1999年4月号Vol.11

【ユーザー訪問】システムの信頼性を重視しクラスタ型導入を決断

静岡県清水町

総務課電子計算係 岩﨑克規係長 / 中村 誠主査

所在地
静岡県駿東郡清水町堂庭210-1
電話
0559-81-8233
人口
3万840人(平成10年4月1日現在)
面積
8.84平方キロメートル

──町の概要についてお聞かせください。

岩﨑 清水町は、沼津市と三島市のベットタウンとして県内でも人口密度が高く転入転出が多い町です。そのため、税収の多くを住民税や固定資産税が占めています。

 情報化については、昭和57年8月にホストコンピュータを自己導入しバッチ業務をスタート。昭和61年からは住民票、国民健康保険、年金、印鑑などのオンラインシステムを導入してきました。ここにきてネットワーク社会の進展に伴い新しいシステムの構築が不可欠となり、今回C/Sシステムによる分散処理を選択したわけですが、決まるまでには紆余曲折がありました。

クラスタシステムを選んだ理由

──どんな点で悩まれたのですか?

中村 流行ではなく業務の効率化に 一番適切な情報システムは何か を考えるために、2年間じっくり研究を重ねました。正直いって当初はホストとC/Sシステムを並行利用するのが理想と考えていたのですが、コスト面を考えると「ホストは捨てるべきでは」という迷いが生じました。しかし、信頼性の面を考えるとパソコンはホストにかなわない。窓口業務をストップするわけにはいきませんから「どうしても信頼性だけは譲れない。さぁ、どうしたものか」と悩んでいた時に『クラスタ接続』のことを知りました。

 クラスタ接続されたシステムはサーバの二重化により、万一障害が発生してももう一台のサーバが処理を引き継ぎ稼働し続けます。「これならば操作性などパソコンの利点を享受でき、なおかつホスト並みの信頼性を持つ情報システムが実現できる」というわけで、このシステムを導入することに決めました。

──『クラスタ』といっても、どんなシステムなのかよく分からない方が多い中、1年以上前に「これでいこう」と決断されたのには驚きます。最新技術を深く掘り下げ研究されているんですね。

中村 自分たちを取り巻く環境の変化は、常に把握しておかないと取り残されてしまいますから。確かにクラスタのシステムはまだ一般的とはいえませんし、万一障害が起きても「クラスタがあったから被害がなくて済んだ」と思うか、「いつ起こるか分からない障害のために余分なコストをかけられない」と思うか、ユーザーの考え方にも温度差があると思います。我われは「情報基盤の整備を前提とした良いシステムの構築がなされないと、安定した業務運用が果たせない」と考えたからこそ、これを選びました。

──クラスタ型で何か変わりましたか。

岩﨑 稼働したばかりですし、現状では効果を説明しようがないですね。一度障害が発生すればクラスタの利点を実感できると思いますが、まさか障害が起きることを願うわけにもいきませんし(笑)。

 ただ、C/Sシステムに切り替えた成果は現れています。例えば税法改正などへの対応が楽になりました。いままでは国や県から通達が届くとプログラム修正に頭を抱えていたものですが、そんなこともほとんどなくなりました。また、運用コストも以前と比べ約3分の2に削減できました。

これからの電算室のあり方

──今後の見通しはいかがでしょうか。

中村 総合行政情報システムを最終目標にシステム整備を進めていく計画ですが、いまは情報通信技術も社会環境もものすごいスピードで変化している時期ですから、長いスパンで計画を立てても陳腐化してしまいます。そこで平成13年までの短期的な推進計画を策定し、これに沿って整備を行いたいと考えています。

 最近感じているのは、電算室の役割が「現場の業務支援」から「全庁的な情報化推進の旗振り役」へと変わってきたのではないかということです。言葉でいうのは簡単ですが、これはなかなか難しい。全庁的な情報化の推進には、なお一層の努力が必要でしょう。

岩﨑 その点では職員の意識もまた変化してきたのではないでしょうか。情報リテラシーの向上により、自発的に業務を見直し効率化のためにシステムをどう運用すべきか、職員自身の問題として捉えるようになってきましたね。

──なるほど。介護保険制度のスタートや地方分権の時代に向けて、電算室への期待はますます高まります。

中村 そうですね。いずれの市町村でも効率的かつ高品質な住民サービスの提供のため、情報化と併行して業務改善や効率化が喫緊課題となっています。その狙いもあって今回、「情報システムの安定稼働と運用は外部委託し、それ以外は電算室が担当する」と業務を切り分けたわけですが、アウトソーシングはあらゆる面で今後も増えていくでしょう。その場合、 下請け 感覚ではなく 業務分担 であることを理解することが成否のポイントといえますね。(押田格)

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