1997年7月号Vol.4
【わがまち・わがむら・わが自慢】いま、花ひらく小さな城下町
福島県三春町 大室文雄
春は、梅、桃、桜が一度に開花する町。
咲き誇る3つの春を地名の由来とする三春町は、福島県のほぼ中央部、郡山市から東へ9キロに位置します。ここは澄みきった空の下、阿武隈の山ふところに抱かれ、まるで遠い日のやさしい伝説をしのばせるような恵まれた自然と豊かな文化が息づく城下町です。
城下町の面影をいまに残す市街地は、三春城祉(舞鶴城祉)のある城山公園を中心とした丘陵地の緑に包まれ、土蔵造りの町並み、由緒ある多くの神社・仏閣など落ち着いたたたずまいを見せています。
“花ひらく小さな城下町”三春町のシンボルが、国指定特別天然記念物『三春滝桜』です。
この木は樹齢千年以上ともいわれ、花をつけた枝々が地面まで垂れた様は、まさに桜の滝のようで、この大樹を見るために、毎年、開花時期には30万人以上の観光客が訪れます。
また、平成9年には都市近郊型の三春ダムの完成により『さくら湖』が誕生予定で、三春町では、その周辺に職・住・遊の総合的機能を整備した新しい生活文化圏『三春の里』づくりを進めています。
これは、余暇時間を活かした21世紀の新しい田園型ライフスタイルの創造を目標とした町づくりで、平成6年開園の『三春の里農業公園・田園生活館』がその拠点として位置づけられ、多くの利用客でにぎわっています。
さらに近くには若い女性に人気のハーブを素材とした『三春ファーム・ハーブガーデン』もあり、田園生活文化を体験できるスポットとして注目されています。
掲載:『新風』1997年7月号