1997年7月号Vol.4

【TKC地方行政研究センターから】法人関係税の申告書のA4判化について

研究員 逸見幸司

 法人の道府県民税及び市町村民税の申告書の様式(その規格を含む。以下同じ)は、自治省令で定められており、地方団体は、この省令による様式と異なるものを定めることができないこととされている。

申告書様式の統一

 ところで、昭和50年代前半まで、この省令様式と異なる様式を定めていた地方団体が多く見受けられたことから、このことが申告事務を複雑にするものとして当時問題にされた。

 そして、当時実施されていた複雑な内容による不均一課税による超過課税が、申告事務の複雑さに一層の輪をかけたことから、地方の法人関係税に対する不信感が高まり、経済界をはじめ祖研等税に関係する団体から法人所得に対する税は法人税に一本化すべしとする強い要請が行われるに至った。

 そこで、自治省は、地方の法人関係税に対する危機感を強め、申告書の様式の統一のための指導を強化して、これにあたった。その結果、現在では、法人の道府県民税及び市町村民税の申告書の様式は、全国的に統一されたものになっている。

行政文書のA判化

 行政文書のA判化については、臨時行政改革推進審議会の「国際化対応・国民生活重視の行政改革に関する第3次答申」(平成4年6月19日)を受けて、政府は、平成4年6月30日の閣議において、答申の基本方針に沿って所要の改革方針の調整、立案を進め、実施に移すことを決定した。

 これを受けて、政府は各省庁事務連絡会議を開き、国の行政機関が取り扱う行政文書の用紙の規格について、逐次A判化を推進することが申合わされ、この旨総務庁により各省庁に通知された。

 また、地方団体に対しては、総務庁から国におけるこのような動向が通知されるとともに、自治省からもこのような国の動きにも十分注視されるよう通知された。

申告書のA4判化を検討

 現在、法人の道府県民税及び市町村民税の申告書の規格は、自治省令でB5判と定められている。この規格によると申告書の各欄が小さく記入しにくいとの指摘があり、特に、法人の道府県民税の申告書が法人の事業税と同一の用紙になっていることから、記入しにくいとの指摘がなされている。

 一方、法人税の申告書の規格は、すでにA4判になっており、また、申告書に添付することとなる貸借対照表、損益計算書等の書類もA4判によっているところがほとんどである。

 このため、法人税をはじめとする法人関係税の書類をファイルに綴じるにあたって、地方の法人関係税の申告書がB5判であることから、これが埋没し、支障を来していると税理士等から指摘されている。

 このようなことから、自治省税務局においては、先に述べた国及び地方団体におけるA判化の実施動向等をも踏まえ、法人に係る道府県民税、市町村民税及び事業税の申告書のA4判化について検討をし、9月末を目途に結論を得たいとしている。そして、関係方面の了解を得られれば平成10年3月決算期からこれを実施したい考えのようである。

 なお、TKCの地方税の申告書作成システムでは、このA4判化がいつ実施されても速やかに対応できるようになっている。

特別研究員 逸見幸司
1959年自治省入省。税務局企画、直税各係長、課長補佐、税務管理官、市町村アカデミーおよび(財)資産評価センターの調査研究部長を経て、96年TKC入社

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