2015.11.17
開門等請求控訴事件
★「新・判例解説Watch」H27.12下旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
LEX/DB25541157/福岡高等裁判所 平成27年 9月 7日 判決 (控訴審)/平成23年(ネ)第771号
〔1〕国営諫早湾土地改良事業の施行、特に、同事業において諫早湾干拓地潮受堤防が建設され、同湾の湾奥部の海洋部分が締め切られたことによって漁業被害を受け、漁業行使権(漁業法8条1項にいう「漁業を営む権利」)を侵害されたとする開門請求1審原告らが、その漁業被害を最低限度回復させるために必要があるとして、1審被告(国)に対し、上記権利から派生するとされる物権的請求権に基づき、上記潮受堤防の北部及び南部に設置されている各排水門について、同堤防で締め切られた調整池内に諫早湾の海水を流入させ、海水交換が行われるような開門操作をするよう求めたほか、〔2〕開門請求1審原告ら及び大浦1審原告らが、1審被告において上記事業を実施したこと及び上記開門操作を行わないことは、1審原告らに漁業被害を及ぼしその漁業行使権を侵害するものとして国家賠償法上違法であり、また、1審被告が上記開門操作を行わないことは、上記事業の実施に先立って漁業補償契約が締結された際に1審原告らと1審被告との間で成立した、同事業の実施後も1審原告らが漁業を営めるようにするという合意に反する行為であって、これにより1審原告らの漁業行使権が侵害されている旨主張し、1審被告に対し、国家賠償法1条1項又は債務不履行による損害賠償として1人につき605万円、及び上記開門操作がされるに至るまで年50万円の割合による金員、並びに上記605万円に対する遅延損害金の支払を求め、原判決は、1審原告らの請求中、一部却下、一部認容、一部棄却したため、開門請求1審原告らと控訴人大浦1審原告ら及び1審原告Z1並びに1審被告が、上記各敗訴部分を不服として双方が控訴した事案において、原判決中、被控訴人大浦1審原告ら及び1審原告Aの請求を認容した部分(1審被告敗訴部分)は不当であるから、1審被告の控訴に基づいてこれを取消した上、この部分に係る被控訴人ら及び1審原告Aの請求をいずれも棄却するとともに、控訴人ら並びに1審原告Aの控訴をいずれも棄却するとした事例。
2015.11.17
内海ダム再開発事業公金支出差止等請求住民訴訟事件(第1事件、第2事件)(内海ダム訴訟)
LEX/DB25541113/高松地方裁判所 平成27年 6月22日 判決 (第一審)/平成22年(行ウ)第7号等
香川県の住民である第1事件原告らが、香川県及び小豆島町が起業者である「二級河川別当川水系別当川内海ダム再開発工事並びにこれに伴う県道及び町道付替工事」は治水、利水目的に鑑みても不要であり、安全性にも問題がある上、周辺の景観・環境を損なうことにより失われる利益は重大であるから、同事業に係る公金の支出は違法であるとして、香川県の執行機関である第1事件被告に対し、地方自治法242条の2第1項1号に基づき、同事業に係る公金の支出の差止めを求めるとともに、同項4号本文に基づき、同事業に係る公金の支出を行った香川県の前知事及び現知事に対する不法行為に基づく損害賠償請求を求め(第1事件)、小豆島町の住民である第2事件原告らが、上記と同様の理由で同事業に係る公金の支出は違法であるとして、小豆島町の執行機関である第2事件被告に対し、同項1号に基づき、同事業に係る公金の支出の差止めを求めるとともに、同項4号本文に基づき、同事業に係る公金の支出を行った小豆島町の前町長及び現町長に対する不法行為に基づく損害賠償請求を求めた(第2事件)住民訴訟において、原告らは、本件事業が治水及び利水目的に鑑みても不必要である上、安全性にも問題があり、周辺の景観・環境を損なうことにより失われる利益は重大であるとして、このような合理性を欠く本件事業に係る本件各公金の支出は地方財政法4条1項、地方自治法2条14項に違反し違法であると主張しているが、本件全証拠によっても原告らの主張を認めるには足りないとし、また、本件整備計画についても上記と同様の理由で違法であり、その違法性が本件各公金の支出に承継されるとの第1事件原告らの主張や、本件事業に係る請負契約(支出負担行為)には上記と同様の理由で違法があり、当該契約を解消できる特殊な事情があったにもかかわらず、香川県知事及び小豆島町長が行った各支出命令は財務会計法規上の義務に違反し、違法であるとの原告らの主張についても、上記と同様に本件整備計画あるいは本件事業に係る請負契約(支出負担行為)が違法であることを認めるに足りる証拠がないとして、第1事件原告ら及び第2事件原告らの各請求をいずれも棄却した事例。
2015.11.17
損害賠償請求事件(普天間騒音訴訟)
LEX/DB25541171/那覇地方裁判所沖縄支部 平成27年 6月11日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第290号等
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき、被告(国)がアメリカ合衆国に対して同国軍隊の使用する施設及び区域として提供している沖縄県宜野湾市所在の普天間飛行場の周辺に居住し若しくは居住していた者又はその相続人である原告らが、普天間飛行場において離着陸する米軍機が同飛行場周辺において発する騒音により各種の被害を受けている旨主張して、被告に対し、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う民事特別法2条に基づき、第1事件原告については平成21年7月31日、第2事件原告については同年10月1日、第3事件原告については平成22年3月18日、第4事件原告については同年11月20日(各事件の訴え提起日の3年前の応当日)から、それぞれ平成26年12月11日(口頭弁論終結の日)までの損害の賠償及び遅延損害金の支払を求めた事案において、原告らの賠償対象期間の最始期である平成21年7月31日から現在に至るまでの普天間飛行場の供用は、当該期間内にコンター内に居住し、又は居住していた原告らに対する関係において、違法な権利侵害ないし法益侵害と評価されるものであるから、その限りにおいて、普天間飛行場に民事特別法2条の設置又は管理の瑕疵があるものということができるとし、また、危険への接近の法理による免責又は減額に関する被告の主張は、いずれも採用することができないとして、原告らの本訴請求については、主文1記載の金員の支払を求める限度で理由があるから、これを認容し、その余の請求はいずれも理由がないから、これを棄却するとした事例。
2015.10.27
各航空機運航差止等請求控訴事件
★「新・判例解説Watch」H28. 1下旬頃 解説記事の掲載を予定しています★
LEX/DB25540973/東京高等裁判所 平成27年 7月30日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第284号
厚木基地周辺に居住する原告(控訴人兼被控訴人)らが、厚木基地に離着陸する航空機の発する騒音により身体的被害及び精神的被害を受けていると主張して、被告(控訴人兼被控訴人)国に対し、主位的に、厚木基地における自衛隊機及び米軍機の一定の態様による運行の差止め等を求め、予備的に、音量規制等を求めたところ、原審は、米軍機差止めの訴えを却下し、米軍機に関する予備的請求のうち人格権に基づく妨害排除請求権としての差止請求等の給付請求を棄却し、確認請求に係る訴えをいずれも却下し、転居原告の自衛隊機差止めの訴えをいずれも却下した一方で、厚木飛行場における自衛隊機の運航のうち夜間に行われるものは、これを差し止める必要性が相当高いとし、転居原告を除く原告らの自衛隊機差止請求を一部認容したため、原告ら及び被告が双方控訴した事案において、主位的請求に係る自衛隊機差止請求について、厚木飛行場に離着陸する航空機による騒音の発生状況が大きく変わる可能性があるとして、一定期間の差止めを認容してその余の請求を棄却し、予備的請求を却下し、その余の控訴を棄却した事例。
2015.10.20
間接強制決定変更決定に対する執行抗告事件(諫早制裁金 国の抗告棄却)
LEX/DB25540981/福岡高等裁判所 平成27年 6月10日 決定 (抗告審(執行抗告)/平成27年(ラ)第149号
諫早湾干拓地潮受堤防の排水門の開門に係る間接強制について、佐賀地方裁判所が抗告人(原審債務者)国に命じた現行の間接強制金の額では心理的な強制を加えるには不十分だとして、45名の相手方(原審債権者)ら(佐賀、長崎両県の漁業者ら)が間接強制決定の変更(強制金の増額)を求める申立てをした事案(原審は、間接強制決定のうち、各相手方に対し、遅延の期間中1日につき抗告人が支払うべき金員(1万円)を、原決定送達の日の翌日以降はそれぞれ2万円の割合による金員と変更した)の抗告審において、民事執行法172条2項の「事情の変更」については、支払予告命令発令後に生じた事情の変更に限らず、既に発した支払予告命令の不奏効の場合も含まれ、本件開放義務の内容は、防災上やむを得ない場合を除き一定期間本件各排水門を開放することだけであるから、それ自体、性質上抗告人の意思のみで履行することができるものであり、抗告人の指摘する事情によって本件開放義務を履行することが不可能であるということはできず、本件開放義務を履行することができるにもかかわらず、これを履行しない事実をもって「事情の変更」に当たるといわざるを得ないとし、また、民事執行法172条所定の間接強制金の額は、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額であり、それは執行債権の性質、不履行により債権者が受けるべき不利益、債務者の資力、従前の履行の態様及び債務の性質に照らして、債務名義上の執行債権を実現させるため、執行裁判所が合理的裁量により決するものと解され、単に不履行によって債権者が受ける損害額のみによって決せられるものではないとして、抗告をいずれも棄却した事例。
2015.09.02
(上関原発入会権訴訟 反対派住民 敗訴確定)
LEX/DB25540653/最高裁判所第二小法廷 平成27年 6月12日 決定 (差戻上告審)/平成26年(オ)第530号等
被告会社(被控訴人・被上告人兼相手方。電力会社)は、山口県熊毛郡A町に原子力発電所を建設することを計画しており、山林(本件土地)は、同発電所の建設予定地であるところ、同町のB地区の住民であるとする原告(控訴人・上告人兼申立人)が、本件土地は、B地区の住民が入会権を有する土地であるとして、(1)被告会社及び被告住民らに対し、原告及び被告住民らが本件土地に入会権(主位的請求として共有の性質を有する入会権、予備的請求として共有の性質を有さない入会権)を有することの確認を求めるとともに、(2)被告会社に対し、入会団体の構成員が有する使用収益権に基づく本件土地の現状変更行為の差止め及び入会権に基づく原告の本件土地の使用収益行為に対する妨害禁止を求めたところ、第一審では、建設予定地について入会権の成立は認められないとして、請求をいずれも棄却したため、原告が控訴し、控訴審では、原判決は相当であるとして控訴を棄却したため、原告が上告した事案において、上告棄却及び上告不受理の決定をした事例。
2015.09.02
仮処分執行停止申立事件(高浜原発の仮処分 再稼働差止め認めず)
LEX/DB25540656/福井地方裁判所 平成27年 5月18日 決定 (第一審)/平成27年(モ)第39号
被申立人は、申立人(関西電力)に対し、申立人が設置している高浜発電所3号機及び4号機並びに大飯発電所3号機及び4号機の運転差止を求めて、福井地方裁判所に仮処分命令の申立てをし、同裁判所は、平成27年4月14日、このうち高浜発電所3号機及び4号機の運転差止を認める決定をしたため、申立人が、同決定に対し、保全異議の申立てをし、かつ、同決定に基づく仮処分の執行停止を申し立てた事案において、保全命令の取消しの原因となることが明らかな事情について疎明があったとはいえないとして、申立人の仮処分執行停止の申立てを却下した事例。
2015.07.14
じん肺管理区分決定処分取消等請求控訴事件
LEX/DB25540268/福岡高等裁判所 平成27年 4月16日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第4号
原告が、処分行政庁(福岡労働局長)に対し、じん肺法15条に基づき、じん肺管理区分の決定に関する申請をしたところ、処分行政庁から、じん肺管理区分の管理1(じん肺の所見がないと認められるもの)に該当する旨の決定を受け、これを不服として、裁決行政庁(厚生労働大臣)に対し審査請求を行ったが、裁決行政庁から審査請求を棄却する旨の裁決を受けたため、被告(控訴人)国に対し、(ア)前記処分及び裁決には、判断を誤った違法及び理由不備の違法があるとして、これらの取消しを求めるとともに、(イ)理由不備の違法によって精神的苦痛を受けたとして、国家賠償法1条1項に基づいて損害賠償金の支払を求めたところ、原審は、請求を一部認容したが、原告が原審口頭弁論終結日後、原判決言渡期日前に一審原告Cが死亡したため、被告が、原告適格を基礎づける法律上の利益が一身専属的であることから訴訟は当然に終了する等と主張して、被告が控訴した事案において、控訴人の本件控訴は、本件各訴訟が一審原告亡Cの死亡により当然に終了しているから理由があり、原判決を取消して本件各訴訟について訴訟終了を宣言することとした事例。
2015.06.02
MOX燃料使用差止請求事件(佐賀・玄海原発 MOX燃料使用差し止め請求棄却)
LEX/DB25506222/佐賀地方裁判所 平成27年3月20日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第591号
被告である九州電力株式会社が玄海原発3号機原子炉でプルトニウム・ウラン混合酸化物燃料(MOX燃料)を使用すると、ギャップ再開による重大事故の可能性があること、及び使用済MOX燃料を長期間保管すれば健康・環境被害等が生じることを主張して、原告らが、人格権及び環境権に基づき、本件原子炉において、MOX燃料を使用して運転することの差止めを請求した事案において、本件MOX燃料の設置許可基準規則15条5項への適合性について原告らの反証は有効になされていないものと評価するのが相当であり、本件燃料設計に関する安全確保対策の安全性に欠ける点があり、かつ、それにより原告らの生命、身体、健康を侵害する具体的危険がるものと認めるに足りないと示すなどして、原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2015.05.26
風力発電施設運転差止等請求事件(風力発電 騒音受忍限度内 原告敗訴)
LEX/DB25506227/名古屋地方裁判所豊橋支部 平成27年4月22日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第61号
被告(風力発電事業等を目的とする会社)が設置、運転する風力発電施設の付近に居住する原告が、同施設から発生する騒音により受忍限度を超える精神的苦痛ないし生活妨害を被っているとして、被告に対し、人格権に基づき、同施設の運転差止めを求めるとともに、不法行為に基づき、上記精神的苦痛に対する慰謝料500万円の損害賠償及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案において、原告宅に到達する風車騒音が、一般社会生活上の受忍すべき程度を超えるものであるとはいうことができず、原告が請求する風力発電施設の運転差止め及び損害賠償を認容すべき違法な人格権侵害に当たるものと認めることはできないとして、原告の請求を棄却した事例。
2015.05.26
川内原発稼働等差止仮処分申立事件(川内原発再稼働 仮処分却下)
LEX/DB25506209/鹿児島地方裁判所 平成27年4月22日 決定 (第一審)/平成26年(ヨ)第36号
債権者(川内原発から250キロメートル圏内に居住する者)らが、債務者(電気を供給する事業を営む株式会社)に対し、人格権に基づき、債務者が設置している川内原発1号機及び2号機の運転差止めを命ずる仮処分命令を申し立てた事案において、債権者らが川内原発に関し具体的危険性があると主張するいずれの事項についても、債権者らを含む周辺住民の人格権が侵害され又はそのおそれがあると認めることはできないとして、申立てを却下した事例。
2015.04.21
大飯原発3,4号機及び高浜原発3,4号機運転差止仮処分命令申立事件
LEX/DB25447198/福井地方裁判所 平成27年4月14日 決定 (第一審)/平成26年(ヨ)第31号
高浜発電所(高浜原発)から250キロメートル圏内に居住する債権者らが、債務者(電力会社)に対し、人格権の妨害予防請求権に基づいて、債務者が高浜原発の3号機及び4号機の運転差止めの仮処分を求めた事案において、(1)冷却機能の維持については、各地の原発敷地外に幾たびか到来した激しい地震や各地の原発敷地に5回にわたり到来した基準地震動を超える地震が高浜原発には到来しないというのは根拠に乏しい楽観的見通しにしかすぎないといえ、さらに、基準地震動に満たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じ得るというのであれば、そこでの危険は、万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険と評価できるとし、(2)閉じ込めるという構造(使用済み核燃料の危険性)については、使用済み核燃料を閉じ込めておくための堅固な設備を設けるためには膨大な費用を要するということに加え、国民の安全が何よりも優先されるべきであるとの見識に立つのではなく、深刻な事故はめったに起きないだろうという見通しのもとにかような対応が成り立っているといわざるを得ないとし、(3)高浜原発の現在の安全性(被保全債権の存在)については、原発の運転によって直接的にその人格権が侵害される具体的な危険があることが疎明されているといえるとし、高浜原発の事故によって債権者らは取り返しのつかない損害を被るおそれが生じることになり、本案訴訟の結論を待つ余裕がなく、また、原子力規制委員会の許可がなされた現時点においては、保全の必要性は肯定できるとして、債務者に対し、高浜原発3号機及び4号機の原子炉の運転中止を認めた事例。
2015.03.17
損害賠償請求事件
LEX/DB25447108/最高裁判所第一小法廷 平成27年 3月 5日 判決 (上告審)/平成25年(受)第1436号
産業廃棄物の最終処分場の周辺地域に居住する被上告人らは、同最終処分場を管理する会社の実質的経営者、産業廃棄物の処分を委託した業者その他関係者を被申請人として、公害紛争処理法26条1項に基づく公害調停の申請をし、被上告人らが、同申請を受けて設けられた徳島県公害紛争調停委員会がその裁量権の範囲を逸脱して違法に、被申請人の呼出手続を行った上、調停を打ち切るなどの措置をしたと主張して、上告人に対し、国家賠償法1条1項に基づき、損害賠償を求めたところ、原審は、被上告人らの請求を一部認容したため、上告人が上告した事案において、本件委員会が、被申請人らに対し本件記載のある期日通知書を送付し、第1回調停期日において本件調停を打ち切った措置は、その裁量権の範囲を逸脱したものとはいえず、国家賠償法1条1項の適用上違法であるということはできないとし、被上告人らの請求を一部認容した原審の判断には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があり、原判決のうち上告人敗訴部分は破棄し、被上告人らの請求は理由がなく、これを棄却した第一審判決は正当であるとし、上記部分につき、被上告人らの控訴を棄却した事例。
2015.02.24
請求異議事件(諫早湾干拓事業訴訟 国の請求退ける)
LEX/DB25505419/佐賀地方裁判所 平成26年12月12日 判決 (第一審)/平成26年(ワ)第7号
原告が、佐賀地裁判決及び福岡高裁判決の本件確定判決によって排水門の解放を求める請求権を認容された者及びその相続人らである被告らに対し、潮受堤防の公共性ないし公益上の必要性は現時点においても失われていない、あるいは「防災上やむを得ない場合」に当たることから、開門請求権の行使を認めるべき違法性は現時点においても認められず、前記各排水門を解放するための強制執行は許されないこと、別件仮処分決定により原告が前記各排水門の解放禁止義務を負っていることからすれば、別件仮処分決定がされたことが独立の異議事由にあたること、これらの事情に鑑みれば強制執行は権利の濫用又は信義則違反に当たること、漁業協同組合を脱退したことにより漁業行使権に基づく開門請求権を失ったことが異議事由に当たる等と主張して、前記確定判決に基づく強制執行の不許を求めた事案において、前記相続人らに対する訴えについては被告適格を欠くとして一部却下し、漁業行使権を失った被告らに対する請求を認容し、その余の請求をいずれも棄却した事例。
2015.02.03
間接強制決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件(国営諫早湾干拓事業問題)
LEX/DB25447006/最高裁判所第二小法廷 平成27年 1月22日 決定 (許可抗告審)/平成26年(許)第26号
諫早湾の干拓地で農業を営み、又は同湾内で漁業を営む者等である相手方らが、抗告人に対し、諫早湾干拓地潮受堤防の北部及び南部各排水門を開放してはならない旨を抗告人に命ずる仮処分決定に基づき、間接強制の申立てをしたところ、原審は、本件仮処分決定に基づく債務は債務者である抗告人が自己の意思のみで履行することができる債務であるとして、抗告人に対し、本件各排水門を開放してはならない旨を命ずるとともに、その義務を履行しないときは、相手方らに対し、1日につき49万円の割合による金員を支払うよう命ずる間接強制決定をすべきものとしたため、抗告人が許可抗告した事案において、抗告人が別件確定判決により本件各排水門を開放すべき義務を負っているという事情があっても、執行裁判所は本件仮処分決定に基づき抗告人に対し間接強制決定をすることができ、抗告人主張のその余の事情も間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではないとし、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができるとして、本件抗告を棄却した事例。
2015.02.03
間接強制決定に対する執行抗告棄却決定に対する許可抗告事件(国営諫早湾干拓事業問題)
LEX/DB25447007/最高裁判所第二小法廷 平成27年 1月22日 決定 (許可抗告審)/平成26年(許)第17号
諫早湾及びその近傍において漁業を営む相手方らが、抗告人に対し、諫早湾干拓地潮受堤防の北部及び南部各排水門の開放を抗告人に命ずる確定判決に基づき、間接強制の申立てをしたところ、原審は、本件確定判決に基づく債務は債務者である抗告人が自己の意思のみで履行することができる債務であるとし、抗告人に対し、原々決定の送達を受けた日の翌日から2箇月以内に、防災上やむを得ない場合を除き、本件各排水門を開放し、以後5年間にわたってその開放を継続することを命ずるとともに、上記2箇月の期間内にその義務を履行しないときは、相手方ら各自に対し、上記期間経過の翌日から履行済みまで、1日につきそれぞれ1万円の割合による金員を支払うよう命ずる間接強制決定をすべきものとしたため、抗告人が許可抗告した事案において、抗告人が別件仮処分決定により本件各排水門を開放してはならない旨の義務を負ったという事情があっても、執行裁判所は本件確定判決に基づき抗告人に対し間接強制決定をすることができるとし、抗告人主張のその余の事情も間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではないとし、これと同旨の原審の判断は正当として是認することができるとして、本件抗告を棄却した事例。
2014.12.16
公金支出差止等(住民訴訟)請求控訴事件(八ッ場ダム控訴事件)
LEX/DB25505060/東京高等裁判所 平成26年10月7日 判決 (控訴審)/平成22年(行コ)第300号
埼玉県の住民である控訴人らが、国の国土交通省を事業主体として利根川水系吾妻川に設置予定の多目的ダムである八ッ場ダムの建設事業について、同ダムは、治水上及び利水上の必要性がない違法な事業であり、同事業に関する負担金等の支出が違法であるなどとして、地方自治法242条の2第1項1号に基づき、被控訴人埼玉公営企業管理者に対し、八ッ場ダムに関する特定多目的ダム法7条に基づく建設費負担金並びに水源地域対策特別措置法12条1項1号及び2号に基づく水源地域整備事業の経費負担金の各支出の差止めを求めた等の事案の控訴審において、特ダム法負担金納付通知を根拠とする被控訴人埼玉県公営企業管理者の特ダム法負担金の支出に関する行為は、その職務上負担する財務会計法規上の義務に違反する違法なものということはできない等として、控訴人らの本件控訴をいずれも棄却する等した事例。
2014.12.16
内海ダム再開発事業認定処分取消請求事件(第1事件)、内海ダム再開発工事収用裁決等取消請求事件(第2事件)
LEX/DB25505091/高松地方裁判所 平成26年10月6日 判決 (第一審)/平成21年(行ウ)第9号等
参加人らが起業者となっている「二級河川別当川水系別当川内海ダム再開発工事並びにこれに伴う県道及び町道付替工事」の土地収用対象地内の土地所有者等及び立木所有者である原告らが、前記事業に係る事業認定が 土地収用法20条3号に違反するとして、被告国に対し、前記事業認定の取消しを求め(第1事件)るとともに、前記事業認定に係る権利取得裁決及び明渡裁決の対象とされた土地の所有者及び同土地内の立木や看板の所有者である原告らが、本件収用裁決に関し、前記事業認定に係る違法を承継するとして、被告である香川県に対し、本件収用裁決の取消しを求め(第2事件)た事案において、第1事件の一部の原告らの訴えを却下し、その余の各事件原告らの請求をいずれも棄却した事例。
2014.12.09
覚書無効確認請求控訴事件(西いぶり広域連合 VS 三井造船(株)(株)日本製鋼所)
LEX/DB25504983/札幌高等裁判所 平成26年9月16日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第169号
地方公共団体の広域連合である原告(控訴人)が、その設置に係るごみ処理施設について、多額の保守管理費が発生しているのは、本件施設の建設を請け負った被告ら(被控訴人)において、その建設請負契約上保証した性能を満たしていないことによるものであって、いまだその保証期間は満了しておらず、同契約に基づく被告らの性能保証責任は存続しているなどと主張して、被告らが上記性能保証責任を負っていることの確認を求めたところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、被告らの性能保証責任が存続していること自体を確認したとしても、保守管理費の増加分が性能保証事項の違反による追加費用に当たるか否かという本質的な問題が解決されず、本件紛争の直接的かつ抜本的な解決とはならないとし、控訴を棄却した事例。
2014.12.02
強制執行停止申立事件
LEX/DB25504882/佐賀地方裁判所 平成26年9月5日 決定 (第一審)/平成26年(モ)第2号
申立人(国)が、被申立人ら(諫早湾内等で漁業に従事する者ら)に対して、被申立人らを含む者らを原告、申立人を被告とする、諫早湾土地改良事業としての土地干拓事業において設置された堤防の各排水門の解放を命じた佐賀地裁判決に係る諫早湾開門請求権について、請求異議の事由があるとして、佐賀地方裁判所に提起した請求異議の訴えの判決において強制執行停止決定に対する裁判があるまで佐賀地裁判決に基づく強制執行の停止を求めた事案において、申立てを認め、強制執行の停止を言い渡した事例。