1998年10月号Vol.9
【わがまち・わがむら・わが自慢】“Ueda-cho”の世界へ
鳥取県岸本町・鞍掛宣史
岸本町は、鳥取県の西部、中国山地の主峰・大山の西方裾野に位置する緑豊かな町です。ここは大山隠岐国立公園にあるため、ゴルフ場三ヵ所、ペンション村、リゾートホテル、別荘地などが散在しています。
その大山のふもとに平成7年に開館したのが「植田正治写真美術館」です。
植田正治氏(大正2年生まれ)は、鳥取県境港市出身で現在も同市に在住され、意欲的な創作活動を行っている写真家です。斬新で個性的な表現スタイルは、写真誕生の地・フランスでも大人気で、日本語表記そのままに“Ueda-cho(植田調)”という言葉で広く紹介され、1996年にはフランス芸術文化勲章(シェバリエ)を受賞されました。
「植田正治写真美術館」は、その植田氏の初期から現在に至るまでの多彩な作品が素晴らしい調和を見せてくれる美術館です。
美術館の建物は、やはり国際的に活躍されている建築家、高松伸氏により「風景としての建築」をモチーフに設計されたものです。
映像展示室には、世界最大規模となる直径60センチメートルのカメラレンズを設置し、このレンズを通して壁面に国立公園大山の雄大な姿を鮮明に映し出すことができ、まさにカメラの内部にいる感覚で光学原理を体験することができます。
みなさんもどうぞお越しください。お問い合わせは、植田正治写真美術館(0859―39―8000)へ。