1998年1月号Vol.6

【ユーザー訪問】“情報武装”新庁舎で未来志向のサービスを提供開始

福島県表郷村

住民福祉課 有賀たい係長

所在地
福島県西白河郡表郷村大字金山字長者久保2番地
電話
0248-32-2111
人口
7673人(平成9年10月1日現在)
面積
66.48平方キロメートル

住民の視点で情報化計画

──まず、村の概要を教えて下さい。

有賀 基幹産業は農林業ですが、東と西の地区には工業団地もあります。この辺りは自然に恵まれており、白鳥が飛来する大池や日本では表郷村にしか生息していない“ビャッコイ(氷河時代の植物)”の自生地があることでも知られています。

──ところで、大変すばらしい新庁舎ですね。この庁舎開設にあわせて戸籍事務のコンピュータ化に踏み切られたとうかがいましたが。

有賀 はい。平成6年に戸籍法が改正されて戸籍の電算化が認められました。ちょうどその頃、表郷村では新庁舎建設が計画されていましたので、ならば平成9年10月の新庁舎オープンにあわせて戸籍の事務処理をコンピュータ化しようということになったんです。戸籍を優先してコンピュータ化したのは、やはり住民サービスに一番直結した部分だからですね。戸籍の窓口業務は通常で1日60件ほどですが、冬場には農繁期に忙しくてこられなかった方が集中するため業務の量が急増します。現在、住民福祉課戸籍係の窓口は2人で対応していますが、人の手で処理できる量には限界があります。住民の方を窓口でお待たせしないように、戸籍の電算化を最優先したわけです。

──『TASK戸籍マスター』を導入されていかがですか。

有賀 システムを導入して良かった点は、第一に画面から届出入力ができるためタイプの記載がなくなったことがありますね。第二に、検索機能が充実しているので氏名等を入力するだけで必要なものがすぐに表示できるのが便利です。実際に申請書を手書きしていた頃よりも申請処理のスピードがアップし、住民の方からも喜ばれています。第三に、戸籍システムと連動する『TASK住記マスター』では住民票・印鑑証明などが一度に表示できるので、とても重宝しています。まだ、システムが稼働して間もないのでOA機器を充分に使いこなしていませんが、それでも処理が集中するとクライアントパソコン1台では物足りなさを感じるほどです。クライアントがもう1台あれば、窓口サービスがより迅速にできるのではないかと感じています。

──そういえば入り口のところに自動交付機が置かれていますね。

有賀 はい。窓口処理の効率化を図るとともに、住民の方がいつでも必要な時に印鑑証明や住民票を入手することができるように、県内の市町村では初めて自動交付機を導入しました。この自動交付機は、平日の朝9時~夜19時までと閉庁日にも稼働させています。現在、希望者を対象に窓口でICカードへの切り替えを行っていますが、4500件の登録のうちこれまでに約200枚が切り替わりました。まだサービスを開始したばかりなので高齢者の方からは敬遠されるようですね。でも、音声による入力ガイド機能が装備されており、初めて操作される方にも利用しやすいシステムですから、徐々に利用率も高まってくると思います。

困難なコンピュータ用語も努力で克服

──戸籍をシステム化するにあたり苦労された点はありますか。

有賀 まず思い浮かぶのは、日常業務をこなしながら移行事務を行わなければならなかったことですね。また、戸籍処理の電算化に加えて、自動交付機も10月1日からスタートできるように戸籍システムと併行して住民票や印鑑証明のコンピュータ化を進めたので、忙しさに拍車がかかりました。

 さらに、最初の頃は戸籍の移行に際して法務局の方が話すコンピュータの専門用語が分からなかったことも困りました。いまでは光磁気ディスクと光ディスクは同じものと理解できますが、コンピュータ関連の用語は難しくて……。仕方がないので、自分で戸籍事務のコンピュータ処理の本を購入して一生懸命勉強しました。さらに、戸籍のエラーチェックに予想していた以上に時間がかかったこともあります。表郷村では手書きの戸籍簿が6~7割ほどありましたが、附票の量が多く、まるで七夕の短冊のようだったんですよ。今回、すべての戸籍簿と附票についてひと文字ずつ照合確認したわけですが、この経験から戸籍のエラーチェックは、時間的に余裕をもって予定されることをお勧めします。

 何しろ初めての経験で苦労の連続でしたが、どうにか予定通り本稼働にまで漕ぎ着けました。セットアップにはTKCの戸籍情報システム支援部にご協力いただいたのですが、あの時はTKCには優秀な方が揃っているなと感じました。できれば、ずっと側にいて欲しかったぐらいですよ(笑)。

常にタイムリーなサービス提供を目指して

──これから戸籍システムを導入される市町村の方に何かアドバイスをいただけませんか。

有賀 必ず先進ユーザの視察をして、自分の目で現場の状況を確認しておくべきだと思います。表郷村ではセットアップの時に先進ユーザー団体から、多くの参考資料やアドバイスをご提供いただき本当に助かりました。そして、何よりも「必要なものがあれば送りますから、何でもおっしゃってください」という担当者の言葉は心強かったですね。ですから私も戸籍システムを導入される市町村には全面的に協力したいと考えています。

──ありがとうございます。福島県では表郷村がTASK戸籍マスターの第1号ユーザーですので、TKCからもよろしくお願いします。

有賀 こちらこそ、今後ともいろいろとサポートをお願いします。

 さて、高齢化社会を迎え、村では老人福祉について真剣に取り組んでいます。老人福祉を含め住民サービスにはタイムリーさが求められ、コンピュータやネットワークは私たちの業務に欠かせないものといえます。表郷村では、いま自動交付機など住民へより便利なサービス提供に努めるとともに、21世紀を意識した行政サービスのための環境整備を着々と進めています。例えば、新庁舎の床をフリーアクセスにして情報システムをいつでも拡張できるようにしたことも、そんな意識の現れといえるでしょう。器はほぼ完成しましたので、今後はこの情報システムを有効に活用して一層のサービス拡充に努めたいですね。

 そのためにも、私たち市町村の職員がコンピュータの食わず嫌いを克服して、活用していくことが重要ではないでしょうか。

(電算室・吉田弘一)

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