1998年7月号Vol.8

【TKC地方行政研究センターから】地方制度調査会の「市町村の合併に関する答申」の概要について

特別研究員 逸見幸司

 平成10年4月24日に内閣総理大臣の諮問機関である地方制度調査会から「市町村の合併に関する答申」がなされました。これによりますと、答申の概要は、次のとおりです。

 自治省は、この答申を受けて、関係法律の整備を行い、地方分権の推進に対応した地方行政体制の整備を進めるための自主的な市町村の合併を推進していきたいとしています。

市町村の合併についての基本的な考え方

 地方分権の成果を十分に活かすこと、本格的な少子高齢社会における高度かつ多様なサービスの水準の確保、極めて厳しい財政状況の中での効率的、効果的な行政の展開等のため、自主的な市町村の合併をさらに一層推進することが必要であるとされています。

市町村の合併の推進のための方策

 市町村の合併を推進するため、次の方策を講ずるべきであるとされています。

1)住民発議制度の充実
●全合併関係市町村で住民発議が成立した場合、合併前の市町村長が合併協議会の設置に関する議案を付議する措置を講ずる。
●合併前の市町村の区域を単位として、有識者等からなる組織等の設置、支所・出張所の設置や行政サービスのネットワークの活用等により、行政サービスの水準を確保する。
●新市町村の振興のための計画の作成に当たっては、各地域が有する自然、歴史、文化等の特性の活用、活力の低下が懸念される地域の活性化対策等に配慮する。

2)財政措置の拡充
 自主的な市町村の合併を推進するため、次の財政措置について具体的に検討する。
●普通交付税の算定における合併算定替の拡充。
●新市町村の振興のための計画に基づく事業に対する財政措置の拡充。
●行政の一体化・住民の一体感の醸成等に要する経費に対する財政措置。
●合併前の市町村の公債費負担格差の縮減等の財政健全化に係る経費に対する財政措置。
●合併準備経費に係る経費に対する財政措置。
●都道府県の情報提供、助言や合併後の市町村に対する財政支援等に要する経費に対する財政措置。

3)都道府県の役割の拡充
●合併の検討の際の参考や目安となる合併のパターンや各種の情報等を内容とする市町村の合併の推進についての要綱を作成・提示する。
●必要と認めた場合に関係市町村に対し合併協議会の設置を勧告する。
●合併後の市町村の円滑な行政運営に協力する。

4)国の役割の拡充
●気運の醸成の取組をさらに一層工夫・充実する。
●都道府県が合併のパターンを作成する際の参考となる指針を作成・提示する。また、関係省庁間の連携強化を図る。

5)その他
●市を含む新設合併の場合における人口等の市となるべき要件に関する特例等を検討する。
●市町村議会の議員に関する特例措置を検討する。
●合併に関する住民投票制度を導入するとの結論には至らず、今後、合併に関する住民投票については、住民投票制度全般の議論も踏まえ検討する。

逸見幸司
1959年自治省入省。税務局企画、直税各係長、課長補佐、税務管理官、市町村アカデミーおよび(財)資産評価センターの調査研究部長を経て、96年TKC入社

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