注目の判例

労働法

2014.02.04
残業代等請求事件
LEX/DB25446157/最高裁判所第二小法廷 平成26年1月24日 判決 (上告審)/平成24年(受)第1475号
上告人(一審被告)に雇用されて添乗員として旅行業を営む会社に派遣され、同会社が主催する募集型の企画旅行の添乗業務に従事していた被上告人(一審原告)が、上告人に対し、時間外割増賃金等の支払を求めた事案の上告審において、上告人は、上記添乗業務については労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるとして所定労働時間労働したものとみなされるなどと主張したが、業務の性質、内容やその遂行の態様、状況等、本件会社と添乗員との間の業務に関する指示及び報告の方法、内容やその実施の態様、状況等に鑑みると、本件添乗業務については、これに従事する添乗員の勤務の状況を具体的に把握することが困難であったとは認め難く、労働基準法38条の2第1項にいう「労働時間を算定し難いとき」に当たるとはいえないと解するのが相当であるとして、本件上告を棄却した事例。
2014.01.28
再任用拒否処分取消等請求事件(東京都(再任用拒否)事件)
LEX/DB25501502/東京地方裁判所 平成25年7月8日 判決 (第一審)/平成22年(行ウ)第411号
原告が、被告が原告に対してした再任用拒否処分は、被告の再任用選考に係る裁量権の逸脱、濫用に当たるとして、前記再任用拒否処分の取消し、再任用職員としての採用の義務付けを求めるとともに、国家賠償法1条1項に基づき、再任用された場合の報酬相当額、期末勤勉手当、期待権の侵害による慰謝料及び弁護士費用の各支払を求めた事案において、再任用拒否処分の取消しを求める部分及び再任用職員として採用する旨の義務付けを求める部分をいずれも却下し、その余の請求を棄却した事例。
2014.01.14
地位確認等請求事件
LEX/DB25502366/東京地方裁判所 平成25年11月12日 判決 (第一審)/平成24年(ワ)第14574号
原告らが、被告(株式会社リコー)による出向命令について、業務上の必要性及び人選の合理性を欠き原告らに著しい不利益を与えるものである上、原告らに自主退職を促す不当な動機・目的に基づくものであるから出向命令権の濫用として無効であるなどと主張して、被告に対し、上記出向命令に基づく出向先において勤務する労働契約上の義務が存在しないことの確認、原告らへの退職強要行為又は退職に追い込むような精神的圧迫の差止め、並びに労働契約上の信義誠実義務違反及び不法行為に基づく損害賠償を求めた事案において、本件出向命令は、事業内製化による固定費の削減を目的とするものとはいい難く、人選の合理性(対象人数、人選基準、人選目的等)を認めることもできないから、原告らの人選基準の一つとされた人事評価の是非を検討するまでもなく、本件出向命令は、人事権の濫用として無効というほかないとする一方、本件出向命令が不法行為にあたるとはいえず、また、一連の退職勧奨は、説得活動として社会通念上相当と認められる範囲の正当な業務行為であったというべきであるとして、原告らの請求を一部認容、一部棄却した事例。
2014.01.14
地位確認等請求控訴、同附帯控訴事件
LEX/DB25502110/東京高等裁判所 平成25年7月18日 判決 (控訴審)/平成25年(ネ)第2937号等
控訴人の従業員であった被控訴人が、同人が酒気帯び運転をして事故を起こした上、事故現場から逃走するという本件非違行為を理由に控訴人を懲戒解雇されたことから、主位的には労働契約上の地位確認等を、予備的には退職金の支払を求めたところ、予備的請求の一部が認容されたため、控訴人が敗訴部分について控訴した事案において、本件非違行為が被控訴人のそれまでの永年の勤続の功を抹消するほどの重大な不信行為であるとまではいえないが、これを相当程度減殺するものであるとして、控訴を棄却した事例。
2014.01.14
文書提出命令申立についてした決定に対する抗告事件(ニチアス(石綿曝露・文書提出命令)事件)
LEX/DB25502326/大阪高等裁判所 平成25年6月19日 決定 (抗告審)/平成25年(ラ)第220号
本案事件は、原審相手方の元従業員である原審申立人らが、原審相手方の本件工場において十分な安全対策の施されないまま職務に従事したため、石綿粉じんの曝露を受け、石綿関連疾患に罹患したと主張して、原審相手方に対し、安全配慮義務違反の債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を求めた事件で、本件において、原審申立人らは、本件工場においてどの作業場所でどの時期に粉じんが飛散していたかを明らかにするためとして、民事訴訟法220条4号に基づき、本件文書1(3)等の提出を求めた事案の抗告審において、本件文書4ないし9の提出を求める申立ては、文書の表示及び趣旨の特定を欠く不適法な申立てであるとして、本件文書1(1)ないし(3)の提出を命じ、本件文書4ないし9の提出の申立てをいずれも却下した原決定は相当であるとして、原審申立人ら及び原審相手方の本件各抗告をいずれも棄却した事例。
2013.12.24
未払賃金等請求事件(帝産キャブ奈良事件)
LEX/DB25502181/奈良地方裁判所 平成25年3月26日 判決 (第一審)/平成23年(ワ)第825号
原告ら乗務員が、タクシー事業を営む被告に雇用されてタクシー乗務員として勤務していたが、本件請求期間の勤務に対して被告から支払われた賃金が最低賃金を下回っており、さらに原告の一部については割増賃金の一部に未払がある等主張して、被告に対し、雇用契約に基づく賃金請求として、未払賃金等の支払を求めた等の事案において、被告が第1次精算を行ったことをもって、被告において、平成21年10月20日以前の勤務に係る、第1次精算により支払われる金員以外の原告ら乗務員の未払賃金債権につき承認したと認めることはできず、時効の中断ないし時効援用権の喪失があったと認めることはできないとし、そして、被告による時効の援用が権利濫用に当たると認めるに足りる事情もないから、同日以前に支払期の到来した平成21年9月度分以前の勤務に係る請求権については、時効により消滅したと示しつつ、原告らの請求を一部認容した事例。
2013.11.19
割増賃金等請求事件
LEX/DB25502051 / 京都地方裁判所 平成25年10月9日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第3988号
被告(飲食店の経営を主たる業とする株式会社)に勤務していた原告が、被告に対し、時間外手当、付加金等の請求をした事案において、勤務時間は原告主張のとおりであるとして時間外手当を認定した上、うち一部は時効消滅したものとして算定し、付加金についても一部を認めるなどして、請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.11.19
 
LEX/DB25502094 / 最高裁判所第三小法廷 平成25年9月24日 決定 (上告審 / 平成23年(オ)第1510号等)
原告ら(被控訴人、被上告人兼相手方)の子であるGが、被告会社(控訴人、上告人兼申立人)に入社し、被告会社が運営する店舗で勤務していたところ、急性左心機能不全により死亡したことにつき、Gの死亡の原因は長時間労働にあると主張して、原告らが、被告会社及び被告会社の取締役である被告らに対し、損害賠償を求めたところ、原判決が、請求を一部認容した第一審判決を維持したため、被告らが上告した事案において、民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民事訴訟法312条1項又は2項に限られるところ、本件上告理由は、理由の不備をいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しないとし、上告を棄却した事例。
2013.11.12
地位確認等請求控訴事件(日本ヒューレット・パッカード(解雇)事件)
LEX/DB25501743 / 東京高等裁判所 平成25年3月21日 判決 (控訴審) / 平成24年(ネ)第5253号
被控訴人に雇用されていた控訴人が、被控訴人が控訴人に対してした本件解雇の効力を争い、被控訴人に対し、労働契約上の地位にあることの確認を求めるとともに、未払賃金の支払等を求めた事案の控訴審において、控訴人の言動が、被控訴人と取引先との間の信頼関係を毀損したばかりでなく、被控訴人の会社内部の円滑な業務遂行に支障を生じさせたことは明らかであり、控訴人については、被控訴人就業規則37条8号の「勤務態度が著しく不良で、改善の見込みがないと認められるとき」に該当するというべきであると示し、控訴人が労務軽減等の配慮を必要とするほどの精神的不調を抱えていたと認めることはできないし、被控訴人が控訴人を排除する意図で不当な対応を繰り返していたと認めることもできず、結論として、本件解雇は有効なものというべきであるとして、本件控訴を棄却した事例。
2013.11.05
時間外手当等請求事件
LEX/DB25501773 / 奈良地方裁判所 平成25年9月24日 判決 (第一審) / 平成20年(行ウ)第15号
被告(奈良県)が開設、運営している病院において産婦人科の医師として勤務する原告らが、被告病院における宿直勤務及び日直勤務等から要請があった場合に診療等に当たるために当番制で行われている自宅等での待機は時間外勤務、休日勤務及び深夜勤務に当たり、原告らは時間外勤務等に従事したにもかかわらず、被告が相応する割増賃金を支払わないと主張して、被告に対し、労働基準法37条の割増賃金又は不法行為に基づく損害賠償として、割増賃金の未払分等の支払いを請求した事案において、被告は労基法上定められた割増賃金を支払うべき義務があるとして、原告らの請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.11.05
地位確認等請求事件
LEX/DB25501769 / 東京地方裁判所 平成25年9月12日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第12298号
被告(財団法人日本相撲協会)との間で力士所属契約を締結した被告所属の力士である原告が、被告がした懲戒処分としての解雇が無効であると主張して、被告に対し、主位的請求として、原告の番付階級が大関であることの確認並びに未払賃金、旅費及び日当、交通費の支払い等を求め、予備的請求1として、被告の寄附行為36条に定める力士として権利を有することの確認を求め、予備的請求2として、同所属契約が終了したことを前提とする力士養老金及び勤続加算金、預かり懸賞金の支払い等を求めた事案において、解雇は相当であるとして、原告の請求をいずれも棄却した事例。
2013.10.29
地位確認等請求事件
LEX/DB25501644 / 札幌地方裁判所 平成25年 7月30日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第3390号
 被告(郵便事業株式会社を承継した会社)に期間雇用社員として雇用され、雇用期間を概ね6か月として契約更新を繰り返してきた原告が、同社の経営改善の必要上、人件費削減のために、雇用期間満了をもって雇止めとされたことは許されないとして、被告に対し、雇用契約上の権利を有する地位の確認並びに雇止め後から判決確定日までの月額賃金、賞与の支払い及び遅延損害金の支払いを求めた事案において、原告の雇止めは、雇止め回避のための努力を十分に尽くさなかったものであり、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないから、許されないとして、原告の請求を全部認容した事例。
2013.10.29
損害賠償請求控訴事件
LEX/DB25501642 / 広島高等裁判所 平成25年 7月18日 判決 (控訴審) / 平成23年(ネ)第251号
 事務系の女性従業員として被控訴人(一審被告、電力会社)に雇用され、営業所に勤務している控訴人(一審原告)が、職能等級の昇格、職位の昇進において、女性であることを理由に不当な差別的取扱いを受けて、本来あるべきものより低い職能等級及び職位にされているなどとして、被控訴人に対し、不法行為に基づく損害賠償等の支払い、過去の一定の時期から現在まで一定の職能等級にあること及び主任の職位にあることの確認を求め、原審は、確認を求める訴えは不適法であるとして却下し、その余の請求を棄却したとの事案において、原判決を変更し、確認を求める訴えについて期間を特定した上で却下し、その余の請求を棄却した事例。
2013.10.22
公務外認定取消請求事件
LEX/DB25501699 / 神戸地方裁判所 平成25年 6月25日 判決 (第一審) / 平成22年(行ウ)第71号
 原告が、豊岡市職員であった亡夫の自殺は、公務に伴う心理的負荷によって罹患したうつ病の自殺念慮の発作から引き起こされたものであるとして、地方公務員災害補償法に基づく公務上災害認定請求をしたところ、処分行政庁は、同人の自殺を公務外の災害と認定する処分をしたため、被告(地方公務員災害補償基金)に対して同処分の取消しを求めた事案において、同人は、うつ病によって正常の認識、行為選択能力が著しく阻害され、又は自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態で自殺が行われたものと推定され、公務起因性を認めることができるとして、原告の請求を全部認容した事例。
2013.09.10
地位確認等請求事件(アシスト事件)
LEX/DB25500473 / 東京地方裁判所 平成25年 3月29日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第39263号
 原告が、被告(梱包及び解梱請負事業、労働者派遣事業などを行う会社)に対し、雇用契約及び労働基準法に基づき、(1)地位確認、(2)未払賃金並びに(3)割増賃金及び(4)これに伴う付加金の各支払を求めた事案において、本件明示の退職合意、同黙示の退職合意及び権利濫用の抗弁はいずれも理由がないとして、本件雇用契約は、なお消滅することなく存続しているところ、被告は、本件明示の退職合意等を主張して、原告が労働契約上の権利を有する地位にあることを争ったが、原告には地位確認の利益が認められ、一部認容された事例。
2013.09.03
懲戒処分無効確認等請求事件
LEX/DB25501535 / 横浜地方裁判所 平成25年 7月11日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第5331号
 被告は、大学を運営する公立大学法人であり、原告は、同大学医学研究科に教授として勤務していたが、被告が原告に対して行った停職4か月の懲戒処分が無効であり、原告は同処分によって精神的苦痛を受け名誉を毀損されたとして、同処分が無効であることの確認を求めるとともに、被告に対し、慰謝料の支払い及び謝罪広告等の掲載を求めた事案において、原告に対する同処分が、他の教員に対する処分と比較しても著しく不合理とまではいえず、同処分を行うに当たり、被告に裁量権の逸脱濫用があったということはできず、不法行為も成立しないとして、確認請求を却下し、その余の請求を棄却した事例。
2013.08.06
公務外認定処分取消請求控訴事件
LEX/DB25445725 / 名古屋高等裁判所 平成25年 5月15日 判決 (控訴審) / 平成23年(行コ)第5号
 控訴人が、その夫であり、教育委員会事務局教育課の教育課長であった亡Aが、勤務中に心室細動により死亡したことについて、亡Aの死亡がその公務に起因するものであるとして、公務災害認定請求をしたところ、公務外の災害と認定する旨の処分を受け、これに対する審査請求及び再審査請求を棄却するとの各裁決がされたため、公務外認定処分の取消しを求めた事案において、公務による過大な負荷が亡Aの基礎疾患である拡張型心筋症をその自然的経過を超えて増悪させ、亡Aを死亡させたものと認められるから、公務と亡Aの死亡との間には相当因果関係があるとして、原判決を取り消し、控訴人の請求を認容した事例。
2013.08.06
損害賠償請求事件
LEX/DB25501359 / 神戸地方裁判所 平成25年 6月12日 判決 (第一審) / 平成23年(ワ)第1062号
 被告(非破壊検査を主たる事業とする会社)の従業員であった亡夫が、被告における過重な労働によりうつ病を発症し、自殺に至ったとして、同人の妻である原告が、被告に対し、債務不履行ないし不法行為に基づき、損害賠償等を求めた事案において、同人の被告における労働がうつ病罹患の原因であり、うつ病が重症化し、自殺に至ったと認めた上、被告には労務管理上の安全配慮義務違反があったとして、原告の請求を一部認容、一部棄却した事例。
2013.08.06
損害賠償請求事件
LEX/DB25501362 / 仙台地方裁判所 平成25年 6月25日 判決 (第一審) / 平成22年(ワ)第1836号
 被告会社に勤務していた原告らの長男が、連日の長時間労働のほか、被告上司からの暴行や執拗な叱責、暴言などのいわゆるパワーハラスメントにより精神障害を発症し、自殺するに至ったと主張して、遺族である原告らが、被告会社に対しては安全配慮義務違反の債務不履行又は不法行為による損害賠償請求権に基づき、被告上司に対しては不法行為による損害賠償請求権に基づき、損害賠償を請求した事案において、被告会社については安全配慮義務違反の不法行為の成立を認め、他方で、被告上司については不法行為法上の責任を負うものとは認められないとして、被告会社に対する請求についてのみ一部認容した事例。