1998年10月号Vol.9

【ユーザー訪問】申告受付システムで住民満足と正確公正な賦課を実現

福島県塙町

福島県塙町 岡田幸子税務課課長 / 大越忠幸税務課主幹兼課税係長

所在地
福島県白川郡塙町大字塙字大町3-21
電話
0247-43-2113
人口
1万1692人(平成10年4月1日現在)
面積
211.60平方キロメートル

──今年春から申告受付支援システムを導入されたわけですが、従来の申告受付はどんな状況だったのですか?

岡田 塙町は地理的に東西に長い地形で山間部も多く、高齢者の方などが相談に来られるのが大変だということで、これまでは八ヵ所の申告会場を設置していました。このため、受付期間の2月16日~3月16日は税務課職員総出で住民の相談にあたっていたのですが、所得や控除などの税計算は住民税のベテランでさえ大変で、ましてやほかの係の職員の精神的な負担は相当なものだったと思います。しかも、申告後の事務整理のために連日残業という状態が続いていました。

 また、塙町は小規模農業を営む兼業農家が多く、農業所得対象者の割合がとても高いんです。ご存じのように農業所得は、毎年の作柄によって単位面積当たりの標準額が2月初めに決定されますが、農業所得対象者の場合、農作物ごとの面積確定や農業用機械の減価償却分の控除計算など税計算がとても複雑です。そのようなことから、手計算に限界を感じていました。

──それでコンピュータ化に踏み切られたわけですね。導入に際し、どんなアクションを起こしたのですか?

大越 コンピュータ化を意識したのは平成7年頃で、9年度に導入するまでの間、先進地視察や情報収集など時間をかけて検討を進めてきました。ところが、申告会場がネックとなったんです。

 視察した町では、四ヵ所の申告会場で機器をその都度移動しながら受付相談をしているということでした。この町は市街地にあり、公民館や文化施設など職員が常駐している施設を申告会場としていたのですが、塙町では会場施設に常駐職員がいません。また、各会場に申告受付システムを持ち込もうとすると、①移動・撤去に時間とコストがかかる、②会場の電圧の安定化が必要、③機器の保守管理、など問題が生じてしまい、結局、申告会場を本庁に一本化することにしました。一部に反対意見もありましたが、議会や行政区長へ説明し、総務常任委員会へ実際に使用する機器等を確認していただき、広報誌や防災無線などによるPRを繰り返すことで住民の理解を深めるよう努めました。

住民満足度アップに貢献

──コンピューター化に対しての不安はなかったのですか?

大越 導入にあたり各社のシステムを比較検討しましたが、〈世帯の構成員がわかるように賦課期日の住民基本台帳が画面に表示されるかどうか〉という点をポイントにシステムを絞り込みました。最終的にこのシステムを選んだのは、やはり申告書の様式に基づく画面設計がよかった点です。そのためか、不安だった操作面も事前に行った半日程度の研修で、ほとんどの職員がマスターすることができました。また、実際に稼働すると、いくつか疑問点もありましたが、そのつどTKCに対処してもらいましたので問題はありませんでしたね。

──導入の成果はいかがですか?

岡田 私が聞いた限りでは、住民には概ね好評のようです。例えば、従来は初日から一一日間も庁外に出ていたので、地区の会場でこの期間までに申告するという制約もあったのですが、これが「いつでも都合のよい時に申告できて便利になった」というんです。他に「印刷のため申告書等の控えが見やすくなった」という声もありました。特に住民満足の点では、相談者の待ち時間が少なくなったことが挙げられるのではないでしょうか。システムの導入を機に、申告受付担当職員を従来の8人体制から六人体制としたことで不安はありましたが、一件当たりの相談時間が大幅に短縮され、全体の待ち時間短縮につながったと思われます。これは期待以上の成果といえますね。

残業が前年比500時間減

──申告を閉めた後の皆さんの作業状況は改善されましたか?

岡田 はい。だいぶ改善されました。従来、当日受け付たものはその日のうちに担当者がひと通り目を通して集計するようにしていたんです。最終的にバッチ処理にかける前にすべての申告書類をチェックしますが、その時になって慌てないよう対応した職員の記憶が鮮明なうちに疑問点などを解決しておくためです。ただ、それには夜遅くまで残業しなければなりませんでした。それがチェックの必要がなくなり一時間程度の整理で帰宅できるようになり、残業時間が前年比約500時間減となったんですよ。これには驚きましたね。

大越 申告期間以外には、このシステムを税務の照会や異動処理などに活用しています。また、システムを導入したことで、所得税・住民税情報が必要な事務――例えば臨時福祉給付金の確認事務が容易になったこと――や、収集した各種データをすべて事前入力できること、給与支払報告書への行政区番号記入作業も不要になったことなど、いろいろな波及効果もありました。

──有効にご活用いただいているようですね。今後の課題は何でしょうか。

大越 先ほども申し上げた通り、住民基本台帳と昨年の申告実績が画面に出るのは便利ですが、欲をいえば同一画面上で扶養関係の把握ができると助かります。また、より効率的に処理するため、操作性の向上や受付件数表の作成などシステムを改善してほしい点はありますが、そんな不満や要望をこれからもTKCに提案していきたいと考えています。(永井伸一)

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