1997年10月号Vol.5

【巻頭言】ネットワーク化の時代と行政の情報化

総務庁行政管理局行政情報システム企画課 課長補佐 中井川禎彦

 いま中央省庁では情報通信基盤の整備が急速に進んでいます。職員一人ひとりにパソコンを配り、それを構内回線(LAN)で結び、さらに各省庁のLANを霞が関WANという省庁間ネットワークで結ぶという基盤の整備がおおかた終わりました。これから、整備された情報通信基盤を活用して、行政情報化の命題である「事務・事業の簡素化・効率化」や「行政サービスの向上」を推進するという正念場に向かうことになります。

 手書きの文書を見なくなって久しくなりました。ほとんどの職員は文書をワープロやパソコンで「打てる」ようになっています。LANは、このような個々の職員の「打てる」能力を基盤に、比較的スムースに導入が進んでいます。いままで使っていたパソコンに通信機能が付いただけと考えれば、汎用コンピュータのように専門の訓練を受けた者しか使いこなせないというものではないと理解できると思います。

 しかし、この通信機能が極めて大きな可能性を秘めています。その一つが電子メールです。電話は相手がいないと意思が伝わりません。FAXで入手した文書を再利用(編集)するためには、自ら「打た」なければなりません。電子メールで情報をやり取りすることで、確実な意思の伝達や再入力の省力化が可能となります。

 これを業務のいろいろな場面で利活用することで、ペーパレス化や業務の簡素化・効率化が可能になってきます。

 もう一つの機能がデータベースあるいはファイルの共有です。この機能の利用で、法令・通達や前例を調べたり、既存文書を日付を変えて使うといった日常行っている業務の効率化や電子的な保管による省スペース化が可能になります。

 机上のパソコンがネットワークで結ばれることの意味は、この2つに集約できるのではないかと思います。行政情報化推進計画では、いろいろな情報化施策が示されていますが、それらはこの基本機能の応用(アプリケーション)です。

 さらに忘れてならないのは、インターネットの存在です。各省庁LANのほとんどは、インターネットに接続され、ホームページによる情報発信が行われていますし、一部では行政手続の受付けも始まっています。今後は、官民の情報交換手段として、インターネットが中心的な役割を占めるようになるものと考えています。

 ネットワーク化の時代を迎え、国・地方、官・民を挙げた情報化の推進が求められています。地方自治体の情報化の推進を熱い期待を持って待ち望んでいます。

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