1997年10月号Vol.5

【わがまち・わがむら・わが自慢】画家・小杉放菴の魅力を辿る

栃木県日光市 渡邊 浩

 日光市は、豊かな自然と優れた文化遺産によってわが国有数の観光都市として発展してきました。その中でも最も新しい魅力が、このほど完成した『小杉放菴記念日光美術館』です。

 小杉放菴は、明治14年日光に生まれ、16歳の時に上京して本格的に絵を学び、当時、最も権威のあった文展で2度にわたり最高賞を受賞します。後に横山大観らとともに再興日本美術院にも参加し洋画部を主宰。その後、春陽会の創設など中央画壇で活躍した画家で、その芸術活動は大変幅広いものがあります。

 また、国木田独歩、芥川龍之介などといった作家とも交流があり、放菴自身も歌集や随筆を残しています。大正の終わり頃から次第に水墨と淡彩による表現への関心を深め、日本画の世界においても独自の境地を創造します。晩年は新潟県赤倉の山荘に住み、仙人になったと評される生活を送り、昭和39年に没しました。

 代表作には東京大学安田講堂の壁画や『水郷』『奥の細道画冊』などがありますが、その作品に現れた自然への優しく確かなまなざしは、幼い頃に過ごした日光の風土が基調になっているとされています。

 小杉放菴記念日光美術館は、放菴の精神や日光の特性から「自然へのいつくしみ」を基本テーマに、小杉放菴という画家の多彩な才能と日本近代美術史上における影響関係を広く紹介し、その画家を育んだ近代日光の豊かな自然と優れた文化的背景にも考察、紹介していく美術館です。

 問い合わせは、小杉放菴記念日光美術館(0288-50-1200)へ

※掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、取材当時のものです。

※掲載団体様への直接のお問い合わせはご遠慮くださいますようお願いいたします。

  • お客様の声
  • TKCインターネットサービスセンター「TISC」のご紹介