注目の判例

労働法

2014.10.21
療養補償給付不支給処分取消請求控訴事件
LEX/DB25504684/東京高等裁判所 平成26年8月29日 判決 (控訴審)/平成26年(行コ)第192号
財団法人静岡県生活科学検査センターにおいて業務に従事していた控訴人(原告)が、業務に起因して、心肺停止、蘇生後低酸素脳症になったと主張して、処分行政庁(労働基準監督署長)に対し療養補償給付の支給を請求したところ、処分行政庁は不支給決定をしたため、被控訴人(被告・国)に対して、当該処分の取消しを求めた事案の控訴審において、本件疾病は、労働者災害補償保険法7条1項1号にいう業務上の疾病に当たるというべきであるとして、原判決を取り消した上、控訴人の請求を認容した事例。
2014.10.14
地位確認等請求控訴事件
LEX/DB25504687/大阪高等裁判所 平成26年9月11日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第1083号
学校法人である被告(被控訴人)が設置する大学院の教授であった原告(控訴人)が、就業規則に定められた定年延長の規定が適用されず定年退職の扱いとなったことについて、解雇権の濫用法理の類推適用によって無効であるとして、被告に対し、労働契約上の地位にあることの確認等を求めたところ、請求が棄却されたため、控訴した事案において、定年延長の手続等については教授会の申合せがされ、実際に定年延長に関する議案が教授会に提案されて、実質的な審議が行われているのであるから、教員本人が希望する場合には原則として定年の延長がされることが前提となっていたということはできないとし、控訴を棄却した事例。
2014.09.30
損害賠償請求事件(HIV感染で就労制限)
LEX/DB25504586/福岡地方裁判所久留米支部 平成26年8月8日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第7号
被告の経営する病院の看護師であり、HIV陽性と診断された原告が、かかる診断結果を入手した被告病院の医師及び職員らにおいて原告の同意なく被告病院の他の職員らに伝達して情報を共有したことは、個人情報保護法に反し、原告のプライバシーを侵害する不法行為であり、その後、HIV感染を理由に原告の就労を制限したことが原告の働く権利を侵害する不法行為であるとして、被告に対し、民法715条に基づき、損害賠償を求めた事案において、上記の情報共有は、個人情報保護法23条1項には違反しないが、情報伝達行為は、個人情報保護法16条1項が禁ずる目的外利用に当たるところ、原告の上記情報を本人の同意を得ないまま同法に違反して取り扱った場合には、特段の事情のない限り、プライバシー侵害の不法行為が成立し、本件において、特段の事情は認められないなどとして、請求の一部を認容した事例。
2014.09.30
 
LEX/DB25504593/最高裁判所第三小法廷 平成26年7月29日 決定 (上告審)/平成26年(オ)第311号等
上告人兼申立人(被告、控訴人。ホテル等を経営する株式会社)に雇用されていた被上告人兼相手方(原告、被控訴人)らが、上告人兼申立人のなした懲戒解雇は無効であるとして、雇用契約上の地位確認及び解雇後の賃金の支払いを求め、第一審は地位確認請求及び賃金の一部を認容し、第二審が控訴を棄却したため、上告した事案において、上告を棄却し、また、上告審として受理しないとの決定をした事例。
2014.09.09
損害賠償請求控訴事件(原判決変更)
LEX/DB25504460/大阪高等裁判所 平成26年7月18日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第3095号
被控訴人(医療法人。被告)が開設する病院において看護師として勤務していた控訴人(原告)が、育児休業をしたところ、控訴人が、3か月以上の育児休業をした者は翌年度の職能給を昇給させない旨の就業規則の定めがあるとして、職能給を昇給させず、また、昇格試験の受験資格を認めず、受験の機会を与えなかったことについて、育児介護休業法10条によって禁止される不利益取扱いに該当し、公序良俗に反する違法行為であると主張して、被控訴人に対し、不法行為に基づき、昇給、昇格していれば得られたはずの給与、賞与及び退職金の額と実際の支給額との差額並びに慰謝料の支払いを求め、原審は、慰謝料の一部を認容した事案において、昇給分の給与及び賞与との差額並びに慰謝料の一部の請求を認め、その余の請求は棄却した事例。
2014.09.09
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25504459/大阪高等裁判所 平成26年7月17日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第1133号
農林漁業金融公庫の職員であった亡甲が、公庫において担当していた業務が過重であったために精神疾患を発症し、これによる希死念慮によって自殺したと主張して、亡甲の相続人である一審原告らが、公庫に対し(一審係属中に公庫は解散し、一審被告が訴訟を承継した)、損害賠償金を請求し、一審は、請求を一部認容、一部棄却をし、双方が控訴をした事案において、亡甲の発症した疾病と亡甲が公庫で担当した業務との間に相当因果関係があるとはいえないとして、一審被告の控訴を認容して、原判決を取り消し、一審被告の敗訴部分を取り消し、一審原告らの各請求を棄却した事例。
2014.08.26
教授任命無効確認請求控訴事件
LEX/DB25504343/名古屋高等裁判所金沢支部 平成26年7月16日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第59号
被控訴人(被告)の設置する本件大学の医学部の教授の地位を有する控訴人(原告)らが、被控訴人の理事長において、Aを本件大学の消化器内視鏡学講座の教授に任命した行為が無効であることの確認を求めた事案の控訴審において、Aは、被控訴人と雇用契約を締結して雇用されている者にすぎず、また、控訴人らも、被控訴人と雇用契約を締結して雇用されている者にすぎないから、Aが本件大学医学部の教授たる地位にないことの確認の訴えにおいて、上記のような控訴人らが法律上の利害関係を有するものと認めることはできず、したがって、控訴人らに原告適格があるとして、同人らの請求を棄却した原判決を取り消し、訴えを却下した事例。
2014.08.19
懲戒免職処分取消請求事件
LEX/DB25504359/熊本地方裁判所 平成26年7月4日 判決 (第一審)/平成25年(行ウ)第17号
阿蘇市の職員であった原告が、酒気帯び運転を理由として阿蘇市長から懲戒免職処分を受けたところ、当該懲戒免職処分は裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用してなされたもので違法であるとして、その取消しを求めた事案において、本件懲戒処分は原告にとって有利な事情を適切に考慮せずになされた処分であり、本件非違行為の動機や態様に酌むべき点がないことを考慮してもなお重きに失するものであって、社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法な処分であったと評価するのが相当であるとして、原告の請求を認容した事例。
2014.08.19
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25504372/仙台高等裁判所 平成26年6月27日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第283号
一審被告会社の宇都宮営業所に勤務していた一審原告らの亡長男が、連日の長時間労働のほか、上司であった一審被告甲からの暴行や執拗な叱責、暴言などのいわゆるパワハラにより精神障害を発症し、自殺するに至ったと主張して、遺族である一審原告らが、一審被告会社に対しては不法行為又は安全配慮義務違反に基づき、一審被告甲に対しては、不法行為に基づき、損害賠償金の支払いを求め、原審が一審被告会社に対する請求の一部を認容し、その余を棄却し、双方が控訴をした事案において、一審原告らの控訴を一部認容し、一審被告会社及び一審被告甲に対して、連帯して損害賠償金の支払いを命じた事例。
2014.08.05
生活保護変更決定取消等請求控訴事件
LEX/DB25504279/仙台高等裁判所秋田支部 平成26年6月30日 判決 (控訴審)/平成25年(行コ)第1号
生活保護を受給している控訴人(原告)らが、平成16年3月までは老齢加算により加算された生活保護費の給付を受けていたところ、同年4月以降、厚生労働大臣が老齢加算を段階的に廃止する内容に生活保護基準を改定し、同月から生活保護費が減額されたことによって生存権が侵害されたなどとして、被控訴人(被告。秋田市・能代市)らに対し、居住地の各福祉事務所長が行った減額変更処分の取消しを求め、加えて、減額された老齢加算相当額の支払いの義務付けを求め、原審が、義務付請求は却下し、その余の請求を棄却した事案において、死亡した控訴人の請求に関する部分は終了したものとし、その余の控訴を棄却した事例。
2014.08.05
三井金属神岡鉱山じん肺損害賠償請求事件
LEX/DB25504278/岐阜地方裁判所 平成26年6月27日 判決 (第一審)/平成21年(ワ)第585号等
被告らの所有管理する鉱山において、被告ら又はその下請会社との間の雇用契約に基づき稼働していた従業員又はその遺族が、被告らの安全配慮義務違反によってじん肺に罹患したなどと主張し、被告らに対し、債務不履行に基づく損害賠償金の連帯支払いを求めた事案において、原告らの一部に生じた損害が被告らの安全配慮義務違反のいずれか又はこれが競合して発生したことは明らかであるものの、現実に発生した損害の一部又は全部がそのいずれによってもたらされたかを特定することができない場合に当たるので、民法719条1項後段の類推適用に基づき、原告らの一部の被った損害と、被告らの各安全配慮義務違反との間の因果関係が推定されるところ、被告らは、事故の寄与度の主張及び立証をしていないので、連帯して賠償責任を負うとして、一部の原告らについて、請求を一部認容した事例。
2014.07.22
地位確認等請求控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25504242/東京高等裁判所 平成26年6月5日 判決 (控訴審)/平成24年(ネ)第3123号等
被控訴人(被告。航空会社)がその従業員である控訴人(原告)らを整理解雇したところ、控訴人らが、整理解雇は無効であると主張して、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認及び解雇後の賃金等の支払いを求め、原審は、地位確認請求をいずれも棄却し、金銭請求については、一部の控訴人の請求を一部認めたため、当事者双方が控訴した事案において、当該解雇は、整理解雇の要件を充足していて、管財人が有する権限を濫用したものとも、また不当労働行為とも認めることができず、これを無効と言うことはできないから、原判決は相当であるとして、控訴及び附帯控訴をいずれも棄却した事例。
2014.07.22
地位確認等請求控訴事件
LEX/DB25504241/東京高等裁判所 平成26年6月3日 判決 (控訴審)/平成24年(ネ)第3458号
被控訴人(被告。航空会社)の前身である訴外会社は、会社更生手続が終結しているところ、控訴人(原告)らは、客室乗務員として訴外会社に勤務し、労働組合の組合員であったが、訴外会社の更生手続開始前に解雇されたが、被控訴人に対し、解雇は無効である旨主張して、労働契約に基づき、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認を求めるとともに、各賃金相当額の支払いを求めところ、原審は、請求をいずれも棄却したため、控訴人らが控訴した事案において、解雇に係る人員削減実行の必要性を認め、その実施目的、実施規模、実施時期のいずれについても、管財人に委ねられた合理的な経営判断の下でされたものと認められるなどとして、控訴をいずれも棄却した事例。
2014.07.15
損害賠償請求事件
LEX/DB25504035/千葉地方裁判所松戸支部 平成26年5月16日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第863号
相撲部屋に入門した元力士である原告甲及び原告乙が、原告甲については、同部屋所属の行事である被告丙から、たびたびセクハラ行為を受けたことにより引退を余儀なくされたとして、丙に対しては不法行為に基づき、同部屋の経営者である故親方の相続人ら(被告丁ら)に対しては使用者責任に基づき、損害賠償金の支払いを、原告乙については、担当した食事であるちゃんこの味付けが薄いことに立腹した故親方から、直接又は同人の指示を受けた力士を介して暴行を受けたことにより、引退を余儀なくされたとして、被告丁らに対し、不法行為に基づく損害賠償金の支払いを求めた事案において、原告らの主張を認めず、請求をいずれも棄却した事例。
2014.07.15
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25504032/高松高等裁判所 平成26年5月15日 判決 (控訴審)/平成24年(ネ)第282号
被控訴人(被告)社会福祉法人の設置運営する知的障害者地域生活支援センターにおいて、同施設に入院していた控訴人(原告)甲が、小腸断裂による急性汎発性腹膜炎となり、その結果、重大な後遺症を負うに至ったことについて、甲の小腸断裂は、被控訴人(被告)丁の暴行によるものであり、被控訴人社会福祉法人及び同施設の最高経営責任者である被控訴人(被告)丙は、丁を指揮監督し、暴行を防止すべきであったなどとして、不法行為等に基づく損害賠償金の支払いを求め(第1事件)、また、控訴人らが、被控訴人社会福祉法人及び被控訴人丙に対して、約定のサービスを提供しなかったとして不法行為ないし債務不履行に基づく慰謝料の支払いを求め(第2事件)、原審が請求をいずれも棄却した控訴人が控訴した事案において、原判決を一部変更し、丁による暴行の事実を認め、被控訴人社会福祉法人及び被控訴人丙に対する請求を一部認容した事例。
2014.07.08
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25504017/東京高等裁判所 平成26年5月21日 判決 (控訴審)/平成26年(ネ)第419号
控訴人(被告、千葉県)が設置するがんセンターの手術管理部に勤務する麻酔科の医師であった被控訴人(原告)が、同部の部長を通すことなく、同センターのセンター長に直接上申したところ、同部長から、一切の手術の麻酔担当から外すなどの報復を受け、退職を余儀なくされたとして、国家賠償法1条1項又は民法715条1項に基づく損害賠償として賠償金の支払いを求め、原審は、慰謝料として50万円の限度で被控訴人の請求を認容し、控訴人が控訴をしたとの事案において、原判決を変更し、控訴人の支払うべき金額を30万円に減額した事例。
2014.07.08
地位保全等仮処分申立事件
LEX/DB25503988/京都地方裁判所 平成26年5月13日 決定 (第一審)/平成25年(ヨ)第443号
債務者が設置する大学院の教授として勤務していた債権者が、定年が延長されなかったことは債務者による債権者の解雇処分又は解雇に準ずる処分であり、当該処分には合理的な理由がないとして、仮の地位保全及び賃金の仮払を求めた事案において、債権者は賃金の仮払を求めるところ、債権者に対しては、既に多額の賃金が支払われており、定年延長がされないとすれば退職金が支給される予定であると認められるから、債権者につき賃金の仮払を必要とする事情があるものとは認められないと示し、また、債権者は、仮の地位保全を求めるところ、これを必要とする事情として、債権者の指導を受ける大学院及び大学学部の学生らが、以後、債権者からの指導を受け得ないことによる不都合を主張するが、同学生らに生じる不都合が、債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためとの保全の必要性に当たらないことは明らかであるとして、本件申立てを却下した事例。
2014.06.17
生活保護変更決定取消等(甲事件)、同参加事件(乙事件)控訴事件
LEX/DB25503699/広島高等裁判所 平成26年3月26日 判決 (控訴審)/平成21年(行コ)第2号
平成16年ないし平成17年に生活保護法に基づく各処分庁から保護決定を受けた一審原告32名が、生活保護を廃止する本件各決定は違法であると主張して、その取消しと、これに基づいて減額された生活保護費と従前の保護費との差額の支払を求めたところ、原審は、一審係属中に死亡した5名は、その死亡により訴訟終了を宣言し、その余の一審原告らの請求のうち原審口頭弁論終結後の保護期間に対応する本件金銭請求は将来請求の要件を欠くもので不適法であるとして却下し、その余の請求は、本件各決定は違法とは認められず理由がないとして棄却したため、原判決を不服として、控訴人らが控訴した事案において、生活保護給付を求める権利は、当該被保護者の死亡によって当然消滅し、相続の対象となり得ないと解され、また、本件各決定が違法とは認められないとし、死亡により終了した控訴人5名を除く控訴人らの控訴を棄却した事例。
2014.06.10
給与等請求事件
LEX/DB25503761/名古屋地方裁判所 平成26年4月23日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第2624号
被告が設置する大学の准教授である原告が、被告に対し、被告の業務命令に従った労務を原告が提供できなかったのは、被告の責めに帰すべき事由によるものであると主張して、給与及び賞与の支払等を求めた事案において、被告は、自宅待機命令以降、原告からの労務の提供を受けることを拒否し続ける一方で、自宅待機を名目的に解除するために実質に欠ける資格支援講座担当命令を、原告の体調に対する配慮をも欠いたまま発しているものと認められるから、本件各命令は、業務上の必要性に乏しく、かつ、使用者の安全配慮義務を尽くそうとすることなく発せられたものとして違法との評価を免れず、実施的には原告の労務提供の受領を拒絶する状態が継続しているものと解するのが相当であり、原告には、本件各命令に従う義務はなく、原告が被告に対して労務を提供できないのは、被告の責めに帰すべき事由による履行不能と認められるとし、請求を認容した事例。
2014.06.03
雇用関係存在確認等請求事件(甲事件)、損害賠償等請求事件(乙事件)
LEX/DB25503741/鳥取地方裁判所 平成26年4月23日 判決 (第一審)/平成22年(ワ)第320号等
被告学園(学校法人)と雇用契約を締結していた原告甲が、懲戒解雇されたところ、同解雇を不服として、被告学園に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることの確認及び解雇後の賃金を求め、さらに、被告学園の理事長であった被告乙と元鳥取県議会議員であった被告丙が、甲に対し、共同して、違法な退職勧奨及び違法な解雇をした旨主張して、乙及び丙に対しては、共同不法行為による損害賠償請求権に基づき、被告学園に対しては、私立学校法29条に基づき、損害賠償金の支払いを求めた事案(甲事件)、及び、被告学園と委任契約を締結していた原告戊が、懲戒解任されたところ、同解任を不服として、被告学園に対し、解任後の報酬等を請求した事案(乙事件)において、甲の請求を一部認容し、その余の請求を棄却した事例。