1998年1月号Vol.6
【わがまち・わがむら・わが自慢】下仁田の隠れた魅力…
群馬県下仁田町 大河原順次郎
上毛カルタに〈ねぎとこんにゃく下仁田名産〉と謳われているように、両者は町の特産品です。特にこんにゃく玉は、国内生産量の約80%が群馬県で生産されており、国内に流通するこんにゃく粉のほとんどは下仁田町から出荷されています。
また、下仁田ねぎは一般的な根深ねぎとは違い、太いものでは牛乳瓶ほどになる丈の短いねぎで、すき焼きなど鍋物に適しています。このねぎは、ほかの地域では栽培が難しく“地域・期間限定の逸品”です。江戸時代には時の幕府に献上されたことから、別名『殿様ねぎ』とも呼ばれています。
でも、下仁田町の魅力は、ねぎとこんにゃくだけではありません。春には1万5000本の桜で彩られる『さくらの里』、九州の邪馬渓、四国の寒霞渓とともに日本三大奇勝に数えられる『妙義山』、南北約2キロ、東西約400メートルの溶岩台地『荒船山』は、荒波を蹴って進む船を思わせます。また、日本で最初の洋式牧場『神津牧場』は国産バター発祥の地、など隠れた魅力がたくさんあります。
間もなく長野オリンピックが開催されますが、下仁田町は長野県佐久市や軽井沢町に接するところで、上信越自動車道の下仁田IC、または国道254号でアクセスできます。内山峠下には町営の日帰り温泉施設『荒船の湯』もあり、オリンピック観戦で冷えた身体を暖めに来てください。
掲載:『新風』1998年1月号