1999年1月号Vol.10

【ユーザー訪問】市制50周年を迎えまちをあげて大改革にのぞむ

山形県新庄市

佐藤幸一財政課課長 / 三原忠一財政課財政係長 / 伊藤洋一企画調整課情報システム係長

所在地
山形県新庄市沖の町10番37号
電話
0233-22-2111
人口
4万2171人(10年9月末現在)
面積
223.08平方キロメートル
URL
http://www.city.shinjo.yamagata.jp/

──山形新幹線が新庄まで延びますね。

佐藤 はい。全国初の県都以外の始発駅として平成11年12月に開通予定です。今年はちょうど新庄の市制50周年にあたり、新幹線開通と合わせて市民スキー場や高規格道路の建設などの事業が進行中です。また、地元商店街の活性化対策にも積極的に取り組み、「昔かたりのきこえるみちづくり」では民話をテーマに各商店街をシンボルロードとして整備し、さらに商店街の空き店舗対策では全国から希望者を募ってユニークな店舗を開店してもらう「夢空間リフレッシュ事業」など行っています。

──大規模事業が目白押しですね。

佐藤 ええ。財政事情の厳しい状況下で大規模なプロジェクトをいくつも運用するのは大変ですが、未来への飛躍のためにはここで地域の根幹となる事業を立ち上げなければなりません。このため新庄市では平成8年度に「行政事務見直し委員会」を発足し、経費削減や財政改善にも取り組んできました。財務システムもその一環として導入するもので、4月1日から本稼働となります。

外部機関も含め78台を配備

──これまで、一連の事務処理はどのようにしていたんですか。

三原 一部を除きすべて手作業でした。例えば予算要求では、各課から提出された予算要求書を財政課が財源と調整を取りながら手で積み上げて予算を作成したり、予算執行では制定用紙に書き込み決裁に回すという状態で、事務作業で非効率な部分が生じていました。さらに手書きの場合、前年の予算書を見ながらやるため一度間違えると何年も同じように間違えたままであったり、これに毎年の制度変更が加わり事務作業をより煩雑にしていたこともあって集計結果や語句のミスもありました。そんなことから『TASK財務マスター』を導入したわけです。

 市長をはじめ三役、各課および学校や老人ホームなど33の外部施設に各一台ずつ合計78台の端末を設置しました。

──TASKを選んだ理由は何ですか。

佐藤 平成9年度に行政見直し委員会から「財務会計システム導入検討委員会」を設置し、各課の庶務担当者をメンバーとして機能面などの検討を行ってきました。最終選考に残った三社のシステムデモを一般職員に見てもらい、アンケート調査をしたところ「見やすさ」でTASK財務マスターが一番好評だったんです。また、検討委員会での評価結果もTASK財務マスターがいいということになり、これに決めました。

──導入に際し何か障害はありましたか。

佐藤 全課一斉に導入するため財政面が一番の障害でしたね(笑)。

伊藤 それと、デジタル回線で予想外のトラブルが発生しました。システム導入を機に外部との接続回線を光ファイバーに切り替えることにしたのですが、このデジタル回線が少し特殊だったことと両方の作業が集中したため混乱状態となってしまったんです。また、本稼働は新年度からとはいえ予算要求は11月にシステム移行しなければならず、9月半ばに2週間のパソコン基礎研修を10月半ばには予算要求研修を相次いで行い、基礎研修172名、予算要求研修89名が参加しました。慌ただしい中の研修で職員は大変だったと思います。

──予算要求はどう変化しましたか。

佐藤 システムでは当初予算が締切日の夕方5時になると一切入力できなくなるので、みんなかなり早めに作業にかかっているようです。また、いままでは財政課は締切ってからでなければ内容確認ができなかったわけですが、これが〈どんな要求状況か、ずっと画面でチェックできる〉ので、予め要求内容を精査することができるようになりました。他にも手書きでは伝票の書き損じなど資源と時間の無駄もあったわけですが、これがなくなり、あらゆる業務面で時間短縮が図れるのではと期待しています。

三原 並行して行う補正予算は手処理ですが「これが最後だ」と味わいながらやっていますよ(笑)。私が一番変わったと感じたのは、従来は予算要求の集計に5日ぐらいかかっていたものが、システムでは瞬時に集計されるためその分方針や対策を考えるのが早くできるようになったことですね。また、従来5人/月ほどかかっていた決算統計も、出納閉鎖後一週間程度で大部分の資料が揃いますので、作業もかなり軽減するのではと期待しています。心配なのが予算書で、TKCの担当者と相談しながら準備を進めているところですが、新庄市の場合他の市町村と比較すると説明書きが非常に複雑でスムーズに移行できるかどうか不安はありますね。

全員参加で行革推進

──今後のご計画はいかがでしょう。

佐藤 いずれは住記や税務についてもC/Sシステムへ移行し、グループウェアなども検討したいですね。まずは財務システムを使いこなした上での話ですが…。財務システムの場合、予算が絡むため管理職がきちんとチェック機能を果たさなければなりません。その辺りが目下の重要課題で、実は初年度は印字することを制限しようかと考えているところなんです。印字してしまうと機械に触らずにチェックできますからね。

 情報システムは行政改革の有効な手だてといえますが、導入すれば終わりではなく問題はいかに使いこなすかです。市長から一般職員まで自在に操れるようになれば、電子会議室や電子決裁などグループウェアを利用して、さらに大きな効果も期待できるでしょう。とにかく毎日少しずつでも触る習慣をつけてもらうのが基本だと考えています。

──意欲的ですね。

佐藤 髙橋榮一郎市長は元プロ野球の選手ですから、スポーツマンの持つ“粘りと積極性”が組織風土や職員にも色濃く影響しているんでしょう。新たな50年に向け、まさに”全力投球“でまちづくりに取り組みたいですね。(井村 薫)

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