に再度の開札期日を開くこととした執行裁判所の判断に違法があるといえず、原審の判断は是認することができるとして、本件抗告を棄却した事例。
2014.11.11
文書提出命令に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
「新・判例解説Watch」H27.1月中旬頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25446727/最高裁判所第二小法廷 平成26年10月29日 決定 (許可抗告審)/平成26年(行フ)第3号
抗告人(特定非営利活動法人)が、相手方らの所持する平成22年度分の政務調査費の支出に係る1万円以下の支出に係る領収書その他の証拠書類等及び会計帳簿である本件各文書について、文書提出命令の申立てをしたところ、原審では、相手方らが主張した本件各文書は民事訴訟法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たると判断し、本件各文書の提出を命じた原々決定を取消し、本件申立てを却下したため、抗告人が最高裁へ抗告した事案で、本件各文書は、「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらないとして、これと異なる原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるとし、原決定を破棄し、相手方らに対し本件各文書の提出を命じた原々決定は正当であるから、原々決定に対する抗告を棄却した事例。
2014.11.04
再審請求棄却決定に対する抗告事件(裁判所ウェブサイト掲載判例の原審)
LEX/DB25504505/東京高等裁判所 平成26年9月27日 決定 (抗告審)/平成25年(ラ)第1112号
再審被告(相手方)らは、再審被告会社(相手方)の株主であるが、再審被告会社を被告として、会社法833条1項1号に基づき再審被告会社の解散を求める訴えを提起した本案事件において、再審被告会社の解散を命ずる判決を言い渡し、これが確定したことから、再審被告会社の株主である再審原告(抗告人)が、前記判決には民事訴訟法338条1項1号及び3号所定の再審事由があるとして、原審に再審を求める訴えを提起したところ、原審は、再審事由があるとは認められないとして、請求を棄却する決定をしたため、再審原告が抗告した事案において、原決定は相当であるとして、抗告を棄却した事例。
2014.10.14
建物賃料増額確認請求事件
「新・判例解説Watch」H26.12月頃 解説記事の掲載を予定しています
LEX/DB25446634/最高裁判所第一小法廷 平成26年9月25日 判決 (上告審)/平成25年(受)第1649号
上告人X1及び平成23年4月28日に同上告人から本件賃貸借契約の賃貸人の地位を承継した上告人X2が、承継前被上告人に対し、本件賃料増額請求により増額された本件賃料の額の確認等を求め、本件賃料増額請求が前件口頭弁論終結時以前にされていることから、本件訴訟において本件賃料増額請求による本件賃料の増額を主張することが、前訴判決の既判力に抵触し許されないか否かが争われ、(なお、被上告人は、原審の口頭弁論終結後である平成25年3月21日、承継前被上告人を吸収合併し、本件訴訟の訴訟手続を承継した。)原審は、賃料増減請求により増減された賃料額の確認を求める訴訟の訴訟物は、当事者が請求の趣旨において特に期間を限定しない限り、形成権である賃料増減請求権の行使により賃料の増額又は減額がされた日から事実審の口頭弁論終結時までの期間の賃料額であると解されるところ、前件訴訟において、承継前被上告人は、基準時1(平成16年3月29日、当時の賃貸人Bに対し、本件賃料を同年4月1日から月額240万円に意思表示した時点)から前件口頭弁論終結時までの賃料額の確認を求め、上告人X1は、基準時2(平成17年7月27日、承継前被上告人に対し、本件賃料を同年8月1日から月額320万2200円に増額する旨の意思表示した時点)から前件口頭弁論終結時まで(ただし、終期については基準時3と解する余地がある。)の賃料額の確認を求めたものと解されるから、本件訴訟において、上告人らが,本件賃料増額請求により本件賃料が前件口頭弁論終結時以前の基準時3(前件訴訟が第1審の係属中の平成19年6月30日、承継前被上告人に対し、本件賃料を同年7月1日から月額360万円に増額する旨の意思表示をした時点)において増額された旨主張することは、前訴判決の既判力に抵触し許されないとし、上告人らの請求を棄却したため、上告人らが上告した事案において、前件本訴及び前件反訴とも、請求の趣旨において賃料額の確認を求める期間の特定はなく、前訴判決の前件本訴の請求認容部分においても同様であり、前件訴訟の訴訟経過をも考慮すれば、前件訴訟につき承継前被上告人及び上告人X1が特定の期間の賃料額について確認を求めていたとみるべき特段の事情はないといえ、前訴判決の既判力は、基準時1及び基準時2の各賃料額に係る判断について生じているにすぎないから、本件訴訟において本件賃料増額請求により基準時3において本件賃料が増額された旨を主張することは、前訴判決の既判力に抵触するものではないとして、原審に差し戻した事例(補足意見あり)。
2014.07.29
再審請求棄却決定に対する抗告棄却決定に対する特別抗告及び許可抗告事件
LEX/DB25446512/最高裁判所第一小法廷 平成26年7月10日 決定 (特別抗告・許可抗告審)/平成25年(ク)第1158号等
相手方Y1、同Y2、同Y3を原告とし、相手方会社Y4を被告として提起された株式会社の解散の訴えに係る請求を認容する確定判決につき、相手方会社の株主である抗告人が、上記訴えに係る訴訟の係属を知らされずその審理に関与する機会を奪われたから、上記確定判決につき民事訴訟法338条1項3号の再審事由があるなどと主張して、上記訴訟について独立当事者参加の申出をするとともに、再審の訴えを提起したところ、原々審は、株式会社の解散は当該株式会社の株主に重大な影響を及ぼす事項であるから、株式会社の解散の訴えが提起される前から当該株式会社の株主である抗告人は、上記訴えに係る請求を認容する確定判決を取り消す固有の利益を有する第三者に当たり、上記確定判決につき再審の訴えの原告適格を有するというべきであると判断した上で、本件再審請求には理由がないとしてこれを棄却し、原審は、この原々決定を維持して、抗告人の抗告を棄却したため、抗告人が特別抗告及び許可抗告した事案において、抗告人は、相手方Y1らと相手方会社との間の訴訟について独立当事者参加の申出をするとともに本件再審の訴えを提起したが、相手方Y1らの相手方会社に対する請求に対して請求棄却の判決を求めただけであって、相手方Y1ら又は相手方会社に対し何らの請求も提出していないことは記録上明らかであり、抗告人の上記独立当事者参加の申出は不適法であるとし、なお、記録によれば、再審訴状の「再審の理由」欄には、相手方会社との関係で解散の事由が存在しないことの確認を求める旨の記載があることが認められるが、仮に抗告人が上記独立当事者参加の申出につきこのような確認の請求を提出していたと解したとしても、このような事実の確認を求める訴えは確認の利益を欠くものというべきであり,上記独立当事者参加の申出が不適法であることに変わりはないとして、抗告人が本件再審の訴えの原告適格を有しているということはできず,本件再審の訴えは不適法であるとして、本件再審の訴えを適法なものであるとした原審の判断には、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原決定を破棄し、原々決定を取り消し、本件再審の訴えを却下した事例(意見及び反対意見がある)。