1997年10月号Vol.5

【ユーザー訪問】税務システムを徹底活用しフレキシブルな組織をめざす

テスト稼働レポート > 埼玉県杉戸町

収納係 古谷恒夫係長 / 税務課 染谷幸男課長補佐 / 町民税係 武井信丸係長 / 収納係(収税消込担当)植原政彦主事 / 固定資産税係(土地評価担当)門井和美主事 / 町民税係(軽自動車担当)斉藤昭彦主事

所在地
埼玉県北葛飾郡杉戸町清地2-9-29
電話
0480-33-1111
人口
4万7329人
面積
30.00平方キロメートル

──いよいよ、9月から『TASK税務マスター』が本稼働となりますね。

染谷 そうですね。一昨年あたりから「これからはC/Sシステムだな」と考えはじめ、実際に1年前から住記と税務について移行計画を進めてきました。今年4月に『TASK住記マスター』が稼働したのに次いで、9月から待望の『TASK税務マスター』が稼働します。実は昨年夏から秋にかけて、先進的に取り組んでいる市町村を視察したのですが、その時点ではC/Sシステムで税務処理をしているケースはほとんどありませんでした。そこで「税務システムについては、TKCにきちんとしたものを作ってもらうのが一番いい」と考えたわけです。そのために、この1年間は田中智税務課長と私が中心となってTKCのシステム開発部門と何度も検討を重ねました。当初計画では、8年度決算が終わる時点で『TASK税務マスター』に切り替える予定でしたが、若干スケジュールが遅れて、現在、各係で稼働テストをしている状況です。

二人三脚でシステム開発

──その段階でご感想をうかがうのは早いかもしれませんが、違和感などはありませんでしたか。

斉藤 私は軽自動車税を担当していますが、以前と比べて操作イメージがかなり変わったなと感じました。これまでは、例えば税証明等の発行画面を開いて次に誰をやるのかという具合に〈何の処理をするのか〉をまず考えてから処理を始め、また別の作業をするには画面を1度終了して切り替えなければならなかったのですが、C/Sシステムではすべての作業が1つの画面でできますから。

門井 固定資産税でも操作の流れが変わったと思います。税証明関係では土地と家屋を一緒に扱うことが多いので、土地の評価証明を発行した時点で自動的に家屋の評価証明の画面に変わるのは便利です。また、これまでの評価証明では区分家屋、敷地権の持ち分率など手で書き込んでいたのですが、これが自動的に備考欄に入るようになりました。

武井 住民税関係でテストした段階では画面展開も早く、操作性は向上したと思います。それと検索スピードがアップし、あいまい検索ができるようになるなど、かなり機能強化されたなと感じました。

植原 全体的な感想としては、ビジュアル化されたことで視覚に訴えかけてくる点がいいと思います。また1つの画面で、ほとんどの処理が行えるようになったのも大変便利ですね。さらに処理スピードが上がったことで待ち時間が少なくなりました。例えば、お客さまから電話で納付状況の確認依頼を受けた時なども、すぐ画面を開いて対応できます。特に急ぎの照会などには1秒でも早く対応したいので、この点はありがたいですね。

古谷 まだ、テスト途中なのですが、担当者は収納消込については「従来に比べて広い範囲で読み込みができるようになった」といっていました。特別徴収では、銀行からもらう納付書が不鮮明だったりしてOCRで読み込めない場合がありますから。また、どうしても読み込めない場合は手で入力するわけですが、システムの操作性が向上したことでこの作業もかなり楽になりました。

コンピュータに何をさせるのか

染谷 町民税の賦課などについては基本となる形に沿うため、どのメーカーのシステムも機能的には大差はありません。重要なのは「それ以外に何ができるか」ということなんです。その点、『TASK税務マスター』は法律や税制の変化などへの対応は満点です。しかし、これからの税務システムにはシステム開発の教科書には書かれていない部分の実務、つまり地方税法第15条等に定められている徴収猶予や臨戸徴収に伴う事務の整備等の支援が求められていますが、この点ではまだまだ及第点とはいえませんね。実際に景気がいい時は、どこの市町村でも収納消込をして督促状を出していれば済んでいましたが、最近では直接、出向かなければ滞納された税金をもらえなくなりました。そのため、税務課では滞納者の勤務先や収入、財産など現在の状況を整理し、入金予定などを管理するなど細かい事務作業が増えたわけですが、これらはすべて手作業で、その作業に日々追われているのが実情です。つまり、未納者一覧や督促状の発行といったことだけではなく、TKCとしても滞納整理や滞納者管理という部分までをシステム側で補ってくれれば、職員は計画的に臨戸徴収に出向くことができるわけです。そこで、いまTKCに収納業務を支援するシステムを開発してもらっており、来年3月中には完成する予定です。

──収納業務の支援システムができると少しは楽になるでしょうか。

染谷 市町村の収納率の向上につながると思います。滞納整理や滞納者管理はどこの市町村でも手作業で行っていますが、基本的な方法論にはあまり変わりはありません。だから汎用的なシステムが完成すれば、どこでも活用できると思います。そのために必要なノウハウや情報の提供など、できることは協力したいと考えています。

──その辺りは実務に精通していないと分からない部分ですね。今後のシステム化のご計画は。

染谷 地方分権が進む中で市町村の事務量は今後ますます増加します。それに対応するには、やはり全庁的なネットワークシステムとして考えていかなければならないでしょうね。

武井 ところで現在、TKCに確定申告受付システムの開発をお願いしています。これまでは確定申告に訪れるお客さまを長時間待たせることがありましたが、これが完成すれば緩和されると思います。また、いままでは何年分もの台帳を申告会場に運ばなければならないなど大変でしたが、C/Sシステムならばノートパソコンを会場に持ち込めば、受付~照会~入力~作表まで処理できますからね。そうなると申告会場も1ヵ所だけではなく、例えば地域ごとに会場を設営することも考えられ、住民にとって非常に便利になると思います。

染谷 そうですね。もう1つ住民サービスという点では、来年1月から出張所で住記・税・戸籍などの証明発行もスタートする予定で、現在、準備を進めています。C/Sシステムを導入したことで、コンピュータは机の上から動かないものという概念が変わりました。いずれハンディタイプのパソコンを持って臨戸徴収に出かけるようになるかもしれませんね。でも時代が変わっても税務課の仕事、特に収納事務は対人的な仕事であり、コンピュータが得意とする“0と1の世界”では割り切れない部分が数多くあります。そんな人間的な部分をコンピュータがどこまでサポートできるのか──究極の課題ですね。

──そのためにも、ご意見をどんどんいただいて、より実務に即したシステムに育て上げていただければと思います。

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