1997年1月号Vol.2

【ユーザー訪問】高齢化社会の到来に向かってより良い住民サービスを

長野県大岡村

総務課 市河義勝課長 / 総務課企画財政係 平林富一郎係長

所在地
長野県更級郡大岡村乙287
電話
026-266-2121
人口
1,700人
面積
45.68平方キロメートル

──大岡村がOA化に取り組まれたのはいつ頃からですか。

市河 昭和51~52年にかけて住民税、固定資産税、軽自動車税など税関係の処理をある委託業者へ外部委託したのが初めです。その後、58年にワープロ専用機を導入して業務に活用していましたが、本格的に庁内のコンピュータ化に取り組んだのは平成2年4月でした。職員の間で「今後の行政の在り方を考えるとコンピュータ導入は欠かせない」という意識が高まったことがきっかけでした。
そこで、若手職員でOA検討委員会を組織し、翌年4月、ある業者から財務・住記・税務関係の処理を行うオフコンシステムを導入しました。

──そして今年、TKCのクライアント/サーバー(C/S)システムへ移行されたわけですね。

平林 はい。実は、昨年の10月に重大な問題点に気づいたんです。以前のシステムは5年リースで、リース切れの後もこのまま使えると、甘い考えでいたのですが、思い違いであることが分かりました。そこで、急遽、新システムの導入を計画、どうせ新システムを導入するのであれば、いろいろな業者のシステムを見てみようではないかと考えたわけです。

市河 以前のシステムには不満もありました。その原因はシステムの提供会社だけではなく、我われにも責任の一端がありました。何しろ初めてのコンピュータ導入でしたので、従来行っていた手作業の感覚をオフコンのシステムに求めたため、仕事がスムーズに進まなかったこともあり、システム提供会社に対する不満も募っていきました。そこで「この際、将来、何をするかを考えたシステムへ切り替えよう」と考え、前回の失敗した経験を活かして「新システムの導入では、従来のことは一切忘れて考え方を切り替えよう」と職員で話し合いました。

職員全員で新システムを選択

──TASKシリーズを選ばれた理由は何だったのでしょうか。

市河 まず、画面が見やすかったこと。第2に次に行おうとする処理がすべて画面上で指示されるので分かりやすいことが挙げられます。デモの時も、みんな初めて触れたにも関わらず楽に操作していました。これは大きなポイントでしたね。

平林 また「なるべく機械に触れたくない」という年配の職員が気掛かりでした。TASKシリーズの視察へ伺った市町村で、年配の方にその点を質問したところ「画面を見ながら仕事ができ、これまでに困ったことはない」という話で、これならば……と感じました。システムが本稼働した3~4月は業務が一番忙しい時期で、事前の操作教育まで手が回らず、ほとんど“ぶっつけ本番”の状態でした。当初は基本的な質問も聞かれましたが、その後はみんなが比較的スムーズに使いはじめたので安心しました。

市河 今回、平成2年のOA検討委員会で出した基本線だけは崩さないようにして、50名の職員でどのシステムがいいか考えたんです。これは規模が小さいからこそできたことですが、自分たちが操作するシステムを納得して決めてもらいたかったので全員に検討してもらいました。具体的には最終候補に残った2社のデモを職員全員に見てもらって感想を聞き、職員から出された質問を各社へぶつけ、それに対する各社の回答をまた職員に配布しました。この検討にあたっては職員全員が公平な目で選ぶことを心がけましたが、最初は「できるだけ現状維持がいい」という消極的な意見も少なくありませんでした。ところが、検討を重ねるうち、それまで消極的だった人までが段々とTASKシリーズに気持ちが傾いていったんです。最終的には入札で決定しましたが、職員総意でこのシステムを選んだといえるでしょう。

──システムの機器構成と、現在、C/Sシステムで行っている処理を教えて下さい。

平林 サーバー3台に、本庁、健康センター、公民館へ計10台のクライアントを設置しています。学校と保育園へのクライアント設置が若干遅れていますが、3月から稼働する予定です。現在、財務・住記・税務・水道料金・給与計算の各システムが動いており、12月には農業関係、国民健康保険事業の調整交付金と月報システムをクライアントに移しました。また、3月には総合戸籍システムも稼働します。

──移行の不安はありませんでしたか。

市河 システムは納得して選んだので安心でしたが、正直なところ「何かあった時に栃木県の会社ではサポートが遅いのでは」という不安はありました。しかし、稼働後も営業所のある松本から担当の方が頻繁に来訪されますし、ほとんどが電話サポートで済むので、困ったという話は聞いていません。

平林 本稼働した時、職員で「1年間はこのシステムに合わせて使ってみよう」と決め、職員から個別にTKCへ要望が行かないよう担当窓口を一本化しました。それでも最初のうちは「以前の表の方が見やすかった……」というぼやきもありましたが、最近では職員から前向きなアイデアが出されるまでになりました。そんな時は総務課からシステム改良をお願いしますが、要望を伝えて1時間後にはプログラムが伝送されて解決したこともあります。この対応の早さには本当に驚きますね。また、TKC の場合、機能追加・改良への対応が速く、バージョンアップされる情報は書面できちんと通知されます。これはユーザーにとって何よりの安心です。

──C/Sシステムを導入されていかがでしょうか。

市河 まず、処理を分散できるので業務が1人に集中することがなくなりました。具体的な数値として効果が出るのは7月の決算統計後ですが、この分ならば決算も楽だろうと考えています。あまり業務効率がアップすると職員が不要になって困りますよ(笑)。

平林 現状は、まだ、従来のオフコンでやっていた処理をそのまま移行した段階で、C/Sシステムの効果はこれから実感できると思います。近々、グループウェアを導入する予定ですが、そうなると一層、システム活用の幅が拡がるでしょう。当面はワープロ専用機で行っていた作業をグループウェア上のワープロや表計算に置き換えることから初めようと考えていますが、やはり庁内の情報共有化は必要です。まずは環境を整備して、いずれ電子メールなどの活用へとステップアップしたいと考えています。

システム選択は“操作する人の視点”で

市河 現在、新しい診療所を建設中で、ここにもコンピュータを設置します。実は大岡村は長野県で一番高齢化が進んでいるところなんです。健康管理は以前から考えていたのですが、診療所のコンピュータで住民すべての健康データを管理し、急病など緊急を要する場合、診療医が病院からの照会に素早く対応できるようにする計画です。これも、TKCからC/S版が提供され次第、導入します。

──皆さんの熱意にTKCが押され気味ですね。最後にC/Sシステムを導入する市町村へアドバイスをいただけますか。

市河 大岡村は小規模が幸いし、新しい試みに取り組みやすく、またその結果も見えやすいといえます。だから、職員の意見をシステム導入に反映させることもできました。しかし、操作する人の視点でシステム内容が自分たちに適しているかどうか検討することは、自治体の規模に関係なく重要でしょう。年配の人でも簡単に操作でき、また人事の異動先でも操作方法が同じシステムであること、などを考えると、課ごとの個別システムではなくC/Sシステムで総合的な行政情報システムを構築する方がいいと思います。我われには“最適な方法で住民にいいサービスを提供する”という使命があります。「旧態依然の方法でいい」という消極的な考え方では進歩がありません。結局、職員全員が「いいサービスを提供するためにどんな努力をするか」という目的意識を持つことが必要ですね。(井村 薫)

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