1999年10月号Vol.13

【巻頭言】まちづくりの手法を条例に

北海道ニセコ町役場町民総合窓口課 広報広聴係長 山本契太

 ニセコ町はこれまで、「住民と行政の情報共有」を基本として、住民主体のまちづくりを進めてきました。町の情報を住民に正しく説明し、意見を聞き、納得と協力を求める手法で、これまで「道の駅」の建設や、町営温泉の建設計画、河川の利用構想に取り組んできました。

 現在はこの手法で、ごみの最終処分場設置に向けた話し合いを行っています。

 価値観が多様化する現在、行政の現場では住民が反対してもやらなければならないこと、逆に住民が望んでも実施できないことが出てきます。そのときは叱られようが嫌われようが、町は「ノー」と言わなければなりません。それをニセコ町では「忌避政策」と呼んでいますが、そういう政策は住民との連携が深まれば深まるほど、対処のしかたが難しくなります。

 そこで現在、忌避政策への対応も含めて、まちづくりの手法を条例として制度化できないかと考え、『まちづくり基本条例(仮称)』の策定作業を始めました。

 まちづくり基本条例とは、町の政策を決めるときに①どんなことを検討しなければならないのか、②どのレベルの事業だと住民参加が必要なのか、③政策決定の透明性をどう確保するのか、④そうして実行した政策の評価をどのように行うのか、といったことなどをルール化しようというものです。

 この条例ができることによって、例えば行政の舵取り役が代わっても、ニセコ町の行政は透明で、常に住民参加のもとにまちづくりが行われることになると考えています。

 自己責任が求められる地方分権時代に入り、自治体は「自ら考え行動する」ことが求められます。そのような時代に、独自の精神、理念、システムを自らの頭で考えられなければ、自治の荒波を乗り越え、真の住民自治を実現することはできないのではないでしょうか。

 現在、ニセコ町では条例の実現に向けて、その内容の検討を行っていますが、条例の内容もさることながらもう一方で忘れてならないのは、この条例の作成過程にいかに住民がかかわるかということです。住民のコンセンサスを得られないままに条例ができあがったとしても、それはおそらく「絵に描いた餅」になってしまうと思います。

 そのことを踏まえて、町では来年十二月の議会に条例案を提出する予定で準備を進めています。

ニセコ町ホームページアドレス:http://www.town.niseko.lg.jp/

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