1997年7月号Vol.4

【ユーザー訪問】中長期計画に沿って町の“情報化”開拓に取り組む

埼玉県三芳町

埼玉県三芳町 企画調整係 江原豊次係長 / 企画財政課 鈴木左内課長

所在地
埼玉県入間郡三芳町大字藤久保1100-1
電話
0492-58-0019
人口
3万5532人(平成9年4月末現在)
面積
15.3平方キロメートル

中長期計画に沿って
町の“情報化”開拓に取り組む

──三芳町は、さつまいもが有名と聞きましたが。

鈴木 この辺りは古くから『川越いも』の産地として知られています。この一帯は江戸時代に川越藩主・柳沢吉保が『三富新田』として開拓したところなんです。この開拓方式がユニークで、幅6間(約11メートル)の道路の両側を間口40間(約72メートル)×奥行375間(約675メートル)の短冊状に区画。ここに宅地と畑と山林を1セットに地割りしています。先頃、開拓300周年の記念シンポジウムを行いましたが、当時の知恵と工夫である〈山林で出た堆肥を農地に入れて木は燃料にする〉というリサイクル方法が注目され、ブラジルの砂漠化防止にもこの方式を採用したそうです。

手始めにパソコン環境を整備

──TASKシリーズを導入したのはいつ頃ですか。

江原 昭和59年です。昔から三芳町、大井町、上福岡市、富士見市の2市2町で消防・衛生などの面で互いに協力してきました。コンピュータ処理についてもそれまでは共同で計算センターを設置していたのですが、昭和40年代後半からベットタウン化が急速に進み業務量が増えたことでセンターの処理能力が限界となり、独自処理に切り替えました。当初、コンピュータの独自導入も検討したのですが、バージョンアップやコスト面を考えて委託方式を選択しました。TKCを選んだ理由は、個人コードを利用して税務情報と住民情報がリンクし、総合的に事務作業ができることを評価したためです。さらに、当時はまだカタカナ処理が多かったのですが、TASKシリーズは漢字即時処理が可能で、これも魅力でした。

──現在、何の業務に利用されているのですか。

江原 住記・税務・財務の各業務で活用し、2ヵ所の出張所もオンラインで結んで住民票と印鑑証明の発行、収納事務を行っています。現在、端末台数は45台程度ですが、財務システム端末には専用端末とパソコンが混在しています。これは新庁舎に移る際にパソコン端末を追加して1課1台の利用環境としたためで、いまでは順番待ちもなくなり大変便利です。

──システムを導入して業務的に改善された点は。

江原 大量処理や細かな資料作りの面で重宝しています。例えば課税状況調査ですが、従来は突合やエラーチェックに手間がかかりましたが、システム導入後はTKCの方でエラーチェックまでしてくれるので我われはそのエラーをつぶすだけと楽ですね。また、独自導入の場合は法改正に伴うプログラム変更が大変と聞きますが、TKCのシステムはまるっきり手がかかりません。そういう点では、作業の効率化に加えて目に見えない経費の削減に役立っているのではないでしょうか。

鈴木 ただ、独自導入ならば必要な時にそのプログラムだけを作ることもできますが、その点、汎用システムは小回りが利かないかな……。また、できればデータを引き出し自由に加工できればいいなと思っているのですが、これはC/Sシステムならば可能と聞いており今後の期待点ですね。

──システムをフル活用していただいていますね。

江原 つい最近までは〈パソコン=TASK専用端末〉だったのですが、それだけではもったいないので今年から空き時間を利用してワープロや表計算にも活用しています。また、従来はワープロ専用機で各種文書を作成していたのですが、これについても徐々にパソコンへ切り替えています。導入にあたりLANシステムも検討したのですが、まずは全職員がパソコンに慣れることが先決で、いまはまだ単体で使用しています。当然、次の段階としてはC/Sシステムへの移行やグループウエアなども考えており、その点では今年は足固めの年といえるでしょう。これに伴い全職員を対象にパソコン基本研修を4日間行いましたが、まだ専用機との違いに戸惑うことも多いようです。今後もOA研修を随時実施する予定ですが、まずは各課のキーマンを養成し、その人を核としてパソコンを普及させるようにするなど工夫が必要だと考えています。さらに教育という点では、ぜひTKCで担当者研修をしていただきたいと考えています。私はコンピュータのことをよく知らないまま運用管理の担当者になりましたが、担当者が一般職員と同じ知識レベルではいけないと思います。自分なりに努力していますが、システムごとの話になると独学では限界がありますからね。

柔軟な対応でより良い住民サービスを

──将来を見据えて一段ずつステップアップされる姿勢は、今後、C/Sを導入しようと考えているユーザーにとっても参考になりますね。

江原 パソコンに慣れておけばC/Sへ移行した時にはシステムの操作方法だけを覚えれば済み、職員も受け入れやすいのではないでしょうか。そのためにできることから着手しているだけです。

鈴木 また、将来計画という点では、平成6年に新庁舎を建設する際に内部のOA化推進計画をたてましたが、今年、新たに町全体の情報化推進のための中長期基本計画を策定します。将来は、地図情報やそれをベースに意志決定できるようなシステムなども行政サービスの場面で活用されるようになるでしょう。しかし、計画性のない導入は整合性のない無駄なシステムを産みます。そのため、できれば庁外の人も加えた検討委員会を設置し、基盤をしっかりと固めたいと考えています。

──公的介護保険制度などがスタートすると、行政事務の量は一段と増えることが予想されますね。

鈴木 平成10~11年は準備段階ということですが、介護保険についてはゴールドプランとの関わりや住民負担がどうなるのか具体的にはまだ何もわからない状態です。それ以外にも住民票の広域発行や住民基本台帳ネットワーク等の問題もあり、市町村を取り巻く環境は大きく変化しています。

江原 その点では間違いなく情報機器への依存度が高まりますね。また、今後はハードよりもソフト面での比重が膨らみ、システムにかかる目に見えない経費や人件費が増えるでしょう。

──住民サービスの面ではICカードや自動交付機の導入もありますが。

鈴木 印鑑証明をコンピュータ化した時点から、ICカードは視野にとらえていました。また、将来は自動交付機による発行業務も行うことになるでしょう。印鑑証明や住民票はコンピュータ化しておりいつでも対応できますが、行政改革の問題と考え合わせながら進める必要があると思います。

──行革推進という観点では、2市2町という広域行政の下地があるのはいいですね。

鈴木 そうですね。今後は広域で施設を共同利用することなども考えるべきでしょう。その点、2市2町の関係は広域行政に取り組む下地といえるかもしれません。近隣の市町村が協力して多様なサービスを提供することは、互いの地域住民にとってもプラスになります。これからは行政の柔軟な対応が望まれているのではないでしょうか。(井村 薫)

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