1998年4月号Vol.7

【ユーザー訪問】イントラネットを基盤に情報公開と住民サービスに取り組む

山形県尾花沢市

庶務課庶務課長補佐 猪股義信氏 / 企画課企画調整係長 有路克敏氏 / 庶務課行政係長 高橋十郎氏

所在地
山形県尾花沢市若葉町一丁目1番3号
電話
0237-22-1111
人口
22,992人(平成10年2月1日現在)
面積
372.51平方キロメートル

──イントラネットを構築されようと考えられたきっかけは何ですか。

猪股 『TASK/DBサーバ』からC/Sシステムへの切り替えにあたり、単に財務や住記など限定された業務を処理するだけではなく、システムをもっと有効に活用したいと考えました。そこで、イントラネットシステムを構築するためにグループウェア導入に踏み切ったんです。

 グループウェアでは掲示板、メール、文書管理、施設予約などを行う予定で、業務の効率化やペーパレスなどによる経費削減など期待点はいろいろありますが、やはり最大の狙いは10月から計画している『情報公開』です。現在、各市町村でもこれの準備が進められていますが、まだ手書きで文書管理しているところも少なくないようです。ネットワーク上で庁内の文書情報を一元管理することで、スムーズな情報公開の体制が整うだろうと期待しています。当面は表題・保存期限・分類番号など目録の検索だけですが、いずれは文書情報を添付して管理する計画です。

有路 そのような情報化を推進するにあたり、尾花沢市では96年12月にコンピュータに詳しい職員と各部門担当者15名による『情報化検討委員会』を設置しました。ここで「庁内」と「地域」の2つの情報化について中長期計画を策定し、その第一ステップがイントラネットというわけです。導入に先立ち、まず各課に1台ずつパソコンを設置し、いつでも誰でもパソコンを使うことができる環境を整備しました。

 また、これと併行して昨年秋からは財務・住記・税務の各システムのC/S移行を進めてきました。そして、いよいよ4月から庁内のすべてのパソコンをつないだイントラネットが稼働します。

職員の情報リテラシー向上に重点

──導入にあたり、苦労された点はありますか。

猪股 イントラネットは“誰かがやってくれるだろう”ということでは導入効果が期待できません。システムを自分たちで創り上げていくんだという雰囲気づくりが大切で、そのためには職員全体の情報リテラシーを高める必要があると考えました。そこで、①委員会メンバーをOAリーダーとして育成、②全職員に「これからはパソコンを使わなければ業務ができない」と意識づける、③職員研修の一環としてパソコン研修を実施、という具合に段階を踏みながら受け入れ体制を整えました。

高橋 パソコン研修は8割の職員が受講しましたが、継続して操作練習しないと忘れてしまいます。せっかく各課にパソコンを設置したわけですから、それをいかに利用してもらうかが、イントラネットの効果を最大に引き出す鍵といえます。

 特にマウス操作については研修だけでは慣れることができないため、期間限定でトランプゲームを各課のパソコンにインストールし、マウスの操作練習をしてもらうことにしました。これが結構人気で、昼休みなどにはパソコンの周りに多くの人が集まっています。また、各システムが稼働する前に、例えば市民課ではデータ移行後に発生した“追っかけ処理”を職員が手分けして入力するなど実践的な研修も行いました。これにより、事前にひと通りの操作を経験したので、稼働後に操作でとまどうことが少なく、さらには職員の不安感の解消にも役立ったようで、これは思わぬ効果でしたね。

──パソコンへの意識づけも大変なんですね。

有路 叱咤激励の毎日でした(笑)。この努力の甲斐があったのか、最近では研修で覚えたことを早速、業務に活用する職員もいますし、財政の予算査定では、紙に打ち出さずにパソコンの画面上で処理するようになるなど、システムが庁内に着実に浸透しているなと感じています。

高橋 イントラネットは、先進的な職員がグループウェアで自分の好きなようにいろいろなシステムを作り、それを全員が使えるようにするのが理想です。システムの浸透で、そんな人が1人ずつ増えてくることを期待しているんですよ。

有路 その点では、TKCでも支援策として、レベル別にテーマを設定したパソコン研修を企画し、毎年継続して実施してもらえるとありがたいですね。ぜひお願いします。

イントラネットは未来への足がかり

──具体的なルールづくりはされていますか。

高橋 変なものをインストールされたり、データファイルをコピーされたりすると困りますので、システム制限を加えるとともに本稼働までには最低限の共通ルールを作ります。いまの段階では、あまり細かく規制することは考えていませんが「これだけはやってはいけない」という事項はきちんと決めたいですね。

有路 また、システム運用管理の面では、4月から各課の若手職員1~2名を『OA化推進委員』として、彼らを中心に情報化推進に取り組みます。職員からの質問は彼らが窓口となり、それでも分からない場合は行政係長が対応し、必要に応じてTKCへ連絡するということになります。TKCには、そういった若手リーダーを対象としたトラブル処理の研修も企画してほしいですね。

──将来をじっくりと見据えて、戦略的に情報化を推進されているんですね。最後に今後のご計画を教えてください。

高橋 最終的には職員1人にパソコン1台の環境とすることを目標としていますが、セキュリティなど技術的な問題や職員の成熟度などを考えると、まだしばらく時間がかかるでしょう。その点では、今回のイントラネットは、本格的な総合行政ネットワークのための実験システムといえるかもしれませんね。

有路 また、地域の情報化については、情報化検討委員会で10年度から検討を始めますが、介護保険や住民基本台帳ネットワークシステム、あるいは地域産業の振興などさまざまな観点から「行政と地域・住民を結ぶネットワークシステム」を模索していきたいと考えています。

猪股 イントラネットシステムを整備したからには、電子決裁やペーパレスなどシステムの利用価値をトコトン追及していきたいと考えています。TKCも我われに負けないよう頑張ってもらいたいですね。期待していますよ。

──お手柔らかにお願いします。

(佐藤誠一)

※掲載の内容、および当社製品の機能、サービス内容などは、取材当時のものです。

※掲載団体様への直接のお問い合わせはご遠慮くださいますようお願いいたします。

  • お客様の声
  • TKCインターネットサービスセンター「TISC」のご紹介